飛行機雲が消えないと雨と言われるのはなぜ?理由は?解説します

気象

こんにちは!のぶやんです。

天気のことわざで「飛行機雲が消えないと雨、消えると晴れ」っていうのがあります。

なぜそんな風にいわれるのか?解説していきます。

のぶやん
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飛行機雲ってどうやってできるの?

そもそも飛行機雲ってどうやってできるのでしょう?

飛行機が飛んでいるとその後面にできる雲が飛行機雲です。

飛行機雲を英語でいうと、contrail(コントレイル)やcondensation trail(コンデンセーショントレイル)といいます。

コントレイルって競馬の三冠馬ですね~。

飛行機は大体上空10キロ付近を走行します。

飛行機雲は、雲の分類でいうと上層雲にあたり、雲の種類でいえば、巻雲っぽい雲を作ります。

飛行機雲が長生きすると、巻層雲とか巻積雲っぽくなることもあります。

飛行機はエンジンからの排気ガスによって生じます。

飛行機のエンジンの排気ガスは300℃~600℃くらいと言われていて、この熱い排気ガスと上空10キロ付近の周りの冷たい空気(上空10キロくらいだと-40~-50℃くらい)が混ざります。

それから、排気ガスから粒子が排出され飛行機雲を作る種になるため、排気ガスと周りの冷たい空気が混ざるときに雲を作りやすくしてくれます。

この飛行機のエンジンからの高温の排気ガスと、上空10キロ付近の冷たい空気が混ざり合うことによって飛行機雲ができるのです。

飛行機雲が消えないと雨、消えると晴れって言われる理由

飛行機雲がどうやってできるのか解説してきましたが、なぜ飛行機雲が消えなかったら雨と言われるのでしょうか?

飛行機雲が消えない時と言うのは、上空に湿った空気が流れ込んでいる時になります。

これは低気圧が西から近づいてくることによって上空に湿った空気が先に流れ込んでくることによって、飛行機雲が消えにくくなります。

天気が崩れる前触れとなることから「飛行機雲が消えないと雨」と言われています。

低気圧本体が近づくには時間があることもあって翌日雨になったりします。

反対に上空の空気が乾燥していると飛行機雲が消えてしまいます。

乾燥した空気が流れ込んでいる時は高気圧に覆われていることも多いため「飛行機が消えると晴れ」といわれるのです。

実際に「飛行機雲が消えないと雨」になった事例をみてみよう

実際に飛行機雲がなかなか消えないで雨になった事例をみてみましょう。

2020年7月20日秋田県で飛行機雲が消えないでいるときを撮影してつぶやいてくれている方がいましたのでもってきました。

飛行機雲が消えないでしっかり残っていますね~。

この日と翌日の天気図をもってきました。

これをみると飛行機雲が残っているのを見た日は朝鮮半島付近に中心がある低気圧が西から近づいてきていて、翌日にはさらに近づいてきて天気が下り坂になりました。

秋田のアメダスの観測データももってきました。

飛行機雲が出てた日は日中天気が良くて晴れていましたが次第に曇り空になっています。

そして翌日は低気圧の影響により雨が観測されています。

ということでことわざのとおり飛行機雲が消えないで残った翌日は雨になっていました。

ちなみに、つぶやきの中で飛行機雲のほかに日の暈(ハロ)も写真に写っていましたがこれが出ている時も天気が下り坂のサインと言われています。

飛行機雲が消えると晴れとなった事例

今度は飛行機雲が消えると晴れとなっていてた事例をもってきました。

2023年1月28日の宮崎県で飛行機雲をみかけました。

見かけたと思ったら全然後には残らずに1分後には雲が消えていっていました。

写真だとこんな感じです。

日中天気は快晴で乾燥していたため雲がほとんどありませんでした。

飛行機雲ができていた上空も乾燥していたんでしょうね。

ちなみに天気図だとこんな感じです。

西高東低の冬型の気圧配置ですが、縦じまが緩んでいて宮崎県までは太平洋側なので寒気の雲は流れ込んできていませんでした。

夜~翌朝にかけても良い天気でしたので放射冷却がしっかり効いて寒かったです。

ということで「飛行機雲が消えると晴れ」となった事例を紹介しました。

まとめ

今回の内容についてまとめました。

まとめ
  • 飛行機雲は飛行機のエンジンからの高温の排気ガスと、冷たい空気が混ざり合うことによってできる
  • 飛行機雲が残ると雨といわれるのは上空に湿った空気が流れこんでおり、西から低気圧が近づいて天気が下り坂となることがあるため
  • 飛行機雲が消えると晴れと言われるのは上空の空気が乾燥しており、高気圧に覆われていることが多いため

以上が、「飛行機雲が消えないと雨と言われるのはなぜ?理由は?解説します」でした。

読んでいただきありがとうございました。

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