日向灘で地震が多いのはなぜ?10月25日M5.3震度3|2024年8月以降に増えた?約54年分のデータと南海トラフ臨時情報の条件

気象

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こんにちは!気象予報士ののぶやんです。

10月25日(日)8時59分ごろ、日向灘を震源とするマグニチュード(M)5.3の地震がありました。気象庁によると震源の深さは速報で「ごく浅い」。最大震度は震度3で、宮崎市・都城市・日南市など宮崎県の10市町に加え、鹿児島県の鹿屋市・霧島市・姶良市、熊本県の天草市・氷川町でも震度3を観測しました。「この地震による津波の心配はありません」と発表されています。

日向灘といえば、2024年8月8日のM7.1で初めて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が出た場所です。2025年1月13日にもM6.9があり、「日向灘の地震、最近多くない?」「南海トラフと関係あるの?」と気になった方も多いと思います。同じ日の11時09分ごろには小笠原諸島西方沖でM7.0の深い地震もあり、不安が重なった一日でした。

この記事では、約54年分(1973年〜)の地震カタログ(USGS)と気象庁のデータを使って、「なぜ日向灘は地震が多いのか」「2024年8月以降、本当に増えたのか」「どんなときに南海トラフ地震臨時情報が出るのか」を数字で確かめます。規模や期間を変えて自分で確かめられるツールと、気象庁の最新情報から日向灘の地震を拾う「次の地震は?」コーナーも作りました。

この記事の結論(30秒で読める版)
  • 津波なし・南海トラフ地震臨時情報の対象外。10月25日8時59分ごろの日向灘の地震はM5.3(深さはごく浅い、速報値)、最大震度3。臨時情報の調査の目安(M6.8以上)より小さく、臨時情報は出ていません(10月25日夕方の時点)
  • 日向灘で地震が多いのは、フィリピン海プレートが九州の下に沈み込むプレート境界だから。日向灘は南海トラフ地震の想定震源域の西の端にあたります
  • 1973年以降、日向灘周辺のM5.0以上は99回(1年あたり約1.8回)、M6.0以上は12回(約4.5年に1回)。M6.5以上は6回(USGS)
  • 2024年8月8日(M7.1)以降のM5.0以上は11回で、それ以前の年平均の約2.9倍。ただし11回中5回はM7.1・M6.9の直後30日間(余震の多い期間、本震を含む)で、これを除くと約1.7倍。2024年・2025年の各5回は、1996年(7回)・2019年(6回)に次ぐ多さです
  • データからは「大地震が近い」とは言えません。一方で、南海トラフ地震は平常時でも切迫性が高いとされていることは変わりません。ツールで回数を確かめつつ、家具の固定や避難先の確認を

▶ 日向灘の地震は増えた? 規模と期間を変えて確かめるツールへ

日向灘の地震は増えた? 約54年分の回数ツール+「次の地震は?」

①で規模(M4.5/5.0/5.5/6.0以上)と期間(何年から数えるか)を選ぶと、日向灘周辺の地震の年別回数をグラフと一覧で表示し、2024年8月8日のM7.1以降の回数が、それ以前の年平均の何倍かを自動で計算します。M7.1とM6.9の直後30日間(余震が特に多い期間)を除いた倍率も出るので、「余震を除いても増えているのか」も確かめられます。②は気象庁の最新の地震情報から震央地名が「日向灘」の地震を拾うので、次に日向灘で地震があったときにもそのまま使えます。選んだ条件は次に開いたときも覚えています。

① 日向灘周辺の地震は増えた? 1973年からの年別回数
■ 2023年まで ■ 2024年以降(2024年8月8日のM7.1を含む) ┅ 2024年8月7日までの年平均
② 次の地震は? 気象庁の最新情報から「日向灘」の地震を表示(開くたびに最新を表示)
気象庁の地震情報を読み込み中…
※①はUSGS(米国地質調査所)の地震カタログ(1973年1月1日〜2026年10月25日、北緯30.8〜33.2度・東経131.2〜133.0度、M4.5以上)を当サイトで集計。日向灘のほか、豊後水道・大隅半島東方沖・種子島近海の一部や大分県・宮崎県の内陸の地震も含みます。マグニチュードはUSGSの値で、気象庁の値とは異なることがあります(今回の地震はどちらもM5.3)。古い年ほど小さな地震の記録が少ない傾向があるため、M4.5以上よりM5.0以上での比較をおすすめします。「余震の多い期間を除く」は、2024年8月8日(M7.1)と2025年1月13日(M6.9、USGS M6.8)の地震の直後30日間を除いた値です。②は気象庁の地震情報一覧(約1か月分)から震央地名に「日向灘」を含むものを新しい順に最大8件表示します。

10月25日の日向灘の地震:何が起きた?

項目内容
発生時刻2026年10月25日(日)8時59分ごろ
震源日向灘(北緯31.8度、東経131.9度)
深さごく浅い(速報値)
規模M5.3(気象庁)/USGSもM5.3
最大震度震度3(熊本県熊本・天草・芦北、宮崎県北部平野部・南部平野部・南部山沿い、鹿児島県薩摩・大隅)
震度3の市町15市町(宮崎市・都城市・日南市・小林市・串間市・西都市・高鍋町・高原町・国富町・綾町・鹿屋市・霧島市・姶良市・天草市・氷川町)
震度1以上11県(宮崎・熊本・鹿児島・大分・福岡・長崎・佐賀・山口・広島・愛媛・高知)、252地点
津波この地震による津波の心配はありません
南海トラフ地震臨時情報対象外(発表なし、10月25日夕方の時点)
表1 10月25日8時59分ごろの日向灘の地震の概要
気象庁「震源・震度情報」(2026年10月25日9時04分発表)より。速報値のため、あとで修正されることがあります。

震央は宮崎市の東の沖で、宮崎市の観測点から約50km東の海の下です。震度3を観測した地点は26地点で、宮崎市霧島(震央から約49km)、日南市油津(約52km)、都城市(約71〜81km)など、震央に近い宮崎県南部に集中しました。震度1以上は252地点で、震度2が128地点、震度1が98地点。一番遠いのは広島県呉市安浦町(約287km、震度1)でした。

東経130度東経131度東経132度東経133度北緯31度北緯32度北緯33度2024年8月 M7.12025年1月 M6.9今回の震央 M5.3宮崎市日南市都城市延岡市日向市大分市熊本市鹿児島市天草市八代市人吉市鹿屋市久留米市宇和島市宿毛市(日向灘)太平洋震度3(26地点)震度2(128地点)震度1(98地点)今回の震央過去の大きな地震の震央(USGSの位置)地図外:甑島・姫島・山口県柳井市(2地点)・広島県呉市(計5地点、いずれも震度1)
図1 10月25日8時59分ごろの日向灘の地震の観測点ごとの震度(252地点)
気象庁「震源・震度情報」(2026年10月25日9時04分発表)の観測点の緯度経度をもとに当サイトで作図。海岸線は描いていません(点の並びがおおよその陸地の形です)。252地点のうち5地点は地図の範囲外。

図1を見ると、少し不思議な点があります。震央から約75kmの日向市では震度1だったのに、約145km離れた熊本県氷川町や約179km離れた天草市五和町では震度3でした。震度は震源からの距離だけでなく、観測点の地盤(やわらかい堆積層の上では揺れが大きくなりやすい)や、地震波の伝わり方によっても変わります。「遠いのに揺れた」こと自体は珍しくありませんが、熊本県の方はふだんの揺れやすさも知っておくと安心です。

熊本県内で起きている地震については、熊本で地震が続くのはなぜ?や天草・芦北地方で地震が多いのはなぜ?で詳しくまとめています。今回の震度3は日向灘の地震によるもので、熊本県内の地震活動とは震源が別です。地域ごとの過去の地震の傾向は宮崎県の地震情報・鹿児島県の地震情報・熊本県の地震情報でも確認できます。

なぜ日向灘は地震が多い? プレート境界と南海トラフの西の端

日向灘は、宮崎県の東の沖に広がる海域です。この下では、南の海からやってくるフィリピン海プレートが、九州をのせた陸のプレート(ユーラシアプレート側)の下へ、北西の方向に沈み込んでいます。沈み込むプレートに引きずられて陸側にひずみがたまり、それがプレート境界で一気にずれ動くと地震になります。これが日向灘で地震が多い一番の理由です。

A 上から見た位置関係(模式図) 九州 四国 本州 南海トラフ地震の想定震源域 南海トラフ(海溝) 日向灘=想定震源域の西の端 フィリピン海プレートが北西へ沈み込む 東海紀伊半島 B 九州南部の東西断面(模式図・深さは強調) 西(熊本・鹿児島)東(日向灘) 陸(宮崎平野は右端) 海(日向灘) 陸のプレート(ユーラシアプレート側) フィリピン海プレート プレート境界 2024年8月8日 M7.1(深さ31km) プレート境界付近の地震 今回 M5.3(速報で「ごく浅い」)
図2 日向灘で地震が多い仕組み(模式図)。沈み込むフィリピン海プレートに引きずられて陸側にひずみがたまり、プレート境界がずれ動くと地震になります
位置や形は実際の縮尺ではなく、関係をわかりやすくした模式図です。想定震源域の範囲は概略。今回の地震の深さは気象庁の速報値(ごく浅い)で、詳しい深さや仕組みは今後の解析で変わることがあります。

この沈み込みは、東は駿河湾から西は日向灘まで続く南海トラフに沿って起きています。国が想定している南海トラフ地震の震源域は、日向灘がその西の端です(図2のA)。つまり日向灘の地震は、南海トラフと「同じしくみ」の中で起きているということになります。だからこそ、日向灘で大きな地震があると南海トラフ地震臨時情報の対象になり得るわけです。

データでも、プレート境界の地震らしさが見えます。1973年以降の日向灘周辺のM4.5以上297回の震源の深さは、中央値が約37kmで、73%が深さ20〜50kmに集まっています。2024年8月8日のM7.1も深さ31km(気象庁)でした。今回の地震は速報で「ごく浅い」とされ、USGSの深さ10kmは深さが決まりにくいときの既定値なので、正確な深さや仕組みは今後の解析を待つ必要があります。

地震の大きさの感覚をつかむには、M9.9はどのくらい?エネルギー計算ツールが便利です。Mが1大きいとエネルギーは約32倍、Mが2大きいと1000倍。今回のM5.3と2024年8月のM7.1では、エネルギーにして約500倍の差があります。

データで検証:2024年8月以降、日向灘の地震は増えた?

「2024年8月の地震から、日向灘の地震が増えている気がする」――これはデータで確かめられます。USGSのカタログ(北緯30.8〜33.2度・東経131.2〜133.0度)で、2024年8月8日のM7.1の前と後の回数を、1年あたりに直して比べたのが表2です。

規模(USGS)1973年1月〜2024年8月7日2024年8月8日〜2026年10月25日(本震2回を含む)増え方余震の多い期間を除くと
M4.5以上256回(年4.96回)41回(年18.5回)約3.7倍28回・約2.8倍
M5.0以上88回(年1.71回)11回(年5.0回)約2.9倍6回・約1.7倍
M5.5以上33回(年0.64回)5回(年2.3回)約3.5倍3回・約2.3倍
M6.0以上9回(年0.17回)3回(年1.4回)約7.8倍1回・約2.8倍
表2 日向灘周辺の地震の回数:2024年8月8日の前と後(USGS、北緯30.8〜33.2度・東経131.2〜133.0度)
「前」は約51.6年、「後」は約2.2年で、回数には本震2回(2024年8月8日のM7.1、2025年1月13日のM6.9)を含みます。「余震の多い期間を除くと」は、2024年8月8日(M7.1)と2025年1月13日(M6.9、USGS M6.8)の直後30日間(計60日、本震を含む)を除いて1年あたりに直した値。当サイト集計。

M5.0以上で見ると、2024年8月7日までの約51.6年間は1年あたり1.71回だったのに対し、2024年8月8日以降の約2.2年間は11回(1年あたり5.0回)。単純に比べると約2.9倍です。

ただし、この中には余震が多く含まれています。大きな地震のあとには、その周りで地震が続くのがふつうです。2024年8月8日からの30日間にM4.5以上は8回、2025年1月13日からの30日間には5回ありました(いずれも本震を含む)。この2回の大きな地震の直後30日間を除くと、M5.0以上は6回・約1.7倍に下がります。M4.5以上でも約3.7倍→約2.8倍です。

もうひとつ注意したいのが、カタログの古い時代ほど小さな地震の記録が少ないことです。M4.5以上の回数を10年ごとに見ると、1970年代(1973〜79年)は22回、2010年代は72回。比べる基準を2010年以降にすると、M4.5以上の増え方は約2.6倍(余震期間を除くと約1.9倍)になります。M5.0以上のほうが記録の欠けが少ないので、この記事では主にM5.0以上で比べています。

年M5.0以上の回数その年のおもな地震(USGS)
1996年7回10月19日 M6.7、12月3日 M6.7
2019年6回5月10日 M6.2
2024年5回8月8日 M7.1(南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」)
2025年5回1月13日 M6.9(USGS M6.8)、4月2日 M6.1
1974年4回—
1980年4回—
1982年4回—
1984年4回8月7日 M6.9
2000年4回6月25日 M6.0
2022年4回1月22日 M6.3
表3 M5.0以上が4回以上あった年(1973年〜2026年10月25日、USGS)
2026年は10月25日までに3回。マグニチュードはUSGSの値(2025年1月13日の地震は気象庁M6.9、USGS M6.8)。

年ごとに見ると、M5.0以上が2024年・2025年に各5回あったのは、1996年(7回)・2019年(6回)に次ぐ多さです。つまり「2024年以降は活発」なのは確かですが、過去にも同じくらい活発な年はありました。2026年は10月25日までに3回で、2024年・2025年よりは少なくなっています。

直近1年(2025年10月25日〜)のM5.0以上は3回。2024年8月7日までの平均(1年あたり1.71回)がそのまま続いていたとしても、1年に3回以上起きる確率は約24%あります(ポアソン分布で計算)。4年に1回くらいは偶然でも起きる回数なので、今回のM5.3だけで「活動がさらに活発になった」とは言えません。余震の多い期間を除いた約2.05年で6回という回数も、以前の平均(1年あたり1.71回)のままで6回以上起きる確率は約14%あり、偶然の範囲ともいえます。

そして大切なのは、地震が増えた・減ったという統計から「巨大地震が近い」とは判断できないことです。巨大地震の前に地震が増えた例も、増えたまま何も起きなかった例もあり、今の科学では地震の回数から発生の時期は予測できません。今後30年の発生確率の読み方は「30年以内の発生確率」はどのくらい?、全国的な地震の増減は最近地震が多いのはなぜ?2026年で解説しています。

南海トラフ地震臨時情報はどんなときに出る? 今回が対象外の理由

南海トラフ地震臨時情報は、南海トラフ沿いで「いつもと違う現象」が起きたときに気象庁が出す情報です。きっかけになる地震の目安は、想定震源域またはその周辺でM6.8以上。このとき、まず「臨時情報(調査中)」が出て、専門家の評価検討会が調べます。

発表される情報おもな条件(概要)日向灘の例
南海トラフ地震臨時情報(調査中)想定震源域またはその周辺でM6.8以上の地震などが起きたとき2024年8月8日 M7.1、2025年1月13日 M6.9
臨時情報(巨大地震警戒)想定震源域内のプレート境界でMw8.0以上の地震なし
臨時情報(巨大地震注意)Mw7.0以上8.0未満の地震など2024年8月8日(Mw7.0)→ 同日19時15分に初めて発表
臨時情報(調査終了)どの条件にも当てはまらなかったとき2025年1月13日(Mw6.7で「モーメントマグニチュード7.0に満たない」)
発表なしM6.8未満の地震(ほかに異常な現象がない場合)2026年10月25日 M5.3(今回)
表4 南海トラフ地震臨時情報の条件と日向灘の地震
気象庁の資料をもとに当サイトで要約。実際の判定は気象庁と評価検討会が行います。

結果、想定震源域内のプレート境界でMw(モーメントマグニチュード)8.0以上なら「巨大地震警戒」、Mw7.0以上8.0未満などなら「巨大地震注意」、どれにも当てはまらなければ「調査終了」となります。日向灘は想定震源域の西の端に含まれるので、ここでM6.8以上が起きれば調査の対象です。

実際に日向灘では、2024年8月8日のM7.1(Mw7.0)で同日19時15分に初めての「巨大地震注意」が出ました。一方、2025年1月13日のM6.9は調査の対象になりましたが、Mw6.7で「モーメントマグニチュード7.0に満たない」ため、同じ日のうちに「調査終了」となっています。同じ日向灘のM7前後でも、Mwの値で結果が分かれたわけです。

今回のM5.3は目安のM6.8よりずっと小さく、臨時情報の対象外です(10月25日夕方の時点で発表なし)。Mが1.5違うとエネルギーは約180倍違うので、「同じ日向灘だから」と同列に考える必要はありません。

また、同じ25日の11時09分ごろには小笠原諸島西方沖でM7.0・深さ約470kmの深発地震(最大震度3)がありました。2つの震央は約879km離れていて、一方は九州の沖の浅いところ、もう一方は太平洋プレートの深いところで起きた地震です。仕組みが違い、片方がもう片方を起こしたと考える根拠はありません。小笠原の地震については小笠原諸島西方沖の深発地震と異常震域で詳しくまとめています。

いまの地震活動をサイト内ツールで確かめる

日向灘だけでなく、いま日本のどこで地震が起きているかは、気象庁の最新の地震情報をまとめた下の一覧で確認できます。

都道府県ごとの地震の多さ(震度1以上の回数など)は、下のツールで全国と比べられます。宮崎県を初期表示にしています。

宮崎県内の過去の地震は宮崎県の地震情報、お隣の大分県は大分県の地震情報、全国の地域別の地震は地域別の地震情報、過去の大きな地震は地震データベースから調べられます。

実例:日向灘のこれまでの大きな地震

USGSのカタログより前では、1968年4月1日に日向灘地震(M7.5)が起き、津波を伴いました(地震調査研究推進本部「日向灘」(海溝型地震の解説))。1973年以降、日向灘周辺のM6.0以上(USGS)は表5の12回です。平均すると約4.5年に1回ですが、間隔はばらばらで、1996年には10月と12月にM6.7が2回、2024年8月〜2025年4月には約8か月の間に3回ありました。

発生日(日本時間)M(USGS)深さ位置(USGSの表示)
2025年4月2日6.129km西之表(種子島)の東北東56km
2025年1月13日6.839km宮崎の南東15km
2024年8月8日7.124km日向灘(宮崎の南東)
2022年1月22日6.339km佐伯の南南東27km
2019年5月10日6.222km宮崎の東南東43km
2000年6月25日6.010km串間の南33km
1998年12月16日6.042km串間の南22km
1996年12月3日6.749km宮崎の南西17km
1996年10月19日6.722km宮崎の南東5km
1987年3月18日6.754km高鍋の東南東33km
1984年8月7日6.946km延岡の南東34km
1975年4月21日6.17km玖珠町塚脇の南東16km
表5 日向灘周辺のM6.0以上の地震(1973年〜2026年10月25日、USGS、新しい順)
気象庁のマグニチュードとは値が異なることがあります(2024年8月8日は気象庁M7.1・Mw7.0、2025年1月13日は気象庁M6.9・Mw6.7)。1975年4月21日は大分県の内陸、2025年4月2日は種子島の北東沖で、厳密には日向灘ではありません。

2024年8月8日 M7.1:初めての「巨大地震注意」

2024年8月8日16時42分、日向灘の深さ31kmでM7.1(Mw7.0)の地震があり、宮崎県日南市で震度6弱を観測しました。想定震源域内のプレート境界で起きたMw7.0の地震だったため、同日19時15分に初めての「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が出ました。USGSのカタログでは、この地震は1973年以降の日向灘周辺で唯一のM7以上です。今回のM5.3の震央は、USGSの位置で比べるとこの地震の震央から約36km東にあたります。

2025年1月13日 M6.9:「調査中」から「調査終了」へ

2025年1月13日21時19分ごろの日向灘のM6.9(Mw6.7)では、臨時情報(調査中)が出たあと、「いずれの条件にも該当せず」「モーメントマグニチュード7.0に満たない」として、同じ日のうちに「調査終了」が発表されました。今回の震央はこの地震からも約30km(USGSの位置)の距離です。

震度7を観測した過去の地震は震度7を観測した地震の一覧にまとめています。日向灘の地震は海で起きるため、大きな地震では津波にも注意が必要です。海外の地震による津波の到達時間の目安は海外の地震で日本に津波は来る?で解説しています。

日向灘の地震が気になったときの注意点と備え

揺れたら、まず身の安全。海の近くでは高台へ

日向灘は陸に近い海なので、大きな地震では揺れてから津波が来るまでの時間が短いおそれがあります。海岸の近くで強い揺れや長い揺れを感じたら、津波警報を待たずに高い場所へ避難してください。今回のように「津波の心配はありません」と発表されたときは、避難の必要はありません。

臨時情報が出たら、ふだんの備えを再確認

「巨大地震注意」が出たときは、日ごろの備えの再確認(避難場所・避難経路、家具の固定、非常持ち出し品など)が呼びかけられます。「巨大地震警戒」では、地域によっては事前の避難が呼びかけられます。どちらも「必ず巨大地震が起きる」という意味ではなく、いつもより可能性が高まっているという情報です。

うわさより、気象庁の発表を

大きな地震のあとは「〇日に大地震が来る」といった根拠のない情報が広まりがちです。日時と場所を特定した地震の予知は、今の科学ではできません。確かめるときは気象庁の発表や、この記事のツールのような元データを見るのがおすすめです。地震の連鎖にまつわるうわさをデータで確かめた例として、「バヌアツの法則」は本当?53年分のデータで検証もあります。緊急地震速報の仕組みと誤報については緊急地震速報の誤報はなぜ?をどうぞ。

家の備えは、今日できることから

家具の固定、水と食料の備蓄(最低3日分)、家族の連絡方法の確認は、南海トラフ地震に限らずすべての地震に役立ちます。地震の備え診断で、わが家に足りないものをチェックできます。地震保険を見直すなら地震保険料が高い県・安い県ランキング、小さなお子さんがいる家庭は台風・大雪・地震のとき保育園は休み?も参考にしてください。宮崎の天気や気候の傾向は宮崎の気候にまとめています。

よくある質問

Q. 今日(10月25日)の日向灘の地震で津波は来ますか?

来ません。気象庁は10月25日8時59分ごろの日向灘の地震(M5.3、最大震度3)について「この地震による津波の心配はありません」と発表しています。

Q. 今回の地震で南海トラフ地震臨時情報は出ましたか?

出ていません(10月25日夕方の時点)。臨時情報の調査は、想定震源域またはその周辺でM6.8以上の地震などが起きたときに始まります。今回のM5.3はこの目安より小さく、対象外です。

Q. 日向灘で地震が多いのはなぜですか?

日向灘の下では、フィリピン海プレートが九州をのせた陸のプレートの下に沈み込んでいて、その境界にたまったひずみが地震として解放されるためです。日向灘は南海トラフ地震の想定震源域の西の端にあたります。

Q. 2024年8月以降、日向灘の地震は増えていますか?

USGSのカタログでは、日向灘周辺のM5.0以上は2024年8月8日以降11回で、それ以前の年平均の約2.9倍です。ただしM7.1とM6.9の余震を多く含み、それぞれ直後30日間を除くと約1.7倍です。2024年・2025年の各5回は、1996年(7回)・2019年(6回)に次ぐ多さです。

Q. 日向灘の地震が増えると、南海トラフ巨大地震が近いのですか?

地震の回数の増減から、巨大地震の発生時期を判断することはできません。データからは「大地震が近い」とは言えませんが、南海トラフ地震は平常時でも切迫性が高いとされているため、ふだんの備えを続けることが大切です。

Q. 過去の日向灘の大きな地震は?

2024年8月8日にM7.1(Mw7.0)の地震があり、宮崎県日南市で震度6弱を観測し、初めての南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が出ました。2025年1月13日にもM6.9(Mw6.7)がありましたが、臨時情報は「調査終了」でした。1973年以降、日向灘周辺のM6.0以上(USGS)は12回です。

Q. 同じ日の小笠原諸島西方沖の地震と関係はありますか?

関係を示す根拠はありません。小笠原諸島西方沖の地震はM7.0・深さ約470kmの深発地震で、日向灘の震央とは約879km離れています。起きた場所の深さも仕組みも違います。

まとめ
  • 10月25日8時59分ごろ、日向灘でM5.3(ごく浅い、速報値)、最大震度3。津波の心配なし、南海トラフ地震臨時情報の対象外
  • 日向灘はフィリピン海プレートが沈み込むプレート境界で、南海トラフ地震の想定震源域の西の端。1973年以降M5.0以上は99回、M6.0以上は12回(USGS)
  • 2024年8月8日以降のM5.0以上は11回で以前の約2.9倍。ただし余震を多く含み、直後30日間を除くと約1.7倍。1996年や2019年にも同じくらい活発な年があった
  • 臨時情報の調査はM6.8以上が目安。2024年8月のM7.1(Mw7.0)は「巨大地震注意」、2025年1月のM6.9(Mw6.7)は「調査終了」
  • 回数の増減から「大地震が近い」とは言えない。家具の固定・備蓄・避難先の確認を今日のうちに

出典:気象庁「地震情報」(震源・震度情報 2026年10月25日9時04分発表、地震情報一覧)、気象庁「地震・火山月報(防災編)」2024年8月、気象庁「南海トラフ地震臨時情報(調査終了)」(2025年1月13日)、USGS(米国地質調査所)Earthquake Catalog(1973年1月1日〜2026年10月25日、北緯30.8〜33.2度・東経131.2〜133.0度、M4.5以上、2026年10月25日取得)、地震調査研究推進本部「日向灘」(海溝型地震の解説)(1968年の日向灘地震)。回数・倍率・確率・距離は当サイトの集計。マグニチュードは特記のない限り、今回の地震と表1・表4は気象庁、表2・表3・表5とツールはUSGSの値。

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