こんにちは!のぶやんです。
奄美大島の天気予報って当たらないことが多かったり天気が変わりやすいですよね。
それはなぜなのか?
解説していきます。
僕の簡単なプロフィールです。
- 気象予報士(奄美大島にも2年住んでたこともある)
- 家族だんらんが好き
奄美大島の気象特性
奄美大島の天気予報って当たらないイメージですが実際のところはどうなのか?
その前に奄美大島の気象特性を確認してみましょう。
奄美大島の年間の気温・降水量・日照時間をもってきました。
一方で、鹿児島県(鹿児島市)の年間の気温・降水量・日照時間をもってきました。
これでみてみると、奄美大島は梅雨明けした7月頃がめっちゃ晴れが多くなっていますが他の月は鹿児島市の日照時間よりも少なくなっています。
年間通しても鹿児島市の年間の日照時間が1942時間なのに対して、奄美大島は1332時間となっています。
逆に雨は鹿児島市が2434.7ミリなのに対して、奄美大島は2935.7ミリとなっています。
つまり奄美大島は、年間通してみると晴れの日が少なく、雨が多いということがいえます。
実際に、僕も奄美大島に過去に2年間ほどすんでて思ったのはにわか雨が多いイメージで、通勤時に雨に降られても傘をささないで学生も結構いて地元の方は慣れているんだな~と思っていました。
また、奄美の友人は奄美大島はどんよりしている日が多いから気分が落ち込むっていう意見もありました。
ちなみに鹿児島市は都道府県で比較した場合全国3位の雨量ですので鹿児島市も結構降る地域ではあるのですが、奄美大島はさらにその上をいきます。
日差しが少なく、雨が多いっていう地域特性が天気予報が当たりにくくさせていますので次で解説していきましょう。
奄美大島の天気予報が当たらないのはなぜなのか?
奄美大島の天気予報が当たらないのはなぜなのでしょうか?
奄美大島の天気予報が当たらない理由としては、その地域特性にあって島国で海に囲まれていることと、大きな地形の影響を受けにくいこと、亜熱帯海洋性気候であること、黒潮が流れていることが挙げられます。
周りが海に囲まれていることで雨雲がどこからでも発生しやすくなっていて、さらに、日本の中で沖縄と同じく亜熱帯海洋性気候のため暖かく湿った空気が流れ込みやすいです。
例えば、梅雨時期であれば南からの湿った空気の影響により雨が降りやすいですし、冬であれば季節風の影響で北寄りの風が吹き海上から水蒸気が水蒸気の補給を受けながら暖められるため、曇りや雨の日が多くなります。
また、奄美大島は島のため本州のような大きな山脈がありませんので地形の影響が少ないです。
地形の影響を受けるというのは例えば、九州だと九州山地があるので梅雨時期は南西風が吹いて九州山地の西側の長崎県・熊本県で大雨になりやすいです。
一方、九州に台風が近づいてくる際に南東風が吹く場合には九州山地の東側の宮崎県・大分県で大雨になりやすい特徴があります。
九州山地の影響ってその土地の天気に影響するほど大きいってことですね。
で奄美大島だと、地形の影響があまりないので、湿った空気が流れ込んでいても実際に雨雲レーダーでみるとこんな感じで、沖縄の周辺で散在していることが多くてどこに雨が降るのかわかりにくいってことが結構あります。
この時だと湿った東風の影響によって海上に雨雲ができていて、天気図だとこんな感じでした。
この雨雲がかかれば雨になるのですが、予測するのは結構難しいです。
また、南からやってくる温かい海流の黒潮が沖縄付近を流れているのも大きな要因の一つです。
黒潮はこんな感じで沖縄付近をを通っています。
高い海面温度で大気の対流が活発になり降水量が多くなる理由であることがわかっています。
下の図にあるように6月の平均降水量と6月の平均海面水温を比較すると黒潮の流れるところに雨が多いことがわかります。
暖かいほど含めることのできる水蒸気の量って多くなるため黒潮が流れていれば雨は降りやすくなります。
黒潮の存在が奄美大島に雨が降りやすくしていて、天気予報が外れやすい要因のひとつになっているってことですね。
つまり、奄美大島は、暖かい海流黒潮が流れており温暖湿潤な気候な中、周りが海に囲まれていて、本州のように地形の影響が受けにくいので、この辺に雨が降るっていう降水の発生場所をするっていうのを特定しにくいのが当たらない原因になっています。
そもそも天気予報は仕組みとして100%当てるのは難しい
これは奄美大島に限らずですが、天気予報の仕組みとして完全に100%当てるというのは難しいというのもあります。
天気予報って、スーパーコンピュータが計算する数値予報によって行われます。
今の実況の天気がこんな風だから、数秒後にはこうなってこうなっての計算を繰り返して積み重ねて、未来の天気を作成されます。
例えば、ボールを投げるとその軌道でこのあと何秒後にはここに落下するのを予測すると理屈としては同じです。
コンピュータの進化や観測精度の向上によって、予測資料もどんどん精度が良くなってきました。
でも、天気予報が外れてしまうのは、現実世界と数値予報によって再現した世界に誤差が生じているからです。
まず、計算する時点で現実世界の気象状況を100%再現するのがが難しいことがいえます。
なんでかというと、今の天気の状況をアメダスや気象衛星ひまわり等によって観測しているといってもすべて実況を網羅しきれないですし、海なんかは観測地点がほとんどありません。
さらに、数値予報にはカオスといって少しのずれ(誤差)が時間とともに大きくなります。
このため、先になればなるほど予報の誤差が大きくなって精度も低くなります。
予報というのは100%適中は現時点の科学技術では難しくて、外れることはあるってことになります。
でも、過去の予報精度からするとスーパーコンピュータの精度や観測機器が整備拡充されて予報精度がどんどんよくなってきています。
こちらは東京の過去30数年間の予報的中率の変遷をもってきましたが段々と精度があがってきていますので、今後も技術の進歩によって予報技術が向上することを期待したいですね。
まとめ
今回の内容についてまとめました。
以上が、「奄美大島の天気予報は当たらない?天気が変わりやすい?」でした。
読んでいただきありがとうございました。