最近地震が多いのはなぜ?2026年に地震が増えた3つの理由と「本当に多いのか」を気象庁データで検証|47都道府県ツール

日本地図上に2026年の有感地震回数の過去10年比を色分けした点と、上位県の棒グラフを重ねたイメージ 気象

こんにちは!気象予報士ののぶやんです。

「最近、地震多くない?」——2026年に入ってから、この言葉を何度聞いたかわかりません。4月に三陸沖でM7.7、6月に岩手県沖でM7.2(青森県で震度6強)、翌日に山梨県で震度6弱、そして7月28日には熊本県で震度7(令和8年熊本地震、M7.1)。スマホの緊急地震速報が鳴る回数も明らかに増えました。

でも「多い気がする」と「本当に多い」は別の話です。この記事では、気象庁の震度データベースから全国と47都道府県の有感地震回数をすべて集計し、2026年が本当に地震の多い年なのかを数字で確かめたうえで、多い理由を3つに整理します。「南海トラフの前兆では?」という不安にも、気象庁の見解をもとにお答えします。

この記事の結論(30秒で読める版)
  1. 2026年は本当に「地震が多い年」です。1月1日〜9月14日の有感地震(震度1以上)は全国で2,274回。過去10年の同期間の中央値(1,580回)の約1.4倍で、この11年で4番目に多いペース。震度5弱以上は20回で、この11年で3番目です。
  2. 理由1:M7クラスの大地震が3回も起きた。4月20日 三陸沖M7.7、6月25日 岩手県沖M7.2、7月28日 令和8年熊本地震M7.1。大地震のあとは余震が数百回続くため、回数が跳ね上がります(熊本は2週間で622回)。
  3. 理由2:地震は「かたまって」起きる。三陸沖と岩手県沖は同じ領域の連鎖、熊本は2016年から活発な状態が続く場所での発生。1つの大地震が次の地震を起こしやすくします。
  4. 理由3:気づく回数が増えた。緊急地震速報・スマホ通知・SNSで、遠くの地震も「知る」ようになりました。観測点が増えた1995年以降、数字上の有感地震も増えています。
  5. 南海トラフとの直接の関係は確認されていません。気象庁は南海トラフ周辺の地殻活動を常時監視しており、異常があれば「臨時情報」を出します。それが出ていない今、「最近多い=前兆」とは言えません。

【まず検証】あなたの県は本当に地震が多い? 47都道府県ツール

都道府県を選ぶと、その県内で震度1以上を観測した地震の回数(2026年1月1日〜9月14日を、20162025年の各年の同じ期間と比べて「かなり多い/多い/平年並み/少ない」を判定します。県内で震度3以上・震度5弱以上を観測した回数、月別の推移、全国ランキングも見られます。数字は気象庁の震度データベースから毎日自動で最新日まで更新されます。

あなたの県は本当に「最近地震が多い」? 2026年 都道府県別 検証ツール

全国ランキング:
出典:気象庁「震度データベース検索」(20269月14日時点。毎日自動で最新日まで更新)。各都道府県内の観測点で震度1以上(または3以上・5弱以上)を観測した地震の回数を、2026年1月1日〜9月14日と、20162025年の各年の同じ期間(1月1日〜9月14日)で比べています。判定の目安:過去10年の中央値に対して200%以上=かなり多い、130〜200%=多い、70〜130%=平年並み、40〜70%=少ない、40%未満=かなり少ない。同じ地震を複数の県で観測した場合はそれぞれの県で1回と数えます。

東京都や大阪府など、大きな地震の震源から離れた都府県は「平年並み」と出るはずです。逆に熊本・長崎・佐賀・宮崎(熊本地震)、青森・岩手・秋田(三陸沖・岩手県沖)、鳥取・島根(1月の島根県東部の地震)は、過去10年の中央値の2倍〜10倍以上という数字になります(熊本は約13倍、長崎は約8倍)。「最近地震が多い」の実感は、どこに住んでいるかでかなり違うのです。

2026年は本当に地震が多い年なのか|気象庁データで検証

全国の有感地震は過去10年の中央値の約1.4倍

まず全国です。気象庁の震度データベースで、震度1以上を観測した地震(=有感地震)の回数を、各年の1月1日〜9月14日という同じ期間で比べました(2026年は9月14日までの速報値。表とグラフは毎日自動更新)。

全国の有感地震(震度1以上)回数:各年1月1日〜9月14日の同期間で比較過去10年の中央値 1580回5,2252016熊本地震1,52020171,55420181,12620191,28320201,60620211,45420221,71720233,3742024能登半島地震3,6592025トカラ列島群発2,2742026三陸沖・岩手県沖・熊本出典:気象庁 震度データベース検索(2026年9月14日時点)。2026年は9月14日までの速報値。筆者集計
年(1/1〜同日)震度1以上震度3以上震度5弱以上主な出来事
20165,225673294月 熊本地震(M7.3)
20171,5201377
20181,554189109月 北海道胆振東部地震
20191,1261057
20201,2831303
20211,6061524
20221,45414812
20231,7171588
20243,374400291月 能登半島地震(M7.6)
20253,659334116〜7月 トカラ列島群発
2026(9/14まで)2,27427120三陸沖M7.7/岩手県沖M7.2/熊本M7.1
全国の有感地震回数(同期間比較)。出典:気象庁 震度データベース検索、筆者集計(毎日自動更新)

2026年の2,274回は、過去10年の中央値1,580回の144%。平均(2,251回)で見ると同程度ですが、平均は2016年(熊本地震で5,225回)や2024年(能登半島地震)、2025年(トカラ列島の群発地震)に引っ張られた値なので、「ふつうの年」と比べるなら中央値が適切です。つまり2026年は「ふつうの年」の1.4倍、地震が多い年と言えます。

さらに注目してほしいのが震度5弱以上の回数です。2026年はすでに20。この11年の同期間で3番目に多く、2024年(能登半島地震の余震)や2016年(熊本地震)と並ぶ水準です。「回数」だけでなく「強い揺れの回数」が多い年なのです。

月別に見ると「大地震の月」に集中している

2026年 月別の有感地震回数(全国・震度1以上)と震度3以上の回数2911月島根M6.41412月2053月2074月三陸沖M7.71695月1566月岩手沖M7.25727月熊本M7.1 震度74498月茨城M5.9849月*震度1以上(全体)うち最大震度3以上*9月は1〜14日。出典:気象庁 震度データベース検索、筆者集計

月別に見ると、多い月がはっきりしています。1月(291回)は1月6日の島根県東部の地震(M6.4、震度5強)7月(572回)と8月(449回)は令和8年熊本地震の余震です。逆に2月・3月・5月・6月は140〜200回で、これは「ふつうの月」の水準。つまり2026年の多さは、毎日じわじわ増えたのではなく、いくつかの大きな地震のあとに集中して起きたものです(月別の数字は9月14日時点。グラフは自動更新)。

▶ 自分の県の日ごとの震度は、地震リスクデータベース で市区町村別に調べられます。

最近地震が多い3つの理由

理由1:M7クラスの大地震が3回起きた(余震が回数を押し上げる)

2026年に日本で起きた主な地震を並べてみます。

日付震源M最大震度特徴
1月6日島根県東部(深さ約10km)6.45強内陸の浅い地震。鳥取・島根で余震が続いた
4月1日茨城県南部(深さ約50km)5.05弱
4月18日長野県北部(深さ約10km)5.15強
4月20日三陸沖(深さ約20km)7.75強太平洋プレート境界。久慈港で津波79cm、津波警報
4月27日十勝地方南部(深さ約85km)6.25強
5月15日宮城県沖(深さ約45km)6.45弱
5月20日沖縄本島近海(深さ約50km)5.95強
6月16日茨城県南部(深さ約50km)5.55弱
6月25日岩手県沖(深さ約45km)7.26強青森県階上町で6強。4月の三陸沖の余効変動が続く領域で発生
6月26日山梨県東部・富士五湖(深さ約20km)5.66弱岩手県沖の翌日。関東で強い揺れ
7月28日熊本県熊本地方(深さ16km)7.17令和8年熊本地震。宇城市・氷川町で震度7。日奈久断層帯
8月23日茨城県南部(深さ約50km)5.95弱
2026年の主な地震(震度5弱以上)。出典:地震調査委員会「2026年の主な地震活動の評価」、気象庁

M7以上が1年に3回というのは、東日本大震災の2011年を除けば近年ではまれです。そして大地震のあとには必ず余震が続きます。令和8年熊本地震では、発生初日に194回、翌日に144回、8月12日までの2週間で622回(震度1以上)の地震が観測されました(出典:気象庁「令和8年熊本地震」特集)。三陸沖M7.7のあとも10日間で38回。この「余震の山」が、年間の回数を大きく押し上げています。

▶ 震度7を観測した地震は、1995年の阪神・淡路大震災以降で令和8年熊本地震を含めて8回。一覧は 「震度7を観測した地震の一覧」 にまとめています。

理由2:地震は「かたまって」起きる性質がある

2026年の3つのM7を地図に置くと、三陸沖(4月)と岩手県沖(6月)は同じ太平洋プレートの境界で、しかも4月の地震のあと地面がじわじわ動き続けていた領域(余効変動域)で6月の地震が起きています(出典:地震調査委員会「2026年6月25日 岩手県沖の地震の評価」)。地震調査委員会は「大地震のあとに同程度の地震が起きた割合は1〜2割」としています。1つの大地震は周りの断層にかかる力を変え、次の地震を起こしやすくするのです。

熊本も同じです。今回の震源の北東には2016年の熊本地震(M7.3)の震源域があり、気象庁は「熊本県阿蘇地方から今回の領域では、2016年の熊本地震以前に比べて地震活動が活発な状態が続いていた」と説明しています。10年前の大地震の「続き」が、2026年にまた大きく動いたという見方ができます。

つまり「最近地震が多い」の背景には、偶然の重なりではなく、大地震が次の地震を誘発する連鎖があります。だからこそ、大きな地震のあと1〜2週間は同じ規模の地震に注意が必要とされているのです。

理由3:「気づく回数」が増えた(通知・SNS・観測点)

3つ目は、地震そのものではなく私たちの側の変化です。

  • 緊急地震速報とスマホ通知:2007年に始まった緊急地震速報は、今ではほぼ全員のスマホに届きます。自分の地域が揺れなくても「地震が起きた」ことを知る回数が増えました
  • SNSと速報:震度3程度の地震でもX(旧Twitter)のトレンドに入り、テレビの速報テロップも出ます。10年前なら気づかなかった地震を、今は毎回目にしています
  • 観測点の増加:日本地震学会によると、気象庁が発表する有感地震の数は、観測点が大幅に増えた1995年以降「増える傾向」にあります。これは地震が増えたのではなく、小さな揺れを拾えるようになったためです(出典:日本地震学会FAQ「有感地震の頻度」

日本およびその周辺では、震度1以上の地震がふつうの年で年間2,000回前後、1日に5〜6回起きています。有感地震が1回もない日が続くこともあれば、1日に何十回も起きることもあります。「最近多い」と感じたときは、まず上のツールで自分の県の数字を確かめてみてください。感覚だけで判断すると、不安が実態より大きくなりがちです。

▶ 都道府県ごとの「ふつうの年」の地震回数(1919年からの年代別)は、地震が多い都道府県ランキング地震が少ない県ランキング で比較できます。

「南海トラフの前兆では?」への答え

検索でこの記事にたどり着いた方の多くが、本当に知りたいのはここだと思います。結論から言うと、2026年の一連の地震と南海トラフ地震との直接の関係は確認されていません

  • 三陸沖・岩手県沖の地震は太平洋プレートの境界(日本海溝側)で起きた地震で、南海トラフ(フィリピン海プレート)とは別のプレートです
  • 令和8年熊本地震は内陸の活断層(日奈久断層帯)の地震で、海溝型の南海トラフ地震とは仕組みが違います
  • 気象庁は南海トラフ周辺の地殻の動き(ひずみ・スロースリップ・地震活動)を24時間監視しており、想定震源域やその周辺でM6.8以上の地震などの異常があれば「南海トラフ地震臨時情報」を発表します。2026年9月時点でこの情報は発表されていません(出典:気象庁「南海トラフ地震について」

ただし、南海トラフ地震が「30年以内に70〜80%」とされていることは変わりません。「最近多いから」ではなく「いつ起きてもおかしくないから」備える、というのが正しい姿勢です。▶ この確率の意味は 「30年以内に70〜80%」はどれくらい高い? で解説しています。

地域別に見る「多い県」と「多くない県」

上のツールのランキングを見ると、2026年に地震が「多い」県は3つのグループに分かれます。

グループ都道府県原因
九州熊本・長崎・佐賀・宮崎・鹿児島・福岡・大分7月28日の令和8年熊本地震とその余震
東北北部・北海道青森・岩手・秋田・北海道4月20日の三陸沖M7.7と6月25日の岩手県沖M7.2
山陰鳥取・島根・岡山・広島1月6日の島根県東部の地震(M6.4)とその余震
関東・東海・近畿・四国東京・神奈川・愛知・大阪など茨城県南部の地震や富士五湖の地震はあったが、回数は「平年並み」の県が多い
2026年の地震回数が多い地域のグループ分け(筆者集計)

つまり、全国が一様に「多い」わけではありません。大きな地震の震源から遠い関東・近畿の都市部に住んでいる方の「最近多い」は、理由3の「気づく回数の増加」の影響が大きいと考えられます。

上のツールは「ふつうの年」の指標(地震回数・30年確率・揺れやすさ)で都道府県を比べたものです。2026年の回数が多い県と、長期的に地震が多い県は必ずしも一致しません。

地震が多いときに確認しておきたいこと

やること使うもの
自分の市区町村の30年確率・揺れやすさを知る地震リスクデータベース(全国1,894市区町村)
直近の地震を確認する当ブログの地震速報ページ/気象庁の地震情報
家の耐震・家具固定1981年(新耐震)以前の建物は特に注意。家具固定は最も費用対効果が高い対策
地震保険の見直し地震保険料が高い県・安い県ランキング
ハザードマップと液状化ハザードマップの見方液状化しやすい地域の見分け方
今すぐできる確認リスト
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地震が続くときに見直したい備え

停電・断水に備えるポータブル電源や非常食、家具の転倒防止器具は、地震が多い時期に品薄になりがちです。早めの確認をおすすめします。

最近の地震についてよくある質問

Q. 最近地震が多いのはなぜですか?(2026年)

A. 2026年は4月20日の三陸沖M7.7、6月25日の岩手県沖M7.2、7月28日の令和8年熊本地震M7.1と、M7クラスの大地震が3回起きたためです。大地震のあとは余震が数百回続き(熊本は2週間で622回)、全国の有感地震回数を押し上げます。加えて、緊急地震速報やSNSで遠くの地震も知るようになり、「気づく回数」も増えています。

Q. 2026年の地震は本当に多いのですか?

A. 多いです。気象庁の震度データベースで1月1日〜9月14日の有感地震(震度1以上)を集計すると全国で2,274回。過去10年の同期間の中央値(1,580回)の約1.4倍で、この11年で4番目に多いペースです。震度5弱以上は20回で、この11年で3番目です(数字は毎日自動更新)。

Q. 日本では1年に地震は何回起きますか?

A. 震度1以上の有感地震は、ふつうの年で年間2,000回前後(1日5〜6回)です。大地震があった年は大きく増え、2011年は10,681回、2016年(熊本地震)は6,362回、2024年(能登半島地震)は4,001回でした。

Q. 最近の地震は南海トラフ地震の前兆ですか?

A. 直接の関係は確認されていません。三陸沖・岩手県沖の地震は太平洋プレートの境界、熊本地震は内陸の活断層で、南海トラフ(フィリピン海プレート)とは別の仕組みです。気象庁は南海トラフ周辺を常時監視しており、異常があれば「南海トラフ地震臨時情報」を出しますが、2026年9月時点で発表されていません。

Q. 大きな地震のあと、余震はいつまで続きますか?

A. 回数は時間とともに減りますが、令和8年熊本地震では発生初日194回、翌日144回、2週間で622回と、数週間は活発な状態が続きました。気象庁は大地震のあと1週間程度は同程度の地震に注意するよう呼びかけています。2016年の熊本地震では10年後の2026年まで活動が活発な状態が続いていました。

Q. 地震が多い県はどこですか?

A. 2026年に限れば、令和8年熊本地震の影響で熊本・長崎・佐賀・宮崎、三陸沖と岩手県沖の地震で青森・岩手・秋田、島根県東部の地震で鳥取・島根が過去10年の中央値の2倍〜10倍以上と多くなっています。長期的に地震が多い県は別で、当ブログの「地震が多い都道府県ランキング」で1919年からの回数を比較できます。

Q. 地震の回数はどこで調べられますか?

A. 気象庁の「震度データベース検索」で、期間・地域・震度を指定して1919年以降のすべての有感地震を検索できます。この記事のツールはそのデータを集計したものです。当ブログの「地震リスクデータベース」では市区町村ごとの30年確率や揺れやすさも確認できます。

まとめ

  • 2026年の有感地震は過去10年の中央値の約1.4、震度5弱以上は20回でこの11年で3番目に多い。「最近多い」はデータでも本当。
  • 理由はM7クラスの大地震3回とその余震大地震が次の地震を誘発する連鎖、そして通知やSNSで気づく回数が増えたこと。
  • 多いのは九州・東北北部・山陰。関東や近畿の都市部は平年並みの県が多い。
  • 南海トラフとの直接の関係は確認されていない。ただし備えは「多いから」ではなく「いつでも」必要。
  • 大地震のあと1〜2週間は同程度の地震に注意。家具固定・保険・ハザードマップの確認を。

不安なときほど、感覚ではなく数字で確かめるのが一番です。上のツールで自分の県を見てみてください。

出典:気象庁「震度データベース検索」(20269月14日時点、記事内の回数は毎日自動更新)、気象庁「令和8年熊本地震」特集・ポータルサイト、地震調査委員会「2026年の主な地震活動の評価」「三陸沖の地震の評価」「岩手県沖の地震の評価」、気象庁「南海トラフ地震について」、日本地震学会FAQ。回数の集計は筆者によるもので、震度の速報値を含みます。

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