こんにちは!のぶやんです。
最近「線状降水帯」って言葉をよく聞くようになりましたが、これっていつ頃から使われている言葉なのか?解説していきます。
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線状降水帯ってなに?
線状降水帯って最近よく使われてますが、どんな意味なのでしょうか?
気象庁の用語によると、「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域。」と定義されています。
積乱雲が次々に発生して、それが同じような場所に線状になって大雨になってる雨域のことですね。
言葉だとわかりにくいので平成29年7月九州北部豪雨の時のレーダー画像をもってきました。
これをみると同じような場所に雨雲が停滞してるのがわかります。
赤や黄色の暖色系が雨が強い所を表していて、強いのところが福岡県の筑後地方あたりで停滞してるのがわかりますね。
これが線状降水帯です。
線状降水帯って言葉はいつから使われるようになったの?
いまではよく耳にするようになった、線状降水帯って言葉はいつから使われるようになったのでしょう?
僕も気象の本を結構もっていますが、30数年前に刊行された「気象の辞典」って本には線状降水帯って言葉はありません。
気象大学校の加藤さんの資料によると2000年頃に日本で作られた新しい用語とされていて、日本で作られたので適切な英訳も存在していないみたいです。
2000年頃に作られた言葉のようですが、僕が持っている2005年にNHKから出版された「NHK気象・防災ハンドブック」には線状降水帯の定義の記載がありませんでした。
2005年頃は「線状降水帯」という言葉は一般的には普及してなかったみたいです。
気象研究所の津口さんの資料によれば、線状降水帯という言葉は,2014年8月の広島県での大雨以降,頻繁に使われるようになったとされています。
2014年8月の広島県の大雨は、「平成26年8月豪雨」のことで記録的な豪雨になりました。
ちなみに、さきほどの津口さんの資料によれば、集中豪雨のうち台風による直接的な影響を除いた約3分の2は線状降水帯が発生しているって調査結果がでています。
線状降水帯が発生したら、豪雨にもなる可能性が高いってことですね。
気象庁の資料によると、豪雨事例の中で線状降水帯が発生した事例は、線状降水帯が発生してない事例よりも人的・家屋の被害が大きくなるっていう調査研究もあります。
線状降水帯の発生をお知らせする情報「顕著な大雨に関する情報」
2021年6月から気象庁では線状降水帯が発生していることをお知らせする顕著な大雨に関する情報を発表しています。
顕著な大雨に関する情報は、すでに線状降水帯が発生していて、危険が迫ってきているので身の安全確保してくださいってことを訴える情報です。
レーダー画像だとこんな感じで線状降水帯が発生しているところに赤丸が付きます。
実際に、「顕著な大雨に関する情報」が初めて発表された令和3年6月29日の沖縄県の状況をつぶやきしてくれている方がいたので載せておきます。
実際に、線状降水帯が発生したら身に危険が及ぶような大雨になっているってことですね・・・。
情報が発表されたら身の安全確保をしてくださいね。
さらに、気象庁は2022年6月から線状降水帯の発生を半日前から予測して情報を発表することになっています。
近年、線状降水帯がなぜ増えたのか?についても記事にしています。
あと、線状降水帯が発生しやすい場所がどこなのかについても記事にしています。
まとめ
今回の内容についてまとめました。
以上が、線状降水帯って言葉はいつ頃から使われるようになったの?でした。
読んでいただきありがとうございました。