こんにちは!のぶやんです。
台風の予報円って予報が先になるにつれて大きくなっていますがあれはなぜなのか?
解説していきます。
僕の簡単なプロフィールです。
- 気象予報士
- 家族だんらんが好き
台風の予報円の意味は?
台風の予報円ってどういう意味なのでしょう?
台風の予報円とは、台風の進路を予報する際に予報の誤差を考慮して、台風の中心が 70%の確率で入ると予想される範囲の円のことをいいます。
気象庁が発表しているものですね。
実際の予報円をみるとこんな感じで、白い破線のところが台風の予報円になります。
ちなみに、予報円の大きさは過去の事例検証の結果に基づいて決定されています。
台風の予報円がだんだん大きくなるのはなぜ?理由は?
台風の進路が予想されるときに予報円が先であるほど大きくなっていますがなぜなのでしょう?
台風の進路を予測する時には、数値予報といってスーパーコンピュータを使っています。
今の実況の台風がこれくらいの強さでこの辺にあるので、数秒後にはこうなってという計算を繰り返し積み重ねていって台風がどこに進むのか予想をしていきます。
台風が今後どこにいくのかは例えば、ボールを投げるとその軌道でこのあと何秒後にはここに落下するのを予測すると理屈としては同じです。
ただ、現実世界と数値予報によって再現した世界には実況の時点で誤差が生じています。
なんでかというと、今の天気の状況をアメダスや気象衛星ひまわり等によって観測しているといってもすべて実況を網羅しきれないですし、海なんかは観測地点がほとんどありません。
計算する時点で現実世界の気象状況を100%再現するのは難しいのです。
予報というのは100%適中は現時点の科学技術では難しくて、外れることはあるってことがいえます。
さらに、数値予報にはカオスといって少しのずれ(誤差)が時間とともに大きくなります。
このため先になればなるほど予報の誤差が大きくなって精度も低くなります。
なので台風の予報円も先になればなるほど誤差が大きくなることで予報円も大きくなるのです。
また、台風の進路を予想するにはアンサンブル予報といって、微妙に違ういくつかの未来をスーパーコンピュータで計算して予想するのです。
気象庁HPからアンサンブル予報のイメージ図をもってきました。
沢山の未来を想定して多数の予報を行うことで、平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて気象現象の発生がどれくらいの確率で起こりそうかをみています。
でもここからもわかるとおり、時間に進めば進むほどばらつきが多いのがわかりますね。
ちなみに、台風の予報円は最近精度が上がっていて気象庁の資料によれば2023年6月から台風の予報円を以前より絞り込んで発表されるようになっています。
とはいえ、絞り込んでも発表されるようになって予測時間が先なほど予報円が大きくなるのは変わらないです。
これは天気予報を作成する仕組み上そうなってしまうってことですね。
今後も予報精度の向上に期待したいですね。
先になればなるほど予報円が大きくなってるのを実際に確認してみよう
台風の予報精度が向上して2023年から予報円が絞られて発表されるようになっても、先の予報ほど予報円は大きいままなのか実際に確認してみましょう。
2023年8月9日の台風予報円をもってきました。
この時、九州付近に台風6号、日本の南東海上に台風7号が発生していました。
それぞれの予想はこんな感じです。
台風6号は翌日10日には九州西海上から朝鮮半島へ北上する予想で、予報円が小さいので台風が九州本土に上陸するおそれはなさそうです。
でも朝鮮半島に上陸した後の予想は、予報円が大きくなっていますね。
一方、台風7号も日本に接近する予想ですが、まだ日本に接近するまでに5~6日先のため予報円がかなり大きいです。
日本に近づく頃には関東へ行くかもしれないし、近畿地方へいくかもしれない予想になっていますね。
ということで、実際に予報円が絞り込んで発表されるようになっても、予想が先であればあるほど予報円が大きくなるのは変わらないのが確認できました。
まとめ
今回の内容についてまとめました。
以上が、台風の予報円がだんだん大きくなるのはなぜ?理由は?でした。
読んでいただきありがとうございました。