「3月はライオンのようにやってきて子羊のように去っていく」を解説します

気象

こんにちは!のぶやんです。

今回は、イギリスの天気のことわざ「3月はライオンのようにやってきて子羊のように去っていく」について解説していきます。

漫画でも3月のライオンってありますが、タイトルはこのことわざから由来しています。

のぶやん
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「3月はライオンのようにやってきて子羊のように去っていく」の意味は?

イギリスの天気のことわざに「3月はライオンのようにやってきて子羊のように去っていく」というのがありますがこれはどういう意味なのでしょう?

英語の表記だと「 March comes in like a lion and goes out like a lamb. 」になります。

僕も、このイギリスのことわざをよく知らなかったので調べてみたところ、気象庁で勤務しててそのあと気象キャスターもされていた倉嶋厚さんの書籍でいくつか記載がありましたので、それを参照して解説します。

春の日本の天気は3月には低気圧がよく3~4日周期で通っていきます。

この低気圧によって、冬の北風と春の南風が激しく衝突して強風が吹いて春の嵐になります。

低気圧と低気圧の間には移動性高気圧がありそれが通る時には穏やかな晴天に恵まれます。

この春の低気圧と高気圧が交互にやっくるのは、日本だけでなく温帯の各国に共通していて、イギリスも同じです。

これは中緯度帯(北緯30~60度付近)では偏西風が上空に吹いているため西から東に天気変化します。

日本は東京で北緯36度、ロンドンは北緯51度なことからどっちも中緯度帯にあたるため偏西風が吹き春には同じような天気変化がおきるってことですね。

3月に低気圧による春の嵐がくればライオンのように荒れた天気になって、そのあと移動性高気圧がやってくれば子羊のように穏やかな天気になることから「三月はライオンのようにやってきて子羊のように去っていく」と言われています。

3月の前半はライオンのような天気で3月の後半が子羊のような天気ってわけじゃなく、3月の間にライオンのような天気(低気圧)と子羊のような天気(高気圧)を交互やってくるのが実際のところです。

あとで実際の天気図をみてみましょう。

この春の気候変化についての似たような天気のことわざには、中国の「春の嵐は虎に似たり」とか、スコットランドでは「3月はマムシの頭とともにやってきて、クジャクの尾とともに去る」というのがあるようです。

実際に3月は高気圧・低気圧が交互にやってくるのをみてみよう

実際に3月は低気圧と高気圧が交互にやってくるのかみていきましょう。

2022年3月12日~23日の天気図をもってきました。

12~13日は低気圧が通過していき、14日~15日は高気圧が西から張り出してきています。

16日からは再び低気圧が西からやってきて、18日には高気圧圏内になっていました。

20~21日は高気圧が東に遠ざかり西から低気圧が発達しながら通過していき、23日にはまた西から高気圧が張り出してきます。

低気圧高気圧が交互に繰り返しやってくるんだなあと言うのがわかってもらえたかなと思います。

低気圧が通過の際にはライオンのように荒れた天気に、高気圧通過時には子羊のような穏やかな晴天で

漫画「3月のライオン」もこの天気のことわざが関係している

3月のライオンも今回の紹介したことわざが関係していますので紹介していきます。

漫画「3月のライオン」は第18回手塚治虫文化賞マンガ大賞、第35回講談社漫画賞一般部門など様々な賞を受賞していて、漫画以外でもNHKでアニメ化されたり、あと映画化もされている人気将棋漫画です。

将棋を漫画にするって渋いなあ~と思うかもしれませんが、将棋のことを全然詳しくなくても楽しめる名作です。

それで漫画「3月のライオン」と天気のことわざ「三月はライオンのようにやってきて子羊のように去っていく」はどう関係しているのでしょう?

漫画の表紙をみるとサブタイトルに「March comes in like a lion」って記載がありますね。

ことわざの方は「March comes in like a lion and goes out like a lamb. 」なのでライオンのところの表記のみ記載されています。

著者羽海野チカさんは「3月はライオンのようにやってきて子羊のように去っていく」という言葉が印象に残り作品を作るインスピレーションになったと言われています。

ちなみに、ことわざと関係ないですがこのタイトルに込められたもう一つの意味としてはプロの将棋の順位戦(リーグ戦)の最終局が「3月」であることも関係があるようです。

順位戦は六月に始まり、月1局ずつ、三月までかけてやります。三月の最終局に昇給(降級)をかけた棋士は、この漫画のタイトル通り、ライオンになるのです。

3月のライオン 2巻コラムより

将棋の世界では3月節目の試練の時期にあたるようでこれをライオンと例えたってことですね~。

なので、「3月のライオン」のタイトルは天気のことわざからと、将棋の順位戦のシビアさの2つを表現しているようです。

また3月のライオンの物語は、孤独な高校生でプロ棋士の主人公の桐山零君が様々な人達との交流を通して成長していくお話です。

桐山君は両親も亡くなって、友達もいない・・・とはじめ心は暗くふさぎ込みがちですが、川本家の3姉妹(あかり・ひなた・モモ)と出会い、川本家と交流していくことで段々と桐山君の心の成長が見えてきます。

なので、天気のことわざ「3月はライオンのようにやってきて子羊のように去っていく」のように桐山君の描写は、物語のはじめはライオンのように厳しい所が描かれていることが多いですが、巻を追う毎に桐山君の心は成長し明るくなってきます。

最後は「子羊のように去る」ような心が穏やかなハッピーエンドになってほしいなと期待しています。

まとめ

今回の内容についてまとめました。

まとめ
  • 「3月はライオンのようにやってきて子羊のように去っていく」は英語表記だと「 March comes in like a lion and goes out like a lamb. 」
  • 日本と同じく温帯に属しているイギリスでも春は低気圧と高気圧が周期的に交互にやってくる
  • 3月に低気圧による春の嵐がくればライオンのように荒れた天気になって、そのあと移動性高気圧がやってくれば子羊のように穏やかな天気になることから「3月はライオンのようにやってきて子羊のように去っていく」と言われている
  • 漫画「3月のライオン」のタイトルは天気のことわざからと、将棋の順位戦のシビアさの2つを表現している

以上が、「「三月はライオンのようにやってきて子羊のように去っていく」を解説します」でした。

読んでいただきありがとうございました。

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