このページの台風の位置・進路・到達時刻・衛星画像は、あなたが開いた瞬間に気象庁から自動で取得したものです(手動更新ではありません)。数値の定義や読み方の解説は、気象庁・米軍JTWC・WMOの公開資料を確認して書いています。出典は記事末にまとめました。
「台風のたまごが発生した」というニュースを見て、米軍のサイトを開いてみたものの、英語の略号と見慣れない図ばかりで「で、うちには結局いつ来るの?」という肝心の答えにたどり着けない——このページは、その一点を解決するために作りました。
台風情報のサイトはたくさんありますが、ほとんどは「台風がどこにあるか」しか教えてくれません。知りたいのは「自分の場所に、いつ、どのくらいの風が来るか」のはずです。ここでは気象庁の生データを直接読み込んで、その答えを地点を選ぶだけで出します。他のサイトに移動する必要はありません。
【ツール①】台風はいつ来る? 都道府県別に「強風域・暴風域に入る時刻」を自動計算
気象庁の最新の進路予報を自動で読み込み、地点を選ぶだけで「最接近」「強風域に入る/抜ける」「暴風域に入る/抜ける」の時刻を出します。入力も、他サイトへの移動も不要です。
この時刻は、どうやって出しているのか
気象庁が発表している予報中心位置・暴風警戒域の半径・予報円の半径を自動で取得し、予報点のあいだを球面上で補間して、5分きざみであなたの地点との距離を計算しています。その距離が強風域の半径を下回った時刻が「強風域に入る時刻」、暴風域の半径を下回った時刻が「暴風域に入る時刻」です。
ひとつ技術的な補足をしておきます。気象庁が予報時刻について発表しているのは「暴風警戒域」の半径で、これは暴風域の半径+予報円の半径です。そのまま使うと暴風域を大きく見積もりすぎるため、このツールでは暴風警戒域の半径から予報円の半径を差し引いて暴風域の半径を復元しています。ここを処理していない計算ツールは、暴風域を過大に表示します。
数字だけでは分からないので、体感に直しておきます
| 風速(10分平均) | 区分 | そのとき何が起きるか |
|---|---|---|
| 15〜20m/s | 強風域 | 風に向かって歩けない。転倒する人が出る。看板やトタンが外れ始める。高速道路で車が横風にとられる。 |
| 20〜25m/s | 強風域 | 何かにつかまらないと立っていられない。飛来物で窓ガラスが割れる。 |
| 25〜30m/s | 暴風域 | 屋根瓦・屋根葺材が飛び始める。固定の不十分な看板やプレハブが倒れる。 |
| 30〜35m/s | 暴風域 | 走行中のトラックが横転する。ビニールハウスが壊れる。 |
| 35m/s以上 | 暴風域 | 多くの樹木が倒れる。電柱や街灯が倒れることがある。ブロック塀が倒壊する。 |
つまり「暴風域に入る時刻」は、外に出てはいけなくなる時刻です。ツールが出したその時刻の数時間前までに、買い物・移動・片付けをすべて終わらせてください。
この数字がどのくらい非日常なのかは、自分の住む場所の記録と比べるとつかめます。お住まいの地点で観測史上どこまでの風が吹いたことがあるかは、最大瞬間風速ランキング(全国945地点)と最大風速ランキング(全国977地点)で確認できます。「今回の予想はあの記録の半分くらいだ」と分かるだけで、備えの本気度が変わります。
「暴風域に入る確率」が同時に出る理由
ツール①には、当サイトの計算とは別に気象庁が発表している「暴風域に入る確率」を並べて表示しています。これは気象庁が全国375の地域について3時間ごとに公表している公式データで、進路のばらつきまで織り込んだ確率です。
接近している最中は、予報だけでなくいま実際にどこで風が強いかを見ると状況がつかめます。今日のアメダスランキング(風速・降水量)と全国アメダスリアルタイムマップが、10分ごとの実況で使えます。
両者が食い違ったら、気象庁の確率を優先してください。当サイトの計算は「予報どおりに進んだ場合」の一本道の答えですが、気象庁の確率は「予報がずれる可能性まで含めた答え」だからです。確率が40〜60%にとどまっているうちは、まだ進路が確定していないという意味になります。
【ツール②】ひまわり衛星ループ(最大72時間)― 台風のたまごを自分の目で探す
気象庁のひまわり画像を直近24時間ぶん自動で読み込み、そのまま再生します。台風・熱帯低気圧の位置と進路予報も重ねて描くので、渦がどれなのか迷いません。
はじめの数コマがそろうと自動で再生を開始します
黄色い線が海岸線です(気象庁の海岸線タイル)。日本列島・朝鮮半島・台湾・中国大陸・フィリピンなどの位置は、この線と主要都市の地名で確認できます。水色の線は台風がこれまで実際に通ってきた経路、黄色い破線は気象庁の進路予想です。それぞれチェックを外せば非表示にできます。渦を巻いた白い雲のかたまりが「たまご」の候補です。時間を進めても形が崩れず、渦の中心が締まっていくものほど発達しています。逆に、24時間のあいだに形が崩れて散らばっていくものは発達しません。画像:気象庁 ひまわり8号/9号。
たまごを見つけるときに見るべき3点
- 渦を巻いているか。ただの雲のかたまりではなく、時間を進めたときに反時計回りに回転していれば有力です。
- 時間が経っても崩れないか。熱帯の海上では毎日たくさんの積乱雲の集まりができますが、そのほとんどは半日で崩れます。24時間まとまり続けているものだけが候補です。
- 中心が締まっていくか。渦の中心がはっきりしてきて、雲が丸くまとまっていく方向なら発達しています。逆に中心がぼやけて広がっていくなら弱まっています。
発生しやすいのはフィリピンの東の海上からマリアナ諸島の近海、おおよそ北緯10〜20度・東経125〜145度のあたりです。「西太平洋ぜんぶ」の表示にすると、この海域がまるごと入ります。
そもそも「台風のたまご」とは何か
最初にはっきりさせておくと、「台風のたまご」は気象用語ではありません。気象庁にも米軍にも、この言葉は存在しません。実際に「たまご」と呼ばれているのは、次の3つのどれかです。
| 呼ばれ方 | 正体 | どこで確認できるか |
|---|---|---|
| たまご(ゆるい意味) | 低圧部/熱帯の雲のかたまり | 気象庁の予想天気図。中心が定まっていない気圧の低い領域 |
| たまご(最も一般的) | Invest 90W〜99W(米軍が付ける調査番号) | 上のツール③の緑・黄・赤のマーク |
| たまご(日本の報道) | 熱帯低気圧(気象庁が識別記号 a/b/c を付けたもの) | 気象庁の天気図。台風になれば「台風◯号」に切り替わる |
つまり「たまごが発生した」という同じ一言の中に、まだ何も起きていない段階から、あと1日で台風になる段階までが混在しています。ここを区別せずに情報を追うと、必要以上に不安になったり、逆に油断したりします。
なぜ「たまご」と呼ばれるようになったのか
気象庁が使い始めた言葉ではなく、テレビの気象コーナーやネットニュースが「台風の卵」と表現したのが広まったものです。まだ孵っていない=台風になっていない渦、というイメージで、専門用語の「熱帯擾乱(ねったいじょうらん)」「低圧部」「Invest」よりも直感的に伝わるため定着しました。英語圏に対応する俗称はなく、米軍JTWCの文書では tropical disturbance/suspect area/invest と書かれます。
たまごが台風に育つ5つの条件
発生した渦のうち台風まで育つのはごく一部です。育つかどうかは、おおむね次の5つで決まります。ツール②の衛星ループで渦を見つけたら、この5点を思い出しながら見てください。
| 条件 | 目安 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| 海面水温 | 26.5℃以上が深さ50m程度まで | 台風のエネルギー源は海面から蒸発した水蒸気が凝結するときに出る熱。冷たい海の上では発達できず、日本近海に来て水温が下がると弱まります。 |
| 緯度 | おおむね北緯5度以上 | 地球の自転による力(コリオリ力)がないと渦が巻けません。赤道直下では台風は発生しません。 |
| 鉛直シアが弱い | 上空と下層の風の差が小さい | 上下で風が違うと、育ちかけた渦が上下に引きちぎられます。「発達しそうだったのに崩れた」の多くはこれ。 |
| 中層が湿っている | 対流圏中層に乾燥空気が入らない | 乾いた空気を吸い込むと積乱雲が続かず、渦が維持できません。 |
| もとになる渦がある | モンスーントラフ・偏東風波動など | ゼロから渦はできません。何らかの下層の収束・渦が種になります。 |
米軍JTWCが LOW(緑)→ MEDIUM(黄)→ HIGH(赤) と判定を上げていくのは、この5条件が揃ってきたと判断したときです。逆に、緑のまま数日たって消えていく渦のほうが圧倒的に多い、というのが実際のところです。
台風の定義は「17m/s」ではなく「34ノット」
気象庁の定義では、台風とは「北西太平洋(赤道より北・東経180度より西)または南シナ海にあり、低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s=34ノット=風力8以上のもの」です。
よく「17.2m/s以上」と書かれますが、これは風力階級8の下限値から来た派生的な数字で、気象庁の定義文には出てきません。運用上の基準は34ノット(34×0.5144=約17.5m/s)です。他サイトと数字が食い違う原因はここにあります。
たまごが台風になる確率と、日本に来る確率
気象庁も米軍も「たまごが台風になる確率」の統計は公表していません。ただし、公式データから確実に言えることが3つあります。
- 気象庁が熱帯低気圧に進路予報(予報円)を付けるのは、24時間以内に台風になると予想される場合だけです。予報円が描かれた時点で、台風化はほぼ確定と考えてよい。
- 米軍のHIGH(赤)は「24時間以内に発達する見込み、または既に発達し始めている」という定義で、同時にTCFA(形成警報)が出ます。これも確度の高いシグナルです。
- 台風が発生しても日本に来るとは限りません。平年値(1991〜2020年)では年間25.1個発生 → 11.7個が接近(約47%) → 3.0個が上陸(約12%)。発生した台風の8割以上は上陸しません。
あわてるべきタイミングは「たまごが発生した」というニュースを見たときではなく、米軍がHIGHにしたとき、そして気象庁の予報円が自分の地域にかかったときです。
【ツール③】台風のたまごの最新発生状況 ― 米軍JTWCの発表を自動で読む
気象庁がまだ何も発表していない段階の「たまご」を、公式に公表している唯一の機関が米軍JTWCです。その公式発表文を自動で解析して「いま、たまごが何個あるか」を文字で表示し、同じ位置を監視マップ上にも重ねます。米軍サイトを開く必要はありません。
水色の点と地名が日本の位置です。大きな丸印は、米軍の発表文から読み取った「たまご(擾乱)」と台風の位置に、当ページが重ねて描いたものです(緑=LOW / 黄=MEDIUM / 赤=HIGH、濃赤=すでに台風)。インド洋・アフリカ・オーストラリアまで入った元の画像は「全体(元画像のまま)」で見られます。
緑の丸 = LOW
監視はしているが、24時間以内に発達する可能性は低い。日本の記事で「たまごが発生」と書かれるものの多くがこの段階で、そのまま消えることも珍しくありません。まだ動く必要はありません。
黄の丸 = MEDIUM
発達の可能性は高まっているが、台風になるのは24時間より先になりそう。「なるかどうか」から「いつなるか」に話が移った段階です。予定があるなら、ここから毎日チェックを。
赤の丸 = HIGH
24時間以内に発達する見込み、または既に発達し始めている。同時にTCFA(熱帯低気圧形成警報)が出されます。たまご段階で出る最も強いシグナルで、台風番号が付くのは時間の問題です。
図の中の記号の読み方
90W〜99W | 調査領域(Invest)の通し番号。これが「たまご」の正体。90〜99を使い回すので、番号の若さに意味はありません。末尾のWは北西太平洋=日本に来る海域。 |
TCFA | 熱帯低気圧形成警報。「まもなく台風級が生まれる」という速報で、HIGHと同時に出ます。 |
TD / TS / TY / STY | 熱帯低気圧/熱帯暴風(=日本の台風)/台風/スーパー台風。TSから日本でいう「台風」です。 |
◯◯Z | 協定世界時。日本時間は+9時間。301200Z=30日21時。18Zは翌日3時になるので日付に注意。 |
更新タイミング(日本時間)
JTWCは00/06/12/18UTC(日本時間9時・15時・21時・翌3時)を基準に解析し、サイトへの掲載はそこから2〜3時間後です。9時ちょうどに見ても前の回のままのことがあります。
画像出典:Joint Typhoon Warning Center(米海軍・空軍合同台風警報センター)。JTWCは米軍の艦船・基地を守るための機関で、日本国民向けの公式警報ではありません。日本での最終判断は気象庁の発表を基準にしてください。
米軍と気象庁で数字が違うのは、間違いではありません
「米軍は◯◯m/sと言っているのに気象庁は違う」——これは測り方の定義が違うだけです。
| 気象庁(JMA) | 米軍(JTWC) | |
|---|---|---|
| 風速の平均時間 | 10分間平均 | 1分間平均 |
| 階級 | 熱帯低気圧/台風/強い/非常に強い/猛烈な | TD / TS / TY / STY |
| 「スーパー台風」 | 存在しない(該当するのは「猛烈な台風」) | STY=130ノット以上 |
| 「STS」 | 使う(国際表記・48〜63ノット) | 使わない |
| 中心気圧 | 各種解析による | 衛星画像からのドボラック法推定が中心 |
平均する時間が短いほど瞬間的な強い風を拾うので、1分平均の米軍の値は10分平均の気象庁より大きく出ます。WMOのガイドラインでは、外洋(At-Sea)での換算係数は0.93。つまり「米軍の風速×0.93 ≒ 気象庁の風速」です。
なお、ネット上で広く使われている「×0.88」はWMOの資料では陸上向けの古い係数とされており、外洋の台風に当てはめると過小評価になります。米軍が150ノットと言っているとき、0.88なら132kt、0.93なら140kt。判断が変わりうる差です。
【ツール④】台風の進路予想を比較 ― 気象庁 vs 米軍JTWC+ヨーロッパ(ECMWF)・GFS・Windy
日本の気象庁と米軍JTWC、2機関の公式進路予報を1枚の地図に重ねて描きます。時刻スライダーを動かすと、その瞬間に気象庁はここ・米軍はここと両方の位置が同時に出て、2機関の食い違いが何kmあるかまで数字で分かります。
地図はドラッグで移動、スマホは2本指でピンチ、ダブルタップ/ダブルクリックで拡大できます。⤢で最初の表示に戻ります。
青=気象庁(10分平均風速・予報円つき)、橙=米軍JTWC(1分平均風速)。風速の平均時間の定義が違うため、強さの数字は米軍のほうが大きく出ます。位置の比較には影響しません。地図:国土地理院タイル。
ECMWF・GFS・ICONは進路の座標を公開していないため、上の地図に線として重ねることができません。代わりに3モデルの計算結果を横並びで表示します。各地図下のタイムバーを同じ日時に合わせて、渦の位置のズレを見てください。
気象庁(日本)
日本の防災の基準。予報円つきで不確実性まで発表するのが特徴。避難や運休の判断は必ずこちらを基準にしてください。
米軍JTWC(アメリカ)
米軍の艦船・基地を守るための機関。発生前の「たまご」段階から番号を付けて追うのが強みで、気象庁より早く動きます。日本向けの公式警報ではありません。
ECMWF(ヨーロッパ)
解像度およそ9km・137層。中期予報の総合精度は世界最高水準とされ、SNSでいう「ヨーロッパの予想」はほぼこれ。
GFS(アメリカ)/ICON(ドイツ)
GFSはNOAAの全球モデルで最大16日先まで。遠い将来では台風を発達させすぎる傾向。ICONはECMWFとGFSが割れたときの3本目の票。
ヨーロッパとアメリカ、どちらが当たるのか
よく聞かれますが、どちらか一方が常に当たるということはありません。性格を知って使い分けるのが実務的です。
| ECMWF(ヨーロッパ) | GFS(アメリカ) | |
|---|---|---|
| 運用機関 | ヨーロッパ中期予報センター | アメリカ海洋大気庁(NOAA/NCEP) |
| 水平解像度 | 約9km | 約13km |
| 予報期間 | 10日先(アンサンブルは15日) | 最大16日先 |
| 一般的な評価 | 中期予報の総合精度は世界最高水準 | データ完全公開。多くのアプリの土台 |
| クセ | 進路は安定。強度をやや弱めに出すことがある | 遠い将来で台風を発達させすぎる傾向 |
使い分けの目安はこうです。数日先の大まかな進路はECMWFを軸に、最新の実況に近い部分はGFSも見る。そして両者が食い違ったら、それは「予報が難しい局面だ」と理解する。食い違い自体が情報です。
モデルが割れているときに、やってはいけないこと
大気はカオス的で、初期値のわずかな誤差が時間とともに拡大します。そこで少しずつ違う初期値で何十本も計算するのがアンサンブル予報で、ECMWFは51メンバー、気象庁のGEPSも51メンバーです。気象庁の予報円の大きさは、このばらつきの大きさから決まります。
ここで最も多い誤解を正しておきます。予報円は台風の大きさではありません。円が大きいのは「台風が大きい」ではなく「まだ進路が絞れていない」という意味です。
| 進路予想の様子 | 意味 | 取るべき行動 |
|---|---|---|
| 各モデルが1本の束にまとまっている | 不確実性が小さく信頼度が高い | その進路を前提に準備してよい |
| 扇状に大きく広がっている | 進路がまだ絞れていない | 幅の端まで想定し、判断を先送りにする |
| 2つの束に分かれている | シナリオが分岐(例:東を通過 vs 本土上陸) | 平均を見てはいけない。両方のシナリオで準備する |
| 予報円が回を追うごとに小さくなってきた | 進路が固まってきた | 具体的な時刻での計画を立ててよい段階 |
とくに3番目が重要です。2つの束に分かれているとき、平均の進路線は「どのメンバーも通らない架空のコース」になります。この状態で平均だけを見て安心するのが、最も危険な誤読です。
【ツール⑤】台風接近までのやることリスト ― 最接近時刻から自動で逆算
ツール①で計算した最接近時刻をそのまま引き継いで、いつ何を終わらせておくべきかを時刻つきで並べます。
気象庁の図の読み方 ― 円と色の意味
| 地図上の表示 | 正式名称 | 定義 |
|---|---|---|
| 白い破線の円 | 予報円 | 台風の中心が到達すると予想される範囲。この円内に中心が入る確率は70%。台風の大きさではない |
| 赤い太い実線で囲まれた領域 | 暴風警戒域 | 中心が予報円内に進んだ場合に、5日先までに暴風域に入るおそれのある範囲全体 |
| 黄色の実線の円 | 強風域 | 風速15m/s以上の強風が吹いているか、吹く可能性のある範囲 |
| 赤色の太実線の円 | 暴風域 | 風速25m/s以上の暴風が吹いているか、吹く可能性のある範囲 |
「強さ」と「大きさ」は別の話
| 強さの階級(最大風速) | 大きさの階級(強風域の半径) |
|---|---|
| 階級なし:17.2〜33m/s未満 | 階級なし:500km未満 |
| 強い:33〜44m/s未満 | 大型:500〜800km未満 |
| 非常に強い:44〜54m/s未満 | 超大型:800km以上 |
| 猛烈な:54m/s以上 | — |
注意したいのが「大型だが強くない台風」です。風は大したことがなくても、影響範囲が広く動きが遅いぶん長時間雨が降り続き、大雨災害になりやすい。「強い」がついていないから安心、という読み方はできません。
もうひとつの目安が中心気圧です。日本に上陸した台風でいちばん低かったのは1961年の第2室戸台風(台風18号)の925hPa、次いで1959年の伊勢湾台風の929hPa。いま接近している台風がこの中でどのあたりの強さなのかは、上陸時の中心気圧が低い台風ランキングTOP100で歴代と並べて見られます。
情報が更新されるタイミング(日本時間)
- 気象庁 実況・24時間予報:3時間ごと(0/3/6/9/12/15/18/21時)の約50分後。台風が日本付近(おおむね300km以内)にあるときは1時間ごと
- 気象庁 5日間予報(予報円):3・9・15・21時の約50分後(1日4回)
- 米軍JTWC:解析は9・15・21・翌3時。掲載はそこから2〜3時間後
- ひまわり衛星:2.5〜10分ごと(このページの衛星ループも同じ元データ)
「何度リロードしても変わらない」のは、たいていまだ更新時刻が来ていないだけです。
台風の番号と名前のルール
毎年1月1日以降、最初に発生した台風を第1号とし、以後発生順に番号を付けます。年が変われば1号から振り直しです。
意外と知られていないのが「復活ルール」。一度発生した台風が衰えて熱帯低気圧になった後、再び発達して台風になった場合は同じ番号が付きます。「消えたのにまた同じ番号で復活した」というのはこれです。
番号とは別にアジア名もあります。台風委員会の加盟14か国・地域が提案した140個の名前を発生順に使い、使い切ったらまた1番目の「ダムレイ」に戻るという仕組みです。年間平均25.1個なので、おおむね5〜6年で一巡します。日本が提案する名前は星座に由来し、コイヌ、トモ、ヘビ、カジキ、コト、クジラ…と続きます。中立的でどの国にも不快感を与えず、なじみがあるという理由で選ばれました。
月別の発生数・接近数・上陸数(平年値)
| 月 | 発生数 | 日本への接近数 | 日本への上陸数 |
|---|---|---|---|
| 1〜3月 | 各0.3 | — | — |
| 4月 | 0.6 | 0.2 | — |
| 5月 | 1.0 | 0.7 | 0.0 |
| 6月 | 1.7 | 0.8 | 0.2 |
| 7月 | 3.7 | 2.1 | 0.6 |
| 8月 | 5.7 | 3.3 | 0.9 |
| 9月 | 5.0 | 3.3 | 1.0 |
| 10月 | 3.4 | 1.7 | 0.3 |
| 11月 | 2.2 | 0.5 | — |
| 12月 | 1.0 | 0.1 | — |
| 年間 | 25.1 | 11.7 | 3.0 |
台風の被害は風よりも雨で出ることのほうが多く、記録的な大雨はたいてい台風か前線が絡んでいます。日本でこれまでどれくらいの雨が降ったことがあるのかは、10分間・1時間・日降水量ランキング(日本一は箱根の日降水量922.5mm)で確認できます。
発生数のピークは8月、上陸数のピークは9月です。1か月ずれるのは、8月は太平洋高気圧に阻まれて日本に来にくく、9月に高気圧が弱まると日本へ向かうコースが開くためです。台風の平均寿命は5.2日。この5.2日が、たまごを見つけてから備えるまでに使える時間のおおよその上限になります。
たまご発生から上陸まで ― いつ何をするかの早見表
ツール⑤は最接近時刻から逆算してあなたの台風の実際の時刻を出しますが、頭に入れておく順番としては次の表が基本形です。台風の平均寿命は5.2日なので、たまごを見つけてから上陸までに使える時間はおおむね3〜7日と考えてください。
| タイミング | 状況 | やること |
|---|---|---|
| 7日前〜(たまご発見/LOW・MEDIUM) | 米軍が番号を付けて監視を始めた段階。進路はまだ分からない。 | 旅行・出張のキャンセル料が発生する日と航空券の無料変更条件を調べておく。備蓄の在庫確認だけ。 |
| 5日前(台風発生/気象庁が5日予報を開始) | 気象庁の予報円が出る。自分の地域が円にかかるかを見る。 | ツール①で自分の地点を選び、最接近の日付を把握。予定の組み替えを検討。 |
| 72時間前 | 進路のばらつきが縮まる。暴風域に入る確率が出始める。 | 水・食料・カセットボンベ・常備薬の買い出し。モバイルバッテリー購入はこの日まで。 |
| 48時間前 | 暴風域に入る確率が上がる。 | ベランダ・庭の飛散物を室内へ。側溝と雨どいの掃除。窓に養生テープ・雨戸の確認。 |
| 24時間前 | 強風域に入る直前。 | スマホ・モバイルバッテリー満充電。浴槽に水をためる。ハザードマップと避難所の確認。車は高台へ。 |
| 強風域に入る時刻 | 風に向かって歩けなくなる。 | 屋外作業を終了。以降の外出はしない。 |
| 暴風域に入る時刻 | 屋根瓦が飛び始めるレベル。 | 窓から離れた部屋で待機。停電に備えて照明を手元に。 |
| 最接近〜通過後 | 目に入って一時的に静かになることがある。 | 絶対に外に出ない。直後に反対向きの吹き返しが来る。 |
よくある質問
台風のたまごとは何ですか?
気象庁の正式用語ではなく俗称です。実際には、天気図上の「低圧部」、米軍JTWCが調査番号を振った「Invest 90W〜99W」、気象庁が識別記号を付けた「熱帯低気圧a」など、台風になる前の段階の総称として使われています。
台風のたまごは必ず台風になりますか?
なりません。むしろ発達せずに消えるものが大多数です。米軍がLOW(緑)と判定している段階は「24時間以内に発達する可能性は低い」という意味で、そのまま消滅することも珍しくありません。
台風のたまごはどこで発生しますか?
多くはフィリピンの東の海上からマリアナ諸島近海、おおよそ北緯10〜20度・東経125〜145度です。このページの衛星ループを「西太平洋ぜんぶ」にすると、この海域がまるごと入ります。
たまごが台風になるまで何日かかりますか?
公式統計はありませんが、Invest指定からHIGH判定までが数日、HIGH判定からは24時間以内が目安です。台風の平均寿命が5.2日であることを踏まえると、たまごを見つけてから日本に影響が出るまではおおむね3〜7日と考えると現実的です。
このページの到達時刻は、どこの発表ですか?
最接近時刻・強風域・暴風域の時刻は、気象庁が発表している予報中心位置と半径をもとに当サイトが計算した推定値です。いっぽう「暴風域に入る確率」は気象庁の発表値をそのまま表示しています。両者が食い違う場合は気象庁の確率を優先してください。
台風が発生していないとき、ツールはどうなりますか?
計算対象がないため到達時刻は表示されません。そのかわり、発達前の「たまご」を公表している米軍JTWCのマップと、衛星ループはいつでも動きます。台風が発生すると、ページを開いた時点で自動的に計算が始まります。
米軍と気象庁、どちらの予想が当たりますか?
どちらが常に当たるということはありません。米軍JTWCは自軍の艦船・基地を守るための機関で、予報範囲が広くたまご段階から出るのが強みです。気象庁は日本の防災に責任を持つ公式機関で、予報円・暴風警戒域という日本の防災制度と直結した情報を出します。早めの心構えに米軍、最終判断に気象庁、という併用が現実的です。
米軍の情報の時刻は日本時間ですか?
いいえ、UTC(協定世界時)です。日本時間はUTC+9時間。たとえば「301200Z」は7月30日12時00分UTC=日本時間30日21時です。18Zは翌日3時になるため、日付が変わる点に特に注意してください。
Invest 90W の「90W」はどういう意味ですか?
90〜99が調査領域の通し番号(使い切ると90に戻る)、Wが北西太平洋を表します。台風番号とは無関係で、番号が若いから古い・強いといった意味はありません。
JTWCの緑・黄・赤は発生確率のパーセントですか?
いいえ。緑(LOW)は「24時間以内に発達する可能性は低い」、黄(MEDIUM)は「発達は24時間より先になりそう」、赤(HIGH)は「24時間以内に発達する見込み、または既に発達し始めている」という時間軸の判定で、パーセントの定義はありません。
TCFAとは何ですか?
Tropical Cyclone Formation Alert(熱帯低気圧形成警報)の略で、米軍が「まもなく台風級が発生する可能性がある」と判断したときに出す速報です。HIGH判定と同時に発表され、たまご段階で出る最も強いシグナルです。
「熱帯低気圧a」の「a」は何ですか?
台風になるかどうかまだ分からない段階で、複数の熱帯低気圧を区別するための仮の識別記号です。aだから弱い、bだから強いといった意味はありません。台風になれば「台風◯号」に切り替わります。
予報円が大きいと台風も大きいのですか?
違います。予報円は「台風の中心が到達すると予想される範囲」で、円内に中心が入る確率が70%という意味です。円が大きいのは進路の不確実性が大きいことを示しており、台風の大きさとは無関係です。
たまごの段階で旅行をキャンセルすべきですか?
LOW判定の段階でのキャンセルは早すぎます。この時点でやるべきなのは、航空券の無料変更条件と宿のキャンセル料が発生する日を調べておくことです。判断の目安は、気象庁の5日予報の予報円が目的地にかかるかどうか。かかったら具体的に変更を検討する、という順序が無駄がありません。
台風の東側と西側で危険度は違いますか?
違います。台風は反時計回りに風が吹き込むため、進行方向の右側(多くの場合は東〜南東側)では台風自身の風と進行速度が足し合わされ、風が強くなります。この側を「危険半円」と呼びます。中心が自分より西を通るときは特に警戒が必要です。
台風の目に入って風が弱まったら外に出ても大丈夫ですか?
絶対に出ないでください。台風の目が通過している間だけ一時的に風が弱まり、その直後に反対方向から猛烈な風(吹き返し)が吹きます。風向きが180度変わるため、それまで無事だった側の飛散物が一気に飛びます。
暴風域に入る前に、いつまでに準備を終えればいいですか?
暴風域に入る時刻の数時間前には屋外での作業をすべて終えてください。買い出しは72時間前、飛散物の片付けは48時間前、満充電と浴槽の水は24時間前が目安です。ツール⑤が最接近時刻から逆算して時刻つきで出します。
スマホだけで使えますか?
使えます。このページのツールはすべてスマートフォンで動作します。ブックマークしておけば、台風のたびに開くだけで最新の状況に更新されます。
台風のたまごは1年に何個くらい発生しますか?
台風まで育つものが平年で年25.1個です。そこまで至らずに消える「たまご」はその数倍あり、米軍JTWCがInvest番号を振るものだけでも年間数十件になります。つまり、たまごが出たというニュースの大半は台風になりません。
台風のたまごは無料でどこで見られますか?
このページの上のツールがそのまま無料で使えます。元データは気象庁の台風情報とひまわり衛星画像、米軍JTWCの公式発表文で、いずれも無料公開されているものを自動で読み込んでいます。会員登録もアプリも不要です。
ヨーロッパの進路予想(ECMWF)はどこで見られますか?
このページのツール④の下段に、ECMWF・GFS・ICONの計算結果を横並びで表示しています。なおECMWFなどのモデルは台風の中心座標を公開していないため、気象庁や米軍のような「予報進路の線」としては発表されません。等圧線や風の場から渦の位置を読み取る形になります。
Windyではどのモデルを見ればいいですか?
進路の比較なら、まずECMWF、次にGFS、割れたときの3本目としてICONを見るのが基本です。表示は「気圧」にすると中心が読み取りやすくなります。ただしWindyはモデルの生の計算結果で、気象庁や米軍のような予報官の修正は入っていません。防災の判断は気象庁の発表を基準にしてください。
米軍JTWCの最新情報は1日何回更新されますか?
たまごの監視速報(ABPW)は1日4回(世界時00・06・12・18Z=日本時間9時・15時・21時・翌3時)です。台風に対する警報は6時間ごとに更新されます。このページは10分ごとに取り直しているので、更新されればそのまま反映されます。
台風◯号のたまご、という言い方は正しいですか?
番号は台風になってから順番に付くので、たまごの段階では番号がありません。「台風14号のたまご」という表現は、次に発生すれば14号になるであろう渦、という意味で使われている俗称です。米軍のInvest番号(90W〜99W)とも無関係です。
台風のたまごが日本に来る確率はどのくらいですか?
平年値では、発生25.1個に対して日本への接近が11.7個、上陸が3.0個です。単純計算で、発生した台風のうち接近が約47%、上陸が約12%。たまごの段階からだと、この確率はさらに下がります。
出典・データの取得元
- 台風の位置・進路・強度・暴風域に入る確率:気象庁 防災情報 台風情報(
jma.go.jp/bosai/typhoon/)を、ページを開いた時点で自動取得しています - 衛星画像:気象庁 気象衛星ひまわり8号/9号(
jma.go.jp/bosai/himawari/) - たまご(擾乱)の監視状況:米軍 合同台風警報センター(JTWC)
- 各モデルの描画:Windy.com(ECMWF / GFS / ICON を同時表示)
- 気象庁「台風情報の種類と表現方法」(予報円・暴風警戒域・強風域・暴風域の定義、発表時刻)
- 気象庁「台風とは」「台風の大きさと強さ」「番号とアジア名の付け方」
- 気象庁「台風の平年値」(1991〜2020年平均:発生25.1/接近11.7/上陸3.0)
- 気象庁「台風進路予報の精度検証」(2025年:24h=66km/72h=180km/120h=512km)
- WMO「Guidelines for Converting Between Various Wind Averaging Periods」(1分平均→10分平均の換算係数 At-Sea=0.93)
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- 【歴代】最大風速ランキング|全国977地点:10分平均風速の記録。強風域・暴風域の数字を実感に変えるのに使えます。
- 【歴代】10分間・1時間・日降水量ランキング:台風でよく問題になるのは風より雨です。過去の豪雨記録から目安をつかめます。
- 全国アメダス観測所リアルタイムマップ(気温・降水量):台風接近中に、いまどこで雨が降っているかを地図で確認できます。
- 今日のアメダスランキング全国ベスト300|風速・降水量:接近中に「今どこで一番風が強いか」をリアルタイムで確認できます。
