こんにちは!のぶやんです。
台風の雨や風は台風の右側が強くて左側が弱いって言われたりしますが本当なのか?
解説していきます。

僕の簡単なプロフィールです。
- 気象予報士
- 家族だんらんが好き
台風の風は右側が強くて左側が弱いって本当?違いは?
台風の風は右側が強くて左側が弱いって言われていますが本当でしょうか?
過去の3つの台風の風の強さについて調査されている資料をもってきました。

これでみていくと台風の右側のほうが左側よりも風が強いうことわかります。
ああと、台風の眼付近の風が特に小さいこともわかりますね。
なぜ、右側の方が強くなるのでしょうか?
右側が強くなるのは、台風は低気圧のため反時計回りに強い風が吹き込んでいるため、進行方向に向かって右の半円では台風自身の風と台風を移動させる周りの風が同じ方向に吹くため風が強くなります。
逆に左の半円では台風自身の風が逆になるので、右の半円に比べると風速が相対的に小さくなるのです。
図にするとこんな感じ。

全体的には、右側の方が強くなりますが左側でも地形の影響や雨の降り方等によっては局所的には風が強くなることもあります。
例えば、都会であればビル風と呼ばれる強風・乱気流が発生したり、橋の上やトンネル出口では強風にあおられる、入り江や海峡、岬、谷筋、山の尾根では風が強く吹きます。
以上から、一般的には台風の右側の方が強くなりますが左側でも地形等の影響によって変わる可能性があるので、しっかり台風が通過しきって台風の影響がなくなるまでは注意が必要になります。
台風の雨が右側が強くて左側が弱いって本当?違いは?
台風の雨についても、台風から右側が強くて左側が弱いって言われていますがこれは本当でしょうか?
台風の降水分布の資料をもってきました。

これでみていくと、台風中心付近の雨(内側降水帯)と少し離れた場所の雨(外側降水帯)に分けることができます。
京都大学防災研究所には雨の強まりについてはこんな風に記載があります。
台風は強い風を伴っていますが、特に進行方向の右側は進行速度の分だけ風が強められる危険半円と呼ばれています。台風の右側は暖かく湿った南風なので対流が発達しやすくなります。しかし、台風に伴う雨や風の分布は、降水帯の分布や地形の影響でも変わりますので、台風が東に外れて台風の左側だからといって安全であるということではなく、吹き返しの暴風による災害の事例も多くあります。
京都大学防災研究所HPより
一般的には、台風は反時計回りの低気圧なので、右側は暖かく湿った南風なので対流が発達しやすいってされていますが、台風の左側でも雨の分布や地形の影響で変わってくるので必ずしも安全ではないとされています。
ちなみに、2023年の台風7号は台風右側で雨が強まって鳥取県で特別警報が発表されました。
関連して京都大学防災研究所の伊藤さんのつぶやきをもってきました。
本州付近の台風による大雨は海から風が入ってくる側で顕著なのであって、台風右側だけで雨が必ず強まるわけじゃないよねっていわれています。
なので絶対左側が安全ってわけではないので、実際に台風が近づいた際にはその時その時の最新の気象庁などの気象情報を取得してどうなるのかを把握するようにしてください。
ちなみに、なぜ台風が反時計回りなのか?については別の記事にまとめています。
まとめ
今回の内容についてまとめました。
- 台風の風は一般的には台風右側で強まるけれど局所的には地形の影響で強まったりするので台風の影響がなくなるまでは左側でも強くなることはある
- 台風の雨は一般的には台風は反時計回りの低気圧なので、右側は暖かく湿った南風なので対流が発達しやすいってされているけど、台風の左側でも雨の分布や地形の影響で変わってくるので必ずしも安全ではない
- 実際に台風が近づいた際にはその時その時の最新の気象庁などの気象情報を取得して今後どうなるのかを把握するのが大事
以上が、「台風の雨風は右側が強くて左側が弱いって本当?違いは?」でした。
読んでいただきありがとうございました。