20年前の夏の気温は何度だった?2006年ごろと今を都道府県別に比較

20年前(2006年ごろ、平成18年ごろ)の夏の気温は何度だったのか。気象庁が公開している月別平均気温をもとに、2000年代と現在(2020年代)を全国677地点で比べました。

全国平均でみると、20年前の夏の平均気温は 23.2℃、現在は 24.4℃。この20年で +1.2℃ 上がりました。

20年前は2006年、平成18年です。「そんなに昔ではない」と感じる方が多いと思います。ところが夏の暑さについては、この20年ではっきりとした変化がありました。

象徴的なのは、「猛暑日」という言葉が気象庁の予報用語に加わったのが2007年――つまり20年前の翌年だということです。それまで日本には、最高気温35℃以上の日を指す公式な呼び名がありませんでした。必要がなかったからです。そして加わった直後の2007年8月16日、埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で40.9℃を観測し、当時の国内最高記録を74年ぶりに更新しました。20年前とは、日本の夏が新しい言葉を必要とし始めた時期の直前にあたります。

都道府県別 ― 20年前と今の夏の平均気温

上がり幅の大きい順に並べています。同じ20年でも、県によって上がり方はかなり違います。

順位都道府県20年前現在上昇幅
1北海道17.6℃19.8℃+2.2℃
2岩手県20.2℃22.3℃+2.1℃
3宮城県20.9℃23.0℃+2.1℃
4青森県19.5℃21.6℃+2.1℃
5茨城県23.2℃24.9℃+1.7℃
6山形県21.7℃23.4℃+1.7℃
7神奈川県24.4℃26.0℃+1.6℃
8埼玉県24.4℃26.0℃+1.6℃
9栃木県21.6℃23.2℃+1.6℃
10福島県21.2℃22.8℃+1.6℃
11秋田県21.5℃23.1℃+1.6℃
12群馬県22.2℃23.7℃+1.5℃
13千葉県23.9℃25.4℃+1.5℃
14新潟県23.1℃24.6℃+1.5℃
15富山県23.7℃25.1℃+1.4℃
16石川県23.7℃25.1℃+1.4℃
17福井県24.4℃25.7℃+1.3℃
18東京都24.8℃26.0℃+1.2℃
19鳥取県24.1℃25.3℃+1.2℃
20滋賀県24.3℃25.5℃+1.2℃
21京都府24.8℃25.9℃+1.1℃
22三重県24.9℃26.0℃+1.1℃
23山梨県21.1℃22.2℃+1.1℃
24静岡県23.0℃24.1℃+1.1℃
25愛知県25.0℃26.0℃+1.0℃
26長野県21.1℃22.1℃+1.0℃
27島根県23.9℃24.9℃+1.0℃
28佐賀県25.7℃26.6℃+0.9℃
29福岡県25.7℃26.6℃+0.9℃
30岡山県24.3℃25.2℃+0.9℃
31山口県24.7℃25.6℃+0.9℃
32奈良県23.7℃24.5℃+0.8℃
33兵庫県24.8℃25.6℃+0.8℃
34香川県25.6℃26.4℃+0.8℃
35大阪府25.3℃26.1℃+0.8℃
36岐阜県23.2℃24.0℃+0.8℃
37和歌山県24.1℃24.8℃+0.7℃
38広島県24.2℃24.9℃+0.7℃
39長崎県25.0℃25.7℃+0.7℃
40徳島県24.3℃24.9℃+0.6℃
41熊本県25.3℃25.9℃+0.6℃
42大分県25.0℃25.6℃+0.6℃
43高知県24.7℃25.2℃+0.5℃
44沖縄県27.9℃28.4℃+0.5℃
45愛媛県25.3℃25.7℃+0.4℃
46鹿児島県26.1℃26.5℃+0.4℃
47宮崎県25.1℃25.4℃+0.3℃

上がり方がもっとも大きかった県

北海道+2.2℃) 岩手県+2.1℃) 宮城県+2.1℃) 

上がり方が小さかった県

愛媛県+0.4℃) 鹿児島県+0.4℃) 宮崎県+0.3℃) 

この差は偶然ではありません。上位には都市化が進んだ地域が並びやすく、下位には観測所の周囲が20年前とあまり変わっていない地域が並びやすくなります。つまりこの表の差そのものが、ヒートアイランドの寄与の大きさを映していると読めます。次の章で詳しく説明します。

全国平均の50年 ― 上昇は一直線ではなかった

年代1970年代1980年代1990年代2000年代2010年代2020年代
全国平均23.0℃22.4℃23.0℃23.2℃23.6℃24.4℃

この表でまず目を引くのは、もっとも涼しかったのが1970年代ではなく1980年代だったという点です。全国平均で 22.4℃。1970年代より 0.6℃低くなっています。気温の上昇は一直線ではありませんでした。「昔から少しずつ暑くなってきた」というイメージを持たれがちですが、実際には下がった時期を挟んでいます。

もうひとつ重要なのが、上昇のほとんどが最近に集中していることです。1970年代から現在までの上昇幅は 1.4℃ですが、そのうち 1.2℃(約86%)が2000年代以降の20年で起きています。50年かけてゆっくり上がったのではなく、ここ20年で一気に上がったというのが実態です。

「子どものころより暑くなった」という体感が、年齢の高い人ほど強いとは限らないのはこのためです。2000年代を知っている世代でも、当時と今とでは1℃以上違います。

なぜ夏の気温は上がったのか

日本の夏の気温上昇には、性質の違う2つの原因が重なっています。この2つを分けて考えないと、データの読み方を誤ります。

地球温暖化

地球全体の平均気温が上がっている影響です。これは日本だけでなく世界中の観測所で共通して現れ、都市も田舎も、山も海上も、同じ方向に動きます。

ヒートアイランド現象

都市そのものが熱を溜め込むことで起きる、局地的な昇温です。アスファルトとコンクリートは日中に熱を蓄え、夜間に放出します。緑地や水面が減れば、蒸発によって熱を逃がす働きも弱まります。加えて、エアコンの室外機や自動車が出す人工の排熱が直接加わります。

この2つは、データの見え方で区別できます。大都市の観測所では両方が乗るため上昇幅が大きく出ますが、周囲に市街地がほとんどない観測所ではヒートアイランドの寄与が小さく、上昇幅は控えめになります。上の表で県ごとに上がり方が違うのは、この寄与の差を反映しています。

夜の気温を見ると、区別はもっとはっきりします。ヒートアイランドは日中よりも夜間の気温を強く押し上げる性質があるためです。昼間に蓄えた熱がゆっくり放出されるので、都市部では朝になっても気温が下がりきりません。熱帯夜の増え方が大都市で突出しているのは、そのためです。

数字を読むときの3つの注意

① 観測所は動いていることがある

観測所は、周囲の環境が変わったり施設が移転したりすると場所が移されることがあります。移転の前後では観測条件が変わるため、長期の変化を論じるときは注意が必要です。このページでは、1970年代から現在まで観測が続いている地点だけを使っています。

② 「平均気温」と「最高気温」は別の話をしている

平均気温は1日を通した平均で、夜間の値も含みます。最高気温はその日のピークです。ヒートアイランドの影響は平均気温のほうに強く出ます(夜が下がらないため)。一方、猛暑日の増減を見るなら最高気温を見る必要があります。このページの数値は6月・7月・8月の月平均気温を平均したものです。

③ 1年だけを比べても意味がない

夏の気温は年ごとの振れ幅が大きく、暑い年と涼しい年が数年おきに来ます。「30年前の夏」を1996年の1年だけで代表させると、たまたま暑い年・涼しい年に当たったときに結論がひっくり返ります。このページでは年代ごと(10年間)の平均を使い、年ごとのばらつきをならしています。

ほかの年代・地域で見る

→ 全年代をまとめて見る(都道府県別ツールつき)
→ 1990年代・1980年代・1970年代という西暦の年代で調べる

データ出典:気象庁「過去の気象データ検索」の月別平均気温。1970年代から現在まで観測が続いている全国677地点を集計しています。

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