空を見上げて、いま見えているものから明日を読む。それが観天望気です。このページは、いま見えているものを選ぶと、それが気象学的に何を意味していて、これから何が起きるのかが出てくるカードです。
使い方はかんたんです。下のボタンから「いま見えているもの」を選んでください。26枚のカードを用意しました。
空にはけで掃いたような白い筋の雲(すじ雲・巻雲)
雲信頼度 ○
これが意味すること
高度5〜13kmにできる氷の雲です。低気圧や前線の前面で、上層の空気が持ち上げられているサイン。前線はまだ数百km西にあります。
これから起きること
この後、雲がだんだん低く厚くなっていくなら24〜36時間で雨。増えも減りもしないなら崩れません。
次に確認:上層の湿り具合を見る → エマグラムビューア / 関連することわざ:すじ雲が出ると天気が下り坂
太陽や月のまわりに、にじんだ輪(かさ)が見える
雲信頼度 ◎
これが意味すること
上空に巻層雲が広がっています。かさは氷の結晶による光の屈折で、温暖前線の接近を示す典型的なサインです。
これから起きること
半日から1日後に雨になることが多い。かさが厚く濁ってきたら、前線が近づいています。
次に確認:雲画像で前線の位置を見る → 全国実況モニター / 関連することわざ:日がさ・月がさが出ると雨
うろこ雲・ひつじ雲が空一面に広がっている
雲信頼度 ○
これが意味すること
巻積雲・高積雲です。かさの段階より前線が近づき、中層まで湿ってきています。
これから起きること
うろこ雲→ひつじ雲→おぼろ雲と厚みを増していく順番なら、半日〜1日で雨。
次に確認:雲の見分け方 → うろこ雲・ひつじ雲・いわし雲・さば雲の違い / 関連することわざ:さば雲が出ると雨/ひつじ雲が出ると翌日雨
飛行機雲が長い時間消えずに残っている
雲信頼度 ◎
これが意味すること
上空が湿っている証拠です。乾いていれば飛行機雲は数十秒で消えます。上層の湿りは低気圧・前線の接近と結びつきます。
これから起きること
1日前後で天気が下り坂に向かう可能性があります。何本も残るようなら確度が上がります。
次に確認:上空の湿数を確かめる → エマグラムビューア / 関連することわざ:飛行機雲が消えないと雨
もくもく盛り上がる入道雲が見える(頭は丸い)
雲信頼度 ◎
これが意味すること
雄大積雲です。まだ発達中の段階で、これから積乱雲になる可能性があります。
これから起きること
30分〜1時間以内に、この雲の下でにわか雨や雷雨が始まるおそれ。屋外なら移動を始めてください。
次に確認:雨雲の動きを見る → 全国実況モニター / 関連することわざ:入道雲が出たら夕立に注意
雲の頭が平らに横へ広がっている(かなとこ雲)
雲信頼度 ◎
これが意味すること
積乱雲が圏界面に達した状態です。この雲はすでに雨と雷を降らせています。
これから起きること
落雷・突風・急な大雨の危険があります。頑丈な建物の中へ避難してください。
次に確認:雷の状況を見る → 全国実況モニター / 関連することわざ:雷三日/夕立は馬の背を分ける
富士山や近くの山に、笠のような雲がかかっている
雲信頼度 ◎
これが意味すること
湿った強い風が山にぶつかってできる地形性の雲です。低気圧接近時の南〜南西風で出やすくなります。
これから起きること
半日〜1日で天気が崩れることが多い。山岳地帯では強風にも注意。
次に確認:風の状況を見る → 全国実況モニター / 関連することわざ:富士山に笠雲・つるし雲ができると天気が下り坂
夕焼けがきれいに見えている
光・色信頼度 ◎
これが意味すること
西の空に雲がないということです。日本付近の天気は西から東へ動くので、西の晴れは明日ここへ来ます。
これから起きること
翌日は晴れる可能性が高い。当サイトの集計では、日照8時間以上の日の翌日に雨が降らない確率は82.8%(基準66%)。
次に確認:西日本の実況を見る → 全国実況モニター / 関連することわざ:夕焼けは晴れ/秋の夕焼け鎌を研げ
朝焼けが赤く染まっている
光・色信頼度 ○
これが意味すること
東の空が晴れていて、西から雲が近づいている状態で見えやすくなります。夕焼けの逆です。
これから起きること
日中から天気が下り坂になる可能性。ただし朝焼けは晴れの日にも見えるので、雲の変化とあわせて判断を。
次に確認:西の空の雲を見る → 全国実況モニター / 関連することわざ:夕焼けは晴れ、朝焼けは雨
朝、西の空に虹が出ている
光・色信頼度 ◎
これが意味すること
虹は太陽と反対側に出ます。朝に虹が見える=西に雨粒がある=雨雲が西にあるということです。
これから起きること
その雨雲がこちらへ向かってきます。数時間以内に雨になることが多い。
次に確認:雨雲の位置を確認 → 全国実況モニター / 関連することわざ:朝虹は雨、夕虹は晴れ
星が激しくまたたいている
光・色信頼度 ○
これが意味すること
上空の大気の乱れが強い状態です。ジェット気流や前線が近いことが多くなります。
これから起きること
1〜2日で天気が変わる可能性。ただし気温差でも起きるため、単独では判断できません。
次に確認:上空の風を見る → エマグラムビューア / 関連することわざ:星が瞬いていると雨
遠くの山や建物が、いつもよりくっきり見える
光・色信頼度 ○
これが意味すること
空気中のちりが少ない状態です。湿った空気に入れ替わった直後か、大陸からの乾いた空気に覆われたかのどちらかです。
これから起きること
気温が上がりながら澄むなら崩れる方向、下がりながら澄むなら晴れが続く方向です。
次に確認:気温の変化を見る → 全国実況モニター / 関連することわざ:山が近く見えると雨
いつもと逆の向きから風が吹いている(木の葉が裏返る)
風信頼度 ○
これが意味すること
風向の変化は、低気圧や前線の接近を示す最も基本的なサインです。低気圧は反時計回りに風を吸い込みます。
これから起きること
東〜南寄りに変わったなら、低気圧が西から近づいています。数時間〜1日で崩れる可能性。
次に確認:気圧配置を見る → 全国実況モニター / 関連することわざ:東風吹けば雨/木の葉が裏返ると雨
煙や湯気がまっすぐ上に昇っている
風信頼度 ◎
これが意味すること
風が弱く、大気が安定しています。高気圧に覆われているときの典型的な状態です。
これから起きること
当面は天気が持ちます。冬の朝なら放射冷却が効いており、日中も晴れる確率が高い。
次に確認:放射冷却の解説を読む / 関連することわざ:煙がまっすぐ立ち昇ると晴れ
晴れているのに、海の波だけが高い(夏)
風信頼度 ◎
これが意味すること
台風のうねりです。うねりは台風本体より数百km先行して伝わります。
これから起きること
数日以内に台風の影響が出る可能性。海岸での活動は中止を検討してください。
次に確認:台風の位置を確認 → 台風トラッカー / 関連することわざ:土用波が立つと台風が近い
ツバメが地面すれすれを飛んでいる
生きもの信頼度 ○
これが意味すること
湿度が上がって虫が高く飛べなくなり、それを追っているという説明がされます。
これから起きること
湿度上昇のサインとしては意味がありますが、夕方の気温低下でも起きます。他のサインと合わせて。
次に確認:湿度を確かめる → 全国実況モニター / 関連することわざ:ツバメが低く飛ぶと雨
トビやタカが高い所を旋回している
生きもの信頼度 ○
これが意味すること
上昇気流に乗っています。強い日射で地面が暖まっている証拠です。
これから起きること
いま晴れていることの確認になります。予報というより現況の観測です。
次に確認:日射の状況を見る → 全国実況モニター / 関連することわざ:トビが高く飛ぶと晴れ
カメムシが例年より多い/猿や熊が里に下りている
生きもの信頼度 ✕
これが意味すること
その年の春から夏の天候と、木の実の作柄を反映しています。冬の天気とは無関係です。
これから起きること
冬の雪の予測には使えません。3か月予報を確認してください。
次に確認:気象庁の季節予報を見る / 関連することわざ:カメムシが多いと大雪/猿が里に下りると大雪
朝、草や葉に露がびっしりついている/霜が降りている
植物信頼度 ◎
これが意味すること
夜のあいだ晴れて風が弱く、放射冷却が効いた証拠です。高気圧に覆われています。
これから起きること
日中も晴れる可能性が高い。高気圧はすぐには動きません。
次に確認:放射冷却の解説を読む / 関連することわざ:朝露がおりると晴れ/霜がおりると晴れ/月夜の大霜
朝、盆地や谷に霧が立ちこめている
植物信頼度 ◎
これが意味すること
放射霧です。晴れて風の弱い夜にできるので、これも高気圧のサインです。
これから起きること
日が昇れば消えます。その日は晴れることが多い。
次に確認:衛星画像で霧を見る → 全国実況モニター / 関連することわざ:朝霧は晴れ
松ぼっくりの鱗片が閉じている/タンポポが昼間に閉じている
植物信頼度 ○
これが意味すること
湿度が上がっています。松かさは吸湿すると閉じる二層構造で、天然の湿度計として機能します。
これから起きること
数時間先の雨のサインになります。ただし翌日の予報には使えません。
次に確認:湿度を確かめる → 全国実況モニター / 関連することわざ:松ぼっくりが開くと晴れ/タンポポが閉じると雨
遠くの汽笛や電車の音が、いつもよりよく聞こえる
体感信頼度 ○
これが意味すること
地表付近に逆転層ができています。音の波が下向きに屈折して遠くまで届きます。
これから起きること
南〜東寄りの風で雲が広がってきているなら雨のサイン。無風で星が見えるなら放射冷却で晴れです。
次に確認:風向と雲を確認 → 全国実況モニター / 関連することわざ:遠くの音がよく聞こえると雨
髪がまとまらない/櫛のとおりが悪い
体感信頼度 ○
これが意味すること
湿度が上がっています。毛髪は湿ると伸びる性質があり、これは毛髪湿度計の原理そのものです。
これから起きること
湿度上昇のサインですが、原因は雨の接近だけとは限りません。
次に確認:湿度を確かめる → 全国実況モニター / 関連することわざ:櫛のとおりが悪いと雨
古傷や関節が痛む/頭が重い
体感信頼度 ○
これが意味すること
気圧の低下を内耳が感知し、自律神経に影響しているという研究があります。気象病・天気痛と呼ばれます。
これから起きること
低気圧が接近している可能性。実際の気圧の変化を確認してみてください。
次に確認:気圧の変化を見る → 全国実況モニター / 関連することわざ:古傷や関節が痛むと雨
昨日、雷が鳴った
体感信頼度 ◎
これが意味すること
上空に寒気(気圧の谷)が入っています。この寒気はゆっくり通過するため、不安定な状態が続きます。
これから起きること
翌日も雷が鳴る確率は40.1%で、雷がなかった日の翌日(11.2%)の3.6倍。3日はご注意を。
次に確認:雷の状況を見る → 全国実況モニター / 関連することわざ:雷三日
今日、まとまった雨が降った(秋)
体感信頼度 ◎
これが意味すること
寒冷前線が通過した可能性があります。前線の後ろには寒気が入ります。
これから起きること
明日以降、日最高気温が1℃前後下がります。11〜12月なら季節進行と合わせて2℃前後。
次に確認:気温の変化を見る → 全国実況モニター / 関連することわざ:一雨一度
観天望気を使うときの3つのコツ
1. ひとつのサインだけで決めない
ことわざはどれも、大気のある一面しか見ていません。飛行機雲は上空の湿り、霜は夜間の冷え込み、風向は気圧配置。複数のサインが同じ方向を指しているときだけ、確度が上がります。逆に言えば、ばらばらの答えが出るときは「まだ分からない」が正解です。
2. 「順番」を見る
いちばん大切なのは、いま何が見えているかではなく、さっきと比べてどう変わったかです。雲が低く厚くなっているのか、薄くなっているのか。風向が回っているのか、変わらないのか。天気予報の現場でも、判断の中心はこの変化の方向にあります。
3. 危険な現象は、ことわざで判断しない
大雨、雷、突風、台風。命に関わる現象については、観天望気は「気づくきっかけ」にとどめて、判断は気象庁の警報・注意報とレーダーで行ってください。かなとこ雲が見えたときにできる最善のことは、空を見続けることではなく、建物の中に入ることです。
7日間 観察ワークシート
1週間、毎日同じ時刻に空を見て記録すると、観天望気の精度が実感できます。印刷して使ってください。自由研究にもそのまま使えます。
| 日付 | 時刻 | 見えたもの (雲・光・風・生きもの) |
ここから予想した明日の天気 | 実際の明日の天気 | 当たった? |
|---|---|---|---|---|---|
| / | : | ○・× | |||
| / | : | ○・× | |||
| / | : | ○・× | |||
| / | : | ○・× | |||
| / | : | ○・× | |||
| / | : | ○・× | |||
| / | : | ○・× |
「実際の明日の天気」は、翌日に過去の天気検索で調べると、気象庁の記録どおりに書き込めます。7日ぶん終わったら、当たった数を数えてみてください。7日のうち5日当たれば、それは偶然ではありません(何も考えずに「明日も今日と同じ」と答えたときの的中率は、福岡で約75%です)。
いまの空と、実際のデータを見比べる
データと出典について
このページの統計値は、気象庁が公開する過去の気象データ(福岡管区気象台・東京 1961〜2025年)をもとに、当サイトが独自に集計したものです。日の入り時刻はNOAA(米国海洋大気庁)の太陽位置計算式にもとづく計算値です。集計の手順と定義は検証ページに全文を掲載しています。
出典:気象庁「過去の気象データ検索」/気象庁「生物季節観測」/国立天文台「暦要項」
当サイトは気象庁が発表する情報の解説を行うもので、独自の予報を発表するものではありません。気象警報・注意報や最新の予報は、かならず気象庁の発表をご確認ください。
