テーパリングクラウドとは何か?にんじん状の雲とは何が違う?解説します

気象

こんにちは!のぶやんです。

今回は大雨をもたらすときにあらわれる雲「テーパリングクラウド」について解説していきます。

にんじん状の雲とは何が違うのでしょうか?

結論からいうと「テーパリングクラウド」と「にんじん状の雲」は意味は同じです。

ただ一般気象学の小倉さんの提案もあって、気象庁的には「にんじん状の雲」を使っているようです。

のぶやん
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テーパリングクラウドとは

テーパリングクラウドは大雨をもたらす危険な雲です。形状はこんな感じです。

積乱雲で構成されています。

気象庁ホームページより

ほとんどが海上で発生して、日本だと南西諸島や東シナ海や本州の南海上なんかで発生しやすいです。

発生しやすい気圧配置だと、低気圧中心付近や前線付近、低気圧の暖域が多いです。

動画ももってきました(これも気象庁から)。令和3年7月29日沖縄地方で発生した線状降水帯です。

また、気象研究者の荒木健太郎さんがツイッターでテーパリングクラウドについて解説しています。

線状降水帯が発生した結果として、あらわれる雲の形状がテーパリングクラウド(にんじん雲)だと言われています。あくまで大雨の原因ではなく結果だと。

線状降水帯はひとたび発生すると災害をもたらすような大雨になることがあります。

豪雨の他にも突風や竜巻も発生することもあります。

気象庁ではテーパリングクラウドは使用を控えてにんじん状の雲を使う

気象庁ホームページではテーパリングクラウドは使用と控えて、代わりににんじん状の雲を使うとされています

テーパリングクラウド=にんじん状の雲になります。意味的には同じです。

にんじん状の雲の定義についてはこのように書かれています。

中・上層風上側に向かって、次第に細く毛筆状あるいは、にんじん状になっている雲域をにんじん状の雲と呼ぶ。

これは、風上側から風下側に広がった積乱雲の雲列と上層風に流されるかなとこ巻雲で構成されている。

にんじん状の雲は、特に穂先部分では豪雨、突風、雷、降ひょうなどの顕著現象を伴うことが多い。

気象庁予報用語より

テーパリングクラウドという用語を控える理由

気象庁はなんでテーパリングクラウド使わないよといっているのでしょう?

テーパリングクラウドを使わなくなった理由は、気象学の教科書「一般気象学」の著者で有名な小倉先生が書いた記事「テーパリングクラウドという名称について」が発端になっていると思われます。

にんじん状(carrot-shaped)雲,筆の穂先雲,V字型雲,バックビルディング雲,どれでもよいが,テーパリングクラウドだけは使用しない方がいいのではないかという提案である.

テーパリングクラウドという名称について

使用しない方がいいとはっきり明言されています。

なして?

それはテーパリングクラウド(tapering cloud)を訳せば先細りの雲になります。

小倉先生は風下側では広がってるんやから末広がり雲やろもんって記事でツッコミをいれています。

下層の顕著な収束帯のある場所で対流セルが継続的に発生し,セルが風下に流されている間に積乱雲に発達し,雲帯の幅が増大していくというプロセスが長時間繰り返されて出来た雲帯である.先細りでなくて,末広がりの雲である.

テーパリングクラウドという名称について

確かに!風上の先のところで積乱雲が形成されて、風下で広がってますよね。

うんうん先細りというより末広がり雲だ。

ってことで気象庁もなるほどと使用を控えるようになったんでしょうね。

まとめ

今回の内容についてまとめました。

まとめ
  • テーパリングクラウドは線状降水帯が発生した結果として現れる雲域
  • 気象庁ではテーパリングクラウドは使わずにかわりに「にんじん状の雲」といって使っている
  • 小倉先生「テーパリングクラウドって先細りしている雲じゃないしむしろ末広がりの雲なんやない?」気象庁「確かに。これから使わん方向にします。」

以上が、「テーパリングクラウドとは何か?にんじん状の雲とは何が違う?解説します」でした。

読んでいただきありがとうございました。

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