【偏差値つき】台風の上陸数が多い都道府県・市町村ランキング|気象庁75年データで独自集計

気象

「日本でいちばん台風が多い都道府県はどこ?」——台風シーズンになると必ず話題になるこの疑問。鹿児島?沖縄?それとも意外なあの県?

今回は気象庁の75年分(1951〜2025年)の台風データから、台風の上陸数を47都道府県と、市町村(上陸地点)単位の両方でランキングにしました。

比較しやすいように偏差値つきにしています。

結果は「鹿児島の偏差値がまさかの95.1」「台風銀座のはずの沖縄が上陸ゼロ」「岬の街が上位を独占」など、意外な発見だらけでしたよ。

どこが一番台風が多くて、あなたの街は何位なのか、みていきましょう。

のぶやん
のぶやん

「沖縄に台風は上陸しない」って統計上ホントなんです。理由は記事の中で解説しますよ。

台風の「上陸」「接近」「通過」の違い(気象庁の定義)

ランキングを見る前に、1つだけ大事な前提があります。気象庁は台風のカウント方法を3つに分けています。

用語定義
上陸台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸線に達した場合
接近台風の中心が気象官署等から300km以内に入った場合
通過小さい島や半島を横切って短時間で再び海に出た場合(上陸には数えない)
気象庁による台風の定義

ポイントは「上陸」の対象が北海道・本州・四国・九州の4島に限られること。つまり沖縄県には定義上、台風が「上陸」できません。毎年あれだけ台風が来る沖縄が上陸数ランキングでゼロなのは、このカラクリのせいなんです。

沖縄の本当の台風リスクは、記事の後半「接近数ランキング」でしっかり確認できますよ。

台風の上陸数が多い都道府県ランキング【偏差値つき・全47位】

まずは結論から。下のランキングツールで、75年間の上陸数を47都道府県すべて順位つきで表示しています。ボタンひとつで「再上陸」「合計」「接近数」にも切り替えられますよ。

指標:
少ない多い
📊 ここにランキングツールが表示されます。編集画面ではスクリプトが動かない仕様のため、「プレビュー」→「新しいタブでプレビュー」または公開ページでご確認ください。

1位は鹿児島県の45回。2位の高知県に19回もの大差をつけた、文句なしの日本一です。偏差値にすると95.1という、テストなら全国トップどころではない異常値になりました。

なぜ鹿児島がここまで圧勝するのか

  • 台風は南からやってくる:台風の多くはフィリピン東方の海で生まれ、太平洋高気圧のふちに沿って南西から北東へカーブしながら日本に近づきます。
  • 鹿児島は本土の最南端:北上してくる台風が最初にぶつかる「日本の玄関口」です。
  • 南向きに半島が2本:薩摩半島と大隅半島が南に突き出ていて、台風を受け止める間口が広いんです。

2位以下も高知(26回)、和歌山(25回)、静岡(22回)と、太平洋に向かって海岸線が開けた県が並びます。つまり上陸数ランキングは、ほぼ「南に突き出た地形の順番」なんですね。

「上陸ゼロ」が23都府県もある理由

ツールを下までスクロールすると、上陸が1回もない都府県が23もあることがわかります。東京都・大阪府・埼玉県・長野県・岡山県・沖縄県……そうそうたる顔ぶれです。

理由は3パターン。内陸県(埼玉・長野・岐阜など)はそもそも海岸線がないので定義上ゼロ。大阪・岡山・香川などの瀬戸内側は、紀伊半島や四国が「天然の防波堤」になって初回上陸を受け止めてくれるから。そして日本海側の多くの県は、台風が列島を縦断した後の「2度目の上陸=再上陸」側になるからです。

「再上陸」に切り替えると台風の通り道が見える

ツールの「再上陸数」ボタンを押してみてください。順位がガラッと変わって、1位は北海道の20回になります。本州以南に上陸した台風が日本列島を縦断して、津軽海峡を越えて最後にたどり着く「終着駅」だからです。

兵庫17回・岡山12回は四国に上陸した台風が瀬戸内海を渡ってくるルート、山口15回は九州西部から関門海峡方面へ抜けるルート。再上陸ランキングは、そのまま「台風の代表的なコース図」になっているんです。

自分の県が「初回上陸型」なのか「再上陸型」なのかを知っておくと、警戒すべきタイミングがわかりますよ。

台風の上陸数が多い市町村ランキング(上陸地点別・全地点表示)

ここからは、他のサイトではほとんど見られない市町村単位のランキングです。

気象庁資料等に基づく上陸地点データ(「〇〇市付近に上陸」という記録)を、75年分すべて市町村単位で集計しました。

※上陸地点の約3割は「大隅半島」「伊豆半島」のように市町村を特定できないため集計対象外です。気象庁の公式統計ではなく参考値としてご覧ください。

旧市町村名は現在の名前に直しています。

集計:
少ない多い
📊 ここにランキングツールが表示されます。編集画面ではスクリプトが動かない仕様のため、「プレビュー」→「新しいタブでプレビュー」または公開ページでご確認ください。

1位は高知県室戸市(室戸岬)の10回。2位に和歌山県串本町(潮岬)と長崎市の9回が続きます。

顔ぶれを見てください。室戸岬・潮岬・御前崎・足摺岬・都井岬・佐多岬——日本地図で南にツンと突き出た「岬の街」がずらりと並んでいます。

これは偶然ではありません。「上陸」は台風の中心が最初に海岸線に達した地点でカウントされるので、南に突き出た岬は幾何学的に「当たりやすい」んです。ダーツの的で言えば、岬は的の手前に飛び出た部分。室戸台風(1934年)や伊勢湾台風(1959年・潮岬付近上陸)など、歴史に残る台風の記録にもこの地名が繰り返し登場します。

のぶやん
のぶやん

室戸岬と潮岬は戦前から台風観測の最前線。「台風がまず室戸に来る」のは気象予報士の常識なんですよ。

ツールを「上陸+再上陸」に切り替えると、瀬戸内側の明石市・倉敷市(各7回)が一気に浮上します。四国に上陸した台風が瀬戸内海を渡って2度目の上陸をする「定番コース」上にあるからです。北海道のえりも町(襟裳岬)・釧路市・函館市は、列島縦断コースの終着点として存在感を示しています。

また、2021年の宮城県石巻市、2024年の岩手県大船渡市、2025年の北海道えりも町など、近年は「台風が来ないはず」だった北日本の街が続々とランクインしているのも見逃せません(詳しくは考察で)。

台風の「接近数」は別記事で徹底解説

「上陸しなくても台風は来る」——お住まいの街に年何個の台風が接近するのかは、地方別・市町村別に75年分を集計した別記事で詳しく解説しています。接近数ランキング・年代別の変化・市町村ごとの独自集計ツールはこちらをどうぞ。

👉 台風の接近数ランキング【75年分・年代別】あなたの市町村には年何個来る?気象庁データで独自集計

台風が多かった年・少なかった年(75年間の記録)

年による当たり外れも激しいのが台風。75年間の記録を見てみましょう。

記録上陸数
最多1位2004年10個
最多2位1990年・1993年・2016年6個
最多5位1954年・1962年・1965年・1966年・1989年・2018年・2019年5個
上陸ゼロ1984年・1986年・2000年・2008年・2020年0個
上陸数が多かった年・少なかった年(1951〜2025年)
記録接近数
最多1位1960年・1966年・2004年19個
最多4位2012年17個
最少1位1973年4個
最少2位1995年5個
接近数が多かった年・少なかった年(1951〜2025年)

平年値は上陸3.0個・接近11.7個ですが、2004年のように10個上陸する年もあれば、ゼロの年も5回ありました。「去年来なかったから今年も来ない」はまったく通用しないのが台風なんです。

考察:ランキングからわかった4つのこと

① 台風ランキングは「地形の順番」だった

都道府県1位の鹿児島、市町村1位の室戸岬。共通点は「南に突き出た地形」です。台風は南から北上してくるので、突き出た場所が最初に中心を受け止める——これは偶然ではなく地理的な必然です。つまり来年も再来年も、上陸の最前線は同じ場所。該当地域の方は「うちは台風の通り道」という前提で毎年備えるのが正解です。

② 「上陸ゼロ」の23都府県、実は安全ではない

2019年の台風19号(令和元年東日本台風)を思い出してください。上陸地点は静岡県の伊豆半島でしたが、甚大な被害が出たのは長野県の千曲川流域や福島県の阿武隈川流域——どちらも「上陸したことがない」内陸県でした。台風の雨雲と暴風は中心から数百km先まで届きます。見るべきは上陸数より接近数、そして何より自分の街のハザードマップです。

③ 再上陸データは「警戒タイミングの教科書」

再上陸ランキング(北海道20回・兵庫17回・山口15回・岡山12回)は、台風の定番コースを裏側から教えてくれます。たとえば岡山にお住まいなら「台風が高知に上陸したら、数時間後はうちの番」。北海道なら「本州上陸の翌日が本番」。自分の街の”前の駅”がどこかを知っておくと、避難や備えの準備時間を逆算できます

④ 台風は「数」より「強さと北上」の時代へ

75年間の上陸数そのものに、増え続けるようなトレンドはありません。ただし中身は変わってきています。2016年に岩手県へ統計開始以来初の直接上陸、2024年に再び大船渡市付近へ上陸、2025年には9年ぶりの北海道上陸。海面水温の上昇で、台風が勢力を保ったまま北まで到達しやすくなっている可能性が研究でも指摘されています。「台風慣れ」していない北日本ほど、これからの備えが重要になりますよ。

よくある質問

Q. 台風の上陸数が日本一多い都道府県は?

鹿児島県で45回です(1951〜2025年・気象庁統計)。2位は高知県26回、3位は和歌山県25回です。

Q. 市町村別で一番多いのは?

高知県室戸市(室戸岬)の10回が最多です。次いで和歌山県串本町(潮岬)と長崎市の9回です(上陸地点の集計による参考値)。

Q. 沖縄に台風は上陸しないの?

気象庁の定義で「上陸」は北海道・本州・四国・九州の海岸線に達した場合のみを指すため、沖縄県への上陸は統計上ゼロです。ただし接近数は沖縄地方が年7.7個で全国最多です。

Q. 台風がいちばん多い時期はいつ?

上陸は7〜9月に集中し、ピークは8月(平年0.9個)と9月(平年1.0個)。接近は8月・9月が各3.3個で最多です。

まとめ:台風ランキングの結論

まとめ
  • 都道府県1位は鹿児島県の45回(偏差値95.1)。2位高知・3位和歌山と「南に突き出た県」が上位を独占
  • 市町村1位は室戸市(室戸岬)の10回。潮岬・御前崎など「岬の街」が幾何学的に当たりやすい
  • 接近数では沖縄が年7.7個で全国1位。上陸ゼロでも本土はどこでも年3個前後の台風が接近
  • 再上陸ランキングは台風の通り道そのもの。自分の街の「前の駅」を知れば備えの時間を逆算できる
  • 近年は岩手・北海道など北日本への上陸が増加傾向。台風慣れしていない地域ほど早めの備えを

台風は毎年必ずやってくる災害です。

この記事で自分の街の位置づけがわかったら、ぜひハザードマップの確認と備蓄のチェックまでセットでどうぞ。

台風シーズン前の10分が、いざという時のあなたと家族を守ってくれますよ。

出典・参考資料

統計期間:1951年〜2025年(2026年は7月時点で上陸なし・接近3個〔速報値〕)。市町村別集計は上陸地点記録に基づく独自集計です。

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