SCW(GPV気象予報)の使い方|詳細・広域の違い、雨量・雲量の見方、Windyとの違いと登山・釣りでの使い分け

格子状の六角形と世界地図の点描の上に雲量を思わせる濃淡の棒グラフを重ねたイメージ 気象

SCW(Super Computer Weather、旧GPV気象予報)は、気象庁の数値予報モデル(MSM・GSM)の計算結果をそのまま地図に描いたサービスです。「詳細」は5kmメッシュで39時間先まで1時間ごと(1日8回更新)、「広域」は20kmメッシュで11日(264時間)先まで(1日1回更新)。雨量・雲量、気圧・風速、気温・湿度、衛星画像、波の予報を切り替えて見られます。

Windyが世界の複数モデル(ECMWF・GFS・ICON)を扱うのに対し、SCWは日本の気象庁モデルに特化し、特に「雲量」の表示が細かいため、登山者や天体観測、釣りの利用者に長く支持されてきました。この記事では、SCWの画面の見方、詳細・広域の使い分け、雲量の読み方、Windyとの違い、用途別の使い分けを気象予報士が解説します。

のぶやん
のぶやん

SCWの「雲量」は、気象庁のメソモデルが計算した雲の量を白黒の濃淡で見せるもので、「今夜は星が見えるか」「山頂は雲の中か」の判断に強い。Windyにも雲のレイヤーはありますが、SCWのほうが日本の地形に合った解像度で見やすいと感じる人が多いです。

【ツール】その日の過去58年の天気を調べる(予想と平年を比べる)

SCWやWindyの予想を見る前に、その日の平年の天気を知っておくと「今年はいつもより崩れやすいか」がわかります。地点と日付を選ぶと、過去58年の雨・晴れの割合と直近の記録が表示されます。初期表示は今日の日付です。

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SCWの基本|詳細と広域の違い

区分元のモデル解像度予報期間更新回数使いどころ
詳細気象庁 MSM(メソモデル)5kmメッシュ39時間先まで1時間ごと1日8回(2:30, 5:30, 8:30, 11:30, 14:30, 17:30, 20:30, 23:30)明日までの雨・雲・風を細かく見る
広域気象庁 GSM(全球モデル)20kmメッシュ11日(264時間)先まで1日1回(4:00)週末や来週の傾向
気象庁の波浪モデル沿岸の波の予報1日4回(2:15, 8:15, 14:15, 20:15)釣り・サーフィン・船
SCW公式サイトの案内(2026年9月時点)をもとに整理。MSMは気象庁が日本周辺を5kmで計算するモデル、GSMは地球全体を計算するモデル

ポイントは、明日までは「詳細」、それより先は「広域」という使い分けです。詳細は1日8回更新されるので、出発前に最新の計算を見るのが基本。広域は1日1回(朝4時)なので、夕方見ても朝と同じ内容です。

画面の見方

  1. 地域を選ぶ:地図上で見たい地域を表示(詳細は日本周辺を数ブロックに分割)
  2. 要素を選ぶ:「雨量・雲量」「気圧・風速」「気温・湿度」「衛星」などのタブを切り替える
  3. 時間を進める:画面下の時刻ボタンやスライダーで1時間ごとに進める
  4. 凡例を読む:雨量は色(青→黄→赤で強い)、雲量は白の濃さ(白いほど雲が厚い)、風は矢羽根または矢印

雲量の読み方|SCWが選ばれる理由

SCWの「雨量・雲量」画面では、雨が降っていない場所の雲の厚さが白の濃淡で表示されます。これが「星が見えるか」「山頂が雲の中か」「日の出が見えるか」の判断に使えます。

  • 真っ黒(雲量0〜1割):快晴。星・日の出・展望に最適
  • 薄いグレー(2〜5割):晴れ間あり。高い雲なら星は見える
  • 白(6〜9割):曇り。山頂は雲の中の可能性
  • 真っ白(10割)+雨量の色:雨雲

注意点は、雲量は「上空すべての雲を合計した量」で、雲の高さは区別されないことです。薄い巻雲でも白く表示されるため、「白いのに星が見えた」ことは起こります。高さを分けて見たいときはWindyの「雲(低・中・高)」レイヤーが便利です。

Windyとの違い

項目SCWWindy
モデル気象庁のMSM・GSM(日本特化)ECMWF・GFS・ICONなど世界の複数モデル
解像度(日本付近)詳細5kmECMWF約9km、ICON約7km、GFS約22km
予報期間詳細39時間、広域11日モデルにより7〜10日(Premiumで15日)
更新詳細1日8回ECMWF1日2回、GFS4回、ICON4回
雲量総雲量の濃淡(見やすい)低・中・高の雲を分けて表示、雲底高度
高度別の風・気温なし(地上中心)あり(950〜200hPa)
レーダー・衛星の実況衛星ありレーダー・衛星あり
世界の天気日本周辺のみ全世界
モデル比較できない(気象庁のみ)できる(割れ具合が見える)
料金無料(有料会員向けの拡張機能あり)無料(Premiumで長期予報・高頻度更新など)
2026年9月時点の一般的な仕様。詳細は各サービスの案内を確認

要するに、SCWは「日本の明日までを気象庁モデルで細かく見る」、Windyは「世界と数日先を複数モデルで比べる」道具です。気象庁のMSMは日本の地形と観測を反映しているため、日本国内の短期の雨の位置はWindyの世界モデルより合っていることが多く、逆に3日以上先はWindyのECMWFのほうが安定しています。

用途別の使い分け

用途SCWWindy気象予報士のおすすめ
登山(明日の山の天気)雲量・雨量・風(地上)高度別の風・気温、雲底、CAPESCWで雲と雨の時間帯、Windyで稜線の風と気温
星空・天体観測雲量(総雲量)雲(高さ別)SCWで全体、Windyで高い雲か低い雲かを確認
釣り・海波の予報、風(地上)波・うねり・周期・海面水温うねりの周期はWindyが詳しい。近海の風はSCW
台風気圧・風(39時間)モデル比較・10日先Windy。SCWは接近直前の詳細に
週末の予定広域(11日先)ECMWF・GFS比較両方見て割れていれば決めにくい日
海外対象外全世界Windy
SCWとWindyは競合ではなく補完関係。両方入れておくのが現実的

SCWを使うときの注意点

  • 数値予報の生データ:予報官の判断は入っていない。気象庁の天気予報や注意報・警報と食い違うときは公式を優先
  • 雨量は「その1時間の予想雨量」:位置は数km〜数十kmずれる。夕立の位置は当たらないのが普通
  • 更新時刻を見る:詳細は3時間ごと。出発前に最新の計算か確認
  • 雲量に高さの情報がない:薄い雲でも白く出る

SCWの仕様(モデル・解像度・予報期間・更新時刻)はSCW公式サイトの案内(2026年9月時点)によります。有料会員向け機能の内容は変更されることがあるため公式サイトで確認してください。画面のメニュー名や配置はアプリの更新で変わることがあります。本記事は2026年9月時点の一般的な構成をもとに書いています。

SCWで見る価値が高い県|関連する全国ランキング

雲量と雨の予想を細かく見たい場面は、晴れが少ない県・雨が多い県ほど増えます。自分の県の位置を確認してください。

年間の晴れの日が少ない県

順位都道府県晴れの日の割合偏差値
1位秋田県27.9%28.2
2位青森県29.3%30.4
3位新潟県30.3%31.8
4位富山県31.4%33.4
5位山形県31.6%33.8
6位石川県32.6%35.2
7位福井県32.7%35.4
8位北海道33.4%36.4
9位岩手県33.7%36.9
10位鳥取県34.3%37.8
年間の晴れの日が少ない県ランキング(少ない順)

1位は秋田県(27.9%)、47位は山梨県(52.2%)、全国平均は42.5%です。詳しくは晴れの日の割合の都道府県ランキングで全47都道府県と市町村の順位を確認できます。

年間のくもりの日の割合

順位都道府県くもりの日の割合偏差値
1位京都府29.5%67.7
2位奈良県28.9%64.8
3位福島県28.6%63.7
4位東京都28.3%62.6
5位千葉県27.9%61.0
6位宮城県27.9%60.7
7位岡山県27.7%60.0
8位沖縄県27.6%59.8
9位大阪府27.5%59.2
10位福岡県27.3%58.5
年間のくもりの日の割合ランキング(昼の天気概況)

1位は京都府(29.5%)、47位は高知県(19.0%)、全国平均は25.3%です。詳しくはくもりの日の割合の都道府県ランキングで全47都道府県と市町村の順位を確認できます。

年間の雨の日の割合

順位都道府県雨の日の割合偏差値
1位富山県36.3%74.0
2位石川県36.2%73.7
3位福井県35.4%71.7
4位新潟県33.7%67.7
5位鳥取県32.9%65.6
6位島根県32.1%63.6
7位沖縄県31.4%62.0
8位千葉県30.7%60.2
9位鹿児島県30.4%59.6
10位宮崎県30.2%59.1
年間の雨の日の割合ランキング(昼の天気概況)

1位は富山県(36.3%)、47位は北海道(18.7%)、全国平均は26.5%です。詳しくは雨の日の割合の都道府県ランキングで全47都道府県と市町村の順位を確認できます。

年間日照時間

順位都道府県年間日照時間偏差値
1位山梨県2,226時間66.9
2位高知県2,160時間63.3
3位群馬県2,154時間62.9
4位静岡県2,152時間62.8
5位愛知県2,141時間62.2
6位宮崎県2,122時間61.2
7位岐阜県2,109時間60.5
8位三重県2,109時間60.5
9位埼玉県2,107時間60.4
10位徳島県2,107時間60.4
年間日照時間ランキング(平年値)

1位は山梨県(2,226時間)、47位は秋田県(1,527時間)、全国平均は1,917時間です。詳しくは年間日照時間の都道府県ランキングで全47都道府県と市町村の順位を確認できます。

都道府県別のデータを指標で切り替える

47都道府県の気温・雨・雪・晴れ・風・台風などを指標と月で切り替えて比較できます。

MSMとGSM、気象庁の2つのモデルの性格

SCWの「詳細」が使うMSM(メソモデル)は、日本周辺を5km格子で計算し、1日8回更新される短期予報用のモデルです。地形の影響(山の雨、海陸風)を世界モデルより細かく表現でき、明日までの雨の位置と時間は気象庁の天気予報の土台にもなっています。

「広域」が使うGSM(全球モデル)は地球全体を約20km格子で計算し、11日先まで予報します。週間予報の土台で、遠い先ほど精度は落ちます。SCWで「詳細と広域で予想が違う」ときは、明日までなら詳細(MSM)、3日以上先なら広域(GSM)とWindyのECMWFの一致度を見る、と使い分けてください。

SCWの雲量を「星空指数」として使う

天体観測や星景写真では、雲量の予想が最重要です。SCWの雲量は「総雲量」なので、薄い巻雲でも白く表示されますが、逆に言えば「真っ黒な時間帯」は高い雲も低い雲もない快晴の予想で、星空の信頼度が高い時間帯です。

使い方は、①SCW詳細の雲量で「黒い時間帯」を探す、②Windyの「雲」で高い雲か低い雲かを確認する、③国立天文台の月齢で月明かりを確認する、の3段階です。星空の観察に向いた地域と時期はふたご座流星群が晴れる確率ペルセウス座流星群が晴れる確率で地域別に整理しています。

よくある質問

SCWとは?

気象庁の数値予報モデル(MSM・GSM)の計算結果を地図に表示するサービスで、旧称はGPV気象予報です。詳細(5km・39時間先)と広域(20km・11日先)があり、雨量・雲量の表示が特徴です。

SCWとWindyはどっちがいい?

用途によります。日本の明日までの雨と雲を細かく見るならSCW、世界の天気や数日先を複数モデルで比べるならWindyです。登山ではSCWで雲と雨の時間帯、Windyで稜線の風と気温を見るのがおすすめです。

SCWの詳細と広域の違いは?

詳細は気象庁MSMで5kmメッシュ・39時間先まで1時間ごと・1日8回更新、広域は気象庁GSMで20kmメッシュ・11日先まで・1日1回更新です。

SCWの雲量はなぜ星空観測に使われる?

雨が降っていない場所の雲の厚さが白の濃淡でわかるためです。ただし雲の高さは区別されず、薄い巻雲でも白く出るので、高さはWindyの雲レイヤーで補うと確実です。

SCWの詳細と広域で予想が違うときは?

明日までなら詳細(MSM・5km・1日8回更新)を信じ、3日以上先なら広域(GSM)とWindyのECMWFの一致度を見て判断してください。

SCWで星空の晴れを読むには?

詳細の雲量で「真っ黒な時間帯」(総雲量ゼロ)を探し、Windyの雲レイヤーで高い雲か低い雲かを確認し、月齢で月明かりを確認する3段階です。

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まとめ
  • SCWは気象庁MSM(詳細5km・39時間)とGSM(広域20km・11日)を地図に描いた日本特化のサービス
  • 明日までは詳細(1日8回更新)、先は広域(1日1回)。雲量の濃淡が星空・登山の判断に強い
  • Windyは世界の複数モデルと高度別レイヤー。日本の短期はSCW、世界と数日先はWindy
  • どちらも予報官の判断が入らない生データ。気象庁の注意報・警報を優先

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