北アルプス(槍・穂高)に行く日を決めるための、天気のデータをまとめました。いちばん晴れやすいのは11月(晴れ64.3%)、いちばん晴れにくいのは6月(32.9%)です。
槍ヶ岳・穂高岳・涸沢。標高3000mの稜線は、日本でもっとも天気を読み違えてはいけない場所のひとつです。このページは麓・安曇野の穂高の観測値です。
気象庁が穂高で観測した1979〜2025年の47年分・17,165日を独自に集計しています。月をクリックすると、その月の日付別データ(1日〜31日それぞれの晴れる確率)まで開きます。
出発直前は「今の予報」を確認(気象予報士のおすすめ)
このページは過去データの統計です。旅行が近づいたら、気象庁の長野県の天気予報(今日・明日・週間)→ 2週間気温予報 → 当日は雨雲の動き(雨雲レーダー)の順に見るのが確実です。統計で日程を決めて、直前は予報で微調整——これがいちばん失敗しない使い方です。
北アルプス(槍・穂高)のベストシーズンはいつ?|月別データ総まとめ
晴れやすさ・雨や雪の少なさ・気温の快適さだけで機械的に選ぶと、北アルプスのベストシーズンは11月(晴れ64.3%・平年最高13.2℃)です。次点は4月・10月。ただし桜や紅葉、海、イベントなど「見たいもの」がある場合はその時期が正解です——下の表で天気の条件を確かめて、行きたい月のページで日付まで絞り込んでください。
| 月 | 晴れ | 雨・雪 | 最高 | 最低 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 53.2% | 39.2% | 4.1℃ | -5.3℃ | 雪シーズン |
| 2月 | 53.6% | 39.2% | 5.3℃ | -4.9℃ | 雪シーズン |
| 3月 | 55.3% | 37.3% | 10.3℃ | -1.3℃ | — |
| 4月 | 60.0% | 30.0% | 17.6℃ | 3.9℃ | 快適で晴れやすい◎ |
| 5月 | 52.5% | 29.3% | 22.9℃ | 9.9℃ | 快適で晴れやすい◎ |
| 6月 | 32.9% | 36.1% | 25.7℃ | 15.2℃ | 気温は快適 |
| 7月 | 34.7% | 41.0% | 29.0℃ | 19.4℃ | 雨・雪が多め |
| 8月 | 48.5% | 31.4% | 30.6℃ | 20.3℃ | 真夏日が多い |
| 9月 | 44.2% | 35.1% | 25.4℃ | 16.2℃ | 気温は快適 |
| 10月 | 55.8% | 27.7% | 19.0℃ | 8.8℃ | 快適で晴れやすい◎ |
| 11月 ★ | 64.3% | 23.6% | 13.2℃ | 2.2℃ | — |
| 12月 | 58.5% | 31.1% | 7.1℃ | -2.6℃ | — |
北アルプス(槍・穂高)の月別の天気と服装|12か月まとめ
| 月 | 晴れ | 雨・雪 | 最高 | 最低 | 降水量 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 53.2% | 39.2% | 4.1℃ | -5.3℃ | 38.4mm |
| 2月 | 53.6% | 39.2% | 5.3℃ | -4.9℃ | 45.4mm |
| 3月 | 55.3% | 37.3% | 10.3℃ | -1.3℃ | 83.7mm |
| 4月 | 60.0% | 30.0% | 17.6℃ | 3.9℃ | 84.0mm |
| 5月 | 52.5% | 29.3% | 22.9℃ | 9.9℃ | 99.2mm |
| 6月 | 32.9% | 36.1% | 25.7℃ | 15.2℃ | 124.3mm |
| 7月 | 34.7% | 41.0% | 29.0℃ | 19.4℃ | 142.9mm |
| 8月 | 48.5% | 31.4% | 30.6℃ | 20.3℃ | 110.4mm |
| 9月 | 44.2% | 35.1% | 25.4℃ | 16.2℃ | 144.1mm |
| 10月 | 55.8% | 27.7% | 19.0℃ | 8.8℃ | 111.4mm |
| 11月 | 64.3% | 23.6% | 13.2℃ | 2.2℃ | 56.6mm |
| 12月 | 58.5% | 31.1% | 7.1℃ | -2.6℃ | 34.7mm |
数値は穂高の47年平均です。「晴れ」「雨」は気象庁の天気出現率と同じ定義(雪>雨>くもり>晴れ)で1日ずつ判定しました。
北アルプス(槍・穂高)はいつ行くのがいい?47年データで見るベストシーズン
晴れやすさだけで選ぶなら11月(64.3%)、4月(60.0%)、12月(58.5%)の順です。ただし、晴れる=過ごしやすいではありません。8月は最高30.6℃、1月は最低-5.3℃。真夏は猛暑日が月2.2日あります。真冬は日中でも氷点下の日が月2.9日あります。晴れやすさと気温の両方で選んでください。
北アルプスの天気を左右するもの
北アルプスは日本海と太平洋の空気がぶつかる分水嶺です。標高3000m級の稜線が南北に連なり、天気が急変します。
夏は日中の日射で上昇気流が発達し、午後に雷雲が湧くのが典型パターン。朝は快晴でも、13時には稜線が真っ白ということが珍しくありません。
気温は麓の穂高(標高550m)から稜線(3000m)まで、単純計算で約15℃低い。8月でも稜線の朝は5℃前後、風が吹けば体感は氷点下に近づきます。
稜線の風速と低体温症|夏の北アルプスで人が亡くなる理由
夏山の遭難原因で最も多いもののひとつが低体温症です。「真夏なのに」と思われがちですが、標高3000mの稜線では条件が揃えば簡単に起こります。
要因は気温・風・濡れの3つです。
気温:気温減率は100mあたり約0.6℃。この記事の穂高(標高550m)の平年値から、稜線(3000m)はマイナス約15℃。8月の穂高の最高が30℃なら、稜線は15℃前後。朝は5℃前後まで下がります。
風:稜線には遮るものがありません。風速1m/sごとに体感温度は約1℃低下。風速15m/sなら体感は氷点下です。
濡れ:これが決定打です。濡れた衣類は乾いた衣類の20倍以上の速さで体温を奪います。汗でも雨でも同じ。だから綿(コットン)の衣類は北アルプスでは危険——乾かないからです。
対策は装備で決まります。①化繊かウールのベースレイヤー(綿は不可)、②フリースなどの保温着、③上下セパレートの防水透湿レインウェア、④手袋とニット帽。真夏でもこれが標準です。
そして雷。夏の午後、日射で温められた空気が上昇して積乱雲になります。稜線は避雷針そのもので、逃げ場がありません。だから山のセオリーは「早出・早着」——朝5時に出て、13時までに小屋に入る。これが雷を避ける唯一の実用的な方法です。
紫外線も強烈です。標高3000mでは平地より約3割強く、残雪があれば反射で倍増します。このページの紫外線データは標高と雪面の反射を織り込んであります。
悪天候の北アルプス|停滞と撤退の判断
- 雨+風+低温が揃ったら標高を上げない。これが低体温症を避ける鉄則です
- 雷が鳴ったら稜線から下りる。小屋か樹林帯まで退避してください
- 涸沢・上高地方面は増水で登山道が渡渉困難になることがあります
- 山小屋で停滞する勇気——予約変更の連絡は早めに。予備日を1日持つのが北アルプスの常識です
- 麓の安曇野・松本には屋内観光(大王わさび農場は屋外、松本市美術館は屋内)が豊富です
- 登山届の提出は長野県では条例で義務化されています
晴れ・くもり・雨の数字はどうやって出しているか
気象庁の各管区気象台が公表する「天気の出現率」と同じ順番で、1日ずつ天気を1つに決めています。①雪(雪の現象があった日)→②雨(日降水量1.0mm以上)→③くもり(日平均雲量8.5以上)→④晴れ。上から順にあてはめ、最初に該当したところで確定します。雲量は公開データにないため日照時間÷可照時間で代用しており、実際に雲量を観測している気象台の公表値との誤差は1ポイント前後です。
気象庁の平年値は直近30年ですが、このページは1979〜2025年の47年分を使っています。期間が長いほど、たまたま雨が多かった年の影響がならされます。集計方法は「全国837地点の天気出現率」に詳しく書きました。
北アルプス(槍・穂高)の天気 よくある質問
北アルプス(槍・穂高)はいつ行くのがおすすめですか?
北アルプス(槍・穂高)で雨が多いのは何月ですか?
北アルプス(槍・穂高)の一番暑い月と寒い月は?
このデータはどこのものですか?
北アルプス 各月の詳細ページ
- 北アルプス1月の服装|真冬日2.9日の寒さを47年データで(最低-5.3℃)
- 北アルプス2月の服装|真冬日1.9日の寒さを47年データで(最低-4.9℃)
- 北アルプス3月の服装と天気|冬日21.0日を47年データで(最低-1.3℃)
- 北アルプス4月の服装と天気|47年データで(晴れ60.0%・最高17.6℃)
- 北アルプス5月の服装と天気|47年データで(晴れ52.5%・最高22.9℃)
- 北アルプス6月の服装と天気|47年データで(晴れ32.9%・最高25.7℃)
- 北アルプス7月の暑さ対策|猛暑日1.6日・熱帯夜0.0日を47年データで
- 北アルプス8月の暑さ対策|猛暑日2.2日・熱帯夜0.0日を47年データで
- 北アルプス9月の服装と天気|47年データで(晴れ44.2%・最高25.4℃)
- 北アルプス10月の服装と天気|47年データで(晴れ55.8%・最高19.0℃)
- 北アルプス11月の服装と天気|冬日9.6日を47年データで(最低2.2℃)
- 北アルプス12月の服装と天気|冬日25.0日を47年データで(最低-2.6℃)
北アルプスの紫外線対策|屋外で過ごすなら月別ページの時間別UVを
北アルプス(槍・穂高)は屋外で過ごす時間が長いスポットです。日焼けだけでなく、目の疲れや体力の消耗にもつながるので、行く月の紫外線の強さを知っておくと対策が変わります。
紫外線は「季節・時刻・標高・地表の反射」の4つで大きく変わります。
- 季節:ピークは7〜8月。ただし4〜5月にはすでに真夏の8割前後まで上がります。「まだ春だから」がいちばん油断しやすいところです。
- 時刻:正午前後が最大。午前10時〜午後2時に一日の約6割が集中します。
- 標高:標高1000mにつき約10%増。ここは標高3000m級なので、平地より明確に強くなります。
- 反射:新雪は約80%、砂浜は10〜25%、水面は10〜20%を照り返します。雪の残る時期は、上と下の両方から浴びることになります。
各月のページに、北アルプスの「6時〜18時の時間別UVインデックス」を載せています。行く月のページで、出発前に確認してみてください。
紫外線そのものの仕組みや全国の比較は、こちらで詳しく解説しています。
