こんにちは!のぶやんです。
桜って普通は春に咲きますが秋に咲いてしまうことがあります。
どうして秋に咲いてしまうのか?解説していきます。
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通常の桜の開花のメカニズム
まずは通常の桜の開花までのメカニズムについて説明していきましょう。
桜が春に咲く仕組みは、春に花が散ったあと、夏から秋の気温の高いうちに花芽(生長すると花となる芽)を作ります。
その後、桜は冬に眠りに入って成長が止まります。
桜が目覚めが起こるためには0~10℃くらいの低温が一定時間必要とされ、この寒さによっての目覚めを休眠打破といいます。
眠りから目覚めたあと開花までは一定の気温が上昇が必要で、気温が上がるにつれて一気に生長し、つぼみがふくらんで花が咲きます。
「400℃の法則」というのがあり、2月1日からの日々の平均気温を足して、400℃に達した頃に桜が開花するというものや「600℃の法則」というのもあって、2月1日からの日々の最高気温を足して600℃になる頃に桜が開花するというものがあったりします。
過去の松江地方気象台HPにあった桜の開花までの流れがわかりやすかったので載せてきます(今気象庁HPにないのが残念…)。
3月12日 | 3月15日 | 3月17日 |
3月19日 | 3月20日 | 3月21日 |
開花までのつぼみがピンク色に色づいていくと春が近いなあ~って感じますよね。
ってことでここまでが通常の桜の開花のプロセスになります。
春に咲く桜が秋に咲いてしまう理由
通常の桜の開花のメカニズムがわかったところで、通常春に咲く桜が、秋に咲いてしまうのはなぜなのか?解説していきましょう。
春に桜の花が散って、花芽が前年の夏~秋にここまでは通常の流れと同じです。
でも、秋に桜が咲くのは通常は休眠にはいるところ桜が眠りにつかなかったためなのです。
通常は冬眠には桜の花が散った後に茂ってくる葉が作る「アブシジン酸」という成分が必要なのですが、台風や虫の影響で葉が落ちてしまうと、アブシジン酸が作られないため冬眠されなくなってしまいます。
このため冬眠せずに秋(または冬)に花が咲いてしまうってことになります。
葉がおちてしまうことで、休眠がすっとばされてしまうってことですね。
先ほどの図を加工して表現するとこんな感じです。
秋や冬に咲いていてしまうことを、不時現象といい、別の言い方で返り咲きとか狂い咲きといったりします。
実際に、秋に咲いてしまった桜をみてみよう
2022年の秋にも実際に桜が春に咲いてしまっていたので実際にみていきましょう。
2022年10月に宮崎県にある総合文化公園の桜をみてみるとこんな感じで桜が咲いていて不時現象が起きていました。
全体的にみると葉っぱもかなり落ちてしまっているみたいです。
今回の不時現象が起きた原因については、台風14号が通過したことが考えられます。
台風14号の影響で宮崎県では大雨特別警報や暴風警報が発表されたので、台風の影響で桜の葉っぱが落ちてしまったんでしょう。
ちなみにこの台風14号の影響によって宮崎市の赤江という観測地点では最大風速で28.2メートル吹いていました。
桜の葉っぱが落ちてもおかしくないような暴風ですね・・・。
翌年の桜はどうなるの?ちゃんと咲くの?
翌年の桜はどうなるのでしょう?
上で紹介した不時現象が起きていた、文化公園の桜を2023年3月下旬に見に行ってきました。
するとこんな感じでちゃんと桜が咲いていました。
不時現象が起きていてもちゃんと翌年の桜は咲くってことですね。
秋に不時現象が起きていた時咲いていた花の数は少なかったので、春にはしっかり桜を楽しむことができました。
秋に不時現象が起きていたつぼみについては咲いていない可能性が高いです。
まとめ
今回の内容についてまとめました。
以上が、「春に咲く桜が秋に咲いてしまうのはなぜ?解説します」でした。
読んでいただきありがとうございました。