伊豆諸島で非常に激しい雨のおそれ(11月4〜5日)|11月の1時間50mmは何年に1回?大島・三宅島・八丈島の記録といまの雨量

気象

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こんにちは!気象予報士ののぶやんです。

【すぐわかる答え】気象庁によると、伊豆諸島では4日夜から5日朝にかけて雷を伴って激しく降り、5日朝は新島・三宅島などで「非常に激しい雨」(1時間に50〜80mm)の降る所がある見込みです(11月4日発表の府県天気概況・府県天気予報)。11月に1時間50mm以上の雨が降るのは、観測が始まってから大島で5回、三宅島で7回、八丈島で6回だけ。めずらしいものの「数十年に一度」ほどではなく、大島では2022年11月23日に71.0mmを観測しています。

「11月なのに大雨?」「伊豆諸島の雨はどのくらい降るの?」――5日は、房総半島沖で低気圧が発生して三陸沖へ進み、その南側にあたる伊豆諸島に暖かく湿った空気が流れ込みます。東京地方も5日は雨で、昼過ぎからくもりの予想です。

この記事では、元気象庁職員の気象予報士として、気象庁の「観測史上1〜10位の値(11月としての値)」を大島・三宅島・八丈島の3地点で集計し、11月の大雨がどのくらいめずらしいのかを確かめました。伊豆諸島10か所のアメダスの雨量を自動で読み込み、11月の記録と比べるツールも作りました。

この記事の結論(30秒で読める版)
  • 5日朝、新島・三宅島などで雷を伴い非常に激しい雨(1時間50〜80mm)のおそれ。伊豆諸島北部の降水確率は4日18時〜5日6時が100%(気象庁 11月4日5時発表)
  • 11月に1時間50mm以上の雨は、大島5回(1938年以降)・三宅島7回(1942年以降)・八丈島6回(1937年以降)。どの島も80〜90年で5〜7回で、十数年に1回くらいのめずらしさ
  • 最近では、大島で2022年11月23日に71.0mm(11月の2位)、八丈島で2015年11月19日に91.5mm(11月の1位で「猛烈な雨」)
  • 11月の1日の雨量の最大は、大島330.0mm(1990年11月30日)、八丈島275.6mm(1949年11月23日)、三宅島178.5mm(1979年11月10日)
  • 11月の雨量の平年値は大島192.8mm、三宅島234.2mm、八丈島277.4mm。東京(都心)の約2〜3倍で、伊豆諸島は11月も雨が多い所

伊豆諸島の雨量チェッカー:いまの雨と11月の記録

伊豆諸島10か所のアメダスの最新の雨量を表示します。大島・三宅島・八丈島の3地点は、その1時間雨量が「11月としては何位にあたるか」も自動で判定します。下の欄に雨量を入れると、島ごとの11月の記録と比べられます。

伊豆諸島の雨量チェッカー(アメダス10か所・10分ごとに更新)
気象庁アメダスの最新の観測(10分ごと)を読み込み、1時間雨量と24時間雨量を、雨の強さの区分と11月の記録で判定します。
アメダスを読み込み中…
11月の記録と比べる
※記録は気象庁「観測史上1〜10位の値(11月としての値)」(2026年11月4日時点)。アメダスの値は速報値で、あとで修正されることがあります。

図解:なぜ11月に伊豆諸島で強い雨が降るのか

11月は、日本付近を低気圧や前線が西から東へ周期的に通る時期です。低気圧が本州の南岸や房総半島の沖を進むとき、その南側では南から暖かく湿った空気が流れ込みます。伊豆諸島の周りは黒潮が流れていて、11月でも海面水温が高く、その上を通る空気はたっぷり水蒸気を含みます。そこへ低気圧に伴う上空の寒気や前線がかかると、積乱雲が発達して、短い時間に強い雨が降ります。

低気圧の南側の伊豆諸島に、暖かく湿った空気が流れ込む 本州 低 房総半島沖で発生 三陸沖へ 大島 新島 三宅島 八丈島 南から暖かく湿った空気 積乱雲が発達
11月4〜5日のイメージ。房総半島沖で低気圧が発生して三陸沖へ進み、その南側の伊豆諸島に暖かく湿った空気が流れ込む(位置関係は説明用の模式図)

今回、気象庁は5日朝に新島と三宅島で「雷を伴い非常に激しく降る」と予想しています。「非常に激しい雨」は1時間に50mm以上80mm未満の雨で、気象庁の説明では「滝のように降る(ゴーゴーと降り続く)」「傘はまったく役に立たない」強さです。

予報用語1時間雨量降り方のイメージ
やや強い雨10〜20mmザーザーと降る。地面一面に水たまりができる
強い雨20〜30mmどしゃ降り。傘をさしていてもぬれる
激しい雨30〜50mmバケツをひっくり返したように降る。道路が川のようになる
非常に激しい雨50〜80mm滝のように降る。傘はまったく役に立たない
猛烈な雨80mm以上息苦しくなるような圧迫感。恐怖を感じる
気象庁「雨の強さと降り方」をもとに作成

3島の11月の記録:1時間50mm以上は十数年に1回

気象庁の「観測史上1〜10位の値(11月としての値)」から、1時間雨量の上位10位を島ごとに並べました。赤い数字が「非常に激しい雨」以上(50mm以上)です。

順位大島(1938年〜)三宅島(1942年〜)八丈島(1937年〜)
172.0
1944/11/3
73.9
1963/11/24
91.5
2015/11/19
271.0
2022/11/23
62.0
1999/11/24
62.5
1937/11/8
367.0
2005/11/6
58.0
2005/11/12
57.6
1949/11/23
464.0
2003/11/30
56.5
1982/11/30
53.6
1962/11/20
550.8
1940/11/12
56.5
1972/11/6
52.8
1957/11/11
648.0
1976/11/18
54.5
2014/11/29
52.5
2022/11/19
747.5
1993/11/21
54.1
1950/11/3
49.9
1948/11/4
844.6
1948/11/19
49.0
2008/11/25
48.0
2025/11/16
943.5
1990/11/30
49.0
1983/11/9
46.0
2017/11/18
1042.5
2012/11/6
47.0
2021/11/4
44.0
2015/11/18
11月の日最大1時間降水量 上位10位(mm)。気象庁「観測史上1〜10位の値(11月としての値)」、2026年11月4日時点

1時間50mm以上は、大島で5回、三宅島で7回、八丈島で6回。観測の期間は80〜90年なので、どの島でもおおむね十数年に1回の頻度です。ただし、ここ10年あまりでも大島(2022年11月23日の71.0mm)と八丈島(2015年11月19日の91.5mm、2022年11月19日の52.5mm)で起きていて、「めったにない」とまでは言えません。

八丈島の2015年11月19日の91.5mmは、11月としては3島でただ一度の「猛烈な雨」(80mm以上)です。八丈島の全期間の1位(129.5mm、1999年9月4日)と比べても、7割ほどの強さがありました。

1日の雨量:大島は11月に330mmの記録

順位大島(1938年〜)三宅島(1942年〜)八丈島(1906年〜)
1330.0
1990/11/30
178.5
1979/11/10
275.6
1949/11/23
2231.9
1944/11/3
173.5
1999/11/24
223.2
1919/11/11
3206.5
2003/11/30
173.0
2019/11/22
179.8
1916/11/11
4175.5
1981/11/2
163.5
1979/11/22
162.5
1979/11/22
5172.0
2022/11/23
159.5
1983/11/9
157.7
1954/11/20
6169.4
1948/11/19
148.6
1952/11/5
155.1
1919/11/10
7164.1
1952/11/5
144.5
1975/11/6
154.7
1946/11/7
8159.6
1955/11/21
139.0
1944/11/3
150.0
2017/11/18
9159.0
2005/11/6
135.0
2005/11/12
149.9
1962/11/16
10155.0
1979/11/10
132.5
1963/11/24
148.3
1916/11/1
11月の日降水量 上位10位(mm)。気象庁「観測史上1〜10位の値(11月としての値)」、2026年11月4日時点

1日の雨量では、大島の330.0mm(1990年11月30日)が3島の中で最も多く、大島の11月の平年の月降水量(192.8mm)の1.7倍が1日で降りました。この月の大島の降水量は656.5mmで、11月としての最多記録です。三宅島は1日178.5mm(1979年11月10日)、八丈島は275.6mm(1949年11月23日)が11月の1位です。

伊豆諸島は11月も雨が多い

地点11月の降水量の平年値11月の月降水量の最多
大島192.8mm656.5mm(1990年11月)
三宅島234.2mm702.5mm(1975年11月)
八丈島277.4mm895.9mm(1919年11月)
東京(都心・参考)96.3mm―
平年値は1991〜2020年の平均(気象庁)

伊豆諸島は、秋から冬にかけても南からの湿った空気や低気圧の影響を受けやすく、11月の降水量は東京都心の2倍以上です。南の八丈島ほど多く、平年で277.4mm。島の暮らしでは、11月も大雨への備えが欠かせません。

1時間50mmの雨とはどのくらい?数字で見る

雨量1mmは、1平方メートルに1リットルの水がたまる量です。1時間に50mmなら、畳1枚分(約1.6平方メートル)に1時間で約80リットル、10リットルのバケツで8杯分の水が落ちてくる計算です。

学校の校庭(100m×50m=5,000平方メートル)なら、1時間で250トン。屋根や道路に降った雨は側溝や川に一気に流れ込むので、短時間で水があふれます。1時間50mmの雨が2〜3時間続けば、それだけで100〜150mmになり、大島の11月の日降水量の上位10位(155mm以上)に近い量になります。

ツールの「1日の雨量」の欄に数字を入れると、その雨が11月1か月の平年値の何%にあたるかも表示します。たとえば八丈島で1日150mmなら、11月の平年値277.4mmの54%。わずか1日で、ひと月の半分の雨が降ることになります。

島ごとの特徴:山がある島ほど雨が強まりやすい

伊豆諸島の島々には、大島の三原山(758m)、三宅島の雄山(775m)、八丈島の八丈富士(854m)など、海から急に立ち上がる山があります。湿った南風が山にぶつかると、斜面で空気が持ち上げられて雨雲が発達しやすく、同じ島の中でも、風が当たる斜面や山の上で雨が強まることがあります。

アメダスは島ごとに1〜2か所しかないため、観測された雨量より強く降っている場所があるかもしれません。チェッカーで大島と大島北ノ山、三宅島と三宅坪田、八丈島と八重見ヶ原のように、同じ島の2地点の値が大きく違うときは、局地的に強く降っているサインです。

今夜〜5日朝の備えチェックリスト

  • 寝る前に、スマートフォンの防災アプリや町村の防災無線で、警報・避難情報を受け取れるようにしておく
  • 崖の近く・沢沿いの家は、明るいうちに避難先と経路を確かめておく
  • 側溝や排水口の落ち葉を取り除き、雨水が流れるようにしておく
  • 懐中電灯・モバイルバッテリーを手元に。雷で停電することがある
  • 5日朝の通勤・通学は、雨の強さが落ち着くまで時間をずらすことも考える
  • 船や飛行機の利用予定がある人は、運航会社の情報を前日のうちに確かめる

全国の1時間雨量の記録と、過去の11月5日の天気

全国の1時間雨量の歴代ランキング(観測史上1位の値)です。伊豆諸島の11月の1位(八丈島91.5mm)と比べてみてください。全期間で見ると、大島122.5mm・三宅島122.0mm・八丈島129.5mmで、伊豆諸島は全国の記録に迫る強い雨も降る所です。

歴代1時間降水量ランキング トップ10(観測史上1位の値)
順位地点(都道府県・市町村)記録観測日偏差値
1位香取(千葉県・香取市)153.0mm1999年10月27日83.9
1位長浦岳(長崎県)153.0mm1982年7月23日83.9
3位多良間(沖縄県)152.0mm1988年4月28日83.5
4位甲佐(熊本県・甲佐町)150.0mm2016年6月21日82.6
4位清水(高知県・土佐清水市)150.0mm1944年10月17日82.6
6位下関(新潟県・関川村)149.0mm2022年8月4日82.2
6位室戸岬(高知県・室戸市)149.0mm2006年11月26日82.2
8位前原(福岡県・糸島市)147.0mm1991年9月14日81.4
9位上市(富山県・上市)146.5mm2024年8月25日81.2
9位岡崎(愛知県・岡崎市)146.5mm2008年8月29日81.2

東京の11月5日前後は、例年どんな天気なのか。過去の観測から晴れ・雨の出やすさを調べられます(地点を選び直せば、ほかの都市も調べられます)。

読み込み中…

東京都の11月の雨の量や雨の日数は、こちらのツールで他の道府県と比べられます。

過去の11月の大雨の例

  • 1990年11月30日(大島):1日330.0mm、24時間で350.5mm。11月としての1位で、この月の大島の雨量は656.5mmに達した
  • 2015年11月18〜19日(八丈島):19日に1時間91.5mm(11月の1位、全期間でも3位タイ)。24時間雨量は241.0mmで、11月の2位
  • 2022年11月19日(八丈島)・23日(大島):八丈島で1時間52.5mm、4日後に大島で1時間71.0mm・1日172.0mm。同じ月に2つの島で「非常に激しい雨」
  • 2019年11月22日(三宅島):1日173.0mm(11月の3位)、24時間182.0mm(11月の4位)

多くは、低気圧や前線が本州の南岸を通り、伊豆諸島に湿った南風が吹き込んだときに起きています。短い時間に強く降る例が多い一方、1990年の大島のように1日300mmを超えたこともあります。

なお、伊豆諸島は今年9月にも大雨に見舞われました。大島では2026年9月21日に1日592.5mm(全期間の1位)、9月の月降水量は1,933.0mm(全期間の1位)を観測しています。9月に記録的な大雨があった大島などでは、斜面の変化にも気をつけ、短時間の強い雨でも土砂災害に注意してください。

注意点:短時間の強い雨と雷、船・飛行機

土砂災害と道路の冠水

1時間50mmの雨が降ると、側溝や小さな川があふれ、道路が川のようになることがあります。崖の近くや沢沿いは、土砂災害の危険が高まります。気象庁や町村が発表する警報・土砂災害警戒情報を確かめ、夜のうちに避難が必要か判断してください。東京都の災害の記録は「東京都の水害」でまとめています。

落雷・突風

「雷を伴う」と予想されているときは、竜巻などの突風が起きることもあります。雷の音が聞こえたら、建物の中や車の中に入り、木の下や海岸・港には近づかないでください。

船・飛行機の欠航

低気圧が離れたあとも、5日は風や波が残る可能性があります。伊豆諸島と東京を結ぶ船や飛行機は、天候によって欠航・条件付き運航になることがあります。出かける前に、運航会社の最新の情報を確かめてください。気圧の変化による体調の変化が気になる人は「今日の気圧」も参考にしてください。

東京都心の雨はいつやむ?

東京地方は5日の昼過ぎからくもりの予想です。お住まいの地域で雨がやむ時間は「雨はいつ止む?雨が止む時間の自動判定」で確かめられます。

よくある質問

Q. 伊豆諸島の大雨はいつ?

気象庁の11月4日4時43分発表の府県天気概況では、伊豆諸島は4日に雷を伴い激しく降る所があり、5日は雷を伴い非常に激しく降る所がある見込みです。伊豆諸島北部の降水確率は、4日18時〜5日6時が100%、5日6〜12時が90%です。

Q. 「非常に激しい雨」とはどのくらい?

1時間に50mm以上80mm未満の雨です。気象庁は「滝のように降る」「傘はまったく役に立たない」と説明しています。80mm以上は「猛烈な雨」です。

Q. 11月に1時間50mm以上の雨はめずらしい?

気象庁の記録では、11月に1時間50mm以上の雨が降ったのは、大島で5回(1938年以降)、三宅島で7回(1942年以降)、八丈島で6回(1937年以降)です。どの島も十数年に1回ほどの頻度です。

Q. 伊豆大島の11月の雨の記録は?

1時間雨量の11月の1位は72.0mm(1944年11月3日)、2位は71.0mm(2022年11月23日)です。1日の雨量の1位は330.0mm(1990年11月30日)、月の雨量の1位は656.5mm(1990年11月)です。

Q. 八丈島で猛烈な雨が降ったことはある?

11月では、2015年11月19日に1時間91.5mmの「猛烈な雨」を観測しています。八丈島の全期間の1位は129.5mm(1999年9月4日)です。

Q. なぜ11月に伊豆諸島で大雨が降るの?

低気圧が本州の南岸や房総半島の沖を進むとき、その南側の伊豆諸島に、まだ暖かい海の上を通った湿った空気が流れ込むためです。上空の寒気や前線がかかると積乱雲が発達し、短い時間に強い雨が降ります。

Q. 伊豆諸島の今の雨量はどこで見られる?

この記事の雨量チェッカーで、伊豆諸島10か所のアメダスの最新の1時間雨量と24時間雨量を表示しています。大島・三宅島・八丈島は、11月の記録と比べた順位も表示します。

2026年秋の大雨・時事シリーズ
まとめ
  • 伊豆諸島では4日夜〜5日朝、雷を伴い激しい雨。5日朝は新島・三宅島などで非常に激しい雨(1時間50〜80mm)のおそれ
  • 11月の1時間50mm以上は、大島5回・三宅島7回・八丈島6回。十数年に1回ほどだが、最近も2015年・2022年に起きている
  • 11月の1日の雨量の最大は大島330.0mm(1990年)。11月の平年の月降水量の1.7倍
  • 9月に記録的な大雨があった大島などでは、短時間の強い雨でも土砂災害に注意
  • 雨量チェッカーで、いまの雨が11月の記録の何位にあたるかを確かめられる

出典・データについて

  • 気象庁「府県天気概況」(東京都、2026年11月4日4時43分発表)、「府県天気予報」(11月4日5時発表)
  • 気象庁「過去の気象データ検索」:観測史上1〜10位の値(11月としての値・全期間)、平年値(1991〜2020年)(大島・三宅島・八丈島)
  • 気象庁アメダス(チェッカーで最新の観測を表示。速報値)
  • 気象庁「雨の強さと降り方」

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