こんにちは!のぶやんです。
夏が終わってきて秋が近づいてくると秋雨前線が日本付近にできます。
どうして秋雨前線ができるのかを解説していきます。
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秋雨前線はどうやってできる?
夏から秋への移行していく時期に、日本付近でできる停滞前線を秋雨前線といいます。
秋雨前線ができるのは、大体8月のおわりくらいから9月くらいまでです。
天気がぐずつく日が多くなって雨がふり続くので「秋の長雨」とか「秋霖(しゅうりん)」なんていわれます。
秋雨前線はどうやってできるのでしょう?
夏の時期は、太平洋高気圧の勢力下に日本はあります。
でも、段々秋になってくるにつれて小笠原気団の勢力が弱まってきます。
小笠原気団が弱まってくるにつれて、北から勢力を強めてくるのがオホーツク海気団や揚子江気団、シベリア気団の3気団になります。
これらの3気団と小笠原気団との間で空気の性質の異なる境目にできる停滞前線が秋雨前線になります。
- 太平洋高気圧 対 オホーツク海高気圧
- 太平洋高気圧 対 移動性高気圧
- 太平洋高気圧 対 シベリア高気圧
3気団が太平洋高気圧と戦って、小笠原気団が南に退いていくことにより前線もなくなり本格的に秋になっていきます。
それぞれの気団との境目でできるので実際にみていきましょう。
高気圧に対応する気団と気団の性質はこんな感じです。
- 太平洋高気圧(小笠原高気圧)=小笠原気団=暖かく湿っている
- オホーツク海高気圧=オホーツク海気団=冷たく湿っている
- 移動性高気圧=揚子江気団=暖かく乾いている
- シベリア高気圧=シベリア気団=冷たく乾いている
太平洋高気圧(小笠原気団)とオホーツク海高気圧(オホーツク海気団)の境目にできる秋雨前線
8月の夏の終わりくらい頃は、太平洋高気圧が弱まってきますが北から勢力が増してくるのはオホーツク海高気圧です。
オホーツク海高気圧と太平洋高気圧の境目に秋雨前線ができます。
気象の教科書でもオホーツク海高気圧と太平洋高気圧の間にできるのが秋雨前線だと記載があったりします。
実際の天気図をもってきました。
2018年8月29日のものになります。
オホーツク海にある高気圧と日本の南海上の高気圧との間に秋雨前線が描かれています。
続いて、2021年8月14日のものになります。
8月中旬ですが、こちらもオホーツク海高気圧と太平洋高気圧の境目にできる秋雨前線になります(梅雨時期の天気図っぽいですね)。
九州北部や広島県で特別警報がでた時ですね。
太平洋高気圧(小笠原気団)と移動性高気圧(揚子江気団)の境目にできる秋雨前線
小笠原気団と揚子江気団の間にできる秋雨前線です。
秋になってくると移動性高気圧がたびたびやってきます。
この移動性高気圧と太平洋高気圧の間に秋雨前線ができます。
2019年9月9日の天気図をみると、大陸にある移動性高気圧の勢力と日本の東にある太平洋高気圧がせめぎあっていて境目に停滞前線が描かれています。
秋よくみかける移動性高気圧なので実際に天気図をみていると秋雨前線ができるときは、移動性高気圧と太平洋高気圧との間でできるのが一番みかけるかなあと個人的には思います。
実際、気象の本の中には秋雨前線は、「移動性高気圧対太平洋高気圧」のみ書いてるものもあります。
小笠原気団(太平洋高気圧)・シベリア高気圧(シベリア気団)の境目にできる秋雨前線
最後に、太平洋高気圧とシベリア高気圧との間にできる秋雨前線をみていきましょう。
2021年10月5日の天気図をもってきました。
大陸からの高気圧がシベリア高気圧で、日本付近にある高気圧が太平洋高気圧です。
シベリア高気圧は冬の主役なので、秋の終わりごろにこの天気図を見かけることがあると思います。
まとめ
今回の内容についてまとめました。
以上が、「秋雨前線のでき方を解説します」でした。
読んでいただきありがとうございました。