【上陸時の中心気圧が低い台風ランキングTOP100】歴代最強の日本上陸台風を気象庁データで調査

気象

日本に上陸した台風を、「上陸時(直前)の中心気圧」が低い順にランキングしました。中心気圧は台風の勢力を示す最も基本的な指標で、数値が低いほど強い台風です。本記事では、気象庁の公式統計(1951年〜)と国立情報学研究所「デジタル台風」の台風上陸データベースをもとに、上陸時の気圧が低かった台風トップ100(同順位を含め計110台風)を、順位・台風番号・上陸時気圧・上陸日時・上陸場所まで一覧にまとめています。月別・年代別に絞り込める検索ツールも用意しました。

のぶやん
のぶやん

僕の簡単なプロフィールです。

  • 気象予報士
  • 家族だんらんが好き

【結論】統計開始(1951年)以降で上陸時の中心気圧が最も低い台風トップ5

  1. 第二室戸台風(1961年台風第18号)/925hPa … 高知県室戸岬の西に上陸
  2. 伊勢湾台風(1959年台風第15号)/929hPa … 和歌山県潮岬の西に上陸
  3. 1993年(平成5年)台風第13号/930hPa … 鹿児島県薩摩半島南部に上陸
  4. ルース台風(1951年台風第15号)/935hPa … 鹿児島県串木野市付近に上陸
  5. 940hPaで6台風が同順位(5位) … 2022年台風14号、1991年台風19号(りんご台風)ほか

さらに古い記録として、統計開始前の室戸台風(1934年)911.6hPa枕崎台風(1945年)916.1hPaが、気象庁の参考記録として残っています(記事後半で解説)。

上陸時の中心気圧が低い台風ランキング検索ツール(TOP100)

下の表は、日本に上陸した台風を上陸時の中心気圧が低い順に並べたものです。「上陸した月」「年代」「データ区分」での絞り込みや、都道府県・地点・台風番号でのキーワード検索ができます。見出しをタップ/クリックすると順位・気圧・上陸日時などで並べ替えも可能です。スマートフォンでは表を横にスクロールできます。

順位 台風番号 上陸時気圧(hPa) 上陸日時 上陸場所

※列の見出し(順位・台風番号・気圧・上陸日時)をタップ/クリックすると並べ替えできます。*付きは注記のある台風です。台風番号は「西暦下2桁+発生順の号数」(例:195915=1959年台風第15号=伊勢湾台風)。

注意:気象庁の公式ランキングは統計開始(1951年)以降が対象で、上位10位は最新の再解析にもとづく確定値です。11位以下は「デジタル台風」データベースの当時の解析値を用いているため、古い一部の台風では気象庁の最新の再解析値と数値が異なる場合があります(該当台風には「*」の注記)。たとえば1953年台風第13号は当時の資料で930hPaと記録されていますが、これは志摩半島沖の通過時の値で、気象庁の公式ランキング(上陸時940hPa以下の10台風)には含まれていません。また台風番号5405(1954年台風第5号)は、気象庁が2025年4月に上陸時気圧を940→950hPaへ訂正し、公式順位表から削除しています。100位付近は970hPaに同順位が集中するため、970hPa以下の台風をすべて収録し計110台風を掲載しています。

ランキング上位の台風をくわしく解説

1位:第二室戸台風(1961年台風第18号)/上陸時 925hPa

1961年9月16日9時過ぎ、高知県室戸岬の西に925hPaで上陸。統計を開始した1951年以降で上陸時の中心気圧が最も低い台風です。近畿地方を中心に高潮・暴風の被害が広がり、大阪湾岸の高潮対策が本格化する大きな契機となりました。

2位:伊勢湾台風(1959年台風第15号)/上陸時 929hPa

1959年9月26日、和歌山県潮岬の西に929hPaで上陸。名古屋を中心とする伊勢湾沿岸を高潮が襲い、死者・行方不明者は5,000人を超え、戦後最悪の風水害となりました。この災害を教訓に災害対策基本法が制定されるなど、日本の防災行政の原点ともいえる台風です。

3位:1993年(平成5年)台風第13号/上陸時 930hPa

1993年9月3日、鹿児島県薩摩半島南部に930hPaで上陸。九州南部を中心に暴風・高潮・大雨による大きな被害をもたらしました。平成に入ってから上陸した台風としては、最も気圧が低いものの一つです。

4位:ルース台風(1951年台風第15号)/上陸時 935hPa

1951年10月14日、鹿児島県串木野市付近に935hPaで上陸。九州から西日本・日本海側を縦断し、900人以上の死者・行方不明者を出しました。

5位:940hPaで並ぶ6つの台風

気象庁の公式ランキングでは、上陸時940hPaで6つの台風が同順位(5位)に並びます。新しい順に、2022年台風第14号(ナンマドル)1991年台風第19号(りんご台風)、1971年台風第23号、1965年台風第23号、1964年台風第20号、1955年台風第22号です。りんご台風は長崎県佐世保市の南に上陸後、青森県のりんごに大きな被害を与えたことでその名が付きました。

参考:統計開始(1951年)より前の“歴代最強”記録

気象庁の公式統計は1951年からですが、それ以前にはさらに気圧が低い観測記録があります。気象庁も次の2つを参考記録として挙げています。

  • 室戸台風(1934年9月21日)… 911.6hPa(室戸岬での観測値)— 日本の上陸台風で観測された史上最も低い気圧
  • 枕崎台風(1945年9月17日)… 916.1hPa(枕崎での観測値)

これらは統計開始前のため、上のランキング表(1951年〜)には含めていません。

ランキングからわかること(考察)

強い台風の上陸は「9月」に集中している

今回の上位110台風を上陸した月で分けると、次のように9月が突出して多く、次いで8月が多くなります。8〜9月の2か月で全体の約7割を占めます。

上陸した月台風数(上位110台風中)
6月3
7月12
8月35
9月46
10月13
11月1
上陸時の中心気圧が低い上位110台風の月別内訳

これは、夏の終わりから初秋にかけて日本近海の海面水温が最も高くなり、台風が勢力を保ったまま北上・上陸しやすいためです。さらに9月は上空の偏西風が台風を本州付近へ導きやすく、勢力の強い台風が到達する条件が整います。実際、上位(940hPa以下)の台風はほとんどが8〜9月の上陸です。

上陸地点は「九州・四国・紀伊半島」に偏る

ランキング上位の上陸場所を見ると、鹿児島県・高知県・和歌山県など、太平洋に面した西日本〜南日本の地点が目立ちます。南の海上で発達した台風が、暖かい海水温のまま最短距離で最初に到達するのがこれらの地域だからです。北日本での上陸は数が少なく、上陸時の気圧も相対的に高めになる傾向があります。

年代による大きな偏りは小さい

年代別の内訳は1950年代17件、1960年代15件、1970年代13件、1980年代11件、1990年代15件、2000年代17件、2010年代20件、2020年代2件となっており、どの年代にも強い上陸台風が一定数存在します。1950年代は伊勢湾台風・ルース台風など歴史的な台風を含みます。中心気圧の観測・解析の精度は年代とともに向上しているため、古い台風どうし・新しい台風どうしの比較のほうがより確かである点には留意が必要です。

「上陸時の気圧が低い=被害が大きい」とは限らない

中心気圧は台風の強さの目安ですが、実際の被害は高潮・大雨・暴風・進路・上陸地点の人口や地形など多くの要因で決まります。気圧がそれほど低くなくても、大雨による洪水・土砂災害で甚大な被害となった台風は数多くあります。ランキングはあくまで「上陸時の勢力の強さ」を示す一つの指標として活用してください。

まとめ

まとめ
  • 日本に上陸した台風を上陸時の中心気圧でランキングすると、1位は第二室戸台風(925hPa)、2位伊勢湾台風(929hPa)、3位1993年台風13号(930hPa)と続く
  • 統計開始前まで含めれば室戸台風(911.6hPa)が史上最強クラス
  • 強い台風の上陸は9月・西日本に集中しており、防災を考えるうえでも重要なポイント
  • 上の検索ツールで、気になる年代・月・地域の台風をぜひ調べてみてください。

データの出典・作成方法・注意事項

本ランキングは、公的機関が公開するデータのみを用いて作成しています。

注意:気象庁の公式ランキングは統計開始(1951年)以降が対象で、上位10位は最新の再解析にもとづく確定値です。11位以下は「デジタル台風」データベースの当時の解析値を用いているため、古い一部の台風では気象庁の最新の再解析値と数値が異なる場合があります(該当台風には「*」の注記)。たとえば1953年台風第13号は当時の資料で930hPaと記録されていますが、これは志摩半島沖の通過時の値で、気象庁の公式ランキング(上陸時940hPa以下の10台風)には含まれていません。また台風番号5405(1954年台風第5号)は、気象庁が2025年4月に上陸時気圧を940→950hPaへ訂正し、公式順位表から削除しています。100位付近は970hPaに同順位が集中するため、970hPa以下の台風をすべて収録し計110台風を掲載しています。

最終データ確認日:2026年7月(気象庁統計期間:2026年台風第4号まで/デジタル台風:2025年分まで)。

タイトルとURLをコピーしました