気象予報士試験の当日は、学科一般(9:40〜)・学科専門(11:10〜)・実技1(13:10〜)・実技2(14:55〜)の4コマを1日で受ける長丁場です。持ち物で最も多い失敗は「電卓が使えると思っていた」「定規が分度器つきで使えなかった」「会場に時計がなかった」の3つ。この記事では、試験案内で認められている用具と使えない用具、実技で本当に役立つ道具の選び方(定規・コンパス・色鉛筆・トレーシングペーパー)、電卓なしで計算を速く正確にこなす筆算のコツとドリル、当日の時間の使い方を、元気象庁職員の気象予報士がまとめました。持ち物チェックリストはこの端末に保存されるので、前日にもう一度開いて確認できます。
- 電卓は使えない。計算はすべて筆算。ノット→m/s(×0.5)、緯度1度=111km、距離÷時間、層厚の4種類を筆算できれば足りる。
- 使えるのは鉛筆・消しゴム・定規(分度器なし)・コンパス/ディバイダ・色鉛筆/色ボールペン/マーカー・ルーペ・クリップ・時計。スマートウォッチは不可。
- 実技の作図は「透明の定規15〜20cm」と「色鉛筆3色」があれば十分。トレーシングペーパーは問題冊子に付いてくる。
- 時計は必ず持つ。会場に時計がないことがあり、実技は75分の時間管理がすべて。
- 昼食後の実技1が最大の山。模試を13時台に解いて体を慣らしておく。
持ち物チェックリスト
持ち物チェックリスト(チェックはこの端末に保存されます)
使える用具・使えない用具|試験案内の決まり
| 用具 | 可否 | 備考 |
|---|---|---|
| 鉛筆・シャープペンシル | ○ | HB・黒。マークシートは鉛筆が塗りやすい。3本以上 |
| プラスチック消しゴム | ○ | 2個。作図の消し直しが多い |
| 定規・ものさし | ○ | 分度器つき・分度器機能つきは不可。透明の直定規か三角定規 |
| コンパス・ディバイダ | ○ | 天気図上の距離を緯度目盛りに当てて測る |
| 色鉛筆・色ボールペン・マーカーペン | ○ | 前線・等値線・湿域の色分けに。消せるボールペンは温度で消えるリスクに注意 |
| ルーペ | ○ | 天気図の小さな数字(気温・露点)を読む |
| ペーパークリップ | ○ | 冊子とトレーシングペーパーを固定 |
| 時計 | ○ | 通信・計算機能のないもの。スマートウォッチは不可 |
| 電卓 | × | すべて筆算。計算問題は電卓なしを前提に作られている |
| 分度器 | × | 風向・前線の角度は目分量で足りる |
| スマートフォン | × | 電源を切ってかばんの中へ。試験中の使用は失格 |
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道具の選び方|実技で本当に役立つ4つ
| 道具 | おすすめ | 使い方 |
|---|---|---|
| 定規 | 透明・15〜20cm・目盛りが両端まである直定規 | 前線を引く、等値線を延長する、2地点の距離を測って緯度目盛りに当てる。30cmは天気図の上で取り回しにくい |
| コンパス/ディバイダ | 製図用のディバイダ(両脚が針) | 2地点間の距離を「開き」で写し取り、図の緯度目盛り(1度=111km)で読む。台風の暴風域の半径を描くのにも |
| 色鉛筆 | 赤・青・緑の3色(+黄) | 赤=温暖前線・暖気移流・正渦度、青=寒冷前線・寒気、緑=湿域(湿数3℃以下)。塗り分けると記述の根拠が見える |
| マーカー | 黄色1本 | 問題文の「〜図から」「2つ述べよ」「〜字程度」に印。設問の見落としが減る |
| ルーペ | 倍率2〜3倍の小型 | 850hPaの気温・露点の小さな数字、風の矢羽根の本数 |
| 時計 | アナログ腕時計 | 残り時間が「角度」で見えるアナログが管理しやすい |
トレーシングペーパーは実技の問題冊子に付属していて、天気図に重ねて前線やトラフを写し取る作図問題で使います。持ち込みの必要はありませんが、クリップで冊子に固定しないとずれるので、ペーパークリップを2個持っていくと安心です。作図の手順は実技の解き方・時間配分、前線の引き方は天気図の読み方で。
電卓なしの計算法|4種類を筆算で
| 計算 | 式 | 筆算のコツ | 例 |
|---|---|---|---|
| ノット→m/s | ×0.514 | 「ノット÷2」で概算し、必要なら+3% | 40ノット→20.6m/s |
| ノット→km/h | ×1.852 | 「ノット×2」から1割引く | 30ノット→55.6km/h |
| 緯度差→距離 | 1度=60海里=111km | 緯度目盛りをディバイダで写す | 緯度3度→333km |
| 移動速度 | 距離÷時間 | 12時間・24時間で割るので割りやすい | 600km÷12h=50km/h(≒27ノット) |
| 到達時刻 | 距離÷速度 | 「何時間後に到達」は速度をkm/hにそろえてから | 400km÷40km/h=10時間後 |
| 層厚(1000〜850hPa) | ≒29.3×絶対温度(K)×ln(1000/850) | 29.3=気体定数÷重力加速度(m/K)、ln(1000/850)≒0.163。1,300m前後が雨雪の境目 | 平均気温0℃→29.3×273×0.163≒1,304m |
| 気温減率 | 気温差÷高度差 | 850hPaと500hPaの高度差は約4,100m前後 | −6℃→−30℃、4,100m→約5.9℃/km |
| 降水量 | 強度×時間 | 「1時間に30mmが3時間」は掛けるだけ | 90mm |
電卓なし計算ドリル|実技で出る計算をランダム出題(筆算で解く)
ノットとm/sの換算、緯度と距離の関係は高層天気図の見方とMETAR・TAFの読み方でも使います。計算問題の出題形式と単位の落とし穴は実技の解き方(計算4種類)に詳しくまとめています。
当日の時間の使い方|4コマを乗り切る
| 時間帯 | すること | ポイント |
|---|---|---|
| 〜9:00 到着 | 会場・教室の確認、トイレ | 東京会場は駅から遠いことがある。30分前到着 |
| 9:40〜10:40 学科一般 | 法規4問→熱力学→力学→残り | 1問4分。迷った問題は印をつけて最後に |
| 11:10〜12:10 学科専門 | 数字問題(観測・警報基準)を先に | 「覚えていれば取れる問題」を落とさない |
| 12:10〜13:10 昼休み | 軽い食事、糖分、記述の型を1枚見直す | 食べすぎると実技1で眠くなる |
| 13:10〜14:25 実技1 | 最初の3分で全問を見て配点と字数を把握 | 75分で1題。時間切れが最大の敵 |
| 14:25〜14:55 休憩 | トイレ、水分、道具を並べ直す | 実技1の出来を引きずらない |
| 14:55〜16:10 実技2 | 実技1と合計で判定。粘る | 白紙を作らない。要素2つで部分点 |
会場と前日の準備
試験地は北海道・宮城県・東京都・大阪府・福岡県・沖縄県の6か所で、具体的な会場は受験票に記載されます。東京は受験者が多く複数会場に分かれるため、受験票の会場名を前日に地図で確認してください。前日は新しいことを覚えず、①持ち物チェックリスト、②記述の型と計算4種類の確認、③早寝、の3つだけ。試験の申込・受験料・免除の期限は2027年の試験日程・申込・免除、合格基準は合格基準と配点で。
気象予報士試験の定番テキスト
独学なら「一般気象学(小倉義光)」で土台を作り、「らくらく突破 気象予報士かんたん合格テキスト」で学科の穴を埋め、過去問は最低5回分を3周するのが王道です。実技は解説つきの過去問集が必須です。
試験当日についてよくある質問
Q. 気象予報士試験で電卓は使えますか?
A. 使えません。学科・実技とも計算はすべて筆算です。実技の計算はノット→m/s(×0.514)、緯度1度=111km、距離÷時間、層厚など、筆算で解ける桁数に作られています。
Q. 定規は何を持っていけばいいですか?
A. 透明の直定規か三角定規で、15〜20cmが使いやすいです。分度器つき・分度器機能つきの定規は使用できません。前線を引く、等値線を延長する、2地点間の距離を緯度目盛りで測るのに使います。
Q. 色鉛筆やマーカーは使えますか?
A. 使えます。試験案内では色鉛筆・色ボールペン・マーカーペンが認められています。赤(温暖前線・暖気)、青(寒冷前線・寒気)、緑(湿域)の3色と、設問に印をつける黄色マーカーがあると便利です。
Q. トレーシングペーパーは持参が必要ですか?
A. 不要です。実技試験の問題冊子に付属しています。天気図に重ねて前線やトラフを写し取る作図問題で使うので、ずれないようにペーパークリップで固定します。
Q. 時計は必要ですか?
A. 必要です。会場に時計がない、または見えにくい席のことがあります。通信機能・計算機能のないアナログ腕時計が時間管理に向いています。スマートウォッチは使えません。
Q. 学科免除の人は何時に行けばいいですか?
A. 実技1の開始(13:10)に合わせて、集合時刻(開始15分前が目安)までに入室します。午前中は自宅で記述の型と計算の確認をして、昼食を済ませてから会場へ向かうのが一般的です。
Q. 試験中にトイレに行けますか?
A. 試験監督に申し出れば行けますが、その間の時間は戻りません。実技は75分ぎりぎりになるので、休憩時間に必ず済ませておきます。
- 電卓・分度器は不可。筆算4種類(ノット換算・緯度距離・距離÷時間・層厚)を練習。
- 持ち物は受験票・鉛筆・消しゴム・時計+定規・コンパス・色鉛筆・クリップ・ルーペ。チェックリストで前日に確認。
- トレーシングペーパーは冊子に付属。クリップで固定。
- 時計は必ず。実技75分は時間管理がすべて。
- 昼食後の実技1が山。模試を同じ時刻に解いて慣らす。
出典:気象業務支援センター「気象予報士試験 試験案内」「試験当日の注意事項」(使用できる用具の記載)。時間割は近年の実施回の標準的な時刻で、受験票の記載が優先します。
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