大気の熱力学は、学科一般で毎回2〜3問出る最大の得点源であり、同時に最大の失点源です。範囲は、気体の状態方程式、熱力学第一法則と断熱変化、乾燥断熱減率・湿潤断熱減率、温位・相当温位、水蒸気の表し方(飽和水蒸気圧・混合比・相対湿度・露点)、大気の安定度(絶対安定・条件付き不安定・対流不安定)、フェーン現象の計算まで。「式を覚える」のではなく「何が保存されて、何が変わるのか」を言葉で説明できるようになると、正誤問題も計算問題も同じ土俵で解けます。この記事は第55〜65回の出題傾向を分析し、5つの図解と計算例で理解を組み立て、オリジナル問題15問+一問一答20問で仕上げる構成です。エマグラム上での読み方はエマグラム問題の解き方で扱っているので、あわせてどうぞ。
やん
出題傾向|第55〜65回でどう出たか
直近11回で熱力学に分類できる出題はのべ28問(1回あたり2〜3問)。学科一般15問の中で最も多い分野です。
| 分野・論点 | 出題頻度 | 典型的な問われ方 |
|---|---|---|
| 安定度の判定(減率・温位・相当温位) | ◎ ほぼ毎回 | 与えられた鉛直分布から絶対安定・条件付き不安定・絶対不安定・対流不安定を判定 |
| 温位・相当温位の性質 | ◎ ほぼ毎回 | 何が保存されるか、鉛直分布と安定度の対応、計算(1000/p)^0.286 |
| 断熱変化・第一法則 | ○ 2回に1回 | 上昇する空気塊の温度変化の理由、乾燥断熱減率がg/cpで決まること |
| 水蒸気の量(飽和水蒸気圧・混合比・相対湿度・露点) | ○ 2回に1回 | 気温が上がると相対湿度は?露点は?混合比は?の正誤。飽和水蒸気圧の温度依存 |
| フェーン現象の計算 | △ 3回に1回 | 風上の気温・露点から風下の気温を計算 |
| 状態方程式・仮温度・密度 | △ 3回に1回 | 湿った空気は乾いた空気より軽い、仮温度の意味 |
| 潜熱・熱の出入り | △ 3回に1回 | 凝結・融解・昇華の潜熱の大小、雲の中で気温が下がりにくい理由 |
- 定数は4つ:R=287、cp=1004、g=9.8、L=2.5×10⁶(単位はすべてSI)。乾燥断熱減率 g/cp=9.8℃/km はこの組み合わせ
- 保存量を整理する:乾燥断熱で温位・混合比が保存、湿潤断熱(飽和)で相当温位が保存。相対湿度と気温は保存されない
- 安定度は「環境の減率」と「空気塊の減率(乾燥9.8・湿潤約5)」の大小比較。温位で言えば「上ほど温位が高ければ安定」
- 計算は単位変換(hPa→Pa、℃→K、g/kg→kg/kg)で間違える。式より単位
状態方程式と熱力学第一法則|すべての出発点
| 状態方程式 | p = ρRT または pα = RT(α=1/ρ 比容) | R=287 J/(kg·K)。同じ気圧・気温なら密度は一つに決まる |
| 仮温度 | Tv = T(1+0.61q) (qは比湿 kg/kg) | 水蒸気(分子量18)は乾燥空気(29)より軽い。湿った空気を「同じ密度になる乾燥空気の温度」で表す。T=300K、q=15g/kgならTv=302.7K |
| 第一法則 | dQ = cp·dT − α·dp | 加えた熱 = 温度上昇に使う分 + 膨張の仕事。断熱(dQ=0)なら cp·dT = α·dp:気圧が下がる(上昇する)と温度が下がる |
| ポアソンの式 | T·p^(−κ) = 一定 (κ=R/cp=0.286) | 第一法則と状態方程式から。これが温位の定義になる |
| 乾燥断熱減率 | Γd = g/cp = 9.8÷1004 ≒ 0.0098 K/m = 9.8℃/km | 第一法則の断熱形に静力学平衡(dp=−ρg dz)を代入すると導ける |
「上昇する空気は膨張して冷える」の理由は、第一法則の−α·dpの項です。周囲の気圧が下がると空気塊は膨張し、まわりの空気を押しのける仕事をして内部エネルギー(温度)を失います。熱の出入りがなくても温度が下がるのが断熱冷却で、その率が乾燥空気なら9.8℃/km。この数字は空気の性質(g/cp)だけで決まり、場所や季節、気圧によらず一定です(ここが正誤で問われます)。
仮温度は「同じ密度の乾燥空気に換算した温度」で、湿った空気ほど高くなります。密度はp/(R·Tv)で計算するので、同じ気圧・気温なら湿った空気のほうが軽い。直感(水を含むと重そう)と逆なので、正誤問題の定番です。
断熱減率と温位|「ラベル」で空気を追いかける
| 量 | 定義 | 保存される変化 | 使いどころ |
|---|---|---|---|
| 温位 θ | θ = T(1000/p)^0.286 | 乾燥断熱変化(未飽和の上昇・下降) | 未飽和の空気の追跡、安定度(∂θ/∂z>0で安定) |
| 相当温位 θe | 水蒸気をすべて凝結させて潜熱を放出させた後の温位。θe ≒ θ·exp(L·w/(cp·T))、目安 θe ≒ θ+2.5×w(w:g/kg) | 乾燥断熱でも湿潤断熱でも保存 | 前線・暖湿気の追跡、対流不安定(∂θe/∂z<0) |
| 湿潤断熱減率 Γm | 飽和した空気塊が上昇するときの減率。凝結の潜熱で冷え方が鈍る | — | 下層の暖かい空気で約4℃/km、上層・寒冷では9.8℃/kmに近づく。試験では「約5℃/km」 |
| 飽和相当温位 θe* | その気温で飽和していると仮定した相当温位 | — | 条件付き不安定の判定(θe*が上ほど低ければ条件付き不安定) |
湿潤断熱減率が一定ではない点は要注意です。暖かい空気ほど飽和水蒸気量が多く、上昇したときの凝結量(潜熱)が多いので減率が小さくなります。熱帯の下層で約4℃/km、−30℃の上空ではほぼ乾燥断熱に近い8〜9℃/km。「湿潤断熱減率は常に5℃/km」という選択肢は誤りです。
計算例:850hPa・7℃の空気の温位
θ = 280×(1000/850)^0.286。(1000/850)=1.176、その0.286乗は exp(0.286×ln1.176)=exp(0.286×0.162)=exp(0.0464)=1.048。よって θ = 280×1.048 = 293K(約20℃)。850hPa面の気温は「地上に下ろすと約13℃暖かい」と覚えると、850hPa気温から地上最高気温を見積もる実技の感覚(エマグラムの解き方)につながります。
水蒸気の表し方|4つの量の関係
| 量 | 定義・式 | 気温が上がると(水蒸気量一定) | 上昇(断熱冷却)すると |
|---|---|---|---|
| 水蒸気圧 e | 水蒸気の分圧(hPa) | 変わらない | 気圧に比例して下がる |
| 飽和水蒸気圧 es | 気温だけで決まる(0℃で6.1hPa、20℃で23.4hPa、30℃で42.4hPa) | 増える | 下がる |
| 混合比 w | w = 0.622·e/(p−e) (乾燥空気1kgあたりの水蒸気kg) | 変わらない | 変わらない(凝結するまで) |
| 比湿 q | 湿潤空気1kgあたりの水蒸気kg。q ≒ w | 変わらない | 変わらない(凝結するまで) |
| 相対湿度 RH | RH = e/es×100(%) | 下がる | 上がる(飽和で100%) |
| 露点 Td | その水蒸気量で飽和する温度。e = es(Td) | 変わらない | わずかに下がる(気圧低下でeが減るため。約2℃/km) |
相対湿度は「水蒸気の量」ではなく「飽和までの余裕」を表します。同じ相対湿度50%でも、30℃なら水蒸気圧21hPa、10℃なら6hPaと3倍以上違います。冬の室内で「加湿しても湿度が上がりにくい」のは、暖房で飽和水蒸気圧が上がっているからで、この関係は洗濯物の乾きやすさや露点・体感温度の計算にも出てきます。
計算例:混合比と相対湿度
気圧1000hPa、気温25℃、露点15℃の空気。露点15℃の飽和水蒸気圧は17.0hPaなので水蒸気圧 e=17.0hPa。混合比 w = 0.622×17.0÷(1000−17.0) = 0.01076 = 10.8g/kg。25℃の飽和水蒸気圧は31.7hPaなので相対湿度 = 17.0÷31.7 = 54%。この空気を持ち上げると、雲底(持ち上げ凝結高度)は 125×(25−15) = 約1250mにできます。
安定度|「持ち上げてみて戻るか」で判定
安定度は「空気塊を少し持ち上げたとき、周囲より冷たければ(重ければ)戻る=安定、暖かければ(軽ければ)さらに上がる=不安定」という判定です。空気塊の冷え方は乾燥断熱(9.8)か湿潤断熱(約5)なので、周囲(環境)の減率Γをこの2つと比べるだけです。
| 判定 | 減率で | 温位で | 起きること |
|---|---|---|---|
| 絶対安定 | Γ < Γm | θもθe*も上ほど高い | 持ち上げても戻る。層状の雲、霧、逆転層。飽和していても対流は起きない |
| 条件付き不安定 | Γm < Γ < Γd | θは上ほど高いが、θe*は上ほど低い | 未飽和なら安定、飽和すれば不安定。持ち上げ凝結高度を超え自由対流高度に達すると積乱雲。日本の大気の大半はこの状態 |
| 絶対不安定 | Γ > Γd | θが上ほど低い | 乾いていても対流。日中の地表付近の薄い層(接地層)にできてすぐ解消 |
| 中立 | Γ = Γd(未飽和)またはΓ = Γm(飽和) | θ一定 | よく混合された層(混合層)は乾燥中立 |
対流不安定(潜在不安定)は別の概念
条件付き不安定が「空気塊1つを持ち上げる」話なのに対し、対流不安定は「層全体を持ち上げる」話です。下が湿って上が乾いた層(相当温位θeが上ほど低い層、∂θe/∂z<0)を前線や山で層ごと持ち上げると、下は早く飽和して湿潤断熱でゆっくり冷え、上は乾燥断熱で速く冷えるので、層内の減率が大きくなって不安定化します。梅雨前線や台風の暖湿気流でこの状態がよく現れ、実技の「850hPa相当温位の鉛直分布」の読み取り(梅雨前線・線状降水帯パターン)に直結します。
計算例:減率から安定度を判定
地上20℃、高度1kmで13℃、2kmで7℃の大気。減率は1km目が7℃/km、2km目が6℃/kmで、どちらも5〜9.8の間なので条件付き不安定。地上の空気塊(露点12℃)を持ち上げると、雲底1000mまでは乾燥断熱で10.2℃(周囲13℃より冷たい→まだ安定)、そこから湿潤断熱で2kmで5.2℃(周囲7℃より冷たい→まだ安定)。この例では自由対流高度に達していないので、強制上昇がやんだら戻ります。「条件付き不安定=必ず対流が起きる」ではないことに注意。
フェーン現象|計算問題の定番
手順は3つです。①雲底の高さを求める(125×(気温−露点) m、または乾燥断熱9.8℃/kmと露点の低下約2℃/kmの差7.8℃/kmで割る)。②雲底から山頂までは湿潤断熱(問題で与えられた値、多くは5℃/km)で冷やす。③山頂から風下の地上までは乾燥断熱で暖める。図の例では風上20℃が風下24.8℃。この昇温分(4.8℃)は、雨として落ちた水蒸気が放出した潜熱に相当します。
なお、雲ができても雨が降らず(水滴が空気塊に残ったまま)山を越えると、下降時に水滴が蒸発して湿潤断熱で暖まるので風下の気温は風上と同じに戻ります。「フェーンで昇温するには降水で水を失うことが必要」という点が正誤で問われます。また、雲ができずに山を越える「ドライフェーン」もあり、山頂付近の暖かい空気が乾燥断熱で下りてくることで昇温します。日本海側の南風フェーン(暖かい高気圧と冷たい高気圧)や、実技の「風下で気温が上がる理由」の記述に使います。
ひっかけ10選
| 選択肢の言い方 | 正誤 | なぜ |
|---|---|---|
| 乾燥断熱減率は気圧が低いほど小さくなる | × | Γd=g/cpは定数(9.8℃/km)。気圧・気温・場所によらない |
| 湿潤断熱減率は気温によらず約5℃/kmで一定 | × | 暖かいほど小さく(約4)、冷たいほど乾燥断熱に近づく(8〜9) |
| 温位は湿潤断熱変化でも保存される | × | 温位が保存されるのは乾燥断熱変化。飽和すると潜熱で温位は増える。保存されるのは相当温位 |
| 相当温位は乾燥断熱変化では保存されない | × | 相当温位は乾燥・湿潤どちらの断熱変化でも保存 |
| 気温が上がると露点も上がる(水蒸気量は一定) | × | 露点は水蒸気量で決まる。気温が上がっても露点は変わらず、相対湿度が下がる |
| 同じ気圧・気温なら湿った空気のほうが密度が大きい | × | 水蒸気の分子量は18で乾燥空気29より小さい。湿った空気は軽い |
| 条件付き不安定な大気では必ず対流が起きる | × | 飽和して自由対流高度に達すれば不安定。持ち上げが弱ければ何も起きない |
| 対流不安定は空気塊を一つ持ち上げたときの安定性である | × | 層全体を持ち上げたとき。判定は∂θe/∂z<0 |
| フェーンでは風下の気温が上がり相対湿度は下がる | ○ | 潜熱で暖まり、水を失っているので乾く |
| 温位が高度とともに増えている層は安定である | ○ | ∂θ/∂z>0 ⇔ Γ<Γd で乾燥断熱に対して安定(湿潤に対しては別途判定) |
オリジナル問題15問
計算問題は必ず単位(hPa→Pa、℃→K)をそろえてから。過去問そのものは気象業務支援センターで入手できます。
- ① 温位が下がる
- ② 混合比が下がる
- ③ 相対湿度が上がる
- ④ 露点が上がる
- ⑤ 気温は変わらない
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③。未飽和の断熱上昇では温位と混合比は保存、気温は9.8℃/kmで下がり、飽和水蒸気圧が下がるので相対湿度は上がる。露点は気圧低下でわずかに下がる(約2℃/km)。
- ① 重力加速度と定圧比熱の比 g/cp で決まるから
- ② 対流圏の平均的な気温減率と等しいから
- ③ 水蒸気の潜熱と定圧比熱の比で決まるから
- ④ 気圧が高度とともに指数関数的に減るから
- ⑤ 太陽放射の吸収率で決まるから
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①。第一法則の断熱形 cp·dT=α·dp に静力学平衡 dp=−ρg·dz を入れると dT/dz=−g/cp=−9.8÷1004 K/m。対流圏の平均減率6.5℃/kmとは別物。
- ① 温位は空気塊を乾燥断熱的に1000hPaまで移動させたときの温度である
- ② 温位は乾燥断熱変化で保存される
- ③ 温位が高度とともに増加している層は、未飽和の空気塊に対して安定である
- ④ 飽和した空気塊が上昇すると温位は増加する
- ⑤ 温位は湿潤断熱変化でも保存される
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⑤が誤り。飽和した上昇では潜熱の放出で温位は増える(④は正しい)。湿潤断熱変化で保存されるのは相当温位。
- ① 約270K
- ② 約285K
- ③ 約299K
- ④ 約305K
- ⑤ 約320K
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③。θ=270×1.107=298.9K。700hPa(約3km)の空気を地上に下ろすと約26℃になる。
- ① 相当温位は乾燥断熱変化では保存されるが湿潤断熱変化では保存されない
- ② 相当温位は温位より必ず低い
- ③ 相当温位が高度とともに減少している層を全体として持ち上げると不安定になる
- ④ 相当温位は空気塊の水蒸気をすべて凝結させたあと1000hPaまで湿潤断熱的に下ろした温度である
- ⑤ 相当温位は気温だけで決まる
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③(対流不安定)。相当温位は乾燥・湿潤いずれの断熱変化でも保存、温位以上、水蒸気を凝結させた後は乾燥断熱的に1000hPaへ下ろす。気温と水蒸気量の両方で決まる。
- ① 相対湿度は上がる
- ② 露点は上がる
- ③ 混合比は増える
- ④ 飽和水蒸気圧は約2倍になる
- ⑤ 水蒸気圧は約2倍になる
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④。飽和水蒸気圧は20℃で23.4hPa、30℃で42.4hPaと約2倍。水蒸気圧・混合比・露点は水蒸気量で決まるので不変、相対湿度は約半分に下がる。
- ① 約5g/kg
- ② 約8g/kg
- ③ 約10g/kg
- ④ 約16g/kg
- ⑤ 約20g/kg
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③。e=31.7×0.5=15.85hPa。w=0.622×15.85÷(1000−15.85)=0.01002=10.0g/kg。
- ① 約250m
- ② 約500m
- ③ 約1250m
- ④ 約2000m
- ⑤ 約3000m
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③。125×(30−20)=1250m。気温は9.8℃/km、露点は約2℃/kmで下がり、差が縮まる速さは約7.8℃/km。10℃÷7.8≒1.28km。
- ① 湿潤空気のほうが密度が大きい
- ② 湿潤空気のほうが密度が小さい
- ③ 密度は同じである
- ④ 湿潤空気のほうが仮温度が低い
- ⑤ 湿潤空気のほうが温位が低い
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②。水蒸気の分子量18は乾燥空気の29より小さいので、同じ気圧・気温なら湿潤空気は軽い。仮温度は高くなる。温位は気温と気圧で決まるので同じ。
- ① 約296K
- ② 約300K
- ③ 約304K
- ④ 約308K
- ⑤ 約312K
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③。Tv=T(1+0.61q)=300×(1+0.61×0.020)=300×1.0122=303.7K。湿った空気は約3.7K暖かい乾燥空気と同じ密度。
- ① 絶対安定である
- ② 絶対不安定である
- ③ 条件付き不安定である
- ④ 未飽和の空気塊に対して不安定である
- ⑤ 飽和した空気塊に対して安定である
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③。5<7<9.8 なので条件付き不安定。未飽和の空気塊(9.8で冷える)に対しては安定、飽和した空気塊(5で冷える)に対しては不安定。
- ① 空気塊は約20.2℃で周囲より暖かく、さらに上昇する
- ② 空気塊は約20.2℃で周囲より冷たく、元に戻ろうとする
- ③ 空気塊は約25℃で周囲より暖かい
- ④ 空気塊は約18℃で周囲と同じである
- ⑤ 空気塊は約15℃で周囲より冷たい
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①。30−9.8=20.2℃。周囲18℃より暖かい(軽い)ので浮力を得て上昇。環境減率12℃/km>9.8 で絶対不安定。日中の地表付近でよく起きる状態。
- ① 温位が高度とともに減少している層をいう
- ② 相当温位が高度とともに減少している層を全体として持ち上げると不安定化することをいう
- ③ 空気塊を一つだけ持ち上げたときの不安定をいう
- ④ 飽和している層でのみ生じる
- ⑤ 成層圏でよく見られる
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②。下が湿り上が乾いた層(∂θe/∂z<0)を層ごと持ち上げると、下が先に飽和してゆっくり冷え、上は速く冷えて減率が大きくなる。梅雨前線の暖湿気流で典型的。
- ① 約22℃
- ② 約25℃
- ③ 約27℃
- ④ 約29℃
- ⑤ 約32℃
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③。雲底=125×8=1000m。1000mで22−9.8=12.2℃。2000mで12.2−5=7.2℃。風下0mで7.2+19.6=26.8℃。
- ① 風下側では気温が上がり相対湿度が下がる
- ② 風上側で降水があると、風下側の昇温が大きくなる
- ③ 雲が生じても水滴が蒸発せずに残ったまま山を越えれば、風下の気温は風上と同じに戻る
- ④ 雲を生じずに山頂付近の空気が乾燥断熱的に下降して昇温する場合もある
- ⑤ 風下側の昇温は主に地表面からの顕熱によって起こる
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⑤が誤り。昇温の原因は凝結の潜熱と、雲ができない場合は高い所の(温位の高い)空気が乾燥断熱的に下りてくること。③は正しく、水を失わなければ上昇と下降が対称になる。
一問一答20問|分野別の成績が出ます
大気の熱力学 一問一答20問
計算問題は紙で手を動かしてから答えてください。
この分野でよくある質問
Q. 熱力学は式が多くて覚えられません。
A. 覚える式は状態方程式・第一法則(断熱形)・温位の定義・混合比の3〜4本で、あとはそこから導けます。乾燥断熱減率がg/cpであることと、温位・相当温位の保存則を言葉で説明できるようにするのが先です。
Q. 温位と相当温位の違いを一言で言うと?
A. 温位は「乾いた空気としての暖かさ」、相当温位は「水蒸気の潜熱まで含めた暖かさ」です。相当温位が高い空気ほど、上昇したときに雲を作って暖まる余地が大きく、大雨や雷雨の原料になります。
Q. 湿潤断熱減率はいくつで計算すればいいですか?
A. 問題に与えられた値を使います。与えられなければ約5℃/kmです。ただし正誤問題では「一定ではない(暖かいほど小さい)」が正解になります。
Q. 安定度の問題が苦手です。
A. 「持ち上げた空気塊の温度」と「同じ高さの周囲の温度」を比べる、この1つだけです。空気塊は雲底まで9.8℃/km、雲底から上は湿潤断熱減率で冷やし、周囲より暖かければ上昇、冷たければ戻ります。エマグラムで図として練習すると定着します。
Q. この分野は実技でも使いますか?
A. 実技のエマグラム問題(持ち上げ凝結高度・自由対流高度・安定度・雨雪判別)、850hPa相当温位図の読み取り、フェーンの記述はすべてこの分野の応用です。学科一般で理解しておくと実技の学習が半分になります。
- 定数4つ(R 287、cp 1004、g 9.8、L 2.5×10⁶)と、Γd=g/cp=9.8℃/km は定数
- 保存則:乾燥断熱で温位・混合比、飽和しても相当温位。相対湿度・気温は保存されない
- 水蒸気は「量(e・w・q・Td)」と「余裕(RH)」を区別。飽和水蒸気圧は10℃で約2倍
- 安定度は環境の減率Γと9.8・約5の大小比較。条件付き=飽和すれば不安定、対流不安定は∂θe/∂z<0
- フェーンは「雲底まで9.8→雲の中は約5→風下は9.8」。昇温には降水で水を失うことが必要
出典:気象庁「気象観測の手引き」、気象業務支援センター「気象予報士試験 過去の試験問題」、小倉義光『一般気象学』、Wallace and Hobbs『Atmospheric Science』。オリジナル問題の設問・選択肢・数値は当サイト作成です。
※記事内にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。


