天気予報がコロコロ変わる理由|当日に変わるのはなぜ?3つの原因と「次の更新はいつ?」がわかるツール、的中率72%→87%の歴史【気象予報士が解説】

気象

こんにちは!のぶやんです。

「昨日は晴れ予報だったのに、今朝見たら雨に変わっていた」——天気予報がコロコロ変わるのには、ちゃんとした理由があります。この記事では、予報が変わる仕組みを気象予報士がやさしく解説し、気象庁の予報が「次にいつ更新されるか」を自動計算するツール、予報の変わり方から信頼度を読む方法、的中率の推移、旅行や行事での予報との付き合い方までまとめました。

のぶやん
のぶやん

僕の簡単なプロフィールです。

  • 気象予報士
  • 家族だんらんが好き
  • 天気予報がコロコロ変わるのは、最新の観測データで計算し直した結果、前より「良い予報」に置き換わっているから。外れたまま放置されるより、ずっとまし。
  • 変わる根本の理由は3つ。①観測の空白(海の上や上空はデータが少ない)②カオス(小さな誤差が時間とともに大きくなる)③計算モデルの限界(雲ひとつひとつまでは再現できない)
  • 気象庁の府県天気予報は1日3回(5時・11時・17時)、週間予報は1日2回(11時・17時)更新され、急変時は随時修正。アプリはさらに細かく更新するので「見るたびに違う」ことが起こります。
  • 「明日の降水の有無」の的中率は約87%(1950年ごろは72%)。当日になってから変わる予報は、より新しく、より当たりやすい予報だと考えて使うのが正解です。

この記事では、天気予報が変わる仕組みを気象予報士がやさしく解説し、「いつ更新されるのか」を自動計算するツール、予報が変わったときの読み方、的中率の推移、旅行や行事で予報とどう付き合うかまでまとめました。

天気予報がコロコロ変わる理由|当日に変わるのはなぜ?

前の日は「晴れ」だったのに、当日の朝見たら「雨」になっていた——そんな経験は誰にでもあると思います。なぜこんなことが起きるのでしょうか。答えはシンプルで、実際の天気が予想とずれてきたので、最新のデータで予報を計算し直し、修正しているからです。

天気予報は、スーパーコンピュータが行う「数値予報」がベースです。いまの大気の状態(気温・気圧・湿度・風)を観測データから再現し、物理の法則にしたがって「数秒後にはこうなる」を何百万回も積み重ねて、数日先の大気を計算します。ボールを投げたときに「この速さと角度なら何秒後にここへ落ちる」と予測するのと理屈は同じです。

理由① 観測の「空白」がある

計算のスタート地点である「いまの大気」を、100%正確に知ることはできません。アメダスや気象衛星ひまわり、気象レーダー、ラジオゾンデ(気球)などで観測していますが、海の上や上空は観測点がまばらです。日本の天気は西から、そして海の上からやってくるので、この空白がそのまま予報の誤差になります。

理由② カオス|小さな誤差が時間とともに大きくなる

大気には「カオス」という性質があります。スタート時点のわずかなずれが、計算を進めるうちにどんどん大きくなり、先の予報ほど当たりにくくなる、というものです。「ブラジルの蝶の羽ばたきがテキサスで竜巻を起こす」というバタフライ効果の話は、もともと気象学者ローレンツが天気予報の計算で見つけたものです。

理由③ コンピュータの中の世界は現実を完全には再現できない

数値予報は大気を数kmごとの格子(マス目)に区切って計算します。気象庁の最も細かいモデルでも格子は2km、世界の天気を計算するモデルは9〜13kmです。夏の夕立の積乱雲ひとつ、冬の日本海側の雪雲の一本一本はこの格子より小さいため、細かい現象ほど予報がぶれやすくなります。

この3つの理由から、翌日や当日の予報でも外れることはあります。そして予想と違う天気になってきたとき、予報官は放っておかずに「修正した予報」を出し直します。その修正が、私たちには「コロコロ変わる」ように見えるわけです。

天気予報はいつ更新される?|気象庁の発表時刻とアプリの更新

「見るたびに違う」もうひとつの理由は、単純に更新回数が多いことです。気象庁の府県天気予報は毎日5時・11時・17時に発表され、天気が急変したときはその間にも随時修正されます。週間天気予報は11時と17時、雨雲の動きは5分ごと、台風情報は3時間ごと(接近時は1時間ごと)です。スマホの天気アプリは、これらに民間気象会社の独自予報を組み合わせて1時間ごとなどに更新しています。

下のツールは、いまの時刻から「次の発表まであと何分か」を自動計算します。出かける前にもう一度予報を確認するタイミングの目安にしてください。

天気予報の「次の更新」チェッカー(気象庁・日本時間で自動計算)

いまの時刻:–:– ※このページを開いた時点の時刻で計算しています
予報・情報発表時刻(定時)次の発表あと
※気象庁の定時発表の目安です。天気が急変したときは定時以外にも「随時」修正されます。台風接近時の台風情報は1時間ごと、雨雲の動き(高解像度降水ナウキャスト)は5分ごと、降水短時間予報は10分ごとに更新されます。民間気象会社のアプリは独自に1時間ごとなどで更新しています。

Windyなどで見られる海外の数値予報モデル(ECMWF・GFS・ICON)の更新時刻はWindyの更新時間はいつ?で、同じように自動計算できます。

予報が変わったときの読み方|「変わり方」で信頼度がわかる

予報が変わること自体は避けられません。大事なのは、変わり方から「その予報がどのくらい確かか」を読み取ることです。

予報の変わり方意味おすすめの使い方
何日見ても「晴れ」のまま大気の状態が安定していて、複数の計算結果が一致している予定を組んでOK。前日にもう一度確認
晴れ→曇り→晴れと日替わりで変わる前線や低気圧の位置が定まらず、計算のたびに結果がぶれている雨の準備をしたうえで、当日朝の予報で最終判断
「晴れ時々曇り」→「曇り一時雨」と少しずつ悪化悪い方向へ収れんしている(予報官も雨を意識し始めている)雨天の代替案を用意
当日の朝に急に変わった実況が予想とずれ、最新データで修正された「一番新しい予報」古い予報より信頼できる。素直に従う
週間予報の信頼度が「C」5日以上先で、雨の有無が変わる可能性が高い日付を決めるだけにして、詳細は3日前から
天気予報の「変わり方」と信頼度の読み方(気象予報士の目安)

週間天気予報には信頼度A・B・Cがついています。Aは「確度が高く、予報が変わる可能性が低い」、Cは「確度がやや低く、予報が変わる可能性が高い」という意味です。Cの日は最初から「変わるもの」と思って計画を立てると、コロコロ変わってもストレスがありません。降水確率の読み方は降水確率50%は雨が降る?傘がいる?で解説しています。

もうひとつのコツは複数の予報を見比べることです。気象庁・ウェザーニュース・tenki.jpなどで予報が割れているときは不確実性が高いサイン、そろっているときは信頼できるサインです。WindyでECMWF・GFS・ICONの3つの数値予報モデルを見比べる方法も同じ考え方です(ECMWF・GFS・ICONの違い)。

天気予報がコロコロ変わるのは悪いこと?|的中率は72%→87%に

「当たらないから変わる」なら、天気予報は信頼できないのでしょうか。数字で見てみましょう。気象庁の予報精度検証では、東京地方の「明日の降水の有無」の的中率は約87%です。

東京地方の予報精度(夕方発表の明日予報)

昔はどうだったのかというと、元気象庁長官・立平良三氏の論文によれば、1950年ごろの的中率は72%程度でした。1959年に数値予報が導入される前は、「天気は西から変わる」という経験則と天気図、予報官の勘で予報していたため、今よりずっと外れていたのです。当時は「食あたりしそうなときに測候所と3回唱えると当たらない」というジョークがあったほどでした。

数値予報の導入、スーパーコンピュータの進化、気象衛星やレーダーの充実で、的中率は着実に上がってきました。さらにインターネットの普及で、修正した予報が数分後には全員に届くようになりました。つまり「コロコロ変わる」のは、予報の現場がその時点で最善の情報を出し続けている証拠なのです。

逆に、予報が一切変わらない世界を想像してみてください。前日の予報が外れているとわかっていても「晴れ」のまま放置される——それこそ困ります。予報が変わったら「新しい情報が入ったんだな」と受け止めて、最新の予報を使うのがいちばん賢い付き合い方です。

旅行・行事・仕事で天気予報とうまく付き合う方法

いつ見るもの判断のしかた
2週間以上前その日の過去の天気出現率・平年の天気「そもそも雨が多い時期か」を知る。予報はまだ当てにしない
1週間前週間天気予報(信頼度A〜C)信頼度Aなら計画確定、B・Cなら代替案を用意
3日前府県天気予報・降水確率・Windyのモデル比較複数の予報がそろっているかを確認
前日17時の予報明日の天気・時間ごとの予報持ち物・服装を決める
当日朝5時の予報最新の予報・雨雲の動きここが「最終回答」。前日と違っても当日を信じる
天気予報との付き合い方(気象予報士のおすすめ)

2週間より先の予定は、予報ではなく「その日の平年の天気」で考えるのが現実的です。当ブログの過去の天気検索なら全国936地点の過去の同じ日の天気を、晴れが多い街・雨が多い街ランキングでは地点ごとの晴れ・雨の出現率を確認できます。テーマパークや観光地の月別の天気はおでかけ・服装の天気 総合案内にまとめています。

天気予報が変わることに関するよくある質問

天気予報が当日になって変わるのはなぜ?

当日の朝には、前日にはなかった最新の観測データ(夜間の気温・湿度、雨雲の動き、上空の風)が入ってきます。それをもとに計算し直した結果、前日の予報とずれていれば修正されます。当日の予報は前日の予報より新しく、当たりやすいので、当日の予報を優先してください。

天気予報は1日に何回変わる?

気象庁の府県天気予報は毎日5時・11時・17時の3回発表され、天気が急変したときは随時修正されます。週間天気予報は11時と17時の2回です。スマホのアプリは民間気象会社の予報を1時間ごとなどに更新しているため、見るたびに数字が変わることがあります。

天気予報の的中率はどのくらい?

気象庁の検証では、明日の「降水の有無」の的中率は東京地方で約87%です。1950年ごろは72%程度だったので、数値予報とスーパーコンピュータの進歩で確実に上がっています。ただし3日先・1週間先と先になるほど的中率は下がり、7日先では70%程度になります。

どの天気予報がいちばん当たる?

日本国内の「明日の天気」は、日本の地形と観測データに最適化した気象庁や国内の民間気象会社の予報が有利です。5日〜10日先の傾向や台風の進路は、世界一の精度といわれるヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)のモデルをWindyで見るのがおすすめです。いちばん確実なのは複数の予報を見比べて「そろっているか」を確認することです。

週間予報の信頼度A・B・Cとは?

降水の有無の予報が「どのくらい変わりにくいか」を3段階で示したものです。A:確度が高く予報が変わる可能性が低い、B:確度がやや高い、C:確度がやや低く予報が変わる可能性が高い。Cの日は最初から「変わるもの」として計画を立てるのがコツです。

1か月先・45日先の天気予報は当たる?

1か月先の「天気」を日付単位で当てることは、現在の科学では原理的にできません。民間サイトの45日先・90日先の予報は、過去の統計値(平年の天気)をもとにした参考値です。気象庁が出しているのは1か月先の「気温が高い・低い確率」までです。詳しくはディズニーの1か月先・45日先・90日先の天気予報は当たる?で解説しています。

あわせて読みたい関連記事・ツール

まとめ

まとめ
  • 天気予報がコロコロ変わるのは、最新の観測データで計算し直した「より良い予報」に置き換わっているから
  • 根本の理由は「観測の空白」「カオス」「モデルの限界」の3つ。細かい現象・先の予報ほどぶれやすい
  • 気象庁の府県予報は5時・11時・17時、週間予報は11時・17時に更新。急変時は随時修正
  • 的中率は1950年ごろの72%から約87%へ。変わるのは予報の現場が最善を出し続けている証拠
  • 変わり方で信頼度を読む:日替わりで変わる=不確実、当日朝の予報=最終回答。複数の予報を見比べるのがコツ

以上が、「天気予報がコロコロ変わる理由」でした。読んでいただきありがとうございました。

※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれます。紹介している商品・サービスは、記事の内容に関係するものを選んでいます。

タイトルとURLをコピーしました