こんにちは!のぶやんです。
今回は、気象庁が発表する「記録的短時間大雨情報」について解説していきます。
記録的短時間大雨情報って何なのか?発表基準や、どういうときに発表されるのか?
また発表された時にはどのようなことに気を付ければよいか解説していきたいと思います。
僕の簡単なプロフィールです。
のぶやん
・気象予報士(福岡あたりの気象のこと中心)
・マラソン(サブ3.5)
・家族との時間が一番好き
記録的短時間大雨情報について
記録的短時間大雨情報とは?発表基準は?
記録的短時間大雨情報とは、土砂・浸水・洪水の発生につながるようなまれにしか観測しない雨量であることをお知らせする情報です。大雨警報を補足するような防災情報になります。
発表基準は、下のすべてを満たした時に市町村ごとに発生します。
- 数年に一度しか発生していないような雨が、実際にアメダスの雨量計や解析雨量(アメダス雨量計とレーダーで観測したものを組み合わせた雨量)で観測されたとき
- 大雨警報を発表している
- キキクル(危険度分布)でうす紫色になっている
ポイントは予想では発表されず、実況で観測した時点で発表されるということです。
記録的短時間大雨情報の基準は大体各県で設定されている
発表基準となる数年に一度しか発生していないような雨は、記録的短時間大雨情報の発表基準は、大体は各県で設定されています。1時間雨量できまっています。
基準算出のために1時間雨量歴代1位または2位の記録を参考にしています。
気象庁HPから各県の基準をもってきました。各県で80~120ミリと幅があります。
基準値の設定には、アメダスの1時間雨量の1位2位の記録を参考としているようなので、
福岡県内のアメダスの1時間雨量の歴代1位と2位をもってきてみました。
1時間降水量 | 歴代1位 | 歴代2位 |
福岡 | 97ミリ | 80ミリ |
博多 | 116ミリ | 64ミリ |
前原 | 147ミリ | 92ミリ |
早良脇山 | 71ミリ | 65ミリ |
小呂島 | 86ミリ | 68ミリ |
大宰府 | 104ミリ | 99ミリ |
宗像 | 68ミリ | 62ミリ |
八幡 | 73ミリ | 67ミリ |
東谷 | 66ミリ | 58ミリ |
空港北町 | 64ミリ | 61ミリ |
行橋 | 65ミリ | 60ミリ |
飯塚 | 101ミリ | 83ミリ |
添田 | 98ミリ | 90ミリ |
英彦山 | 87ミリ | 82ミリ |
朝倉 | 130ミリ | 75ミリ |
耳納山 | 80ミリ | 74ミリ |
黒木 | 92ミリ | 83ミリ |
久留米 | 93ミリ | 90ミリ |
柳川 | 91ミリ | 82ミリ |
大牟田 | 104ミリ | 99ミリ |
記録的短時間大雨情報 | 110ミリ |
福岡県の記録的短時間大雨情報発表の基準は110ミリですが、アメダスの観測値でみると110ミリを歴代記録で超えているのは博多、前原、朝倉の3地点のみでした。
意外と少ないですね。
福岡県では2017年~2020年で特別警報が発表されるような大雨が度々発生しているので、もっとアメダスで雨量が観測されてるのかなあと僕個人的には思ってましたが違うんですね。
アメダス地点だけでは捉えられていない大雨を解析雨量などで加味して110ミリとしているのかもしれないですね。
記録的短時間大雨情報が発表されたら災害が6割程度で発生している
記録的短時間大雨情報が発表された市町村で災害がどれくらいの確率で発生しているのかを
研究されている論文がありました。
以下、引用です。
記録的短時間大雨情報の対象となった市町村の61.6%で浸水害または土砂災害が、大雨警報(土砂災害)と記録的短時間大雨情報が発表された市町村の43.5%、土砂災害警戒情報と記録的短時間大雨情報が発表された市町村の49.8%で土砂災害が発生していた。
記録的短時間大雨情報の変遷及び災害発生率 向井・牛山
記録的短時間大雨情報が発表された際には、6割程度の高い確率で浸水害・土砂災害が発生していることになります。
記録的短時間大雨情報が発表されたら何をすればいい?
この情報が発表されたら何をすればよいのでしょう?
すでに発表された時には、数年に1度しか降らない猛烈な雨が降っているし、大雨警報もでていて、キキクルも「非常に危険」(うす紫色)となっています。
自治体の避難情報を確認して、すぐに避難行動をとりましょうといいたいですが、
避難場所への避難がかえって危険な場合には、近くに土砂災害の恐れがある場合はそこから離れた建物へ移動する浸水のおそれがある場合には浸水しにくい高い場所に移動するなど、身の安全の確保をしてください。
ただ、
一番良いのは
天気が良い時に、あらかじめ重ねるハザードマップで自分の周りにある災害のリスクや安全な場所について確認しておくことが一番有効です。
早めに備えあれば憂いなしです。
まとめ
今回の記録的短時間大雨情報について、まとめます。
- 災害につながるような数年に1度の雨が観測されたことをお知らせする防災情報
- 発表基準をみたしたら実況で市町村ごとに発表される
- 過去に情報が発表されたところの、6割程度で災害が発生している
- 発表されたら適切な避難行動を(事前に重ねるハザードマップで確認をお勧めします)
情報が発表されたら災害のリスクが高まっていることがわかったかと思います。
すでに大雨になっているため、避難がかえって危険となる前に
事前の準備をしっかりしておくことで、情報が発表された場合にも対処できるようにしましょう。
以上が、
「記録的短時間大雨情報って何?発表基準は?発表されたら何をすればいいの?」
でした。
読んでいただきありがとうございました。
コメント
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