Windyで台風を見るときの基本は①レイヤーを「風」にして渦の中心を追う、②時間バーを進めて進路を見る、③モデルをECMWF・GFS・ICONで切り替えて進路のばらつきを見るの3つです。3つのモデルの進路がそろっていれば予報の信頼度は高く、バラバラなら「まだ決まっていない台風」。気象庁の予報円が大きい台風は、Windyで見ても必ずモデルが割れています。
この記事では、Windyでの台風の見方を手順で説明し、モデル比較の読み方、台風の卵(熱帯擾乱)の見つけ方、Windyの台風表示の限界と気象庁・米軍(JTWC)情報との使い分けを気象予報士が解説します。Windyの基本操作はWindyの使い方を完全解説、モデルの違いはECMWF・GFS・ICONの違いをどうぞ。

Windyの台風で一番役に立つのは「進路が当たるか」ではなく「進路がどれだけ割れているか」が見えることです。ECMWFとGFSで上陸地点が500km違う台風は、3日後の予報が大きく変わる。逆に3モデルが同じなら、旅行やイベントの判断を早めに下せます。
【ツール】台風シーズンの過去58年の天気を地点別に調べる
地点と日付を選ぶと、その日に雨が降った割合・10mm以上の本降りの割合と直近の記録が表示されます。台風シーズンの日付を「前後±3日」で見ると、その週の荒れやすさの平年感覚がわかります。
手順①:風レイヤーで渦を見つける
Windyを開き、右側(アプリでは下部)のレイヤーから「風」を選びます。地図上で風の流線がぐるりと巻いている場所が低気圧の中心で、色が赤〜紫(風速25m/s以上)なら台風クラスです。日本の南海上〜フィリピン東方を表示すると、発達中の熱帯低気圧も渦として見えます。
渦の中心をタップすると、その地点の風速・気圧の時系列が下部に出ます。「気圧」レイヤーに切り替えて等圧線を表示すると、中心気圧の低さと等圧線の混み具合(=暴風の範囲)が読み取れます(等圧線の表示方法はWindyで等圧線を表示させる方法)。
停電・断水に備えるなら
台風や地震で最初に困るのは電気と水です。気象庁の警報が出てから買いに走っても店頭にはありません。平時にそろえておくものを3つだけ挙げると、ポータブル電源・水と非常食・非常持ち出しセットです。
手順②:時間バーで進路を追う
画面下の時間バーを右に動かすと、渦の中心が移動していきます。これがそのモデルの予想進路です。3時間ごとに動かして中心位置をメモすると、気象庁の「予報円の中心」に相当する線が描けます。ただしWindyには予報円(誤差の範囲)は表示されません。誤差の代わりになるのが、次のモデル比較です。
手順③:モデルを切り替えてばらつきを見る
地点をタップした詳細画面の下、または右下のモデル名(ECMWF)をタップしてGFS、ICONに切り替えます。同じ時刻の渦の位置を3モデルで比べてください。
| モデルの状態 | 読み方 | 行動の目安 |
|---|---|---|
| 3モデルの進路が100km以内でそろう | 信頼度が高い。気象庁の予報円も小さいはず | 旅行・イベントの判断を早めに |
| ECMWFとGFSが200〜500kmずれる | まだ決まっていない。転向点や進行速度が不確実 | 2〜3日待って再確認。予定は仮押さえ |
| 3モデルがバラバラ、片方は消滅 | 予報の初期段階。発生・発達の有無から不確実 | 5日以上先なら「台風が来るかもしれない週」程度に |
| 時間が進むほど差が広がる | 通常の姿。3日先までは近く、5日先で大きく割れる | 5日先の上陸地点は当てにしない |
経験則として、ECMWFは進路の総合精度が高く、GFSは更新が速く(1日4回)、ICONは発達の表現が過剰なことがあると言われます。ただしどのモデルにも得意・不得意な状況があり、「ECMWFだけ見ればよい」わけではありません。
台風のたまごの見つけ方
台風のたまご(熱帯擾乱)は、風レイヤーで日本の南海上〜フィリピン東方(北緯5〜20度)に現れる弱い渦として見えます。見つけ方のコツは次のとおりです。
- 風レイヤーの色が黄色〜オレンジ(10〜15m/s)で流線が巻いている場所を探す。まだ渦になっていない「東風の波動」は流線のうねりとして見える
- 時間バーを5〜7日先まで進める:モデルが渦を発達させるかどうかを見る。発達させる予想なら「たまご」候補
- 「雨・雷」レイヤーで積乱雲のまとまり(赤〜紫)が渦に集まっているか。雲が組織化していれば発生が近い
- 3モデルで発生の有無が割れることは多い。1モデルだけが発生させる場合は半信半疑で
公式の情報としては、気象庁は熱帯低気圧の発生予報(5日先まで)を出し、米軍JTWC(合同台風警報センター)は発生の可能性を段階的に示します。Windyのモデル表示はこれらより早く「兆候」を見せることがある一方、発生しない渦を発生させる空振りも多いため、公式情報と組み合わせて見てください。最新のたまご情報は台風のたまご最新情報にまとめています。
Windyの台風表示の限界
- 中心気圧・最大風速は実際より弱い:モデルの格子(ECMWF約9km、GFS約22km)では台風の目が再現しきれず、中心付近の風速・気圧は気象庁の実況より控えめに出る
- 予報円がない:誤差の範囲はモデル比較で補う
- 暴風域・強風域の情報がない:風レイヤーの色(25m/s以上=暴風域相当)で読み替える
- 更新時刻がある:ECMWFは1日2回、GFSは4回。古い計算を見ている可能性を意識する(Windyの更新時間)
- 警報・避難情報は出ない:Windyは予報を見る道具であって防災情報ではない
気象庁・米軍情報との使い分け(気象予報士の視点)
| 情報源 | 得意 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 気象庁の台風情報 | 予報円・暴風警戒域・実況(中心気圧・最大風速)。5日先まで | 基本はここ。避難や交通の判断はこれで |
| 米軍JTWC | 発生前の熱帯擾乱の評価、独自の進路予報 | 日本の予報と比べて「割れているか」を見る |
| Windy(モデル比較) | 各国モデルの生データ、10日先までの傾向、渦の兆候 | 予報円の大きさの理由を知る。1週間以上先の「来るかも」を早めに察知 |
| 当サイトの台風データベース | 気象庁の実況を1時間ごとに保存した経路アーカイブ | 過去の台風の経路・気圧の推移を振り返る(台風データベース) |
実践:旅行の1週間前に台風が見えたら
- 7日前:Windyの風レイヤーで南海上の渦を確認。3モデルで発生・進路が割れていれば「候補」段階
- 5日前:気象庁の熱帯低気圧の発生予報、JTWCの評価を確認。台風になっていれば予報円の向き
- 3日前:3モデルの進路が旅行先を含むか。含むなら交通機関の計画運休の可能性を想定
- 前日:気象庁の予報円と暴風警戒域が最終判断。Windyは風の強まる時間帯の目安に
Windyの各モデルは各国気象機関の数値予報の生データで、気象庁の台風情報(予報円・暴風域)とは性格が異なります。防災上の判断は気象庁・自治体の情報を基本にしてください。画面のメニュー名や配置はアプリの更新で変わることがあります。本記事は2026年9月時点の一般的な構成をもとに書いています。
台風の当たりやすさを知る|関連する全国ランキング
Windyで台風を追うとき、自分の地域が「どれくらい台風が来る場所か」を知っておくと、モデルの割れ具合の読み方が変わります。
台風の接近数(年平均)
| 順位 | 都道府県 | 台風の接近数 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 沖縄県 | 7.7回 | 107.3 |
| 2位 | 宮崎県 | 3.9回 | 57.4 |
| 3位 | 鹿児島県 | 3.9回 | 57.4 |
| 4位 | 山口県 | 3.8回 | 56.1 |
| 5位 | 福岡県 | 3.8回 | 56.1 |
| 6位 | 佐賀県 | 3.8回 | 56.1 |
| 7位 | 長崎県 | 3.8回 | 56.1 |
| 8位 | 熊本県 | 3.8回 | 56.1 |
| 9位 | 大分県 | 3.8回 | 56.1 |
| 10位 | 岐阜県 | 3.5回 | 52.1 |
1位は沖縄県(7.7回)、47位は北海道(1.9回)、全国平均は3.3回です。詳しくは台風の接近数の都道府県ランキングで全47都道府県と市町村の順位を確認できます。
9月の台風接近数
| 順位 | 都道府県 | 台風の接近数(9月) | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 沖縄県 | 1.9回 | 100.8 |
| 2位 | 宮崎県 | 1.2回 | 57.6 |
| 3位 | 鹿児島県 | 1.2回 | 57.6 |
| 4位 | 茨城県 | 1.2回 | 55.8 |
| 5位 | 栃木県 | 1.2回 | 55.8 |
| 6位 | 群馬県 | 1.2回 | 55.8 |
| 7位 | 埼玉県 | 1.2回 | 55.8 |
| 8位 | 千葉県 | 1.2回 | 55.8 |
| 9位 | 東京都 | 1.2回 | 55.8 |
| 10位 | 神奈川県 | 1.2回 | 55.8 |
1位は沖縄県(1.9回)、47位は北海道(0.7回)、全国平均は1.1回です。詳しくは台風の接近数の都道府県ランキングで全47都道府県と市町村の順位を確認できます。
8月の台風接近数
| 順位 | 都道府県 | 台風の接近数(8月) | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 沖縄県 | 2.2回 | 107.5 |
| 2位 | 山口県 | 1.1回 | 60.9 |
| 3位 | 福岡県 | 1.1回 | 60.9 |
| 4位 | 佐賀県 | 1.1回 | 60.9 |
| 5位 | 長崎県 | 1.1回 | 60.9 |
| 6位 | 熊本県 | 1.1回 | 60.9 |
| 7位 | 大分県 | 1.1回 | 60.9 |
| 8位 | 宮崎県 | 1.0回 | 55.2 |
| 9位 | 鹿児島県 | 1.0回 | 55.2 |
| 10位 | 徳島県 | 0.9回 | 50.9 |
1位は沖縄県(2.2回)、47位は和歌山県(0.7回)、全国平均は0.8回です。詳しくは台風の接近数の都道府県ランキングで全47都道府県と市町村の順位を確認できます。
年間の平均風速
| 順位 | 都道府県 | 平均風速 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 沖縄県 | 5.3m/s | 83.3 |
| 2位 | 秋田県 | 4.3m/s | 69.3 |
| 3位 | 石川県 | 4.0m/s | 65.1 |
| 4位 | 千葉県 | 3.9m/s | 63.7 |
| 5位 | 和歌山県 | 3.8m/s | 62.3 |
| 6位 | 青森県 | 3.7m/s | 60.9 |
| 7位 | 北海道 | 3.6m/s | 59.5 |
| 8位 | 三重県 | 3.6m/s | 59.5 |
| 9位 | 兵庫県 | 3.6m/s | 59.5 |
| 10位 | 広島県 | 3.6m/s | 59.5 |
1位は沖縄県(5.3m/s)、47位は山形県(1.7m/s)、全国平均は2.9m/sです。詳しくは平均風速の都道府県ランキングで全47都道府県と市町村の順位を確認できます。
都道府県別のデータを指標で切り替える
47都道府県の気温・雨・雪・晴れ・風・台風などを指標と月で切り替えて比較できます。
Windyで見る台風の「転向点」
台風の進路で最も予報が割れるのが「転向点」、つまり西へ進んでいた台風が北〜北東へ向きを変える地点です。転向点は太平洋高気圧の縁で決まり、高気圧の張り出しがモデルごとに違うため、転向が早いモデルは日本の東海上へ、遅いモデルは西日本へ、と進路が数百km割れます。
Windyで「気圧」レイヤーを表示し、太平洋高気圧(日本の南東の高圧部)の西端がどこまで張り出しているかを3モデルで比べると、転向点の割れ方が理解できます。高気圧の張り出しが強い予想のモデルほど、台風は西寄りを通ります。
台風の「速さ」も見る|到達時刻のずれ
進路だけでなく速度もモデルで違います。速度が違うと「上陸が土曜夜か日曜朝か」という半日単位のずれになり、交通機関の計画運休の日程に直結します。Windyの時間バーで、3モデルの台風の中心が九州や関東に最も近づく時刻を比べてください。
日本の南で動きが遅い台風は、太平洋高気圧と偏西風の間で「行き場を失っている」状態で、この後の進路は最も読みにくくなります。動きが遅い台風ほど、モデル比較を毎日更新して見直してください。当サイトの台風データベースでは気象庁の実況を1時間ごとに保存しており、進路と速度の推移を後から振り返れます。
よくある質問
Windyで台風の進路は見られる?
見られます。レイヤーを「風」にして渦の中心を時間バーで追うと、そのモデルの予想進路がわかります。ただし予報円(誤差の範囲)は表示されないので、ECMWF・GFS・ICONを切り替えてばらつきを見てください。
Windyの台風予報は当たる?
各国の数値予報モデルの生データなので、3日先まではおおむね当たりますが、5日先以降はモデル間で大きく割れます。気象庁の予報円と組み合わせて見るのが基本です。
Windyで台風のたまごはわかる?
風レイヤーで南海上の弱い渦を探し、時間バーを5〜7日先まで進めてモデルが発達させるかを見ます。発生しない渦を発生させる空振りも多いので、気象庁の発生予報やJTWCと合わせて判断してください。
Windyの台風の中心気圧が気象庁より高いのはなぜ?
モデルの格子(約9〜22km)では台風の中心構造を再現しきれないためです。中心付近の風速・気圧は実況より弱く出ます。
台風の進路が割れる原因は?
転向点です。太平洋高気圧の張り出しがモデルごとに違うため、転向が早いモデルは日本の東海上へ、遅いモデルは西日本へと進路が数百km割れます。気圧レイヤーで高気圧の西端を比べると理解できます。
進路が同じでも注意することは?
速度です。速度の違いは上陸が土曜夜か日曜朝かという半日単位のずれになり、計画運休の日程に直結します。時間バーで最接近時刻を3モデルで比べてください。
あわせて読みたい
- 台風のたまご最新情報(米軍JTWC・気象庁)
- 台風データベース(経路アーカイブ)
- ECMWF・GFS・ICONの違いってなに?
- Windyで等圧線を表示させる方法
- 台風が9月に多いのはなぜ?
- 台風の上陸・通過・接近の定義
- Windyの台風は風レイヤーで渦を追い、時間バーで進路を見て、3モデルでばらつきを見る
- 3モデルがそろえば信頼度高、割れていれば「まだ決まっていない」。5日先は必ず割れる
- たまごは南海上の弱い渦を5〜7日先まで進めて発達を見る。空振りも多く公式情報と併用
- Windyには予報円・暴風域・警報がない。防災判断は気象庁、Windyは決まり具合の把握に
※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれます。紹介している商品・サービスは、記事の内容に関係するものを選んでいます。


