最近雨が多いのはなぜ?2026年の大雨まとめ|千葉豪雨・台風25号・北陸豪雨の被害と、東西で分かれた雨の理由【10月最新】

日本地図上に2026年9月の降水量の平年比を色分けした点と、上位県の棒グラフを重ねたイメージ 気象

こんにちは!気象予報士ののぶやんです。

【10月27日更新】9月の記事に、2026年1月〜10月の主な大雨・台風と被害のまとめ(年表・被害の大きさ・月別の雨カレンダー)を追加しました。10月の秋田の記録的大雨、台風30号、西日本の水不足のその後も反映しています。→ 2026年の大雨まとめへ

「最近、雨ばっかりじゃない?」——2026年9月は、その感覚が記録として残る月になりました。9月前半の秋雨前線と台風24号の大雨に続いて、9月19〜22日には台風25号が関東・伊豆諸島に接近し、ふたたび記録的な大雨。伊豆大島では72時間で837.5mm(観測史上1位)、千葉県では24時間・48時間・72時間の雨量が次々と観測史上1位を更新し、千葉市の9月の降水量は706.0mmと、1966年の統計開始以来のあらゆる月で最も多い値になりました。横浜(690.0mm)・水戸(538.5mm)も9月として観測史上1位です。

ところが同じ9月、九州・四国・中国地方では「雨が降らない」ことが問題になっています。四国の水がめ・早明浦ダムの貯水率は14.4%(平年87.4%)で第4次取水制限、福岡都市圏には筑後川から55%の取水制限がかかり、一部で水道の減圧給水が始まっています。佐賀の8〜9月の降水量はわずか58mmで、統計のある136年で最も少ない値です。

この記事では、気象庁の観測データと国土交通省の発表をもとに、「東は記録的大雨、西は水不足」という2026年9月の雨の偏りを、台風25号の記録・仕組み・水不足の現状・今後の見通しまで整理しました。47都道府県の「雨が多すぎるか・足りないか」を9月23日までのデータで確かめられるツールも更新しています。

この記事の結論(30秒で読める版・10月27日更新)
  1. 2026年は「台風の湿った空気」による大雨がくり返した年。6月の台風6号から10月の台風30号まで、台風本体や周辺の暖かく湿った空気が前線を活発にする形の大雨が続きました。気象庁が豪雨に名前を付けたのは6年ぶり(令和8年8月千葉豪雨)です。
  2. 被害が大きかったのは「千葉豪雨」と「台風25号」。千葉豪雨で死者13人、台風25号で死者17人。主な大雨だけで少なくとも33人が亡くなりました。
  3. 関東は年間でも突出。1月1日〜10月26日の降水量は千葉2,166mm(平年の171%)で年間の観測史上最多を更新中、東京2,059mmは平年の1年分(1,598mm)をすでに約460mm上回っています。
  4. 関東以外でも「観測史上1位」が相次いだ。8月末の石川・富山・福井、9月8日の名古屋(1時間104.5mm)、10月21日の秋田など、レベル5の特別警報が出た大雨は本記事で確認できただけで9回あります。
  5. 西日本の水不足は9月末から回復へ。早明浦ダムは9月9日の5.0%から10月23日に32.6%まで戻り、取水制限は10月25日に一時解除。背景には記録的な海面水温とエルニーニョ現象があり、11月上旬は晴れる日が多い見込みです。
  1. 【10月27日更新】2026年の主な大雨・台風まとめ(1月〜10月)|いつ・どこで・どんな被害があったか
    1. 2026年の主な大雨・台風の年表(被害つき)
    2. 【ツール】2026年 月別の雨カレンダー(平年比)
    3. 10月も大雨:秋田の記録的大雨と台風30号
    4. 西日本の水不足は、その後どうなった?
    5. 2026年の雨から見える3つの特徴(気象予報士の見方)
  2. 【9月24日更新】台風25号で関東・伊豆諸島に記録的大雨|観測史上1位が相次ぐ
    1. 観測史上1位を更新した地点(24時間降水量)
    2. 9月19〜24日の期間降水量ランキング
    3. なぜ台風が「かすめただけ」でこれほど降ったのか
    4. 被害の状況(国土交通省まとめ・9月24日9時時点)
    5. 9月の雨は「2つの台風」で2度の山
  3. 【検証ツール】あなたの県は雨が多すぎる?足りない? 47都道府県(9月23日まで)
      1. あなたの県は本当に「雨が多い」?「水不足」? 2026年 都道府県別 検証ツール(9月23日まで)
  4. 一方で西日本は「水不足」|早明浦ダム14%、福岡都市圏は55%の取水制限
    1. 取水制限が行われている水系(9月24日時点)
    2. なぜ西日本には雨が降らないのか|台風も前線も「東へ」
    3. 水不足はいつ解消する? カギは台風と10月の雨
    4. 水不足の地域でできること
  5. 9月上旬(1〜13日)の雨は、数字で見るとどれくらい異常だったか
    1. 9月1〜13日の降水量:関東・東海は平年の3〜4倍
    2. 「毎日降っている」は本当? 雨の日数と日照時間
    3. 9月上旬の記録的な大雨:新島・伊豆大島・名古屋
  6. 最近雨が多い理由は3つ|気象予報士が仕組みを解説
    1. 理由1:秋雨前線が本州付近に「停滞」した
    2. 理由2:迷走した台風24号と「台風周辺の湿った空気」が前線を刺激した
    3. 理由3:海面水温が記録的に高く、大気中の水蒸気が多い(エルニーニョと温暖化)
  7. なぜ西日本は逆に雨が少ないのか|「東は大雨・西は少雨」の正体
    1. 夏の西日本は「記録的少雨と酷暑」だった
  8. 2026年は年間を通して雨が多い年なのか
    1. 6月:台風6号で東日本は「観測史上級」の雨
  9. 「雨の降り方」が変わっている|温暖化と大雨の増加
  10. いつまで続く? この先の見通し(9月末〜12月)
  11. 雨が続くときに役立つ情報の見方・備え
  12. 去年の今頃と比べる(今年・去年・平年)
  13. 最近雨が多い理由・水不足についてよくある質問
    1. Q. 最近雨が多いのはなぜですか?(2026年9月)
    2. Q. 台風25号でどれくらい雨が降りましたか?
    3. Q. 西日本で水不足になっているのはどこですか?
    4. Q. なぜ関東は大雨なのに西日本は雨が降らないのですか?
    5. Q. 2026年は本当に雨が多い年ですか?
    6. Q. 東京の9月の雨はどれくらい多いのですか?
    7. Q. 西日本の水不足はいつ解消しますか?
    8. Q. 雨はいつまで続きますか?(関東)
    9. Q. 秋雨前線とは何ですか?梅雨前線との違いは?
    10. Q. 大雨は昔より増えていますか?
    11. Q. 2026年に大きな被害が出た大雨はどれですか?
    12. Q. 10月も雨が多いのですか?
  14. あわせて読みたい:雨・気候のデータ記事
  15. まとめ

【10月27日更新】2026年の主な大雨・台風まとめ(1月〜10月)|いつ・どこで・どんな被害があったか

「最近雨が多い」と感じるのは9月だけの話ではありません。2026年は6月から10月まで、ほぼ毎月どこかで「観測史上1位」の大雨が起きています。まずは数字で全体像を見てから、時系列で振り返ります。

大雨・台風による死者(主な事例)
33人以上
千葉豪雨13・台風25号17ほか
レベル5の特別警報が出た大雨
9回
大雨・土砂災害・氾濫(本記事で確認分)
気象庁が名前を付けた豪雨
6年ぶり
令和8年8月千葉豪雨
千葉の1/1〜10/26の降水量
2,166mm
平年の171%(年間の過去最多を更新中)

2026年の主な大雨・台風の年表(被害つき)

時期現象主な記録・特別警報主な被害
6月1〜3日台風6号(沖縄本島を直撃、3日に和歌山県へ上陸。本土上陸は統計開始以来4番目の早さ)東京・横浜で6時間雨量が6月の観測史上1位(東京は150mm超)。和歌山県の古座川にレベル5氾濫特別警報沖縄〜東海の6県で23人けが(3日午後時点)
6月24日〜梅雨前線の大雨西日本〜静岡で大雨。福岡県・鹿児島県の計5市町に災害救助法死者1人・負傷7人、住宅被害439棟(6月29日時点)
7月1〜5日梅雨前線・線状降水帯(九州北部)2日未明に長崎・佐賀・福岡・大分・熊本で線状降水帯が相次ぎ発生。西海で1時間84.5mm、筑後川の上流(熊本県小国町)で氾濫土砂崩れ・浸水(熊本の旅館の浸水など)
8月6〜9日台風13号(沖縄・奄美をゆっくり通過)奄美市名瀬で降り始めから406mm(8月1か月分超)、最大瞬間風速40m/s超14人負傷、家屋268軒。鹿児島で最大4万軒以上が停電
8月13〜14日令和8年8月千葉豪雨(気象庁命名)線状降水帯、千葉で24時間351.0mm。レベル5大雨特別警報・土砂災害特別警報死者13人・負傷46人、全壊12・半壊2,183・床上浸水1,054・床下浸水2,736(9月9日時点)。成田空港で約7,000人が足止め
8月26〜30日前線の大雨(石川・富山・福井)27日に石川・富山で線状降水帯、24時間300mm超(氷見362.0mm)。30日は福井・勝山327.0mmが観測史上1位。3県にレベル5大雨特別警報3県で10人負傷、床上・床下浸水2,300軒超。氷見市などで集落の孤立(解消に1週間以上)
9月3〜8日台風24号と前線屋久島・尾之間490.5mm、新島485.0mm(24時間、観測史上1位)。名古屋で1時間104.5mm(観測史上1位)。土砂災害・氾濫特別警報が相次ぐ死者2人・負傷50人以上、家屋4,000軒超(8月27日からの大雨を含む、9月18日時点)
9月19〜22日台風25号伊豆諸島で800mm、千葉・静岡で500mm超。大島町にレベル5土砂災害特別警報。印旛沼の堤防が一部決壊死者17人(千葉10・神奈川5ほか)・負傷41人、家屋2,412軒。最大約6万2,700軒停電
9月26日〜10月初め台風26号と秋雨前線関東は地盤が緩んだまま再び雨。西日本にもようやく雨が戻る四国・吉野川の取水制限が10月5日に一時解除
10月20〜21日低気圧と前線(秋田県)日降水量120mm前後が10月の観測史上1位。子吉川にレベル5氾濫特別警報由利本荘市で子吉川が氾濫、アンダーパスの冠水
10月23〜27日台風30号と前線猛烈な勢力(905hPa)で先島諸島に接近、25日21時に東シナ海で温帯低気圧に。対馬・厳原で23〜26日に380.5mm沖縄で停電・断水(竹富町で約980戸)。23〜24日に航空329便が欠航
消防庁・国土交通省・気象庁の発表、各報道・レスキューナウのまとめをもとに筆者作成(被害は各時点の速報値で、今後変わることがあります)
住家被害(棟・軒)と死者数令和8年8月千葉豪雨(8/13〜14)5,985死者13人台風24号と前線(9/3〜8)※8/27〜を含む4,233死者2人台風25号(9/19〜22)2,412死者17人北陸3県の大雨(8/26〜30)2,300超6月24日からの大雨439死者1人台風13号(8/6〜9)268住家被害は全壊・半壊・床上・床下浸水などの合計(速報値、集計時点は年表を参照)
2026年の主な大雨・台風の住家被害と死者数(消防庁まとめ等の速報値をもとに筆者作成)

被害がもっとも大きかったのは8月の千葉豪雨です。帰宅時間帯に線状降水帯がかかり、外水氾濫(川があふれる)と内水氾濫(排水が追いつかない)が同時に起きたため、冠水した道路で車内に閉じ込められて亡くなった方が出ました。9月の台風25号は、そのわずか1か月後に同じ千葉県を襲い、房総半島・三浦半島の土砂崩れで多くの方が犠牲になっています。「一度被災して復旧途中の地域が、また浸水した」のが2026年の関東の特徴です。

【ツール】2026年 月別の雨カレンダー(平年比)

各県の気象台の月降水量を、平年値(1991〜2020年)と比べた割合です。青いほど雨が多く、オレンジほど少ない月。行をタップすると、その地点の1月からの累計がわかります(10月は26日までの値を、平年の26日分と比べています)。

読み込み中…
50%未満50〜79%80〜129%130〜199%200〜299%300%以上
出典:気象庁の観測データ(各都道府県の気象台。埼玉は熊谷、滋賀は彦根、山口は下関)をもとに当サイトで集計。速報値を含みます。

カレンダーを見ると、2026年の雨には季節ごとにはっきりした「顔」があります。

  • 1月:太平洋側はほぼ雨ゼロ。東京13%、名古屋0%、高松1%、高知0%と、47地点のうち28地点で平年の2割にも届かない記録的な少雨でした。一方で札幌169%・秋田172%など日本海側・北日本は降水量(雪を含む)が多めでした。
  • 6月:全国的な多雨。台風6号と梅雨前線で、東京260%・高松243%・仙台219%・那覇209%など、北から南まで平年を大きく上回りました。
  • 8月:「東は豪雨、西は少雨」がはっきり。千葉404%に対し、佐賀・長崎は1%、高松9%、和歌山10%。西日本の水不足はここから深刻になりました。
  • 9月:関東が記録的。千葉377%、水戸344%、横浜325%、東京310%。9月末の雨で西日本も佐賀116%・鹿児島143%まで戻しました。
  • 10月(26日まで):雨の中心が西・日本海側へ。福岡221%、下関187%、和歌山183%、松江173%、金沢170%に対し、東京は21%・千葉32%と関東は一転して少なめです。

10月も大雨:秋田の記録的大雨と台風30号

10月に入っても大雨は続いています。10月20〜21日は、日本海で発達した低気圧から延びる前線に暖かく湿った空気が流れ込み、秋田県で21日の日降水量が120mm前後と10月の観測史上最大になりました。21日夜には子吉川にレベル5氾濫特別警報が出され、由利本荘市で川があふれています。

続く台風30号は、中心気圧905hPaの猛烈な勢力で沖縄の先島諸島に接近し、10月23〜24日は沖縄・奄美の空の便が2日間で329便欠航しました。台風は25日21時に東シナ海で温帯低気圧に変わりましたが、台風が運んできた湿った空気が本州付近の前線を活発にし、長崎県の対馬・厳原では23日朝から26日未明までに380.5mm、佐賀県伊万里205.0mm、福岡県糸島市の前原でも170.0mmに達しました。関東甲信では27日明け方にかけて雨のピークとなっています。「台風が温帯低気圧に変わっても安心できない」典型的なパターンです(くわしくは台風が温帯低気圧に変わったら安心?)。

西日本の水不足は、その後どうなった?

9月下旬に記事で取り上げた西日本の水不足は、9月末からの雨で少しずつ回復しています。四国の早明浦ダムは9月9日に貯水率5.0%まで下がりましたが、10月23日には32.6%まで戻りました。吉野川水系(徳島・香川)の取水制限は10月5日にいったん解除され、その後再開したものの、10月25日に再び一時解除されています。ただし平年の貯水率(管理開始以降の平均90.5%)と比べればまだ3分の1ほどで、「解消」とまでは言えません。

九州北部も、9月の佐賀は23日までわずか55mmでしたが、月末の雨で197mm(平年の116%)まで戻し、10月は福岡が平年の2倍を超える雨になっています。それでも1月からの累計は鹿児島81%・熊本82%・松江80%と、西日本の一部は「1年を通しては雨が少ない年」のままです。節水の呼びかけや取水制限の最新状況は、お住まいの水道事業者の発表で確認してください。

2026年の雨から見える3つの特徴(気象予報士の見方)

  1. 「台風+前線」型の大雨が多い。台風6号・13号・24号・25号・30号と、台風本体よりも台風が運ぶ湿った空気が前線を刺激する形の大雨が目立ちました。台風から離れた場所でも大雨になるため、「台風の進路から外れているから大丈夫」が通用しにくい1年でした。
  2. 同じ地域に「くり返し」降る。関東(とくに千葉)は6月・8月・9月の3回、記録的な雨に見舞われました。一度大雨が降ると地盤が緩み、堤防や斜面も傷むため、2回目以降は少ない雨でも災害が起きやすいのが怖いところです。
  3. 雨の「総量」より「偏り」が大きい。同じ年に千葉は平年の171%、鹿児島は81%。1月の太平洋側の少雨、8月の西日本の少雨のように、降らない地域・季節では水不足が起きました。海面水温が高く大気中の水蒸気が多いと、降るところには極端に降り、降らないところとの差が広がる――これが2026年の雨の正体です(仕組みは下の「理由は3つ」で解説)。

出典:総務省消防庁「被害及び消防機関等の対応状況」各報、国土交通省「災害・防災情報」(令和8年10月21日からの大雨 第1報、台風第30号 第3報ほか)、気象庁「令和8年8月13日からの千葉県の豪雨の名称について」、独立行政法人水資源機構 早明浦ダム貯水状況、レスキューナウ「2026年8月まとめ」「2026年9月まとめ」、日本気象協会 tenki.jp・ウェザーニュースの解説記事。被害の数値は各時点の速報値です。

【9月24日更新】台風25号で関東・伊豆諸島に記録的大雨|観測史上1位が相次ぐ

9月16日21時にマリアナ諸島で発生した台風25号(ドゥージェン)は、19日に小笠原諸島に接近したあと北上し、21日午後に大型で強い勢力のまま伊豆諸島付近、夜には房総半島の東を通過。22日21時に日本のはるか東で温帯低気圧に変わりました。上陸はしていませんが、関東の南の海上をかすめるように進んだため、東京・千葉・神奈川・茨城・静岡と伊豆諸島に記録的な大雨をもたらしました。

伊豆大島 72時間降水量
837.5 mm
観測史上1位(従来824.0mm・2013年10月)。24時間は686.5mmで9月の1位
千葉市 9月の降水量
706.0 mm
9月1〜23日。1966年の統計開始以来、全ての月で最多。9月平年の3.4倍
観測史上1位を更新
24h 8地点
48時間19地点・72時間15地点(9月19〜24日、気象庁速報値)
千葉市の年間降水量
2,040 mm
1月1日〜9月23日で年間の過去最多(1991年1,910.5mm)を更新
20N25N30N35N40N130E135E140E145E150E155E9/16 21時 発生9/19 小笠原諸島に接近9/21 夜 房総半島の東9/22 朝 日本の東9/22 21時 温帯低気圧にT25伊豆大島 870mm天城山 587mm市原・牛久 497mm館山 472mm宮崎・油津 433mm(19日)凡例台風25号の経路(概略)秋雨前線(19〜21日・模式)9/19〜24の期間降水量経路は気象庁・国土交通省の発表をもとにした概略。降水量は気象庁「特定期間の気象データ」(9月19日〜24日、24日15時現在の速報値)
台風25号の経路(概略)と、9月19〜24日の期間降水量が多かった主な地点。前線は模式。宮崎県日南市油津の大雨は台風接近前の19日未明(出典:気象庁「特定期間の気象データ」、国土交通省「被害状況等について」)

観測史上1位を更新した地点(24時間降水量)

気象庁の「特定期間の気象データ(9月19日〜24日)」によると、21日の雨で24時間降水量の観測史上1位を8地点が更新しました。いずれも1976年以降の統計で、千葉県市原市牛久の392.5mmは、1996年9月(台風17号)の321mmを70mm以上上回っています。

地点24時間降水量これまでの1位統計開始
千葉県市原市 牛久392.5 mm321 mm(1996/9/22)1978年
千葉県君津市 坂畑377.5 mm374 mm(1989/8/1)1978年
千葉県船橋市 船橋345.5 mm285.0 mm(2013/10/16)1999年
千葉県佐倉市 佐倉322.0 mm301.5 mm(2013/10/16)1976年
神奈川県三浦市 三浦308.0 mm262 mm(1981/10/23)1976年
千葉県我孫子市 我孫子293.5 mm252.0 mm(2013/10/16)2010年
東京都江戸川区 江戸川臨海282.5 mm249 mm(1996/9/22)1976年
茨城県龍ケ崎市 龍ケ崎260.5 mm244.0 mm(2013/10/16)1976年
2026年9月21日の24時間降水量(観測史上1位の更新地点)。出典:気象庁「特定期間の観測史上1位の値 更新状況」(9月24日15時現在の速報値)

48時間・72時間でも、伊豆大島(48時間832.0mm・72時間837.5mm)、千葉(48時間419.0mm)、茂原(465.0mm)、館山(433.0mm)、勝浦、木更津、大多喜、成田、羽田(東京都大田区 272.5mm)などが観測史上1位を更新。長い時間の雨量ほど記録更新が多いのは、「1時間に100mm」のような短時間の豪雨ではなく、強い雨が半日以上降り続いたことを示しています。実際、1時間降水量の最大は大島の80.0mmで、観測史上1位を更新した地点はありませんでした。

9月19〜24日の期間降水量ランキング

順位地点期間合計9月の平年値に対して
1東京都大島町 大島870.0 mm255%
2静岡県伊豆市 天城山587.0 mm108%
3千葉県市原市 牛久496.5 mm209%
4千葉県大多喜町 大多喜488.5 mm174%
5千葉県茂原市 茂原477.0 mm208%
6千葉県館山市 館山471.5 mm212%
7千葉県鋸南町 鋸南466.0 mm227%
8千葉県君津市 坂畑462.0 mm183%
9東京都大島町 大島北ノ山438.5 mm190%
10千葉県木更津市 木更津426.0 mm186%
11千葉県千葉市 千葉425.5 mm208%
出典:気象庁「特定期間の全国観測値ランキング」(9月19日〜24日、24日15時現在の速報値)。わずか数日で9月1か月分の2倍前後が降った

なぜ台風が「かすめただけ」でこれほど降ったのか

台風25号の大雨には、9月前半の台風24号と同じ「台風+前線」の組み合わせがありました。台風が近づく1〜2日前から、本州の南岸に停滞していた秋雨前線に向かって、台風の東〜北側を回る暖かく湿った空気が流れ込み、前線の北側にあたる関東で強い雨が続きます(19〜21日)。そこへ台風本体の雨雲が重なったため、雨の降る時間が長くなり、48時間・72時間の総雨量が記録を更新しました。台風の進行方向の右側(東側)ほど湿った風が強いこと、台風が関東の南を東へ抜ける経路だったことも、千葉・伊豆諸島に雨が集中した理由です。

関東〜東海秋雨前線(停滞前線)北から冷たい空気T25台風25号(まだ遠い)台風の東〜北側を回る暖かく湿った空気が前線へ台風が来る前から前線の北側で雨が続く①台風が近づく1〜2日前から、前線が台風の湿った空気で強まり大雨 → ②台風本体の雨雲が重なる → 雨の期間が長く、総雨量が増える
台風と前線が離れていても大雨になる仕組み(模式図)。台風が来る前から前線が活発になり、台風本体の雨と合わせて雨の期間が長くなる

同じ仕組みで、台風が近づく前の19日未明には宮崎県南部でも記録的な大雨となり、日南市油津で24時間397.5mm(9月の1位)を観測しました。台風の進路から1,000km以上離れた場所でも大雨になり得る——これが「台風の間接的な影響」の怖さです。台風の右側で雨風が強くなる理由は 「台風の右側が強い理由」、前線のでき方は 「秋雨前線とは?」 で解説しています。

被害の状況(国土交通省まとめ・9月24日9時時点)

  • 東京都大島町にレベル5の土砂災害特別警報(21日12時40分〜23時)。東海・関東甲信を中心にレベル4の危険警報も発表されました
  • 土砂災害は千葉県88件・神奈川県10件・東京都2件・宮崎県2件・福島県1件。土砂災害による人的被害は千葉県で死者4人・行方不明2人、神奈川県で死者4人・行方不明1人、宮崎県で死者1人
  • 千葉県の北印旛沼・長門川など3地点4か所で堤防が決壊、養老川にはレベル5の氾濫発生情報。県管理の6河川で浸水を確認
  • 千葉県内8市3町で最大約4,360戸が断水(停電によるポンプ停止・水道管の破損)。21日は航空457便が欠航

最新の被害状況は 国土交通省「令和8年台風第25号による被害状況等について」 で確認してください。台風が温帯低気圧に変わった後の注意点は 「台風が温帯低気圧に変わったら安心?」、台風通過後の天気は 「台風一過とは?」(22日の関東は9月下旬の真夏日に)をどうぞ。千葉県内18地点の詳しい分析は 「千葉で大雨が続くのはなぜ?」 にまとめています。

9月の雨は「2つの台風」で2度の山

千葉と東京の9月の日降水量を並べると、9月4〜12日(台風24号+秋雨前線)と9月19〜21日(台風25号+前線)の2つの山がはっきり見えます。千葉は21日の1日だけで309.5mm、東京も156.0mmでした。

0100200300台風24号+秋雨前線台風25号+前線13596.5118791113151719109.5309.515621239月の日付千葉(合計706.0mm)東京(合計606.5mm)単位:mm。出典:気象庁 過去の気象データ検索(2026年9月24日取得の速報値)
千葉(濃い青)と東京(薄い青)の2026年9月1〜23日の日降水量。2度の台風の時期に雨が集中している
地点9月1〜23日9月の順位(観測史上)メモ
千葉(千葉市)706.0 mm1位(61年)全ての月を通じて最多。年間2,040mmも過去最多(1991年1,910.5mm)
横浜690.0 mm1位(129年)従来の9月1位は1897年の609mm
東京(大手町ほか)606.5 mm2位(152年)1位は1958年(狩野川台風)の670.9mm
水戸538.5 mm1位(130年)従来の9月1位は1897年の439.5mm
2026年9月の月降水量(9月1〜23日の速報値)と、その地点の9月の月降水量の歴代順位(筆者集計)。9月はまだ終わっていないため、今後さらに増える可能性があります

【検証ツール】あなたの県は雨が多すぎる?足りない? 47都道府県(9月23日まで)

「最近雨が多い」という感覚を、気象庁の観測データで確かめてみましょう。都道府県を選ぶと、各県の気象台で観測した2026年9月1〜23日の降水量・雨の日数・日照時間を平年値と比べて「かなり多い/多い/平年並み/少ない」を判定します。台風25号の期間(9月14〜23日)の雨、7月1日からの雨の過不足(水不足の目安)、1月からの「雨の貯金・借金」グラフも表示。47都道府県の全国ランキング(9月・台風25号の期間・水不足の目安・年間累計・雨の日数・日照・8月)も見られます。

あなたの県は本当に「雨が多い」?「水不足」? 2026年 都道府県別 検証ツール(9月23日まで)

全国ランキング:
出典:気象庁「過去の気象データ検索」(各県の気象台の観測値、2026年9月24日取得。9月は1〜23日の速報値)。平年値は1991〜2020年の平均。9月の平年比は「同じ23日間ぶんの平年値(月平年値×23/30)」との比較です。「水不足の目安」は7月1日〜9月23日の降水量を同期間の平年値と比べたもの(ダムの貯水は流域の山地の雨で決まるため、気象台1地点の値はあくまで目安です)。判定の目安:同期間の平年比 200%以上=かなり多い、130〜200%=多い、70〜130%=平年並み、40〜70%=少ない、40%未満=かなり少ない。

9月23日までで見ると、千葉(平年の4.5倍)・水戸・横浜・東京(3.5〜3.8倍)など関東は軒並み「かなり多い」、一方で福岡(0.47倍)・松江・佐賀(0.42倍)・札幌は「少ない」「かなり少ない」と出ます。「水不足の目安」を押すと、長崎・熊本・鹿児島・徳島・佐賀など九州・四国が上位に並びます。この東西の差こそが2026年の雨の最大の特徴です。

一方で西日本は「水不足」|早明浦ダム14%、福岡都市圏は55%の取水制限

関東が記録的な大雨に見舞われていた同じ9月、西日本では逆に「雨が降らない」ことが深刻になっています。国土交通省によると、国が管理する12の水系で渇水対応がとられ、中国(8月12日〜)・四国(8月4日〜)・九州(8月20日〜)の3つの地方整備局に渇水対策本部が置かれています(9月24日時点)。

早明浦ダムの貯水率
14.4 %
平年87.4%。9月10日から第4次取水制限(香川用水60%カットなど)
筑後川(福岡都市圏)
上水55%
9月18日から取水制限を強化。一部地域で減圧給水
佐賀の8〜9月の降水量
58 mm
1890年以降136年で最少(9月は23日まで)。8月はわずか3mm
7月1日〜9月23日の雨
長崎37%
同期間の平年比。熊本40%・鹿児島46%・徳島52%・佐賀53%
西日本の主なダムの貯水率と取水制限(9月24日時点)0%25%50%75%100%早明浦ダム(吉野川・高知/香川/徳島)14%平年 87.4%各60%(第4次制限)江川・寺内・小石原川ダム(筑後川・福岡)26%上水55%・減圧給水嘉瀬川ダム(佐賀)35%農水40%邪馬渓ダム(山国川・大分/福岡)38%上水30%ほか佐波川・島地川ダム(山口)39%各10%合所ダム(筑後川・福岡)40%筑後川と統合運用灰塚ダム(江の川・広島)51%上水10%尾原ダム(斐伊川・島根)56%節水呼びかけ旭川・湯原ダム(岡山)56%農水30%ほか殿ダム(千代川・鳥取)62%農水20%大山ダム(筑後川・大分)70%筑後川と統合運用緑川ダム(熊本)71%節水呼びかけ出典:国土交通省「全国の渇水状況」(9月24日14時更新)、水資源機構 吉野川本部(早明浦ダムは9月24日0時14.4%、平年87.4%)。速報値
西日本の主なダムの貯水率(9月24日時点)。早明浦ダムの青い線は平年値。取水制限は農業用水(農水)・工業用水(工水)・水道用水(上水)ごとの削減率

取水制限が行われている水系(9月24日時点)

地方水系・河川ダム(貯水率)取水制限開始
四国吉野川早明浦ダム(14%)農水・工水・上水 各60%(第4次)、一部で減圧給水8/3
九州筑後川江川・寺内・小石原川(計26%)、合所(40%)、大山(70%)上水55%、一部で減圧給水8/20
九州山国川邪馬渓ダム(38%)農水50%・工水90%・上水30%8/12
九州嘉瀬川嘉瀬川ダム(35%)農水40%・工水5%・上水5%8/27
中国旭川旭川・湯原ダム(56%)農水30%・工水10%・上水10%9/9
中国高梁川高梁川のダム農水20%・工水10%・上水10%9/7
中国佐波川佐波川・島地川ダム(39%)農水・工水・上水 各10%9/11
中国千代川(袋川)殿ダム(62%)農水20%8/21
中国江の川灰塚ダム(51%)上水10%9/18
中国斐伊川尾原ダム(56%)節水の呼びかけ8/12
九州矢部川・緑川矢部川のダム、緑川ダム(71%)節水の呼びかけ8/20・8/26
出典:国土交通省「渇水情報総合ポータル」全国の渇水状況(9月24日14時更新・速報値)。取水制限は河川から取る水の削減率で、蛇口の水が同じ割合で減るわけではありません

早明浦ダムは香川県の水道水の約半分をまかなう「四国の水がめ」です。8月3日に第1次取水制限が始まり、8月19日に第3次、9月10日からは第4次(香川用水の60%カット)に。18年ぶりの厳しい段階で、貯水率0%になった場合は発電用の水を水道用に回す緊急措置も決まっています。九州では、福岡都市圏の水道を支える筑後川水系のダムが去年の同じ時期(約65%)の半分以下になり、福岡県は9月18日から取水制限を55%に引き上げました。

なぜ西日本には雨が降らないのか|台風も前線も「東へ」

理由は、この記事の後半で解説している夏からの配置がそのまま続いていることです。偏西風が日本付近で北へ蛇行し、西日本は背の高い高気圧に覆われて下降気流が続いたため、夏の九州北部は記録的な少雨・猛暑でした。9月に入ると秋雨前線が現れましたが、前線は西日本にはかからず本州の南岸〜関東に停滞。さらに台風24号も25号も、日本の南から関東の南の海上へ進む経路をとったため、湿った空気は関東〜東海に集中し、西日本にはほとんど雨が届きませんでした。

地点(県)8月+9月1〜23日の降水量少ない方からの順位8月9月1〜23日
佐賀(佐賀県)58 mm1位/136年3.0 mm55.0 mm
長崎(長崎県)84 mm3位/149年3.0 mm81.0 mm
熊本(熊本県)115 mm6位/137年2.0 mm113.0 mm
福岡(福岡県)169 mm10位/137年106.0 mm63.0 mm
8月と9月(1〜23日)の合計降水量の歴代順位(少ない方から、筆者集計。9月は途中経過)。出典:気象庁 過去の気象データ検索

東と西の差を「雨の貯金・借金」で見るとさらにはっきりします。1月1日からの降水量を平年と比べて積み上げると、千葉は平年より1,009mm多い「貯金」、東京も770mmの貯金があります。一方、熊本は375mm、鹿児島は427mm、長崎は265mm、佐賀は203mmの「借金」。6月の梅雨でいったん貯金ができた九州も、7月以降の少雨で一気に取り崩しました。

-4000+400+8001月末2月末3月末4月末5月末6月末7月末8月末9/23雨の貯金(平年より多い)雨の借金(平年より少ない)千葉 +1009東京 +770水戸 +442佐賀 -203長崎 -265熊本 -375鹿児島 -4271月1日からの累積降水量と平年値の差(mm)平年値は1991〜2020年。9月は1〜23日の平年値(月平年値×23/30)と比較。出典:気象庁の観測値から筆者計算
1月1日からの累積降水量と平年値の差(雨の貯金・借金)。東日本(青系)は6月・8月・9月の大雨で大幅な貯金、九州(赤・橙系)は7月以降に借金が膨らんだ

上の検証ツールで「水不足の目安(7月〜)」を押すと、47都道府県を7月1日からの降水量が少ない順に並べられます。都道府県を選ぶと、その県の「雨の貯金・借金」グラフも表示されます。

水不足はいつ解消する? カギは台風と10月の雨

気象庁が9月24日に発表した1か月予報では、西日本太平洋側と沖縄・奄美の降水量は「平年並または少ない」確率がともに40%、西日本は平年に比べ晴れの日が多い見込みです。一方、9月18日発表の3か月予報(10〜12月)では、西日本の降水量は「平年並または多い」がともに40%。秋が深まるにつれて雨が戻る可能性はありますが、少なくとも10月上旬までは水不足が続くと考えておいたほうがよさそうです。

渇水を一気に解消するのは、皮肉なことに台風です。2005年の夏、早明浦ダムは貯水率0%まで下がりましたが、9月上旬の台風14号の大雨で数日のうちにほぼ満水まで回復しました。いま沖縄の南には台風26号(スリゲ)があり、気象庁の予報(9月24日15時)では27〜29日ごろに沖縄の南から日本の南へ北東に進む見込みです。進路によっては西日本の水不足を和らげる雨にも、新たな大雨にもなり得るので、最新の 気象庁の台風情報 と当ブログの 台風のたまご・最新の予想 を確認してください。

水不足の地域でできること

やることポイント
お住まいの自治体の給水情報を確認減圧給水の地域では、高台やマンションの上の階で水の出が悪くなることがあります。夜間の断水はいまのところ発表されていません
お風呂の残り湯を使う洗濯やトイレ、掃除に。残り湯は翌日の断水・減圧時の生活用水にもなります
シャワーはこまめに止める1分間止めると約12リットルの節水になります(福岡県の呼びかけ)
飲み水を少し多めに備蓄1人1日3リットルが目安。大雨・台風の備えと共通です
農業・家庭菜園は朝夕に水やり日中の散水は蒸発が多く効率が悪い。西日本は向こう1か月も晴れが多い予想です
水不足の地域での暮らしの工夫
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断水・減圧給水と大雨、どちらにも役立つ「水の備え」
保存水(5年保存)・折りたたみのウォータータンクは、渇水の減圧給水にも、台風・大雨の断水(今回も千葉県で最大約4,360戸)にも使えます。各ショップの検索結果に飛びます。
保存水:Amazon/楽天市場/Yahoo!ショッピング
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ダムの最新の貯水率は 国土交通省「渇水情報総合ポータル」・水資源機構 吉野川本部(早明浦ダム) で毎日更新されています。

9月上旬(1〜13日)の雨は、数字で見るとどれくらい異常だったか

9月1〜13日の降水量:関東・東海は平年の3〜4倍

まず全国の気象台の観測値を、同じ13日間ぶんの平年値(月平年値×13/30)と比べたのが下の表と地図です。47地点のうち15地点が平年の2倍以上、33地点が1.3倍以上でした。

2026年9月1〜13日の降水量(同期間の平年比)沖縄凡例(同期間の平年比)平年の3倍以上2〜3倍1.3〜2倍平年並み(0.7〜1.3)少ない(0.4〜0.7)かなり少ない(0.4未満)水戸(茨城県)400%名古屋(愛知県)325%横浜(神奈川県)292%甲府(山梨県)290%東京(東京都)289%和歌山(和歌山県)287%千葉(千葉県)282%青森(青森県)252%熊谷(埼玉県)249%静岡(静岡県)244%岐阜(岐阜県)235%新潟(新潟県)229%宇都宮(栃木県)211%大阪(大阪府)204%前橋(群馬県)203%高松(香川県)200%福島(福島県)193%仙台(宮城県)192%松山(愛媛県)191%金沢(石川県)191%津(三重県)190%神戸(兵庫県)187%長野(長野県)187%奈良(奈良県)180%鹿児島(鹿児島県)176%彦根(滋賀県)173%宮崎(宮崎県)171%徳島(徳島県)159%岡山(岡山県)152%山形(山形県)145%富山(富山県)137%京都(京都府)136%秋田(秋田県)130%大分(大分県)129%那覇(沖縄県)121%熊本(熊本県)116%高知(高知県)116%福井(福井県)115%盛岡(岩手県)102%鳥取(鳥取県)91%長崎(長崎県)73%下関(山口県)69%佐賀(佐賀県)63%福岡(福岡県)55%札幌(北海道)49%松江(島根県)32%広島(広島県)26%札幌 49%仙台 192%新潟 229%東京 289%名古屋 325%大阪 204%広島 26%福岡 55%那覇 121%水戸 400%金沢 191%鹿児島 176%高知 116%松江 32%出典:気象庁 過去の気象データ検索(各県の気象台、2026年9月14日取得)。円が大きく青いほど平年より多い。
順位都道府県(気象台)降水量(mm)同期間の平年比9月1か月の平年値に対して雨の日数(13日中)最長連続
1茨城県(水戸)323.0400%173%11日10日連続
2愛知県(名古屋)326.5325%141%10日9日連続
3神奈川県(横浜)306.0292%127%9日9日連続
4山梨県(甲府)224.5290%126%11日11日連続
5東京都(東京)282.0289%125%9日9日連続
6和歌山県(和歌山)225.5287%124%10日9日連続
7千葉県(千葉)250.0282%122%11日11日連続
8青森県(青森)145.0252%109%4日4日連続
9埼玉県(熊谷)213.5249%108%11日10日連続
10静岡県(静岡)297.0244%106%10日10日連続
2026年9月1〜13日 降水量が平年比で多かった上位10地点(気象庁データより筆者集計)

特に注目したいのは「9月1か月の平年値に対して」の列です。水戸・名古屋・横浜・甲府・東京・和歌山・千葉・青森・熊谷・静岡・岐阜の11地点は、月の半分にも満たない13日間で、9月1か月分の平年値をすでに超えています。水戸に至っては平年の1か月分の173%です。

「毎日降っている」は本当? 雨の日数と日照時間

降水量だけでなく「雨の日が続く」「太陽を見ていない」という感覚も、データで裏づけられます。東京の9月1〜13日は雨の日(1mm以上)が9日で、平年なら同じ期間に約4.8日ですから2倍近く。日照時間はわずか9.6時間で、同期間の平年(約55時間)の17%しかありません。熊谷18%、水戸20%、横浜23%と、関東はどこも平年の2割前後です。

東京(東京都)2026年9月1日〜13日の日降水量09/109/209/38.59/412.59/596.59/672.59/722.59/834.09/98.09/1010.09/1117.59/1209/13単位:mm。青=1mm以上の雨の日。出典:気象庁 過去の気象データ検索(2026年9月14日取得)

東京では9月4日から12日まで9日連続で1mm以上の雨。9月6日には96.5mm、7日には72.5mmと、2日で169mm(9月の平年値の4分の3)が降りました。甲府・千葉は11日連続、水戸・熊谷・静岡・宇都宮は10日連続です。「最近雨が多い」という感覚は、少なくとも東日本では完全に正しいのです。

▶ 日ごとの天気は当ブログの過去の天気ページで確認できます:東京の2026年9月の天気/名古屋/横浜/水戸

過去の同じ日にどれくらい雨が降っていたかは、こちらのツールでも調べられます(地点と日付を選ぶと1968年以降の「雨だった割合」が出ます)。

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9月上旬の記録的な大雨:新島・伊豆大島・名古屋

「量が多い」だけでなく「降り方が激しい」のも今回の特徴です。9月6〜7日には台風24号から変わった熱帯低気圧と秋雨前線の影響で、伊豆諸島の新島で24時間降水量374.5mm(観測史上1位)、伊豆大島で546.0mm(観測史上3位、2013年の土砂災害以来の500mm超)を観測。東京23区でも24時間で140mmを超えました。

9月8日には東海地方で線状降水帯が発生し、名古屋市千種区で1時間104.5mmを観測。2000年の東海豪雨(97.0mm)を上回る観測史上1位の猛烈な雨で、市内各地で道路が冠水しました。降り始め(9月3日)からの雨量は静岡県天城山で632.0mm、三重県尾鷲市で550.5mm、名古屋市千種区で284.0mmに達しています(日本気象協会まとめ)。

1時間に100mmを超える雨がどれくらい珍しいかは、歴代ランキングを見るとわかります(気象庁の観測史上1〜10位の値から自動更新)。

1時間降水量の観測史上ランキング(全国・上位10地点)
順位地点(都道府県・市町村)記録観測日偏差値
1位香取(千葉県・香取市)153.0mm1999年10月27日83.9
1位長浦岳(長崎県)153.0mm1982年7月23日83.9
3位多良間(沖縄県)152.0mm1988年4月28日83.5
4位甲佐(熊本県・甲佐町)150.0mm2016年6月21日82.6
4位清水(高知県・土佐清水市)150.0mm1944年10月17日82.6
6位下関(新潟県・関川村)149.0mm2022年8月4日82.2
6位室戸岬(高知県・室戸市)149.0mm2006年11月26日82.2
8位前原(福岡県・糸島市)147.0mm1991年9月14日81.4
9位上市(富山県・上市)146.5mm2024年8月25日81.2
9位岡崎(愛知県・岡崎市)146.5mm2008年8月29日81.2

▶ 雨の強さの目安は 「降水量1mm・5mm・10mm・30mm・50mmはどれくらいの雨?」、歴代記録の全体像は 「歴代 10分間・1時間・日降水量ランキング」 で解説しています。

最近雨が多い理由は3つ|気象予報士が仕組みを解説

では、なぜこれほど雨が続いたのでしょうか。直接の原因は2つ、その背景にある大きな原因が1つ。合わせて3つに整理します。

西日本は高気圧の勢力内→ 雨が少なく残暑H太平洋高気圧(東に後退)関東〜東海で長雨・大雨秋雨前線(本州付近に停滞)T台風24号 → 熱帯低気圧(9/7)暖かく湿った空気(水蒸気)2026年9月上旬に「東日本だけ雨が続いた」仕組み(模式図)※実際の天気図を単純化した模式図です。前線の位置は日によって南北に動きました。

理由1:秋雨前線が本州付近に「停滞」した

夏の間、日本列島を覆っていた太平洋高気圧は、9月に入ると勢力を弱めて東へ後退します。その高気圧と、北から南下してくる涼しい空気の境目にできるのが秋雨前線です。前線は暖かい空気と冷たい空気がぶつかる場所なので、常に雲ができて雨が降りやすい。しかも秋雨前線は「停滞前線」で、高気圧と寒気の力が拮抗するとほとんど動きません。2026年9月上旬は、この前線が本州の南岸〜本州付近にほぼ張りついた状態が続き、前線の北側にあたる関東〜東海で雨が降り続けました。

秋雨前線は毎年できるものです。それでも今年が特別だったのは、次の2つの要因が重なったからです。

▶ 秋雨前線ができる仕組みは「秋雨前線とは?でき方を天気図で解説|3つの気圧配置と実際の事例」で、実際の天気図をその場で開けるビューアつきで詳しく解説しています。

理由2:迷走した台風24号と「台風周辺の湿った空気」が前線を刺激した

9月上旬、台風24号は日本の南海上をゆっくり迷走し、9月7日午前9時に南大東島付近で熱帯低気圧に変わりました。台風そのものは上陸していません。それでも、台風・熱帯低気圧の周りを回る暖かく湿った空気(水蒸気)が、秋雨前線に向かって大量に流れ込んだのです。前線に湿った空気が供給されると前線の活動が一気に活発になり、雨雲が発達します。台風から離れた場所で大雨になる「台風の間接的な影響」の典型例です。

気象庁の1か月予報(9月3日発表)でも「台風の直接的な接近がなくても、台風周辺の暖かく湿った空気が秋雨前線へ流れ込むことで、台風から離れた地域でも大雨となることがある」と注意が呼びかけられていました。さらに9月上旬は前線上を低気圧が次々と東へ進み、8日の東海地方の線状降水帯につながりました。

2026年は台風の発生数そのものも多く、6〜8月の発生数は17個(平年11.0個)で1951年以降3位タイ。8月だけで10個発生したのは1966年以来60年ぶりです。8月上旬には台風15号が日本の東海上から茨城県に上陸して本州を西へ横断するという、統計開始以来初めての経路をたどりました。9月上旬時点で今年の台風はすでに24個に達しています。

▶ 台風が9月に多い理由と、月別の発生数・接近数・上陸数は 「台風はなぜ9月に多い?」 で詳しく解説しています。台風の当たり年ランキングは こちら をどうぞ。

理由3:海面水温が記録的に高く、大気中の水蒸気が多い(エルニーニョと温暖化)

前線や台風があっても、空気が乾いていれば雨はそれほど降りません。今年の雨を「量」と「激しさ」の両面で押し上げているのが、海の温かさです。気象庁の解析では、日本近海の平均海面水温は100年あたり約1.3℃上昇しており、これは世界平均の上昇率を上回るペースです。海面水温が高いと海から蒸発する水蒸気が増え、気温が1℃上がると大気が含める水蒸気量は約7%増えます。「材料」が多い分だけ、同じ前線・同じ台風でも降る雨が多くなるのです。

さらに2026年は非常に強いエルニーニョ現象が発生中です。気象庁のエルニーニョ監視速報(9月9日発表)によると、8月の監視海域の海面水温は基準値より+3.4℃高く、8月としては1949年以降で最高(これまでの記録は1997年8月の+3.0℃)。冬にかけて続く見込みで、冬の最盛期には1997年12月の+3.6℃に匹敵する可能性があるとされています。エルニーニョ現象が発生すると、夏の太平洋高気圧の張り出しが弱まりやすく、秋は前線や台風の影響を受けやすい——今年の秋雨は、この「教科書どおり」の展開でもあります。日本気象協会も年初の見通しで、2026年後半は「太平洋高気圧が強まりにくく、前線や台風の影響を受けやすい」多雨傾向を予想していました。

なぜ西日本は逆に雨が少ないのか|「東は大雨・西は少雨」の正体

ここまで読んで「うちの地域は全然雨が降ってないけど?」と感じた方も多いはずです。特に九州北部・山陰にお住まいの方。それも正解です。

順位都道府県(気象台)降水量(mm)同期間の平年比雨の日数(13日中)
1広島県(広島)18.526%2日
2島根県(松江)28.532%4日
3北海道(札幌)30.549%6日
4福岡県(福岡)42.055%5日
5佐賀県(佐賀)46.063%3日
6山口県(下関)48.569%4日
2026年9月1〜13日 降水量が平年比で少なかった6地点

広島は9月1〜13日でわずか18.5mm(平年比26%)、松江28.5mm、札幌30.5mm、福岡42.0mm。同じ日本で、東京の282mmと広島の18.5mmが同時に起きていたわけです。

夏の西日本は「記録的少雨と酷暑」だった

(9月24日追記)この少雨はその後も続き、9月下旬には四国・九州・中国地方の12水系で取水制限などの渇水対応がとられています。詳しくは「一方で西日本は水不足」をご覧ください。

(10月27日追記)1月1日〜10月26日の累計では、千葉2,166mm(平年の171%)、横浜2,065mm(136%)、東京2,059mm(146%)。千葉は年間の観測史上最多をさらに更新し、東京・横浜もすでに平年の1年分を超えました。逆に少ないのは松江80%・鹿児島81%・熊本82%・山形87%。都道府県ごとの月別の様子は2026年 月別の雨カレンダーで確認できます。

この東西の差は9月に始まったことではありません。気象庁が9月1日に開いた異常気象分析検討会の結論はこうです。2026年夏は上空の偏西風が日本付近で北へ大きく蛇行し、「背の高い高気圧」が西日本付近に張り出したため、西日本では晴天と下降気流が続きました。その結果、西日本の夏の平均気温は1946年の統計開始以降3位の高温、酷暑日(40℃以上)は延べ36地点で過去最多、九州北部の8月降水量は平年比わずか12%で統計開始以降の最少記録となりました。

都道府県(気象台)8月の降水量(mm)平年比
熊本県(熊本)2.01%
佐賀県(佐賀)3.01%
長崎県(長崎)3.01%
大分県(大分)8.55%
徳島県(徳島)13.57%
山口県(下関)13.57%
香川県(高松)10.09%
和歌山県(和歌山)10.510%
2026年8月 降水量が特に少なかった8地点(熊本・佐賀・長崎は8月として少ない方から1位)

一方、同じ8月に東日本は逆でした。8月13〜14日の「令和8年8月千葉豪雨」では千葉市で24時間367mm・1時間115mmといずれも観測史上1位を記録し、千葉の8月降水量は467mmで平年の404%。福井・長野・東京・富山も平年の1.8〜2.6倍です。気象庁の「2026年夏の天候」でも、東日本太平洋側の降水量は「かなり多い」、東・西日本の日本海側は「少ない」と、はっきり分かれています。

つまり2026年は、夏から一貫して「西日本は高気圧の勢力内で少雨・猛暑、東日本は高気圧の縁にあたり湿った空気や寒気の影響を受けやすい」という配置が続いているのです。9月の秋雨前線も、その延長線上で「西日本にはかからず、東日本にかかる」形になりました。

▶ 2026年夏の猛暑の詳しい記録は 「2026年夏の猛暑まとめ」 にまとめています。太平洋高気圧のでき方は こちら で解説しています。

上のツールは「平年の9月に雨が多い県」のランキングです(1991〜2020年平均)。平年では9月の降水量は宮崎・高知・鹿児島など太平洋側の南の県が多く、東京は中位。今年の関東〜東海の雨がいかに「いつもと違う」かがわかります。

2026年は年間を通して雨が多い年なのか

「今年は雨が多い年」と言えるかどうかは、地域によって答えが変わります。1月1日から9月13日までの累計降水量を平年と比べると、次のようになります。

順位都道府県(気象台)1〜9/13の降水量(mm)同期間の平年(mm)平年比
1千葉県(千葉)1584962165%
2東京都(東京)16021082148%
3茨城県(水戸)1236947131%
4神奈川県(横浜)15351180130%
5群馬県(前橋)1197923130%
6三重県(津)14461146126%
7青森県(青森)1057864122%
8宮城県(仙台)1118914122%
2026年1月1日〜9月13日 累計降水量の平年比 上位8地点
順位都道府県(気象台)1〜9/13の降水量(mm)同期間の平年(mm)平年比
1島根県(松江)945127474%
2熊本県(熊本)1334167680%
3鹿児島県(鹿児島)1615200880%
4長崎県(長崎)1287151185%
5鳥取県(鳥取)1121128687%
6山口県(下関)1247138690%
同・下位6地点

千葉は平年の165%、東京は148%と、関東は年間でも明らかに多雨の年です。東京の累計1602mmは、平年なら1年分(1,598mm)に相当する量を9月半ばで降らせたことになります。一方、松江は平年の74%、熊本・鹿児島は80%と、西日本は「雨が少ない年」です。

(9月24日追記)その後、台風25号の大雨で差はさらに開きました。1月1日〜9月23日の累計は千葉2,040mm(年間の観測史上最多を更新)、東京1,927mm、横浜1,919mm。平年の同じ期間と比べて千葉は1,009mm、東京は770mm多い一方、熊本は375mm、鹿児島は427mm少なくなっています。

6月:台風6号で東日本は「観測史上級」の雨

関東の雨が多いのは9月と8月だけではありません。6月は台風6号の影響で、東京の6月降水量は436.5mm(平年の260%)で6月として観測史上3位、横浜・水戸は4位、千葉は2位。1日で182mm(東京)が降った日もありました。9月の雨を「今年3回目の記録的な雨」と感じている関東の方も多いのではないでしょうか。

都道府県(気象台)6月の降水量(mm)平年比
茨城県(水戸)374.0276%
三重県(津)526.0261%
東京都(東京)436.5260%
岡山県(岡山)427.5253%
香川県(高松)372.0243%
神奈川県(横浜)452.0239%
2026年6月 降水量の平年比 上位6地点

▶ 都道府県ごとの「平年の」降水量や雨の日数は、降水量が多い都道府県ランキング・雨の日が多い都道府県ランキング で比較できます。

「雨の降り方」が変わっている|温暖化と大雨の増加

最後に、もう少し長いスパンの話をします。今年の雨が「たまたま」なのか「これからの普通」なのか、という視点です。

気象庁の統計では、全国のアメダスで観測した1時間降水量50mm以上の「非常に激しい雨」の年間発生回数は、統計開始の1976〜1985年に比べて最近10年は約1.5倍に増えています。気象研究所の研究でも、線状降水帯を含む集中豪雨の発生頻度は過去45年間で約2.2倍になったと報告されています。「年間の雨の総量」は年によるばらつきが大きく明確な増加傾向はありませんが、「降るときにまとめて激しく降る」傾向ははっきり強まっているのです。

2026年8月の千葉豪雨について、気象庁の検討会は「上層の寒気で大気が非常に不安定になり、東からの暖湿気流と関東内陸の冷気の間にできたシアーライン上で線状降水帯が発生した。積乱雲の上端は15kmを超えていた」と分析し、気象研究所は雨雲が急発達する「スコールライン型」の積乱雲が停滞したことが要因だったと発表しています。一方で「数値予報モデルは千葉県での線状降水帯を予測できなかった」とも認めており、線状降水帯の発生位置の予測は依然として難しい課題です。

また7月中旬〜8月上旬の西日本の高温については、地球温暖化がなかったと仮定するとほぼ発生し得ないことが示されました(イベント・アトリビューション解析)。温暖化で底上げされた気温と海面水温が、猛暑側にも大雨側にも「振れ幅」を大きくしている——これが2026年の天候から読み取れるメッセージです。

▶ 関連:線状降水帯予測の的中率はどれくらい?/ゲリラ豪雨はどんな雨?/大雨が夜中に多いのは本当?

いつまで続く? この先の見通し(9月末〜12月)

(10月27日追記)元台風30号の低気圧と前線による雨は、関東では27日明け方にかけてがピークで、その後は天気が回復する見込みです。日本気象協会の解説では、10月31日以降や11月3〜6日ごろは晴れる所が多くなる予想です。11月は平年でも東京で96mm程度と雨が少なくなる時期で、関東の「雨が多い1年」もようやく落ち着きそうです。最新の見通しは気象庁の1か月予報で確認してください。以下は9月24日時点の見通しです。

気象庁の予報(2026年9月24日時点)をまとめると、次のとおりです。「東は雨が多く、西は少ない」という傾向は、少なくとも10月上旬までは続く見込みです。予報は更新されるので、最新は気象庁の1か月予報・3か月予報で確認してください。

期間東日本(関東など)西日本(九州・四国・中国など)
9月26日〜10月25日(1か月予報・9/24発表)期間のはじめも降水量が多く、日照時間が少ない状態が続く見込み(東日本太平洋側)。天気は数日の周期で変化西日本太平洋側は降水量が平年並または少ない(ともに40%)。晴れの日が多い。水不足は解消しにくい
9月27〜29日ごろ—台風26号(スリゲ)が沖縄の南から日本の南へ北東進する予想(9/24 15時)。沖縄・奄美は高波や大雨に注意。進路次第で西日本にまとまった雨
10〜12月(3か月予報・9/18発表)北・東日本太平洋側の降水量は平年並または多い(ともに40%)西日本の降水量は平年並または多い(ともに40%)。秋が深まると雨が戻る可能性
気温平年より高い(向こう1か月 東日本50%)平年より高い(向こう1か月 60%)。10月の真夏日にも注意
気象庁 1か月予報(9月24日発表)・3か月予報(9月18日発表)・台風情報(9月24日15時)をもとに筆者整理

関東では「秋の長雨」は10月まで続くのが平年の姿です。東京の月別平年降水量は9月224.9mm、10月234.8mmと、じつは梅雨(6月167.8mm)より秋の方が多い。今年はすでに9月だけで平年の2.7倍が降り、地盤が緩んでいるため、いつもより少ない雨でも土砂災害が起きやすい状態です。キキクル(危険度分布)の見方は 「キキクルの見方」、自宅の浸水・土砂災害リスクは 「ハザードマップの見方」 で確認できます。

▶ 気温の見通しは 「残暑はいつまで?」、冬の見通しは 「今年の冬は暖冬?」、台風の発生数は 「今年は台風が多い?」(毎日自動更新)をどうぞ。東京の秋雨が終わって冬に晴れが増える理由は 「東京で冬に晴れが多いのはなぜ?」 で解説しています。

雨が続くときに役立つ情報の見方・備え

長雨のときは「今降っている雨」「これから降る雨」「災害の危険度」の3つを分けて見るのがコツです。

知りたいこと使うものポイント
今どこで降っているか雨雲レーダー(気象庁ナウキャスト・Yahoo・ウェザーニュース)1時間先までは「高解像度降水ナウキャスト」が最も細かい。Windyも便利
土砂災害・浸水・洪水の危険度気象庁「キキクル」色(黄→赤→紫→黒)で危険度が一目でわかる。紫が出たら避難の判断を
警報・注意報の意味注意報・警報・特別警報の違い長雨で地盤が緩んでいるときは、少ない雨でも土砂災害の危険
雨がやんだ後の川「小康状態」の天気とは前線が南北に動く間の「晴れ間」は再び降る合図のことも
過去の同じ日の天気当ブログ 過去の天気検索・過去の天気図を簡単に調べる方法936地点の日ごとの天気・降水量を調べられます
雨が続くときの情報の見方

また、雨が長引くと「洗濯物が乾かない」「湿度が高くてカビが心配」という生活面の悩みも増えます。日本の9月は気温が高いぶん湿度も高く、不快指数が上がりやすい時期です。不快指数の計算ツールで、気温と湿度からどれくらい蒸し暑いかを確認できます。

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9日連続の雨、通勤・通学の靴と傘が乾かない…という方へ。レインシューズ・防水スプレー・大きめの折りたたみ傘は秋雨シーズンの定番です。各ショップの検索結果に飛びます。

去年の今頃と比べる(今年・去年・平年)

「最近雨が多い」という体感を、去年の同じ時期と平年の数字で確かめられるツールです。地点と基準日を選ぶと、直近30日の降水量・雨の日数・日照時間を今年・去年・平年で並べ、日ごとの表とグラフで見比べられます(気象庁の日別値、前日まで自動更新)。

読み込み中…

1年をまるごと振り返るなら、地点×年の天気まとめ(沖縄・那覇の2025年・東京の2025年・大阪の2025年・福岡の2025年)もどうぞ。

最近雨が多い理由・水不足についてよくある質問

Q. 最近雨が多いのはなぜですか?(2026年9月)

A. 秋雨前線が本州付近に停滞したところへ、9月前半は台風24号(9月7日に熱帯低気圧に変化)、9月19〜22日は台風25号の周辺から暖かく湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発になったためです。台風25号のときは前線の雨に台風本体の雨雲が重なり、雨が長時間続きました。背景には記録的に高い日本近海の海面水温と、8月に+3.4℃と1949年以降で最強クラスのエルニーニョ現象があり、大気中の水蒸気が多いことが雨の量と激しさを押し上げています。

Q. 台風25号でどれくらい雨が降りましたか?

A. 気象庁の速報値(9月19〜24日)で、伊豆大島の期間合計は870.0mm、72時間降水量837.5mmは観測史上1位です。24時間降水量の観測史上1位を8地点(千葉県市原市牛久392.5mm、船橋345.5mmなど)、48時間を19地点、72時間を15地点が更新しました。千葉市の9月の降水量は706.0mm(9月1〜23日)で、1966年の統計開始以来のすべての月で最多です。

Q. 西日本で水不足になっているのはどこですか?

A. 国土交通省によると9月24日時点で国が管理する12水系で渇水対応がとられています。四国の吉野川(早明浦ダム貯水率14%、第4次取水制限で農水・工水・上水60%)、九州の筑後川(福岡都市圏の上水55%、一部で減圧給水)、山国川、嘉瀬川、中国地方の旭川・高梁川・佐波川・江の川などです。

Q. なぜ関東は大雨なのに西日本は雨が降らないのですか?

A. 2026年は夏から偏西風が日本付近で北へ蛇行し、西日本は背の高い高気圧に覆われて下降気流が続きました。秋雨前線も西日本にはかからず本州南岸〜関東に停滞し、さらに台風24号・25号がいずれも日本の南から関東の南の海上へ進んだため、湿った空気が関東〜東海に集中し、西日本にはほとんど雨が届きませんでした。

Q. 2026年は本当に雨が多い年ですか?

A. 地域によります。千葉は1月1日〜9月23日の降水量が2,040mmで年間の観測史上最多をすでに更新、東京も平年より770mm多い状態です。一方、九州は7月以降の少雨で熊本・鹿児島・長崎・佐賀は平年より200〜400mm少なく、「雨が少ない年」になっています。

Q. 東京の9月の雨はどれくらい多いのですか?

A. 2026年9月1〜23日の東京の降水量は606.5mmで、9月1か月分の平年値(224.9mm)の2.7倍です。9月としては1958年(狩野川台風)の670.9mmに次ぐ観測史上2位。9月4日から12日まで9日連続で雨が降り、21日も台風25号で156.0mmを観測しました。

Q. 西日本の水不足はいつ解消しますか?

A. 気象庁の1か月予報(9月24日発表)では、西日本太平洋側の降水量は「平年並または少ない」確率がともに40%で、10月上旬までは解消しにくい見込みです。3か月予報(10〜12月)では西日本の降水量は「平年並または多い」がともに40%。台風がまとまった雨をもたらすと短期間で回復することもあり、沖縄の南にある台風26号の進路が注目されます。

Q. 雨はいつまで続きますか?(関東)

A. 9月24日発表の1か月予報では、東日本太平洋側は期間のはじめも降水量が多く、日照時間の少ない状態が続く見込みです。東京は10月が1年で最も降水量の多い月でもあり、地盤が緩んでいるため少ない雨でも土砂災害に注意が必要です。

Q. 秋雨前線とは何ですか?梅雨前線との違いは?

A. どちらも暖かい空気と冷たい空気の境目にできる停滞前線です。梅雨前線は春から夏へ移る時期に太平洋高気圧が北上しながら押し上げる前線、秋雨前線は夏から秋へ移る時期に太平洋高気圧が南へ後退しながらできる前線です。秋雨前線は台風の湿った空気を受けて活発になりやすく、東京では9〜10月の降水量が梅雨の6月より多くなります。

Q. 大雨は昔より増えていますか?

A. 増えています。気象庁の統計では、1時間降水量50mm以上の非常に激しい雨の年間発生回数は、統計開始の1976〜1985年に比べて最近10年は約1.5倍。気象研究所は集中豪雨の発生頻度が過去45年で約2.2倍になったと報告しています。今回の台風25号のように、長時間の総雨量で記録を更新するケースも目立っています。

Q. 2026年に大きな被害が出た大雨はどれですか?

A. 被害が大きかったのは、8月13〜14日の「令和8年8月千葉豪雨」(死者13人、住家被害約6,000棟)と、9月19〜22日の台風25号(死者17人、家屋2,412軒)です。このほか6月の台風6号、7月初めの九州北部の線状降水帯、8月末の石川・富山・福井の大雨、9月上旬の台風24号と前線(名古屋で1時間104.5mm)、10月21日の秋田の大雨、10月下旬の台風30号でも大きな影響が出ました。主な大雨・台風だけで少なくとも33人が亡くなっています(いずれも速報値)。

Q. 10月も雨が多いのですか?

A. 10月(26日まで)は、雨の中心が九州北部や日本海側に移りました。福岡は平年の221%、下関187%、和歌山183%、松江173%、金沢170%と多く、秋田では21日に10月の観測史上最大の大雨になりました。一方、東京は21%、千葉は32%と関東は少なめです。台風30号から変わった低気圧の雨は関東で27日明け方がピークで、その後は晴れる日が増える見込みです。

まとめ

(10月27日時点)2026年全体で見ると、雨が多いのは9月だけではなく、6月の台風6号から10月の台風30号まで「台風の湿った空気+前線」による大雨がくり返した1年でした。被害は千葉豪雨(死者13人)と台風25号(死者17人)が突出し、千葉は1月からの雨量が平年の171%で年間の過去最多を更新中。一方で鹿児島・熊本・松江は平年の8割ほどと、降る地域と降らない地域の差が際立っています。西日本の水不足は9月末から回復に向かい、早明浦ダムの取水制限は10月25日に一時解除されました。月ごとの様子は雨カレンダー、年表は2026年の大雨まとめをどうぞ。以下は9月24日時点のまとめです。

  • 2026年9月に雨が多い理由は、本州付近に停滞した秋雨前線に、台風24号・25号の湿った空気が流れ込んで前線が活発になり、さらに台風本体の雨雲が重なったこと。
  • 台風25号(9月19〜22日)は記録ずくめ:24時間の観測史上1位8地点・48時間19地点・72時間15地点。伊豆大島72時間837.5mm、千葉の9月706.0mmは月最多、年間2,040mmも過去最多。
  • 背景には記録的に高い海面水温と1949年以降最強クラスのエルニーニョ現象。水蒸気が多く、同じ前線・台風でも雨が増える。
  • 西日本は正反対の水不足。早明浦ダム14.4%(平年87.4%)、福岡都市圏は上水55%の取水制限、佐賀の8〜9月は136年で最少の58mm。台風も前線も関東寄りで、西日本に雨が届かなかった。
  • 1か月予報(9/24)は「東は多雨・西は少雨」が続く見込み。関東は地盤の緩みによる土砂災害、西日本は水不足に引き続き注意。台風26号の進路がカギ。

「雨が多い」「雨が足りない」と感じたら、まずはツールで自分の県の数字を確かめてみてください。感覚と数字が一致していれば、それは気のせいではなく本当に「いつもと違う年」です。この記事は、今後も大きな雨や渇水の動きがあれば更新します。

出典:気象庁「過去の気象データ検索」「特定期間の気象データ(2026年9月19日〜24日:令和8年台風第25号に伴う大雨や暴風)」「1か月予報」(9月24日)「3か月予報」(9月18日)「台風情報」(9月24日)「令和8年夏を対象とした異常気象分析検討会の結果について」(9月1日)「2026年夏(6〜8月)の天候」「エルニーニョ監視速報」(9月9日)、国土交通省「令和8年台風第25号による被害状況等について(第8報)」「渇水情報総合ポータル 全国の渇水状況」(9月24日)、水資源機構 吉野川本部、気象研究所、日本気象協会 tenki.jp、ウェザーニュース。都道府県別の降水量・日照の集計は各県の気象台の観測値(2026年9月24日取得の速報値)をもとに筆者が計算しました。

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