「世界一気温差が激しい場所はどこ?」——1年の中での差(年較差)なら、ロシア・シベリアのベルホヤンスクが観測史上−67.8℃から+38.0℃まで105.8℃の幅を記録しています。1日の中での差(日較差)なら、アメリカ・モンタナ州で1日に55.5℃下がった記録があります。国単位で見ると、首都の月平均気温の年較差が最も大きいのはモンゴルのウランバートルで36.3℃です。
この記事では「年較差」「日較差」「急変」の3つの世界一と、当サイトの193か国データから計算した首都の年較差ランキング(上位15・下位10)、気温差が大きくなる仕組み、そして東京(年較差24.1℃で18位)を含む日本の位置を気象予報士が解説します。

気温差の正体は「海からの距離」です。海は温まりにくく冷めにくいので、海に囲まれた島国の首都は年較差1℃未満。海から遠い内陸のウランバートルは36℃。東京は24.1℃で、193か国の中でも気温差が大きいグループ——日本人が「四季がはっきりしている」と感じるのは、データでも裏づけられます。
世界一気温差が激しい場所——3つの世界記録
| 種類 | 記録 | 場所 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 年較差(観測史上の最高−最低) | 105.8℃ | ベルホヤンスク(ロシア) | −67.8℃(1892年)〜+38.0℃(2020年6月)。北極圏の最高気温記録でもある |
| 年較差(同上) | 102.8℃ | ヤクーツク(ロシア) | −64.4℃〜+38.4℃。人口約35万人の大都市 |
| 年較差(同上) | 102.3℃ | オイミャコン(ロシア) | −67.7℃(1933年)〜+34.6℃(2010年) |
| 日較差(24時間の下降) | 55.5℃ | ブラウニング(アメリカ・モンタナ州) | 1916年1月23〜24日、+6.7℃から−48.9℃へ |
| 2日間の上昇 | 57.2℃ | ロマ(アメリカ・モンタナ州) | 1972年1月14〜15日、−47.8℃から+9.4℃へ |
| 最も急な変化 | 2分間で27.2℃上昇 | スピアフィッシュ(アメリカ・サウスダコタ州) | 1943年1月22日、−20.0℃から+7.2℃へ。チヌーク(フェーン)による |
| 参考:日本の年較差 | 約62℃ | 旭川(北海道) | −41.0℃(1902年)〜+37.9℃(2021年) |
年較差100℃超はすべてシベリア北東部の内陸盆地です。世界一寒い都市として知られるこれらの町は、夏は30℃を超える「世界一暑い寒冷地」でもあります。日較差の記録がモンタナ州に集中しているのは、ロッキー山脈から吹き下りる乾いた暖かい風「チヌーク」が、居座っていた北極気団を数時間で追い払う(あるいはその逆)ためです。
首都の年較差ランキング——世界一気温差が激しい国は?
当サイトの193か国の首都の月平均気温データから、最も暖かい月と最も寒い月の差(年較差)を計算しました。193か国の平均は11.7℃です。
| 順位 | 国 | 首都 | 年較差 | 最暖月 | 最寒月 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | モンゴル | Ulaanbaatar | 36.3℃ | 18.1℃ | -18.2℃ |
| 2 | カザフスタン | Astana | 34.7℃ | 22℃ | -12.7℃ |
| 3 | ウズベキスタン | Tashkent | 31℃ | 30.7℃ | -0.3℃ |
| 4 | 北朝鮮 | Pyongyang | 30.5℃ | 25.2℃ | -5.3℃ |
| 5 | 中国 | Beijing | 30.3℃ | 27.4℃ | -2.9℃ |
| 6 | カナダ | Ottawa | 29.6℃ | 21.5℃ | -8.1℃ |
| 7 | 韓国 | Seoul | 28.7℃ | 25.6℃ | -3.1℃ |
| 8 | トルクメニスタン | Ashgabat | 28.7℃ | 32.9℃ | 4.2℃ |
| 9 | アルメニア | Yerevan | 28.3℃ | 28℃ | -0.3℃ |
| 10 | ロシア | Moscow | 28.3℃ | 20.1℃ | -8.2℃ |
| 11 | イラン | Tehran | 28.1℃ | 32.6℃ | 4.5℃ |
| 12 | キルギス | Bishkek | 27.9℃ | 25.7℃ | -2.2℃ |
| 13 | イラク | Baghdad | 27.4℃ | 38.8℃ | 11.4℃ |
| 14 | アフガニスタン | Kabul | 27.1℃ | 25.2℃ | -1.9℃ |
| 15 | タジキスタン | Dushanbe | 26.4℃ | 29.9℃ | 3.5℃ |
1位はモンゴルのウランバートル(36.3℃)で、1月−18.2℃・7月18.1℃。2位はカザフスタンのアスタナ(34.7℃)で、世界の寒い国ランキングの上位2か国がそのまま気温差でも上位です。上位15はすべてユーラシア大陸の内陸(中央アジア・東アジア・中東の高原)と北米のオタワで、海から遠い=気温差が大きいという法則がはっきり出ています。
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気温差が最も小さい国——年較差1℃未満の世界
| 順位 | 国 | 首都 | 年較差 | 最暖月 | 最寒月 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ナウル | Yaren District | 0.4℃ | 28.2℃ | 27.8℃ |
| 2 | マーシャル諸島 | Majuro | 0.5℃ | 27.7℃ | 27.2℃ |
| 3 | キリバス | Tarawa | 0.6℃ | 28.1℃ | 27.5℃ |
| 4 | ミクロネシア連邦 | Palikir | 0.6℃ | 26.8℃ | 26.2℃ |
| 5 | ツバル | Funafuti | 0.7℃ | 28.3℃ | 27.6℃ |
| 6 | コロンビア | Bogotá | 0.8℃ | 13.9℃ | 13.1℃ |
| 7 | ソロモン諸島 | Honiara | 0.8℃ | 26.4℃ | 25.6℃ |
| 8 | パラオ | Ngerulmud | 1℃ | 26.9℃ | 25.9℃ |
| 9 | ブルネイ | Bandar Seri Begawan | 1.1℃ | 27.1℃ | 26℃ |
| 10 | エクアドル | Quito | 1.3℃ | 13.2℃ | 11.9℃ |
太平洋の島国は年較差が1℃未満——1年中ほぼ同じ気温です。興味深いのはコロンビアのボゴタ(0.8℃)とエクアドルのキト(1.3℃)で、赤道直下の標高2,600〜2,800mにあるため、年間を通じて13℃前後の「春」が続きます。ただしこうした高地では日較差が大きく、キトは朝8℃・昼22℃といった1日の変化があります。
なぜ気温差が大きくなるのか——4つの条件
① 海からの距離(大陸性気候)
水は陸の約2〜3倍温まりにくく冷めにくいため、海の近くは夏も冬も気温がならされます。内陸ではそのクッションがなく、夏は地面が焼け、冬は放射冷却で冷え切ります。ウランバートルは最寄りの海まで1,500km以上あります。
② 緯度(日照時間の差)
高緯度ほど夏と冬の日照時間の差が大きくなります。赤道では一年中12時間ですが、北緯63度のベルホヤンスクでは夏は白夜に近く、冬は数時間しかありません。赤道付近の島国の年較差が小さいのはこのためでもあります。
③ 乾燥(雲と水蒸気の少なさ)
水蒸気と雲は昼の日射をさえぎり、夜の熱の放出を抑える「毛布」です。乾燥した砂漠や高原ではこの毛布がないため、日較差が特に大きくなります。アタカマ砂漠や中央アジアの都市で昼30℃・夜0℃という日が生まれる理由です。
④ 地形(盆地とフェーン)
盆地は冷気がたまって冬・夜に冷え、周囲の山を越えてきた乾いた風(フェーン・チヌーク)は一気に気温を上げます。モンタナ州の日較差記録も、ロッキー山脈のふもとという地形が生んだものです。日本でも盆地の内陸都市(旭川・甲府・京都)は年較差・日較差ともに大きくなります。
日本の気温差は世界でどの位置?
東京の年較差は24.1℃(4.2℃〜28.3℃)で193か国中18位。平均11.7℃の2倍以上で、島国としては例外的に大きな値です。理由は、日本がユーラシア大陸の東岸にあり、冬はシベリアからの寒気、夏は太平洋高気圧の暖気と、大陸と海洋の両方の影響を受けるためです。同じ東アジアのソウル(28.7℃)・北京(30.3℃)はさらに大きく、西岸のヨーロッパ(ロンドン約14℃・パリ約16℃)は同じ緯度でも小さくなります。
国内では旭川の年較差(月平均で約29℃)が大きく、那覇(約12℃)が小さいという「北ほど大きい」傾向があり、日本の四季の鮮やかさは世界的に見ても際立っています。詳しくは日本の最高気温ランキング・最低気温ランキングをご覧ください。
193か国ランキングで見る「気温差」|モンゴルと日本の位置
首都の年較差が最も大きいモンゴルを強調して、年較差・最高/最低気温・年平均気温のランキングを並べ、日本の位置と比べます。
気温の年較差の大きさ(首都):モンゴルは1位
| 順位 | 国 | 気温の年較差 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | モンゴル | 36.3℃ | 76.8 |
| 2位 | カザフスタン | 34.7℃ | 75.1 |
| 3位 | ウズベキスタン | 31.0℃ | 71.0 |
| 4位 | 北朝鮮 | 30.5℃ | 70.5 |
| 5位 | 中国 | 30.3℃ | 70.3 |
| 6位 | カナダ | 29.6℃ | 69.5 |
| 7位 | 韓国 | 28.7℃ | 68.5 |
| 8位 | トルクメニスタン | 28.7℃ | 68.5 |
| 9位 | アルメニア | 28.3℃ | 68.1 |
| 10位 | ロシア | 28.3℃ | 68.1 |
| 18位 | 日本 | 24.1℃ | 63.5 |
モンゴルは1位(36.3℃、偏差値76.8)。日本は18位(24.1℃)。1位はモンゴル(36.3℃)、最下位はナウル(0.4℃)、193か国の平均は11.7℃です。詳しくは気温の年較差の世界ランキングをご覧ください。
気温の年較差の小ささ(首都):モンゴルは193位
| 順位 | 国 | 気温の年較差 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | ナウル | 0.4℃ | 37.8 |
| 2位 | マーシャル諸島 | 0.5℃ | 37.9 |
| 3位 | キリバス | 0.6℃ | 38.0 |
| 4位 | ミクロネシア連邦 | 0.6℃ | 38.0 |
| 5位 | ツバル | 0.7℃ | 38.1 |
| 6位 | コロンビア | 0.8℃ | 38.2 |
| 7位 | ソロモン諸島 | 0.8℃ | 38.2 |
| 8位 | パラオ | 1.0℃ | 38.4 |
| 9位 | ブルネイ | 1.1℃ | 38.5 |
| 10位 | エクアドル | 1.3℃ | 38.7 |
| 193位 | モンゴル | 36.3℃ | 76.8 |
| 175位 | 日本 | 24.1℃ | 63.5 |
モンゴルは193位(36.3℃、偏差値76.8)。日本は175位(24.1℃)。1位はナウル(0.4℃)、最下位はモンゴル(36.3℃)、193か国の平均は11.7℃です。年較差1℃未満の国はすべて太平洋の島国か赤道直下の高地です。詳しくは気温の年較差の世界ランキングをご覧ください。
観測史上の最高気温の高さ:モンゴルは70位
| 順位 | 国 | 観測史上の最高気温 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | アメリカ | 56.7℃ | 74.2 |
| 2位 | チュニジア | 55.0℃ | 71.1 |
| 3位 | イラン | 54.0℃ | 69.2 |
| 4位 | イスラエル | 54.0℃ | 69.2 |
| 5位 | イラク | 53.9℃ | 69.0 |
| 6位 | クウェート | 53.9℃ | 69.0 |
| 7位 | パキスタン | 53.7℃ | 68.6 |
| 8位 | 中国 | 52.2℃ | 65.8 |
| 9位 | アラブ首長国連邦 | 52.1℃ | 65.7 |
| 10位 | サウジアラビア | 52.0℃ | 65.5 |
| 70位 | モンゴル | 44.0℃ | 50.6 |
| 92位 | 日本 | 41.8℃ | 46.5 |
モンゴルは70位(44.0℃、偏差値50.6)。日本は92位(41.8℃)。1位はアメリカ(56.7℃)、最下位はアイスランド(30.5℃)、150か国の平均は43.7℃です。詳しくは世界で一番暑い国は?最高気温ランキング1位はアメリカ56.7℃をご覧ください。
観測史上の最低気温の低さ:モンゴルは5位
| 順位 | 国 | 観測史上の最低気温 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | ロシア | -67.8℃ | 28.8 |
| 2位 | カナダ | -63.0℃ | 31.0 |
| 3位 | アメリカ | -62.2℃ | 31.4 |
| 4位 | カザフスタン | -57.0℃ | 33.9 |
| 5位 | モンゴル | -55.6℃ | 34.5 |
| 6位 | キルギス | -53.6℃ | 35.5 |
| 7位 | 中国 | -53.0℃ | 35.8 |
| 8位 | オーストリア | -52.6℃ | 36.0 |
| 9位 | スウェーデン | -52.6℃ | 36.0 |
| 10位 | アフガニスタン | -52.2℃ | 36.2 |
| 26位 | 日本 | -41.0℃ | 41.5 |
モンゴルは5位(-55.6℃、偏差値34.5)。日本は26位(-41.0℃)。1位はロシア(-67.8℃)、最下位はナウル(20.0℃)、109か国の平均は-23.0℃です。詳しくは世界の国別最低気温ランキング観測史上・地域別・年代別に比較をご覧ください。
モンゴル(ウランバートル)と東京の月別気温比較
年較差世界一のウランバートルと東京の月別平均気温と193か国中の順位です。夏はほぼ同じなのに、冬は20℃以上の差が開きます。
| 月 | モンゴルの平均気温 | 順位 | 日本(東京) |
|---|---|---|---|
| 1月 | -17.6℃ | 193位 | 4.2℃(146位) |
| 2月 | -15.6℃ | 193位 | 5.3℃(154位) |
| 3月 | -4.7℃ | 192位 | 10.1℃(141位) |
| 4月 | 2.4℃ | 193位 | 15.2℃(134位) |
| 5月 | 10.4℃ | 189位 | 18.3℃(129位) |
| 6月 | 16.3℃ | 173位 | 22.5℃(120位) |
| 7月 | 18.1℃ | 163位 | 27.9℃(41位) |
| 8月 | 16.0℃ | 179位 | 28.3℃(22位) |
| 9月 | 10.5℃ | 190位 | 25.3℃(84位) |
| 10月 | 1.7℃ | 193位 | 18.0℃(125位) |
| 11月 | -8.8℃ | 193位 | 12.9℃(135位) |
| 12月 | -18.2℃ | 193位 | 6.8℃(143位) |
ウランバートルの7月は18℃前後で東京より涼しい程度ですが、1月は−18℃で東京(4℃)と22℃の差。海から1,500km離れた内陸の高原が、この差を生んでいます。
よくある質問
Q. 1日で最も気温が変化した記録は?
1916年1月、アメリカ・モンタナ州ブラウニングで24時間に55.5℃下降(+6.7℃→−48.9℃)。逆に1943年のスピアフィッシュ(サウスダコタ州)では2分間で27.2℃上昇しました。いずれもロッキー山脈のチヌーク(フェーン)が原因です。
Q. 日本で年較差が大きい・小さい地点は?
都道府県では長野(25.8℃)と北海道(25.5℃)が大きく、沖縄(11.8℃)が最小です。夏涼しくて冬暖かい県はどこ?で47都道府県を比較しています。
Q. 年較差が大きい国は住みにくい?
暖房と冷房の両方が必要でエネルギー消費は増えますが、四季がはっきりし農業の適地でもあります。年較差1℃未満の島国は快適な反面、台風・サイクロンや海面上昇のリスクを抱えます。
Q. 気温差の大きさは何で決まる?
海からの距離(大陸性)、緯度(日照時間の差)、乾燥(雲の少なさ)、地形(盆地・フェーン)の4つです。同じ緯度でも内陸のウランバートルと海沿いの札幌では年較差が10℃違います。
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- 年較差の世界一はベルホヤンスクの105.8℃(−67.8℃〜+38.0℃)。ヤクーツク・オイミャコンも100℃超。
- 日較差の世界一はモンタナ州ブラウニングの1日55.5℃下降。2分で27.2℃上がった記録もチヌークが原因。
- 首都の年較差1位はウランバートル36.3℃、最小はナウル0.4℃。上位はすべて内陸、下位はすべて島国か赤道高地。
- 気温差の条件は「海からの距離×緯度×乾燥×地形」。
- 東京は24.1℃で193か国中18位。島国なのに大陸性の影響を受ける、世界でも珍しい「四季の国」。
出典:WMO世界気象極値アーカイブ、アメリカ海洋大気庁(NOAA)、ロシア連邦水文気象環境監視局、気象庁 歴代全国ランキング・平年値、当サイトの世界193か国気温データ(首都の月平均気温は再解析データに基づく平年値)。
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