「カエルが鳴くと雨がふる」ってむかしからことわざとして言われてきています。
このことわざが本当なのか?解説していきます。
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カエルが鳴くと雨が降るは本当?
天気のことわざに「カエルが鳴くと雨がふる」というのがあります。
このことわざの出てくるカエルとは、アマガエルのことです。
アマガエルを「雨蛙」と書いたりするので、雨を知らせるカエルってことで農家のひとには親しまれてきたのでしょう。
だから、「カエルが鳴くから雨が降る」ということわざも生まれたんだと思います。
さて実際カエルが鳴くと雨が降るのかといえば、必ずしもそうだっていうわけでもないようです。
アマガエルと雨の関係について愛知教育大学がアマガエルのよく鳴いた日と鳴かなかった日の雨の割合を調査してくれています。
それによると、アマガエルよく鳴いた日の翌日に雨が降った割合は36%、アマガエルが鳴かなかった翌日に雨が降った割合は11%だったようです。
よく鳴いても雨が降ったのは36%なので、空振りも結構ありますね。
アマガエルが鳴く理由
アマガエルが鳴く理由は何でしょうか?
実はアマガエルには鳴く理由がいくつかあります。
アマガエルは繁殖期である主に春の夜に、オスがメスに存在を知らせるために鳴きます。
繁殖のために鳴くのを「メイティングコール」とか「広告音 」といいます。
広告音なんていわれたりします。
求愛のラブコールですね。
集団で大合唱になったりもします。
普通のカエルは、繁殖期の夜に鳴くことが多いです。
アマガエルの場合、繁殖期でなくても雨が近づくと鳴くといわれてます。
それが「レインコール」とか「雨鳴き」といわれています。
アマガエルは主に肺で呼吸しますが皮膚でも呼吸します。
全呼吸量の30~50%が皮膚呼吸です。
皮膚で呼吸をするには、皮膚を常に湿らせておく必要があります。
アマガエルの皮膚は水を透過させやすいので、湿り気に対しては敏感です。
このため湿度が上がると活発になってよく鳴くようになると言われています。
低気圧が近づけば湿度が高くなるのでアマガエルは敏感に反応してよく鳴くようになるようです。
このレインコールによって昼間でも鳴くため、昼間のうちにアマガエルがよく鳴いていれば湿度が高まって雨の可能性がありそうです。
もし昼間にアマガエルが鳴いていたら、雨かも?と注意してみてください。
アマガエルの鳴き声を調べてみると、ラブコールや雨鳴きのほかにも威嚇音、解除音、脱皮音などといいた鳴き方もあるようです。
レインコールはアマガエルが鳴く理由のひとつなので、昔の人は聞き分けて雨を察知していたのかもしれませんね。
メイティングコール(広告音)とレインコール(雨鳴き)
メイティングコールは、ラブコールは大きな声を出すために、お腹と鳴嚢(めいのう、鳴き袋のこと)を最大に膨らませて長く鳴き続けます。
レインコールのほうは、お腹も鳴嚢もラブコールほど大きくは膨らみません。
音は高くなり、歯切れよくと短く鳴きます。
昼に鳴いているアマガエルの動画がありましたので参考に載せさせてもらいました。
まとめ
今回の内容についてまとめました。
以上が、カエルがなくと雨が降るって天気のことわざは本当?でした。
読んでいただきありがとうございました。