こんにちは!のぶやんです。
今回は、700hpaの高層天気図を使用するときに見るべきポイントを解説していきます。
頭にいれておくと、資料みるときに有効かなと思うので紹介していきます。
僕の簡単なプロフィールです。
・気象予報士(福岡)
・家族団らんが好き
700hpa天気図の説明
まずは、基本的な700hpa高層天気図(AUPQ78)の読み方を解説していきます。
さっそく見ていきましょう。
AUPQ78の実線が等高度線になります。
等高度線は60メートルごとになっています。
ハッチの領域は湿数3℃以下の領域です。
湿っているところ、湿潤な領域になります。
点線は等温線で6℃ごとに線が引かれています。
続いて、観測地点の観測値をみていきます。
高層気象観測の観測をもとに、風向風速(風の単位はKT)・気温・湿数(気温と露点温度の差)を観測地点で記載されています。
鹿児島の観測値をみてみましょう。
鹿児島の気温は‐3.9℃、湿数6℃、風向風速東の風35ノットになります。
鹿児島のすぐ南の名瀬(奄美大島)の風の強さは55ノットになります。
風の強さが50ノットを超えるとそれまで矢羽根だったのがペナントになります。
700hpaは雨をみる層
読み方がわかったところで今度は何をみるのかを解説していきます。
700hpa高層天気図でみるべき重要な情報は、雨雲を見る層だといっていいでしょう。
この700hpa付近の高度付近は収束・発散が起きにくいといわれています。
そのため、他の層(例えば850hpaだったり500hpa)における収束・発散の影響をうけていることになります。
700hapが湿っているということは、他の層で上昇流が発生しているということになります。
大体、雲の厚さが1000メートル位になれば弱い雨、2000メートル位になれば雨らしい雨が降るといわれています。
700hpa高度が大体3000メートル位で地上から雲底までを1000メートルくらいだとすると700hpaが湿っていれば、雨らしい雨が降ることになります。
実際にみていきましょう。
2022年1月6日の資料をもってきました。
この日は日本の南岸に低気圧があって太平洋側では雨が降っていました。
同じ時間の700hpaの高層天気図をもってきました。
太平洋側の700hpaの湿潤域を緑線で囲ってみました。
雨雲レーダーでもみてみましょう。
700hpaの湿潤域に対応して、まとまった雨らしい雨が太平洋側で見受けられますね。
700hpaは上昇流をみる層
先ほど、説明したように700hpaでは、収束・発散が起きにくいとされています。
このことから700hpa付近での他の層による上昇流・下降流とされることから、ある程度の厚みをもった層の上昇流・下降流を表現しているとされます。
上昇流・下降流の情報は客観解析図(AXFE578)や予想資料で確認することができます。
斜線部分が700hpaの上昇流で数値がマイナス、白色の部分が下降流でプラスの値になります。
先ほどと同じく2022年1月6日の資料をもってきました。
朝鮮半島付近や大陸付近は下降流域、日本の南岸にある低気圧付近は上昇流域になっています。
AXFEの天気図にはほかにも850hpaの等温線や風向風速の情報も記載されています。
同じ時間の衛星画像をもってきました。
朝鮮半島や大陸の下降流域には、雲が見られません。
上昇流域は、日本の南岸の低気圧のによるもので冬場にしては厚めな雲域がみられます。
上昇流の単位については、hpa/Hで1時間に何ヘクトパスカル上昇(下降)するかを表しています。
1hPa/Hで約0.3cm/sになります。
※1hPa/Hは時速10m程度、10mを3600秒で割れば、約0.3cm/sとなります
これは一般気象学をみると雲粒(直径0.01ミリ=10μm)の雲粒の落下速度が0.3cm/sと記載があるので雲粒が浮くことのできる強さということになります。
上昇流の強いところをアップしてみました。
地上天気図と比較してみると上昇流の強い所は地上天気図の低気圧中心付近に位置していますね。
雨雲レーダーでみても降水強度の強いところに対応しています。
資料にある上昇流域はある程度の広さの平均の値のため実際には、狭い範囲でさらに強い上昇流も存在する可能性も十分あります。
700hpa 高層天気図の入手方法
700hpaの高層天気図の入手方法をいくつか掲載します。
Sunny Spot 天気・気象情報サイト! (sunny-spot.net)・・・最新のほかにもエマグラムや過去の天気図も少し置いてあるのでおすすめです。
専門天気図 – [専門気象情報] 地球気 (n-kishou.com)
まとめ
今回の内容についてまとめました。
以上が、「700hpa高層天気図で見るポイント解説します」でした。
読んでいただきありがとうございました。