こんにちは!のぶやんです。
冬になると日本海側で毎年大雪になりますね。
なぜ日本海側は雪が多くなるのでしょう?解説していきます。
僕の簡単なプロフィールです。
- 気象予報士(福岡)
- 家族だんらんが好き
大雪になるには低温であることと水蒸気が沢山必要
毎年日本海側は大雪になります。
なぜこんなに多くの雪が降るのでしょう?
雪が降るためには低温であることと、雪を降らせる雲を作る水蒸気が沢山あることが必要になります。
この低温と水蒸気が沢山あることの条件が合わさることで日本海側の大雪がもたらされます。
これらの要因はどこからやってくるのか見ていきましょう。
日本海側に低温をもたらす寒波はどこからやってくる?
まず低温をもたらす寒波がどこからやってくるのか?というところからお話していきます。
冬場、ロシアの高緯度の地域では日差しがあまりありません。
太陽の光が射さないため気温が上がらず、さらに放射冷却によってどんどん地表面から寒気が溜まるのです。
イメージだとこんな感じです。
このたまった寒気が日本に流れ込んでくるんです。
なのでテレビとかで「日本付近には、上空5500mで気温-45°Cの強い寒気があって...」と解説されることがあるけれど、実際寒気は地表面付近にできた寒気なんですね~。
気象庁の資料によると、高緯度の地域で溜った寒気、東アジアと北アメリカへ流れていくようです。
寒波の流れが大きく2つあるんですね。
地表面から溜った寒波が流れていくので、標高の高い山々を超えられないので標高の低いところ相対的に谷になっている所を進んで日本海まで流れてくるんです。
日本に寒波が流れ込んでくるイメージはこんな感じです。
高緯度で寒気がある程度たまると、どばあーっと日本まで流れ込んでくるイメージです。
これが冬の間に何度か繰り返されるのが寒波ってことですね。
日本海側で大雪になる理由
先ほど説明したとおり地球規模で生成された寒波は大陸から日本に流れ込んでくるのですが、寒波自体は冷たいけど乾燥しています。
この冷たく乾燥した寒気が日本海に流れ込むことで水蒸気が大量に補給されるのです。
さらに日本海は黒潮から分流した対馬暖流が流れています。
この対馬暖流は冬場は10~14℃程度ですが、シベリアからの寒気がめっちゃ冷たいので、対馬暖流の上をシベリアからの寒気が流れ込めばイメージ的には露天風呂の湯舟みたいにもうもうと蒸気が立ち上がることになります。
こんな感じでしょうか。
さらに風に乗って水分を多く含んだ空気は日本海側へと到達します。
雪雲が発達し、寒気の程度によっては積乱雲となって日本海側で大雪をもたらすのです。
ただし、日本列島では脊梁山脈があるため雪雲は山を越えられずに太平洋側はいい天気が続くことになります。
以上を図にまとめるとこんな感じになります。
ちなみに、ここまでみてきてこんなに大雪になる条件がそろってるのってすごくない?って思ったあなた。
正解です!日本は世界でも有数の雪国でして、実際国土の半分くらいの地域が豪雪地帯に指定されています。
寒気が流れ込んだ時の事例をみてみよう
実際に寒気が流れ込んできて日本海側に雪をもたらした事例をみてみましょう。
2023年1月28日の天気図をもってきました。
典型的な西高東低の冬型の気圧配置です。
衛星画像でみると日本海側には雲がびっしり流れ込んでいます。
寒気が流れ込んでいることによって雲が発達しているものと考えられます。
雨雲レーダーをみても雪雲が日本海側で雪をもたらしているのを確認できます。
対馬暖流(海水温)も見て見ましょう。
大陸の方は海水温が低いですが、日本列島付近は対馬暖流が流れているため気温が高いですね。
これが雪雲を発達させてるってことですね。
天気分布をみてみると、日本海側では雪の天気となっていますが、脊梁山脈があるため雪雲は超えられず太平洋側は天気がよさそうですね。
まとめ
今回の内容についてまとめました。
以上が、「冬日本海側で雪が多いのはなぜ?理由は?解説します」でした。
読んでいただきありがとうございました。