30年前の夏の気温は何度だった?1996年ごろと今を都道府県別に比較

30年前(1996年ごろ、平成8年ごろ)の夏の気温は何度だったのか。気象庁が公開している月別平均気温をもとに、1990年代と現在(2020年代)を全国677地点で比べました。

全国平均でみると、30年前の夏の平均気温は 23.0℃、現在は 24.4℃。この30年で +1.4℃ 上がりました。

30年前は1996年、平成8年です。この時代の夏を語るうえで外せないのが、直前の2年間の振れ幅です。1993年は記録的な冷夏で、米が不足してタイ米が緊急輸入されました。その翌1994年は一転して記録的な猛暑と渇水となり、西日本を中心に給水制限が行われています。

つまり30年前ごろの日本は、冷夏と猛暑がまだ交互に来ていた時代でした。いまのように「毎年暑い」のではなく、「今年は暑い年か、涼しい年か」が夏のはじめの話題になる年だったのです。この感覚の違いが、「昔の夏は涼しかった」という記憶の一部を作っています。

都道府県別 ― 30年前と今の夏の平均気温

上がり幅の大きい順に並べています。同じ30年でも、県によって上がり方はかなり違います。

順位都道府県30年前現在上昇幅
1北海道17.4℃19.8℃+2.4℃
2岩手県20.0℃22.3℃+2.3℃
3宮城県20.7℃23.0℃+2.3℃
4青森県19.5℃21.6℃+2.1℃
5茨城県22.9℃24.9℃+2.0℃
6埼玉県24.0℃26.0℃+2.0℃
7山形県21.4℃23.4℃+2.0℃
8福島県20.9℃22.8℃+1.9℃
9栃木県21.3℃23.2℃+1.9℃
10神奈川県24.1℃26.0℃+1.9℃
11群馬県21.9℃23.7℃+1.8℃
12秋田県21.3℃23.1℃+1.8℃
13石川県23.3℃25.1℃+1.8℃
14千葉県23.7℃25.4℃+1.7℃
15新潟県22.9℃24.6℃+1.7℃
16富山県23.4℃25.1℃+1.7℃
17福井県24.0℃25.7℃+1.7℃
18滋賀県23.8℃25.5℃+1.7℃
19鳥取県23.7℃25.3℃+1.6℃
20京都府24.3℃25.9℃+1.6℃
21島根県23.5℃24.9℃+1.4℃
22三重県24.6℃26.0℃+1.4℃
23愛知県24.6℃26.0℃+1.4℃
24東京都24.6℃26.0℃+1.4℃
25山梨県20.9℃22.2℃+1.3℃
26福岡県25.3℃26.6℃+1.3℃
27静岡県22.8℃24.1℃+1.3℃
28山口県24.3℃25.6℃+1.3℃
29長野県20.8℃22.1℃+1.3℃
30大阪府24.9℃26.1℃+1.2℃
31岡山県24.0℃25.2℃+1.2℃
32香川県25.2℃26.4℃+1.2℃
33岐阜県22.8℃24.0℃+1.2℃
34佐賀県25.4℃26.6℃+1.2℃
35奈良県23.4℃24.5℃+1.1℃
36兵庫県24.5℃25.6℃+1.1℃
37広島県23.8℃24.9℃+1.1℃
38長崎県24.7℃25.7℃+1.0℃
39大分県24.6℃25.6℃+1.0℃
40和歌山県23.8℃24.8℃+1.0℃
41熊本県24.9℃25.9℃+1.0℃
42愛媛県24.9℃25.7℃+0.8℃
43徳島県24.1℃24.9℃+0.8℃
44高知県24.5℃25.2℃+0.7℃
45鹿児島県25.8℃26.5℃+0.7℃
46宮崎県24.8℃25.4℃+0.6℃
47沖縄県27.8℃28.4℃+0.6℃

上がり方がもっとも大きかった県

北海道+2.4℃) 岩手県+2.3℃) 宮城県+2.3℃) 

上がり方が小さかった県

鹿児島県+0.7℃) 宮崎県+0.6℃) 沖縄県+0.6℃) 

この差は偶然ではありません。上位には都市化が進んだ地域が並びやすく、下位には観測所の周囲が30年前とあまり変わっていない地域が並びやすくなります。つまりこの表の差そのものが、ヒートアイランドの寄与の大きさを映していると読めます。次の章で詳しく説明します。

全国平均の50年 ― 上昇は一直線ではなかった

年代1970年代1980年代1990年代2000年代2010年代2020年代
全国平均23.0℃22.4℃23.0℃23.2℃23.6℃24.4℃

この表でまず目を引くのは、もっとも涼しかったのが1970年代ではなく1980年代だったという点です。全国平均で 22.4℃。1970年代より 0.6℃低くなっています。気温の上昇は一直線ではありませんでした。「昔から少しずつ暑くなってきた」というイメージを持たれがちですが、実際には下がった時期を挟んでいます。

もうひとつ重要なのが、上昇のほとんどが最近に集中していることです。1970年代から現在までの上昇幅は 1.4℃ですが、そのうち 1.2℃(約86%)が2000年代以降の20年で起きています。50年かけてゆっくり上がったのではなく、ここ20年で一気に上がったというのが実態です。

「子どものころより暑くなった」という体感が、年齢の高い人ほど強いとは限らないのはこのためです。2000年代を知っている世代でも、当時と今とでは1℃以上違います。

なぜ夏の気温は上がったのか

日本の夏の気温上昇には、性質の違う2つの原因が重なっています。この2つを分けて考えないと、データの読み方を誤ります。

地球温暖化

地球全体の平均気温が上がっている影響です。これは日本だけでなく世界中の観測所で共通して現れ、都市も田舎も、山も海上も、同じ方向に動きます。

ヒートアイランド現象

都市そのものが熱を溜め込むことで起きる、局地的な昇温です。アスファルトとコンクリートは日中に熱を蓄え、夜間に放出します。緑地や水面が減れば、蒸発によって熱を逃がす働きも弱まります。加えて、エアコンの室外機や自動車が出す人工の排熱が直接加わります。

この2つは、データの見え方で区別できます。大都市の観測所では両方が乗るため上昇幅が大きく出ますが、周囲に市街地がほとんどない観測所ではヒートアイランドの寄与が小さく、上昇幅は控えめになります。上の表で県ごとに上がり方が違うのは、この寄与の差を反映しています。

夜の気温を見ると、区別はもっとはっきりします。ヒートアイランドは日中よりも夜間の気温を強く押し上げる性質があるためです。昼間に蓄えた熱がゆっくり放出されるので、都市部では朝になっても気温が下がりきりません。熱帯夜の増え方が大都市で突出しているのは、そのためです。

数字を読むときの3つの注意

① 観測所は動いていることがある

観測所は、周囲の環境が変わったり施設が移転したりすると場所が移されることがあります。移転の前後では観測条件が変わるため、長期の変化を論じるときは注意が必要です。このページでは、1970年代から現在まで観測が続いている地点だけを使っています。

② 「平均気温」と「最高気温」は別の話をしている

平均気温は1日を通した平均で、夜間の値も含みます。最高気温はその日のピークです。ヒートアイランドの影響は平均気温のほうに強く出ます(夜が下がらないため)。一方、猛暑日の増減を見るなら最高気温を見る必要があります。このページの数値は6月・7月・8月の月平均気温を平均したものです。

③ 1年だけを比べても意味がない

夏の気温は年ごとの振れ幅が大きく、暑い年と涼しい年が数年おきに来ます。「30年前の夏」を1996年の1年だけで代表させると、たまたま暑い年・涼しい年に当たったときに結論がひっくり返ります。このページでは年代ごと(10年間)の平均を使い、年ごとのばらつきをならしています。

ほかの年代・地域で見る

→ 全年代をまとめて見る(都道府県別ツールつき)
→ 1990年代・1980年代・1970年代という西暦の年代で調べる

データ出典:気象庁「過去の気象データ検索」の月別平均気温。1970年代から現在まで観測が続いている全国677地点を集計しています。

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