夏から秋に潮位が高くなるのはどうして?

気象

こんにちは!のぶやんです。

夏~秋頃にかけて潮位が高くなるといわれています。なぜでしょう?

結論としては、夏~秋に潮位が高くなる理由は2つです。

  1. 海水温が最も高くなるため
  2. 暖候期は寒候期より気圧が低くなるため

理由について、解説していきます。

のぶやん
のぶやん

僕の簡単なプロフィールです。

・気象予報士(福岡あたりの気象のこと中心)
・家族との時間が一番好き

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潮位は夏~秋にかけて潮位が高くなる

鹿児島・大阪・長崎の潮位観測データ(5年平均潮位)をもってきました。一番潮位が低かった2月との差をグラフにしました。

地域差はあると思いますが、夏~秋が潮位が一番高くなります。

理由その① 海水温が最も高くなるため

気象庁HPから月平均海面水温をもってきました。

2021年2月

2021年8月

やっぱり8月のほうが海水温が高いですね。

気温も大体8月が最も高くなるので、海水温も高くなりそうっていうのはイメージできると思います。

ただ、海水温は夏だけでなく秋もあたたかいのです。

どうして秋まであたたかいのか?

それは比熱が関わっています。

比熱が大きいほど、温度をあげるのに多くの熱エネルギーを必要とします。

比熱が大きいほど、あたたまりにくく冷めにくい性質があります。

空気と海水だと、海水のほうが比熱が大きいです。

比熱[J/kg ℃]
空気 1.00
海水  3.94

つまり、海水はじわじわ暖まって冷めにくいので秋まで暖かいんです。


続いて、熱膨張のおはなしです。

温度が高まると、物質の体積は膨張します。

これは物質を温めると、熱エネルギーが高くなります。液体の粒はより動くようになります。

海水も熱エネルギーによってさらに動くようになり、お互いがぶつかり合うことによって

粒同士の間隔がひろがり物質の体積が膨張します。

海水も暖まり熱膨張が起こることで、潮位が高くなるのです。

理由その①の要約
  • 海水の比熱が大きいから夏~秋にかけて海水温が一番高くなる
  • 熱膨張で潮位が高くなる

理由その② 暖候期は気圧が低くなるため

年間の気圧の平年値をもってきました。

暖候期(4月から9月)は夏頃を中心に気圧が低くなります。

冷たい空気は重たいです。空気が重たいほど、気圧が高くなります。

なので、冬の方が気圧が高くなります。

夏に気圧が低いのは暖かい空気なので、空気が軽くなります。

気圧の低下することで、吸い上げ効果により潮位が高くなるのです。

理由その②の要約
  • 暖候期(4~9月)の方が寒候期(10~3月)より気圧が低くなる。
  • 気圧低下による吸い上げ効果で潮位が高くなる

まとめ

今回の内容についてまとめました。

まとめ
  • 海水の比熱が大きいから夏~秋にかけて海水温が一番高くなる
  • 海水温が高くなることによって熱膨張で潮位が高くなる
  • 暖候期の方が気圧が低くなり、気圧低下による吸い上げ効果で潮位が高くなる

以上が、夏から秋が潮位が高くなるのはどうして?でした。

読んでいただきありがとうございました。

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