台風が2つ同時に発生するとどうなる?藤原効果とは|75年分で見る「2つ同時」は年24日、1,000km以内の接近は年1組程度【台風27号・28号】

台風が2つ同時に存在する時間の月別グラフと2つの渦のイメージ 気象

こんにちは!気象予報士ののぶやんです。

【10月5日夕方の追記】この記事を書いたあと、5日9時にハリケーン「ノロ」が日付変更線を越えて台風第28号に(越境台風とは?)、15時にはマーシャル諸島の熱帯低気圧が台風第29号(コグマ)になり、第27号とあわせて台風が3つ同時にある「トリプル台風」になりました。3つ以上同時だった過去118回の一覧と、そのとき日本に台風が来たかどうかはトリプル台風は珍しい?で検証しています。本文中の「マーシャル諸島の熱帯低気圧=第28号」は第29号のことです(台風29号(コグマ)の進路は?)。

先に答えを書くと、台風が2つ同時にあること自体は珍しくありません。気象庁のベストトラック(台風の確定データ、1951〜2025年の75年分)で数えると、台風が2つ以上同時に存在した時間は年平均で約24日分。台風がある時間の5分の1以上は「2つ以上」の状態です。ただし、2つの台風が1,000km以内まで近づいて互いに影響しあう「藤原効果」が起きうる組み合わせは、年1組程度(75年で83組)です。

2026年10月5日の気象庁の発表では、小笠原近海に大型で非常に強い台風第27号(チョーイワン、925hPa)があり、マーシャル諸島の熱帯低気圧が24時間以内に台風第28号になる見込みです。予報どおりなら、6日から第27号が温帯低気圧に変わる8日ごろまで、台風が2つ同時にある状態になります。2つの中心の距離は約2,700〜2,900kmと遠く、藤原効果で進路が大きく乱れる心配は小さそうです。第27号の今後は台風27号(チョーイワン)の進路予想、小笠原への影響は小笠原(父島)の台風シーズンはいつ?にまとめています。

この記事では、元気象庁職員の気象予報士として、「台風が2つ同時」はどのくらいよくあるのか、2つが近づくと何が起きるのか(藤原効果)を、気象庁ベストトラックを1本ずつ数えて確かめました。生まれ年や誕生日を入れると「その日に台風がいくつあったか」がわかるツールと、いま発表中の台風どうしの距離を気象庁から自動で読み込む機能もつけています。

この記事の結論(30秒で読める版)
  • 台風が2つ以上同時にある時間は年平均約24日分(1951〜2025年)。3つ以上は年約3日分、4つ以上は75年で12回だけ
  • 過去最多は5つ同時(1960年8月23〜24日)。最近では2024年11月に4つ同時(11月としては1951年以降で初めて)
  • 「2つ同時」が多いのは8月(年6.4日分)と9月(6.1日分)。10月も年4.3日分あり、10月1日に2つ以上あった年は75年中14年
  • 2つの台風が約1,000km以内に近づくと、互いの周りを反時計回りに回るなど進路が乱れる「藤原効果」が起きることがある。1,000km以内まで近づいた組は75年で83組(年1.1組)
  • 2026年10月5日は、台風第27号と、台風第28号になる見込みの熱帯低気圧の距離が約2,700km。6〜8日は台風が2つ同時にある見込みだが、1,000kmよりずっと遠く、藤原効果で進路が大きく乱れる可能性は低い。最新の進路予想を確認しよう

▶ いまの台風どうしの距離と、生まれ年・誕生日の「その日の台風の数」を調べる

【ツール】その年・その日に台風はいくつあった?(1951〜2025年)

年を選ぶと、その年に台風が同時にいくつあったかを1日ごとの色で表示します。日付を選ぶと、75年のうち何年でその日に台風が2つ以上あったかがわかります。生まれ年や誕生日で試してみてください。いま気象庁が発表中の台風が2つ以上あれば、その距離と「藤原効果」の目安も自動で表示します。

【ツール】台風の「同時発生」カレンダー(気象庁ベストトラック)
いま発表中の台風を気象庁から読み込んでいます…
色:0 1つ 2つ 3つ 4つ以上(その日のうちに同時に存在した最大数)

誕生日などの日付で調べる
※気象庁ベストトラック(bst_all、1951〜2025年)の6時間ごとの解析で、熱帯低気圧(TD)・温帯低気圧を除く「台風」の数を数えたもの。日付は日本時間。「同時にあった日数」は6時間ごとの解析回数を日数に換算。距離は2つの台風の中心どうしの距離(大圏距離)。

たとえば2025年は、2つ以上同時だった時間が約28日分で、ほぼ平年並み。最も多かったのは1994年の約68日分で、この年は8月と10月に4つ同時になっています。日付を10月1日にすると、75年のうち14年で台風が2つ以上ありました(日付は最初、今日の日付で表示されます)。ほかの日の天気の記録は10月1日はどんな天気の日?過去の記録で見られます。

藤原効果とは?2つの台風が近づくと何が起きるか(図解)

「藤原効果(ふじわらこうか)」(気象庁の予報用語では「藤原の効果」)は、2つの台風(熱帯低気圧)が近づいたときに、互いの風の影響を受けて、ふだんとは違う動きをする現象です。大正時代に中央気象台(いまの気象庁)の藤原咲平(ふじわら さくへい)が、渦どうしの相互作用を研究して1921年に論文(英国王立気象学会誌)にまとめたことから、この名前がついています。藤原咲平はのちに中央気象台長も務めました。英語でも「Fujiwhara effect」と呼ばれ、世界で通じる気象用語です。なお、台風が2つ並んでいる状態を、ニュースなどでは「ダブル台風」と呼ぶこともあります。

藤原効果のイメージ(北半球) 2つの台風の中間(共通の中心) 台風A 台風B 約1,000km以内 2つの台風は、共通の中心のまわりを反時計回りに回るように動く 起きること(例) ① 反時計回りに回りあう ② 強い方が弱い方を振り回す・引き寄せる ③ 弱い方が吸収される(合体のように見える) ④ 進路・速度が急に変わり予報が難しくなる ※いつも起きるわけではない
藤原効果の模式図。北半球の台風は反時計回りの渦なので、2つの渦が近づくと、お互いの風に流されて共通の中心のまわりを反時計回りに回るように動きます。

台風は、中心に向かって反時計回り(北半球)に風が吹きこむ大きな渦です。2つの渦が近くにあると、台風Aは台風Bのまわりの風に、台風Bは台風Aのまわりの風に流されます。その結果、2つの台風は中間点を中心に反時計回りに回りあうような動きをします。片方がずっと大きく強い場合は、強いほうはあまり動かず、弱いほうが振り回されたり、強いほうに取りこまれて消えたりします。

どのくらい近づくと起きるかは、台風の大きさや強さで変わります。一般にはおおむね1,000km(大きな台風ならもう少し遠く)以内が目安とされ、この記事でも「1,000km以内」を藤原効果が起こりうる距離として数えています。ただし1,000kmはあくまで目安で、2012年8月の台風第14号(テンビン)と第15号(ボラヴェン)のように、最も近づいたときに約1,240km離れていても、互いの影響で動きが変わった例として報じられたケースもあります。1,000kmは東京から鹿児島くらいの距離です。台風の強風域の半径だけで500km以上ある大きな台風もあるので、2つの台風の風の範囲が重なり始める距離だと考えるとイメージしやすいと思います。

「合体」はするの?

ニュースで「台風が合体」と言われることがありますが、2つの台風が対等に混ざって1つの大きな台風になる、というよりは、強い台風が弱い台風の渦を取りこんでしまうことがほとんどです。弱いほうは中心がわからなくなり、気象庁の発表では「熱帯低気圧に変わった」「消滅した」という扱いになります。合体したからといって、残った台風が2倍に強くなるわけではありません。

データ検証①「台風が2つ同時」は年に何日ある?

気象庁ベストトラックには、1951年以降のすべての台風について、6時間ごとの中心位置・気圧・強さが記録されています。そこで、6時間ごとに「その時刻に存在していた台風の数」を数え、75年分(1951〜2025年)を集計しました。熱帯低気圧(TD)や温帯低気圧に変わったあとは数えていません。

同時に存在した台風の数75年の合計年平均ひとこと
1つ以上約8,070日分約108日分1年のおよそ3割は台風がある
2つ以上約1,780日分約24日分台風がある時間の22%
3つ以上約212日分約2.8日分年に数日はある
4つ以上約19日分約0.25日分75年で12回だけ
5つ0.75日分—1960年8月23〜24日の1回だけ
台風が同時に存在した時間(気象庁ベストトラック1951〜2025年の6時間ごとの解析を日数に換算、日本時間)

1年のうち、どこかに台風がある時間は約108日分。そのうち約24日分は2つ以上が同時にある状態でした。台風が2つ同時にあるのは、夏から秋にかけてはごく普通のことだとわかります。一方で、4つ以上が同時にあったのは75年で12回だけ、5つ同時は1960年8月の1回だけです。

「2つ同時」が多かった年・少なかった年

順位年2つ以上同時3つ以上同時
1位1994年約68日分約18日分
2位1992年約49日分約6.5日分
3位1968年約46日分約9日分
4位1967年約45日分約12日分
5位1971年・2015年約43日分約2日分・約6日分
…2025年約28日分約4日分
最少2010年約3.5日分約0.8日分
台風が2つ以上同時に存在した時間が長かった年・短かった年(1951〜2025年、日数換算)

最も多かった1994年は、台風が年間36個発生した年で、8月と10月の2回、4つが同時に存在しました。逆に最も少なかった2010年は、台風の発生数が14個と観測史上最少だった年です。台風の発生数が多い年ほど「2つ同時」も長くなる傾向がはっきり出ています。年代別に見ると、2つ以上同時の時間は1990年代が年約32日分と最も長く、2000年代は約19日分、2010年代は約23日分、2020〜2025年は約21日分でした。ツールで生まれ年を選ぶと、その年が何位だったかがわかります。

4つ以上が同時にあった12回

年月同時の数その時の台風
1955年7月4つ第9〜12号
1955年8月4つ第14・16・17・18号
1960年8月5つ第14〜18号(8月23〜24日)
1966年9月17日4つ第21〜24号
1966年9月22〜24日4つ第24〜27号
1967年9月4つ第22・24・26・27号
1972年7月4つ第6〜9号
1985年8〜9月4つ第12〜15号
1994年8月4つ第17〜20号
1994年10月4つ第30〜33号
2017年7月4つ第5〜8号
2024年11月4つ第22〜25号(11月で初)
台風が4つ以上同時に存在した例(気象庁ベストトラック1951〜2025年から集計)

記憶に新しいのが2024年11月です。台風第22号から第25号までの4つが同時に存在し、11月に4つ同時になったのは1951年以降で初めてでした。ふつう台風が少なくなる晩秋でも、海面水温が高い年には台風が続けて発生することがあります。今年(2026年)の台風の多さについては今年は台風が多い?少ない?2026年で解説しています。

データ検証②「2つ同時」が多い月は?10月は?

月台風がある日数(年平均)2つ以上同時(年平均)3つ以上同時(年平均)
5月4.8日分0.6日分0.0日分
6月6.2日分0.6日分0.0日分
7月13.7日分3.5日分0.6日分
8月20.3日分6.4日分0.9日分
9月19.8日分6.1日分0.9日分
10月17.6日分4.3日分0.3日分
11月11.0日分1.8日分0.1日分
12月6.4日分0.4日分0.0日分
月別の「台風が同時に存在した時間」(1951〜2025年の年平均、日数換算)。1〜4月の2つ以上同時はほぼ0

「2つ同時」が最も多いのは8月(年6.4日分)と9月(6.1日分)で、台風がたくさん生まれる時期と重なります。10月も年4.3日分あり、10月の7日に1日は台風が2つ以上ある計算です。実際、10月1日に台風が2つ以上あった年は75年中14年(19%)で、最近では2018年・2024年がそうでした。2026年の10月1日もその仲間入りです。

10月の台風の特徴は、日本の南で北へ向きを変え、偏西風に乗って速く進むことです。10月に台風が日本へ来る確率や過去の例は10月に台風は来る?地方別の確率、なぜ9月に台風が多いのかは台風はなぜ9月に多い?にまとめています。

データ検証③ 1,000km以内まで近づいた台風の組は75年で83組

次に、同時に存在した台風の組ごとに、2つの中心の距離がいちばん近くなったときの距離を計算しました。同時に存在した台風の組は75年で887組(年11.8組)。そのうち1,000km以内まで近づいたのは83組(年1.1組)、500km以内は14組、300km以内は5組でした。つまり、「2つ同時」はよくあっても、藤原効果が起きるほど近づくのは年1組程度です。

年代1,000km以内まで近づいた組年平均
1950年代13組1.3組
1960年代20組2.0組
1970年代9組0.9組
1980年代14組1.4組
1990年代5組0.5組
2000年代6組0.6組
2010年代11組1.1組
2020年代(〜2025年)5組0.8組
年代別:1,000km以内まで近づいた台風の組の数(気象庁ベストトラック、台風どうしの中心距離の最小値で判定)

月別では8月が35組で最も多く、7月19組、9月12組、11月7組、10月6組と続きます。台風の発生数が多かった1960年代に多く、1990〜2000年代は少なめでした。年によるばらつきが大きく、「最近増えている」とまでは言えません。

最近の主な例

年月日台風最接近の距離そのとき
2012年8月下旬第14号(テンビン)と第15号(ボラヴェン)約1,240km1,000kmまでは近づかなかったが、第14号の迷走が藤原の効果の例として報じられた
2016年8月21日第9号(ミンドゥル)と第10号(ライオンロック)約650km第10号は迷走ののち東北に上陸
2017年7月23日第7号(ロウキー)と第8号(ソンカー)約610km南シナ海〜台湾付近
2017年7月30日第9号(ネサット)と第10号(ハイタン)約530km台湾付近で接近
2018年8月24日第19号(ソーリック)と第20号(シマロン)約630km第20号が四国・近畿を通過した直後。2つが並んで北上
2024年8月14日第7号(アンピル)と第8号(ウーコン)約800km日本の南の海上
2024年11月11〜14日第22号と第23号(トラジー)、第23号と第25号(ウサギ)約990km・約950km4つ同時の最中。フィリピン付近で接近
2025年7月25日第7号(フランシスコ)と第8号(コメイ)約970km沖縄の南〜ルソン島付近
2025年10月8日第22号(ハーロン)と第23号(ナクリー)約1,210km1,000kmまでは近づかず。第22号は八丈島に大きな被害
最近の台風どうしの接近例(気象庁ベストトラックの6時間ごとの中心位置から計算。日付は日本時間)

過去75年で最も近づいたのは1970年9月の台風第14号と第15号で、中心どうしが約50kmまで近づき、ほぼ重なるように動きました。2025年10月の第22号と第23号は、日本の南で同時に北上しましたが、最も近づいたときでも約1,210km離れていました。第22号が八丈島にもたらした記録的な暴風雨は八丈島の台風シーズンと過去の記録にまとめています。

台風第27号と第28号(見込み)は藤原効果を起こす?(10月5日時点)

2026年10月5日の気象庁の発表では、台風第27号と、台風第28号になる見込みの熱帯低気圧は次のとおりです。

台風第27号(チョーイワン)熱帯低気圧(台風第28号になる見込み)
位置(5日6時)小笠原近海(北緯24.7度・東経146.7度)マーシャル諸島(北緯10.2度・東経167.7度)
中心気圧925hPa(大型で非常に強い)1002hPa
進む方向北へ時速20km東北東
今後5日22時ごろ父島の東約370kmを北上し、8日3時に千島の東で温帯低気圧に変わる予想6日6時までに台風になり、北〜西北西へ。10日3時に南鳥島近海で965hPa・最大風速35m/sの「強い台風」になる予想
台風第27号と熱帯低気圧の実況と予報(気象庁 2026年10月5日6時45分・7時05分の発表)

2つの中心の距離は、5日6時に約2,740km、6日6時に約2,910km、7日3時に約2,850km(予報位置の間の大圏距離、当サイト計算)。第27号が北〜北東へ離れていくのに対し、第28号は西北西へ進むため、1,000km以内まで近づく見込みはなく、藤原効果で進路が大きく乱れる可能性は低いと考えられます。上のデータ検証③のとおり、藤原効果が問題になるのは2つの中心がおおむね1,000km以内に近づいたときです。

注意したいのは第28号の今後です。気象庁の予報では10日3時に南鳥島の南南西約350km、父島の東南東約1,250kmに達する見込みで、来週は南鳥島や小笠原が影響を受けるかどうかがポイントになります。5日先の予報は誤差が大きいので、台風のたまご 最新情報や台風情報まとめ、気象庁の台風情報で最新の進路を確認してください。925hPaや965hPaがどれくらいの強さかは台風の945hPaはどれくらい強い?で判定できます。

2つ同時のときに気をつけたいこと

  • 進路予想がぶれやすい:2つの台風が近いと、互いの影響で進路や速さが急に変わることがあります。予報円が大きいときや、各国のモデルの予想が分かれているときは特に注意(台風の進路予想はどれが当たる?)
  • 遠い台風でも雨が強まる:台風が2つあると、湿った空気が続けて流れこみ、前線の雨が長引くことがあります(「台風が前線を刺激する」とは?)
  • 「1つ目が過ぎたから安心」ではない:1つ目の台風のあとに、すぐ2つ目が同じようなコースで来ることがあります。片付けや外出の予定は2つ目の予報も見てから
  • 船・飛行機は長く止まりやすい:離島では、2つの台風のうねりが続いて欠航が長引くことがあります(南大東島の台風シーズン)
  • 温帯低気圧に変わっても油断しない:第26号のように温帯低気圧に変わっても、風が強いまま残ることがあります(台風が温帯低気圧に変わったら安心?)

都道府県別・地方別の「台風の来やすさ」

台風が同時にいくつあっても、実際に近づくかどうかは地域しだいです。当ブログの47都道府県データで、台風の接近数(年平均)のランキングを見てみましょう。

地方別の接近数(気象庁の統計から自動更新)は次のとおりです。上陸が多い都道府県・市町村は台風の上陸数が多い都道府県・市町村ランキング、年ごとの上陸数は台風の上陸数 年別ランキングで見られます。

順位地方合計(1951〜2025年)年平均平年値
1沖縄553個7.4個7.7個
2伊豆・小笠原401個5.3個5.4個
3奄美300個4.0個4.3個
4九州南部279個3.7個3.9個
5九州北部257個3.4個3.8個
6東海248個3.3個3.5個
7四国244個3.3個3.3個
8関東甲信238個3.2個3.3個
9近畿235個3.1個3.4個
10中国213個2.8個3個
11東北192個2.6個2.7個
12北陸186個2.5個2.8個
13北海道119個1.6個1.9個
地方別の台風接近数(気象庁・75年間)

よくある質問(FAQ)

Q. 台風が2つ同時に発生するとどうなる?

2つの台風が離れていれば、それぞれ別々に動くだけで特別なことは起きません。気象庁ベストトラック(1951〜2025年)では、台風が2つ以上同時にある時間は年平均で約24日分あり、珍しいことではありません。おおむね1,000km以内に近づくと、互いの周りを反時計回りに回るなど進路が変わる「藤原効果」が起きることがあります。

Q. 藤原効果とは?

2つの台風(熱帯低気圧)が近づいたとき、互いの風に流されて、共通の中心のまわりを反時計回りに回るように動いたり、強いほうが弱いほうを取りこんだりする現象です。中央気象台の藤原咲平が大正時代に論文にまとめたことから名づけられ、英語でもFujiwhara effectと呼ばれます。

Q. 台風は何個まで同時に存在したことがある?

1951年以降で最も多いのは5つで、1960年8月23〜24日に台風第14〜18号が同時に存在しました。4つ以上が同時にあったのは75年で12回で、最近では2024年11月(第22〜25号)があります。

Q. 台風が2つ同時にあるのはどのくらい珍しい?

1951〜2025年の平均で、2つ以上が同時にある時間は年に約24日分、3つ以上は約3日分です。8月・9月が多く、10月も年4.3日分あります。最も多かった1994年は約68日分、最も少なかった2010年は約3.5日分でした。

Q. ダブル台風とは?

台風が2つ同時に存在している状態を、ニュースなどで「ダブル台風」と呼ぶことがあります。気象庁の正式な用語ではありません。2つが離れていればそれぞれ別々に動きますが、おおむね1,000km以内に近づくと藤原の効果で進路が変わることがあります。

Q. 台風は合体することがある?

2つの台風が近づくと、強いほうが弱いほうの渦を取りこむことがあり、「合体」と表現されます。ただし、対等に混ざって2倍の強さになるわけではなく、多くの場合は弱いほうが消える形です。過去75年で中心どうしが300km以内まで近づいた組は5組あります。

Q. 2026年の台風第27号と第28号は藤原効果を起こす?

10月5日の気象庁の予報では、台風第27号と、台風第28号になる見込みの熱帯低気圧の距離は約2,700〜2,900kmで、1,000km以内に近づく見込みはありません。第27号は8日3時に千島の東で温帯低気圧に変わり、第28号は西北西へ進む予想のため、藤原効果で進路が大きく乱れる可能性は低いと考えられます。

Q. 10月にも台風が2つ同時にあることはある?

あります。1951〜2025年の平均で、10月に台風が2つ以上同時にある時間は年4.3日分です。10月1日に台風が2つ以上あった年は75年中14年で、1994年10月には4つが同時に存在しました。

あわせて読みたい:台風のデータ記事
まとめ
  • 台風が2つ以上同時にある時間は年平均約24日分。夏〜秋にはよくあること
  • 過去最多は5つ同時(1960年8月)。4つ以上は75年で12回、最近は2024年11月
  • 2つが約1,000km以内に近づくと「藤原効果」で回りあったり、取りこまれたりすることがある。そこまで近づくのは年1.1組
  • 10月も2つ同時は年4.3日分。10月1日に2つ以上あった年は75年中14年
  • 2026年10月5日の台風第27号と、台風第28号になる見込みの熱帯低気圧は約2,700km離れていて、藤原効果の心配は小さい。注目は第28号の今後の進路

出典:気象庁「RSMC Best Track Data」(bst_all.zip、1951〜2025年)、気象庁「台風情報」(2026年10月1日15時発表、10月5日6時45分発表の台風第27号、同日7時05分発表の熱帯低気圧の情報)、気象庁「台風とは」、気象庁「台風の統計資料」。距離・日数は当ブログがベストトラックから独自に集計。

※記事内にはアフィリエイト広告(PR)を含みます

タイトルとURLをコピーしました