地震保険料が高い県・安い県ランキング|都道府県別の料率5区分と、30年確率で見た「割安な県・割高な県」【2026年版・気象予報士が解説】

日本地図上に地震保険の等地区分を色で示した点と、保険料の段階を表す棒グラフを重ねたイメージ 気象

「地震保険料が高い県はどこ?」「うちの県は割高なのでは?」——地震保険の保険料は、火災保険と違って国が関与する「基準料率」で都道府県ごとに決まっていて、どの保険会社でも同じです。最も高い東京・千葉・神奈川・静岡と、最も安い北海道・福岡などでは3.8倍の差があります。

この記事では、損害保険料率算出機構の基準料率(2022年10月改定・現行)を47都道府県で並べ、当サイトの30年以内に震度6弱以上の確率(J-SHIS)と突き合わせて、「保険料のわりにリスクが高い県(割安)」「リスクのわりに高い県(割高)」を気象予報士が整理します。

のぶやん
のぶやん

私は気象庁で働いていた気象予報士です。保険料は「その県で起きうる地震による損害の期待値」から計算されているので、リスクの順位とだいたい一致します。ただし5段階のグループ分けなので、境目の県にはお得・損が生まれます。

地震保険料の仕組み|5つの区分と建物の構造

保険料は「都道府県」×「建物の構造」で決まります。構造は、鉄骨・コンクリート造などのイ構造と、木造などのロ構造の2種類。保険金額1,000万円あたりの年間保険料は次のとおりです。

区分都道府県イ構造(非木造)ロ構造(木造)
最も安い北海道・青森・岩手・秋田・山形・栃木・群馬・新潟・富山・石川・福井・長野・岐阜・滋賀・京都・兵庫・奈良・鳥取・島根・岡山・広島・山口・福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・鹿児島(28道府県)7,300円11,200円
2番目宮城・福島・山梨・愛知・三重・大阪・和歌山・香川・愛媛・宮崎・沖縄(11府県)11,600円19,500円
3番目茨城・徳島・高知23,000円41,100円
4番目埼玉26,500円41,100円
最も高い千葉・東京・神奈川・静岡27,500円41,100円
地震保険の基準料率(保険金額1,000万円あたり・年間、2022年10月1日以降の契約。損害保険料率算出機構)

木造(ロ構造)で保険金額1,000万円なら、北海道や福岡は年11,200円、東京・千葉・神奈川・静岡は41,100円。差は年約3万円、10年で30万円です。同じ木造でも、耐震等級3や免震なら50%引きになります(後述)。

【ツール】都道府県の地震指標を切り替えて順位を確認

下のツールでは、30年以内に震度6弱以上となる確率・有感地震の回数・表層地盤増幅率・震度6弱以上を観測した市区町村数・地震保険料・台風接近数を切り替えて、47都道府県の順位と偏差値を確認できます(千葉県を黄色で強調表示)。

47都道府県 地震保険料ランキング(高い順)

順位都道府県イ構造ロ構造30年以内に震度6弱以上(J-SHIS)
1位静岡県27,500円41,100円72.8%
2位千葉県27,500円41,100円71.2%
3位東京都27,500円41,100円47.4%
4位神奈川県27,500円41,100円43.4%
5位埼玉県26,500円41,100円62.4%
6位高知県23,000円41,100円77.7%
7位徳島県23,000円41,100円77.5%
8位茨城県23,000円41,100円48.3%
9位香川県11,600円19,500円73.6%
10位和歌山県11,600円19,500円73.1%
11位三重県11,600円19,500円48.9%
12位愛知県11,600円19,500円48%
13位愛媛県11,600円19,500円45.1%
14位宮崎県11,600円19,500円44.7%
15位山梨県11,600円19,500円37.9%
16位大阪府11,600円19,500円28.1%
17位沖縄県11,600円19,500円20.8%
18位福島県11,600円19,500円9.1%
19位宮城県11,600円19,500円7.7%
20位岐阜県7,300円11,200円61.9%
21位大分県7,300円11,200円57.4%
22位岡山県7,300円11,200円42.9%
23位広島県7,300円11,200円26.5%
24位熊本県7,300円11,200円18.2%
25位新潟県7,300円11,200円15%
26位栃木県7,300円11,200円14.9%
27位福井県7,300円11,200円14.9%
28位奈良県7,300円11,200円14.5%
29位滋賀県7,300円11,200円14.4%
30位京都府7,300円11,200円14.3%
31位鹿児島県7,300円11,200円13.8%
32位石川県7,300円11,200円12.6%
33位富山県7,300円11,200円12.2%
34位秋田県7,300円11,200円10.3%
35位鳥取県7,300円11,200円8.3%
36位佐賀県7,300円11,200円7.8%
37位兵庫県7,300円11,200円7.6%
38位長崎県7,300円11,200円7%
39位岩手県7,300円11,200円6.9%
40位福岡県7,300円11,200円6.3%
41位青森県7,300円11,200円5.6%
42位群馬県7,300円11,200円5.6%
43位山口県7,300円11,200円5.5%
44位島根県7,300円11,200円4.7%
45位山形県7,300円11,200円3.8%
46位長野県7,300円11,200円2.7%
47位北海道7,300円11,200円2.3%
保険金額1,000万円あたりの年間保険料と、県庁所在地の30年確率
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台風や地震で最初に困るのは電気と水です。気象庁の警報が出てから買いに走っても店頭にはありません。平時にそろえておくものを3つだけ挙げると、ポータブル電源・水と非常食・非常持ち出しセットです。

保険料のわりにリスクが高い県・低い県

J-SHISの30年確率(震度6弱以上)を保険料で割ると、「保険料1,000円あたりのリスク」が比べられます。値が大きいほどリスクのわりに保険料が安い(加入がお得)県です。

都道府県30年確率イ構造保険料確率÷保険料(千円)
1位岐阜県61.9%7,300円8.5
2位大分県57.4%7,300円7.9
3位香川県73.6%11,600円6.3
4位和歌山県73.1%11,600円6.3
5位岡山県42.9%7,300円5.9
6位三重県48.9%11,600円4.2
7位愛知県48%11,600円4.1
8位愛媛県45.1%11,600円3.9
9位宮崎県44.7%11,600円3.9
10位広島県26.5%7,300円3.6
47位北海道2.3%7,300円0.3
46位長野県2.7%7,300円0.4
45位山形県3.8%7,300円0.5
44位島根県4.7%7,300円0.6
43位宮城県7.7%11,600円0.7
42位山口県5.5%7,300円0.8
41位群馬県5.6%7,300円0.8
40位青森県5.6%7,300円0.8
「30年確率÷保険料」が大きい=リスクのわりに保険料が安い県

最も「お得」なのは岐阜・大分・香川・和歌山・岡山。岐阜県は30年確率61.9%と全国8位なのに保険料は最安グループ(7,300円)、大分県も57.4%で最安グループです。香川県は確率73.6%(全国3位)で2番目のグループ(11,600円)、隣の徳島(77.5%)は3番目のグループ(23,000円)と、同じ南海トラフ沿いで2倍の差があります。料率区分の「境目」で有利・不利が生まれているわけです。

逆に確率のわりに保険料が割高に見えるのは北海道・長野・山形・島根・宮城。いずれも30年確率が数%と低いのに、最安グループの7,300円より下の区分がないためです。また保険料は「震度6弱以上の確率」だけでなく、建物の集積(同じ地震で払う保険金の総額)、津波、液状化、火災の延焼も織り込んでいるので、首都圏や大都市が高く出るのは合理的でもあります。

のぶやん
のぶやん

地震保険は民間と政府が共同で運営し、営利を目的としていません。だから「割高な県」でも保険会社が儲けているわけではなく、大都市の巨大損害を全国で分担している構造です。

保険料を下げる4つの割引

割引割引率条件
免震建築物割引50%住宅性能表示制度の免震建築物
耐震等級割引等級3:50%/等級2:30%/等級1:10%住宅性能表示制度または耐震性能評価の耐震等級
耐震診断割引10%耐震診断・改修で現行の耐震基準を満たすと確認
建築年割引10%1981年6月1日以降に新築(新耐震基準)
地震保険の割引(重複適用は不可、最も高い割引のみ)

東京の木造で保険金額1,000万円なら、割引なしで41,100円、新耐震で36,990円、耐震等級3なら20,550円。耐震等級3の家は、地震保険料まで半分になることは、家を建てるときに意外と知られていません。5年契約にすると長期係数4.70(1年あたり6%引き)も使えます。

地震保険の基本|知っておきたい5つのこと

  • 火災保険とセットでしか入れない:単独契約は不可。火災保険の保険金額の30〜50%の範囲で設定
  • 上限は建物5,000万円・家財1,000万円:建て直し費用の全額は出ない。「当面の生活再建費」の位置づけ
  • 支払いは4段階:全損100%・大半損60%・小半損30%・一部損5%。半壊で30%程度が目安
  • 地震保険料控除:所得税で最大5万円、住民税で最大2.5万円の控除
  • どの会社でも同じ保険料:比較すべきは地震保険ではなく、セットになる火災保険のほう

自分の街のリスクから加入を判断するなら

保険料区分は都道府県単位ですが、揺れやすさは市区町村・地盤で大きく違います。同じ「最安グループ」の県でも、平野部の軟弱地盤(揺れやすい地盤ランキング 全国1,756市区町村)や過去に震度6強以上を観測した街(震度6強以上を観測したことがある市町村一覧)では、加入の価値は高くなります。あなたの街の30年確率と地盤は地震リスクデータベースで、確率の読み方は「30年以内に70〜80%」はどれくらい高い?地震発生確率の意味で確認してください。

保険料と地震リスクの指標を並べる|千葉の保険料はなぜ最高額なのか

保険料が最も高い5都県のひとつ、千葉県を例に、保険料と確率・地盤・回数の関係を47都道府県ランキングで確認します。

地震保険料の高さ:千葉は1位

順位都道府県地震保険料偏差値
1位千葉県27,500円73.8
2位東京都27,500円73.8
3位神奈川県27,500円73.8
4位静岡県27,500円73.8
5位埼玉県26,500円72.3
6位茨城県23,000円67.1
7位徳島県23,000円67.1
8位高知県23,000円67.1
9位宮城県11,600円50.2
10位福島県11,600円50.2
地震保険料の高さランキング(イ構造(非木造)・保険金額1,000万円あたり年額、2022年10月改定)

千葉県は1位(27,500円、偏差値73.8)。1位は千葉県(27,500円)、47位は鹿児島県(7,300円)、全国平均は11,436円です。比較:東京2位・神奈川3位・静岡4位・岡山39位。詳しくは地震保険料の詳しいランキングをご覧ください。

地震保険料の安さ:千葉は44位

順位都道府県地震保険料偏差値
1位北海道7,300円43.9
2位青森県7,300円43.9
3位岩手県7,300円43.9
4位秋田県7,300円43.9
5位山形県7,300円43.9
6位栃木県7,300円43.9
7位群馬県7,300円43.9
8位新潟県7,300円43.9
9位富山県7,300円43.9
10位石川県7,300円43.9
44位千葉県27,500円73.8
地震保険料の安さランキング(同上、安い順)

千葉県は44位(27,500円、偏差値73.8)。1位は北海道(7,300円)、47位は静岡県(27,500円)、全国平均は11,436円です。比較:東京45位・神奈川46位・静岡47位・岡山20位。最も安い1等地グループは28道府県で年7,300円。千葉との差は3.8倍です。詳しくは地震保険料の詳しいランキングをご覧ください。

30年以内に震度6弱以上となる確率の高さ:千葉は6位

順位都道府県30年以内に震度6弱以上の確率偏差値
1位高知県77.7%69.9
2位徳島県77.5%69.8
3位香川県73.6%68.2
4位和歌山県73.1%68.0
5位静岡県72.8%67.9
6位千葉県71.2%67.3
7位埼玉県62.4%63.7
8位岐阜県61.9%63.5
9位大分県57.4%61.6
10位三重県48.9%58.2
30年以内に震度6弱以上となる確率の高さランキング(J-SHIS 2024年版)

千葉県は6位(71.2%、偏差値67.3)。1位は高知県(77.7%)、47位は北海道(2.3%)、全国平均は28.8%です。比較:東京13位・神奈川16位・静岡5位・岡山17位。千葉は首都直下と房総沖の地震で確率6位。保険料は確率とよく連動しています。詳しくは今後30年以内に震度6弱以上の地震が起きる確率ランキングをご覧ください。

表層地盤増幅率の大きさ(県内平均):千葉は2位

順位都道府県表層地盤増幅率偏差値
1位石川県1.60倍68.6
2位千葉県1.55倍65.2
3位茨城県1.54倍64.5
4位埼玉県1.54倍64.5
5位新潟県1.53倍63.8
6位山口県1.51倍62.4
7位香川県1.50倍61.8
8位佐賀県1.50倍61.8
9位富山県1.45倍58.4
10位福井県1.45倍58.4
表層地盤増幅率の大きさ(県内平均)ランキング(J-SHIS)

千葉県は2位(1.55倍、偏差値65.2)。1位は石川県(1.60倍)、47位は長野県(0.97倍)、全国平均は1.33倍です。比較:東京23位・神奈川15位・静岡26位・岡山34位。千葉は全国2位。東京湾岸の埋立地と利根川・江戸川沿いの低地が押し上げています。詳しくは揺れやすい地盤ランキングをご覧ください。

千葉県内の市区町村で見る地震リスク|確率・地盤・回数トップ10

千葉県の54市区町村について、当サイトの地震リスクデータベースから「30年以内に震度6弱以上となる確率」「表層地盤増幅率」「年平均の有感地震回数」の上位10を並べました。市区町村名をクリックすると詳細ページ(過去の最大震度・年代別回数・地形分類)が開きます。

30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が高い市区町村

順位市区町村30年確率(6弱以上)
1香取市91.7%
2旭市86.3%
3浦安市84.6%
4君津市83.3%
5神崎町82.4%
6鋸南町81.4%
7東庄町81.2%
8長生村75.0%
9白子町74.8%
10横芝光町74.3%
千葉県の30年確率(6弱以上) 上位10(54市区町村中)

地盤が揺れやすい(表層地盤増幅率が大きい)市区町村

順位市区町村表層地盤増幅率
1浦安市2.24倍
2香取市2.20倍
3君津市2.12倍
4鋸南町2.09倍
5館山市1.92倍
6神崎町1.89倍
7鴨川市1.82倍
8旭市1.80倍
9市川市1.76倍
10習志野市1.74倍
千葉県の表層地盤増幅率 上位10(54市区町村中)

有感地震の回数が多い市区町村

順位市区町村年平均有感地震回数
1香取市102.3回
2成田市86.5回
3東金市82.0回
4多古町78.0回
5銚子市70.6回
6旭市68.8回
7芝山町63.9回
8市原市62.6回
9山武市62.6回
10柏市62.1回
千葉県の年平均有感地震回数 上位10(54市区町村中)

過去に震度6弱以上を観測したことがあるのは3市区町村(館山市=6弱、印西市=6弱、成田市=6弱)。全国の一覧は震度6強以上を観測したことがある市町村一覧をご覧ください。

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水害・台風の備えは保険の見直しから

地震保険は火災保険とセットでしか入れません。風水害・雪害は火災保険の補償範囲なので、ハザードマップで自宅のリスクを確認したら、補償内容が合っているか一度確認しておくと安心です。

よくある質問

Q. 保険料が高い県は入らないほうが得?

逆です。保険料が高いのはリスクが高いからで、被災後の生活再建資金(全損で保険金額の100%)を確保する意味は大きくなります。割引(耐震等級・免震・建築年)を使えば最大50%下がります。

Q. 木造(ロ構造)はなぜ高い?

木造は倒壊・火災のリスクが高いため、同じ県でもイ構造の1.5〜1.7倍です。千葉・東京・神奈川・静岡のロ構造は年41,100円が上限です。

Q. 保険料は今後上がる?

2022年10月の改定で全国平均は0.7%引き下げられましたが、地域差は拡大しました。今後は地震調査の確率更新にあわせて数年ごとに見直されます。

Q. 引っ越すと保険料は変わる?

変わります。同じ保険金額でも岡山(7,300円)から千葉(27,500円)に移ると3.8倍です。災害が少ない県ランキングと合わせて確認してください。

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まとめ
  • 地震保険料は都道府県×構造で5区分、どの保険会社でも同じ。最安は北海道・福岡など28道府県(木造11,200円/1,000万円)、最高は東京・千葉・神奈川・静岡(41,100円)で3.8倍
  • リスクのわりに安い(お得)のは岐阜・大分・香川など。香川と徳島は同じ南海トラフ沿いで保険料が2倍違う
  • 確率のわりに高いのは首都圏・大都市。建物の集積・津波・延焼を織り込んでいるため
  • 耐震等級3・免震は50%引き、新耐震は10%引き。5年契約で1年あたり6%引き
  • 上限は建物5,000万円・家財1,000万円、火災保険とセット。判断は県より市区町村の地盤で

出典:気象庁 震度データベース(1919年1月〜)、防災科学技術研究所 J-SHIS 地震ハザードステーション(2024年版、役所付近の250mメッシュ値)、損害保険料率算出機構「地震保険基準料率表」(2021年6月届出、2022年10月1日適用)。当サイトは独自の地震予測を行っていません。偏差値・順位は当サイトの地震リスクデータベース(1,756市区町村)から集計しています。

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