「日本でいちばん晴れの日が多いのは、何県だろう?」
洗濯やイベントの計画はもちろん、移住先や旅行先を考えるときにも気になるこの疑問。今回は、当ブログで集計したほぼ60年分(1968〜2025年・58年間)の天気出現率をもとに、「晴れの日が多い都道府県ランキング」を年間・月別で作成しました。
ただ順位を並べるだけではなく、比較しやすいように偏差値もつけています。「どれくらい飛び抜けて晴れているのか」まで見えるランキングです。

僕の簡単なプロフィールです。
- 気象予報士
- 家族だんらんが好き
このランキングの特長は「ほぼ60年」の独自集計
晴れの日の割合(天気出現率)というと、気象庁や福岡管区気象台が公開しているものが有名ですが、その統計期間は平年値と同じ30年間(1991〜2020年)です。
それに対して当ブログでは、「データは長ければ長いほど、その土地の天気のクセが見えるはず!」ということで、観測記録がきれいに残っている1968年から2025年までの58年間=気象庁のほぼ倍の期間を全部使って独自に集計しました。
30年では「たまたま晴れが多かった10年」に引っ張られることがありますが、60年近いデータならその影響はぐっと小さくなります。ここでしか見られない、長期データによる晴れの日ランキングです。
集計のルールは次のとおりです。
- 各都道府県の気象台(県庁所在地。ただし埼玉県は熊谷、山口県は下関など一部例外あり)の観測データを使用
- その日の天気を「雪 → 雨 → くもり → 晴れ」の優先順位で1つに分類(雪・雨の基準は福岡管区気象台と同じ)
- 日中(6〜18時)の天気概況が「晴」または「快晴」の日を晴れとしてカウント
- 年間の数値は、月別の出現率を日数で重みづけして算出
詳しい算出方法や、晴れ以外(くもり・雨・雪)も含めた全データは、全国の天気出現率(晴れ・くもり・雨・雪)の記事で確認できます。
偏差値の見方
今回のランキングには、出現率(%)に加えて偏差値をつけました。偏差値は「全国平均を50」として、平均からどれくらい離れているかを表す数値です(テストの偏差値と同じ考え方です)。
- 偏差値50……全国平均レベル
- 偏差値60以上……全国でも上位の晴れやすさ
- 偏差値70以上……飛び抜けて晴れやすい(かなりレア)
%だけだと「月ごとの全国的な晴れやすさの違い」に引っ張られてしまいますが、偏差値ならその月の全国の中でどれだけ突出しているかがひと目でわかります。あとで登場する「偏差値約80」の県にもご注目ください。
晴れの日ランキング比較ツール(年間・月別)
まずは下のツールで、気になる期間のランキングを見てみてください。「年間」「各月」のボタンを押すと、その期間の晴れの日が多い順に並び替わります。バーの色と長さは、その期間内での晴れの多さ(相対)を表します。
記事の後半では、年間・各月それぞれのランキング表と解説を順番に紹介していきます。
【年間】晴れの日が多い都道府県ランキング
まずは年間ランキングです。全国平均は42.5%でした。
年間1位は山梨県! 上位は「冬晴れ」の県
年間1位は山梨県(甲府)の52.2%。一年の半分以上が晴れという、まさに「晴れの国」ならぬ「晴れの県」です。2位高知県、3位群馬県、4位埼玉県、5位徳島県と続きます。
上位陣に共通するのは、冬にしっかり晴れること。甲府は周囲を高い山に囲まれた盆地で、太平洋側の湿った空気も日本海側の雪雲も届きにくい地形です。高知や徳島は冬型の気圧配置で山地の風下となる太平洋側、群馬・埼玉は「からっ風」の関東内陸。冬に稼げる県が、年間ランキングを制します。
ちなみに「晴れの国」を名乗る岡山県は10位(48.3%)。もちろん全国上位の立派な成績ですが、長期データで見ると、上には上がいるという結果になりました。
下位は日本海側の雪国
最下位は秋田県の27.9%(偏差値28.2)。青森・新潟・富山・山形と、下位5県はすべて日本海側の雪国です。冬のあいだ雪雲に覆われ続けることが、年間の数字を大きく押し下げています。
逆に言えば、これらの県の名誉のために付け加えると、夏の出現率は全国平均並みかそれ以上。あくまで「冬の差」が年間の差になっているのです。
【月別】晴れの日が多い都道府県ランキング
ここからは月ごとのランキングです。月によって顔ぶれががらりと変わるのが、このランキングのいちばん面白いところ。「冬の関東」「梅雨の北海道」「夏の沖縄」「秋の九州」と、季節ごとの主役交代に注目してください。
1月のランキング
1月は、全国の差がもっとも大きい月です。1位の埼玉県(熊谷)は76.7%と、4日のうち3日は晴れる計算。上位は埼玉・群馬・山梨・栃木・茨城と、関東の内陸勢がずらりと並びます。冬型の気圧配置で山を越えた乾いた風(からっ風)が吹き下りるためです。
一方、最下位の秋田県はわずか5.3%。青森6.1%、新潟8.0%と、日本海側は「冬にほとんど晴れない」ことが数字ではっきりわかります。1位と47位の差は71ポイント超。偏差値の計算のもとになる標準偏差も約21と、12か月で最大です。
2月のランキング
2月も1月とほぼ同じ構図です。1位はまたも埼玉県(熊谷)の68.3%で、群馬・栃木が続きます。関東の冬晴れは2月まで健在です。
下位も引き続き秋田・青森・新潟の順。ただし1月と比べると日本海側の数値がわずかに上がり始め、春の気配が少しだけ見えてきます。
3月のランキング
3月は1位が群馬県(前橋)に交代。それでも上位は群馬・埼玉・山梨と、内陸の関東甲信勢が占めたままです。
注目は日本海側の回復ぶりで、新潟は1月の8.0%から27.7%まで上昇。冬の鉛色の空から、少しずつ解放されていきます。
4月のランキング
4月になると、全国の差が一気に縮まります(標準偏差は1月の約21から約3.3へ)。移動性高気圧と低気圧が交互に通過するため、どこも「晴れたり降ったり」になるからです。
1位は山梨県(甲府)の51.7%、2位に長野県が入り、内陸勢の強さが光ります。逆に最下位は沖縄県の36.3%。沖縄は本土より早く前線の影響を受け、ぐずつき始めます。千葉県が46位という意外な結果も要チェックです。
5月のランキング
5月は12か月の中で全国の差がもっとも小さい月です。1位は長野県(長野)の47.9%で、これは12か月を通じて長野県唯一の月間1位。空気が乾いた内陸らしい、さわやかな5月晴れです。
最下位は沖縄県の33.3%。本土より早い梅雨入り(平年5月中旬)がはっきり数字に出ています。
6月のランキング
6月の1位は……なんと北海道(札幌)! 出現率41.4%はもちろん、偏差値は78.4と今回の集計でも屈指の数値です。理由はシンプルで、北海道には梅雨がないから。全国が雨空に沈む中、一人だけ別のゲームをしているような状態です。
2位の沖縄県も面白い存在で、沖縄の梅雨は6月下旬に明けるため、本土の梅雨本番と入れ違いに晴れが増え始めます。下位には千葉・栃木など関東勢が並びました。
7月のランキング
7月は沖縄県(那覇)が55.0%で堂々の1位。偏差値79.9は、全13ランキングを通じて最高の数値です。梅雨明け後の沖縄は太平洋高気圧にすっぽり覆われ、全国で唯一、晴れの出現率が5割を超えます。
対照的に最下位は栃木県の19.9%。冬は1月4位の栃木が、夏は雷雨や山沿いの雲に阻まれて最下位まで転落します。東北太平洋側(宮城など)も、梅雨明けの遅れや「やませ」の影響で下位に沈みます。
8月のランキング
8月は徳島・和歌山・香川・愛媛・広島と、瀬戸内〜太平洋側の西日本勢が上位を独占。太平洋高気圧の恩恵をもっとも安定して受けられる地域です。
下位は栃木・岩手・宮城・福島・群馬。真夏でも北関東と東北は雷雨や湿った空気の影響で、意外なほど晴れの日が少ないのです。「夏休みの晴れ」を求めるなら西日本、が結論です。
9月のランキング
9月は再び沖縄県が1位(51.1%・偏差値72.8)。秋雨前線は本州付近に停滞するため、南の沖縄や九州(長崎・熊本・鹿児島)は前線の影響を受けにくく、上位に並びます。
逆に前線の直撃を受ける関東は総崩れで、千葉が最下位、栃木46位、埼玉45位。1月に1位だった埼玉が9月には45位という、季節による逆転が鮮やかです。
10月のランキング
10月は長崎・鹿児島・熊本と九州勢がトップ3を独占する、一年で唯一の月です。秋雨前線が南下して消え、移動性高気圧に覆われやすくなる九州の「秋晴れ」が光ります。
全国的にも晴れが増える気持ちのいい月ですが、千葉は今月も最下位。日本海側もそろそろ時雨の季節が近づき、数値が伸び悩み始めます。
11月のランキング
11月になると冬の主役が帰ってきます。1位は群馬県(前橋)の63.9%、2位山梨、3位高知と、「冬晴れ組」が上位に復帰。日本海側は秋田・青森・新潟が2割台まで急落し、冬の二極化が始まります。
12月のランキング
12月は群馬県(前橋)が75.3%で1位。埼玉・山梨・栃木・茨城が続き、1月とほぼ同じ「関東内陸ワンツー体制」が完成します。
下位は秋田8.3%、青森9.2%、新潟10.1%。晴れの日が月に3日あるかどうか、という世界です。年末の大掃除や洗濯計画は、地域によってまったく別物になりますね。
偏差値で見つかる「規格外」の県
偏差値をつけたおかげで見えてきた、「その月だけ異常に強い県」を紹介します。
- 7月の沖縄県:偏差値79.9……全13ランキング中の最高値。梅雨明け後の沖縄だけが晴れ続け、全国で唯一の50%超え。
- 6月の北海道:偏差値78.4……梅雨がない強みが最大限に発揮される月。本州が雨空の中、独走状態です。
- 9月の沖縄県:偏差値72.8……秋雨前線が本州に停滞する間、沖縄は台風さえ来なければ晴天が続きます。
年間ランキングでは沖縄30位・北海道40位と目立ちませんが、月別で見るとこの2道県こそ「特定の季節の絶対王者」でした。これは偏差値をつけたからこそはっきり見えた結果です。
また、偏差値は「月ごとの全国のばらつきの大きさ」も教えてくれます。1月は標準偏差が約21もあるのに対し、5月はわずか約2.9。冬は住む場所で天気がまったく違い、春はどこに住んでもだいたい同じ——日本の気候の性格が、この数字に凝縮されています。
日照時間ランキングと比べてみると?
当ブログでは以前、日照時間が長い都道府県・市町村ランキングも作成しました。「晴れの日の多さ」と「日照時間の長さ」、似ているようで実は別の指標です。比べてみましょう。
まず驚くのは、トップ3(山梨・高知・群馬)が完全に一致していること。統計期間も指標もまったく違うのに同じ顔ぶれになったのは、この3県の「晴れやすさ」が本物である証拠と言えそうです。下位(秋田・青森)もほぼ一致しました。
一方で、順位が大きく動いた県もあります。
- 晴れの日ランキングで上がる県……大分(21位→13位)、香川(14位→7位)、埼玉(10位→4位)など
- 日照時間ランキングのほうが強い県……静岡(4位→12位)、岐阜(7位→14位)、大阪(13位→21位)、長野(23位→32位)など
この差には、指標の性質の違いが表れていると考えられます。日照時間は「くもりの日でも雲の切れ間に差した日差し」まで積み上がる連続的なデータなのに対し、晴れの日出現率は1日を「晴れかどうか」でスパッと分類したもの。日差しの強い時間が長い県は日照時間で有利に、「一日を通して晴れマークになりやすい」県は晴れの日ランキングで有利になります。また、日照時間は30年平年値、こちらはほぼ60年集計という統計期間の違いも、じわりと効いているはずです。
市町村単位で見ると、順位は変わる可能性大
もうひとつ大事な注意点があります。今回のランキングは、各都道府県の気象台1地点(≒県のメインの街)の値を「その県の代表」としたものだということです。
日照時間の記事で全国831のアメダス地点を調べたところ、同じ県の中でも地点によって数値は大きく違いました。たとえば、
- 山梨県の代表・甲府は年間2225.8時間ですが、同じ県内でも八ヶ岳南麓の大泉(北杜市)は2249.2時間、河口湖は2014.2時間と、県内で200時間以上の差があります。
- 兵庫県の代表・神戸は2083.7時間ですが、瀬戸内の島にある家島(姫路市)は2298.9時間で全国2位。県代表の順位(12位)からは想像できない「隠れ日照王国」です。
- 高知県も、県庁所在地の高知市(2159.7時間)より安芸市(2260.9時間)のほうが長いという逆転があります。
しかも、県内の格差は探すともっと極端です。
- 兵庫県……瀬戸内の家島(2298.9時間・全国2位)と日本海側の豊岡(1487.3時間)で、同じ県内に約810時間もの差。全国トップ級と雪国並みの地点が、1つの県に同居しています。
- 長野県……同じ内陸でも、少雨で晴れやすい東信の上田(2221.9時間・全国17位)と豪雪地帯の白馬(1556.2時間)では約670時間差。
- 山口県……県代表の下関は1875.9時間ですが、瀬戸内の周防大島にある安下庄は2256.1時間で全国6位。代表地点の選び方ひとつで、県の順位は大きく変わっていたはずです。
こうした県内差を生む要因は、おおむね次の3つに整理できます。
- 日本海側か、太平洋・瀬戸内側か……冬の雪雲の通り道に当たるかどうか。兵庫や山口のように両方の海に面した県では、県内で「別の気候」と言えるほどの差が生まれます。
- 山の風上か、風下か……季節風が山を越えると乾いた晴天をもたらすため、同じ県でも山の陰に入る側は晴れが増えます。
- 海沿い・島か、内陸か……瀬戸内の島々のように周囲で雲が湧きにくい場所は日照が伸び、逆に山沿いは雲がかかりやすくなります。
日照時間のランキングデータをマップに落とし込むとこんな感じです。

晴れの日出現率に置き換えても、理屈は同じはずです。たとえば兵庫県は神戸の観測で年間16位でしたが、もし豊岡で集計すれば、冬は山陰と同じ雪雲がかかるため、鳥取・松江と同じ30位台の数字に近づくでしょう。逆に姫路や淡路島で集計すれば、岡山(10位)並みに上がってもおかしくありません。「県の順位」は、代表地点をどこに置くかでこれだけ動きうるということです。
また、気象台の多くは県庁所在地の平野部・都市部に置かれています。山間部や離島の天気はほとんど反映されていないため、標高の高い地域や豪雪地域にお住まいの方は、この記事の順位より「晴れは少なめ」に補正して読むのがおすすめです。
ただし、天気出現率の計算には「天気概況」という気象台でしか記録されていないデータが必要なため、アメダス地点のような市町村単位の集計は残念ながらできません。
なので、このランキングは「県のメインの街どうしの比較」であって、あなたの街の順位とは違うかもしれない——という点は、ぜひ頭の片隅に置いておいてください。自分の街の晴れやすさを知りたい方は、近くのアメダス地点の日照時間を目安にするのがおすすめです。
【参考】沖縄・奄美の離島地点
47都道府県ランキングには入れていませんが、集計した離島4地点の数値も参考として載せておきます(沖縄県は那覇で代表しています)。
| 地点 | 年間 | 1月 | 7月 |
|---|---|---|---|
| 名瀬 | 31.1% | 16.5% | 47.6% |
| 石垣島 | 40.4% | 26.0% | 58.3% |
| 宮古島 | 40.3% | 27.7% | 56.5% |
| 与那国島 | 29.5% | 11.6% | 57.5% |
共通するのは「夏は強いが、冬はぐずつく」こと。特に与那国島は7月57.5%に対して1月は11.6%と、日本海側の雪国並みに冬の晴れが少ないのが印象的です。雪ではなく、冬の季節風がつくる雲と雨が原因という点が本土と異なります。
まとめ
今回の内容についてまとめました。
- 年間1位は山梨県(52.2%・偏差値64.6)。高知・群馬・埼玉・徳島が続き、「冬に晴れる県」が上位を独占。最下位は秋田県(27.9%)
- 月別では主役が季節ごとに交代……冬は関東内陸(1月の埼玉は76.7%)、梅雨どきは北海道、真夏は沖縄、秋は九州と、季節ごとの「晴れの王者」がいる
- 偏差値の最高記録は7月の沖縄(79.9)と6月の北海道(78.4)。年間順位が平凡でも、特定の月に規格外の強さを見せる県がある
- 冬は地域差が巨大、春は全国ほぼ横並び……1月の標準偏差は約21、5月は約2.9。「どこに住むかで天気が変わる」のは冬の話
- 日照時間ランキングとトップ3が完全一致(山梨・高知・群馬)。ただし静岡・岐阜のように指標によって順位が動く県もある
- これは「県のメインの街」の比較……市町村単位では順位が入れ替わる可能性大。兵庫の家島のような「隠れ晴れスポット」は、あなたの県にもあるかも
- 気象庁の30年に対し、ほぼ倍の58年分(1968〜2025年)を独自集計した、ここでしか見られないランキングです
以上が、「晴れの日が多い都道府県ランキング(年間・月別)」でした。
読んでいただきありがとうございました。


