こんにちは!のぶやんです。
夏や秋になると日本に台風が毎年やってきますが、台風がやってくることによる恩恵やメリットってあるのか?解説していきます。
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台風がくることによる恩恵・メリットとは?
台風がやってくると雨風強くて毎回大変な思いをするというイメージですが、実は台風がやってくることによってもたらされるメリットも実はあるので今回は紹介していきたいと思います。
台風が通過することによる水不足の解消
台風がやってくることによって、もたらされるメリットのひとつは水不足の解消になります。
もともと日本は水資源の少ない国だといわれています。
国土交通省の資料をもってきました。
この資料の、降水量をみると世界の平均降水量が1,000ミリちょっとに対して日本は1600ミリ程度あって雨は世界平均よりも降ってるように見えます。
でも人口一人当たりの年降水量でいえば世界平均が20,000㎥なのに対して日本は5,000㎥で、蒸発したりする量等を引いた水資源賦存量でいえば世界平均が5,000㎥なのに対して日本は3,400㎥と世界の平均よりも少なくて、水資源が少ない水不足の国と言われています。
別の国土交通省の資料ももってきました。
一人当たりの水資源量の分布図ですが、これをみても日本が水資源を豊かにもってるわけではないのが直感的にわかってもらえるかなあと思います。
水不足な日本ですが、日本に大きな水の恵みを与えてくれるのが台風なのです。
過去の事例をみてみましょう。
2005年に早明浦ダムは空梅雨の影響によって貯水率は0%という深刻な水不足に陥っていました。
しかし、9月に台風第14号がやってくることによって貯水率が0%から一気に100%にまで回復することとなり台風が恵みの雨をもたらしたのです。
四国地方整備局資料からの資料から写真を持ってきましたが、台風14号がくる前は全然なかったダムの水が台風通過後には満タンになってますね。
台風が海水をかき混ぜることによるめぐみ
台風がやってくることによって、もたらされるメリットその2は台風が海水をかき混ぜることによるめぐみがあります。
台風が海を通っていくことで、海水をかき混ぜています。
台風の風が非常に強くてこれによって海面に激しい波を起こして海水をかき混ぜるのです。
これによって、深い所の海水温は低いので台風によるかき混ぜ効果によって海の表面付近の水温が下がります。
実際に、2022年の台風14号が通過する前と通過した後の海水温をみてみると台風が通ったところは海水温が低下しているのがわかります。
海水温のかき混ぜ効果でどんな恩恵があるのでしょう?
まず、サンゴ礁についてですがサンゴ礁は海水温が熱いままだと被害を受けるためサンゴ礁の維持にためには台風のこのかき混ぜ効果は大事になってくるのです。
また、このかき混ぜ効果によってもともと海の深いところにいたプランクトンが海の表面付近に増えます。
プランクトンが増えることでそれをエサにする魚が集まってくるため、台風が通過したのちは豊漁になるといわれています。
元寇による日本襲来
台風がやってくることによって、もたらされるメリットは最後は歴史で過去形になりますが、元(蒙古軍)が鎌倉時代に日本に2度攻めてきました。
1度目が文永の役、2番目が弘安の役ですが、この2番目の時に台風がやってきて日本を救ったとされています。
神風とかいわれていますね。
元は当時世界最強だといわれていましたから、もしこの時台風が日本付近にやってきていなかったらもしかしたら今の日本はなかったのかもしれないですね。
まとめ
今回の内容についてまとめました。
以上が「台風による恩恵・メリットってあるの?解説します」でした。
読んでいただきありがとうございました。