梅雨明けしたけど雨雲が点在
7/13に九州北部地方や中国地方は梅雨明けしました。
さー長かった梅雨が明けたから
これからいい天気が続くぞー!
と思って雨雲レーダーを見てみたら
雨雲が西日本で所々点在しています。
この雨雲は熱雷っぽいですね。
熱雷の要因を考える
地上天気図をみてみると、梅雨前線は東日本付近にあって影響はなさそうです。
日本の東にある高気圧に覆われてはいますが、西日本あたりは若干気圧の谷場になっているようです。
また、南から暖かく湿った空気が入りやすくなっています。あんまり天気はよくはなさそうです。
福岡県の概況をみると高気圧に覆われているみたいです。
でも上空の寒気や日射の影響で、所によっては雨で雷を伴って激しく降ると予想しています。
やっぱり、今日の天気はあまりよくはなさそうです。
今度は、福岡県の気象情報をもってきました。
上空6000メートルに寒気が流れ込んでいて大気の状態が非常に不安定なので
落雷や竜巻、降ひょうに注意を呼びかけています。
大気の状態が非常に不安定とあるのでさらに悪そうです。
上空に寒気があるのを確認してみます。
6000メートル付近に相当する500hpaの高層天気図でみてみると
西日本から東日本にかけては、-6℃以下の寒気が流入しています。
-6℃は、この時期にしては冷たい空気になっています。
さらに地上天気図でみたように南から暖かく湿った空気も地上付近では流入していましたので
不安定を更に強化します(自由対流高度が低くなるため)。
上空に寒気が流れ込んでいることさらに南から暖かく湿った空気が流入するだけだと、
不安定な場にはなっていますが、実は不安定が明瞭にはなりません。つまり降水は発生しません。
さっきの雨雲レーダー画像の3時間前の8時45分の画像をもってきました。
この時間帯は雨雲がありません。
実は、日中太陽からの日射で不安定が顕在化し雨雲となって現れます。
日射は地表面を温めます。
地表面が日射で熱せられると空気が温められて軽くなり上昇するため、上昇流が形成されます。
そこに上空の寒気があることによって、地上付近から上昇してきた空気をさらに上昇させて
対流を強める効果があります。
日射によって雷雲が発生するのを熱雷といいます(夏の日射での気温上昇は特に強力です)。
上空の寒気や南からの暖かく湿った空気があるだけだと不安定な場なだけですが、
日射によって上昇流ができることにより雨雲として顕在化します。
このあと夜のはじめ頃まで雨の強いところが所々ありましたが、
日射がなくなると大体おさまりました。
熱雷と界雷の違いは?
熱雷に似た言葉で界雷という言葉があります。
熱雷は夏の強い日射の影響により上昇流が形成されて発雷することで
界雷は温かい空気と冷たい空気との境目には前線が形成されますが、前線付近での雷を界雷といいます。
今回の事例は、前述していますが熱雷になります。
まとめ
梅雨明けたとはいえ、夏も上空の寒気や日射、雨を降らせる要因があったりします。
今回をまとめると
- 夏に大気の状態が不安定で塊上に現れる雨域は熱雷
- 地上の天気図だと高気圧に覆われているが、上空に寒気や地上付近では暖かく湿った空気が流入して潜在的に不安定な場になっている。そこに日射で上昇流が形成されて、不安定が顕在化し熱雷が発生した。
- 熱雷は日射により、界雷は前線付近での雷のこと
ちなみに
今日のような、塊状の雨雲ができるのは夏季になると割と見られます。
今日みたいに大気の状態が不安定だと夜ぐらいまで雷雲が発生しやすいです。
アイキャッチ画像もこの日の積乱雲です。やっぱり夏になったんだなあ~と感じます。
※使用した画像については気象庁HPから引用・加工しました。