放射は学科一般で毎回1〜2問出る分野で、「太陽放射と地球放射の違い」「地球のエネルギー収支」「温室効果のしくみ」「散乱(青空・夕焼け・雲が白い理由)」「放射平衡温度の計算」が柱です。式はステファン・ボルツマンの法則とウィーンの変位則の2本だけですが、計算問題(放射平衡温度、距離が2倍になったら日射は?)が出るので、数値を代入して答えを出す練習が必要です。もう一つの難所がエネルギー収支の数字で、「地表が吸収する太陽放射は約半分」「地表を暖める最大の項は大気からの下向き赤外放射」「潜熱は顕熱の約4倍」のように、正誤問題がそのまま作れる関係を図で押さえます。この記事は出題傾向、3つの図解、日本の放射冷却の実例、オリジナル問題15問+一問一答20問で構成しています。
やん
出題傾向|第55〜65回でどう出たか
直近11回で放射・熱収支に分類できる出題はのべ17問(1回あたり1〜2問)。
| 分野・論点 | 出題頻度 | 典型的な問われ方 |
|---|---|---|
| 地球のエネルギー収支 | ◎ ほぼ毎回 | 地表・大気・宇宙の各収支の大小関係、潜熱と顕熱、大気の窓、雲の効果 |
| 放射の法則と計算 | ○ 2回に1回 | ステファン・ボルツマン(T⁴)、ウィーン(λmax=2897/T)、放射平衡温度255K、距離の逆二乗 |
| 温室効果のしくみ | ○ 2回に1回 | 大気は太陽放射を透過し赤外放射を吸収、温室効果がなければ−18℃、主な温室効果ガス(水蒸気が最大) |
| 散乱(レイリー・ミー) | ○ 2回に1回 | 波長の4乗に反比例、青空・夕焼け・白い雲、粒子の大きさと散乱の種類 |
| 太陽放射の吸収(オゾン・水蒸気) | △ 3回に1回 | 紫外線はオゾン・酸素、近赤外は水蒸気、可視光はほぼ透過 |
| 放射冷却・日変化・緯度分布 | △ 3回に1回 | 放射冷却の条件、最高気温が正午でない理由、低緯度の余剰と高緯度の不足 |
- 式は2本:E=σT⁴(σ=5.67×10⁻⁸)とλmax=2897/T(μm・K)。太陽(約5800K)→0.5μm、地球(288K)→10μm
- 数値:太陽定数 約1370W/m²、地球平均は÷4で約340、アルベド0.3、放射平衡温度255K(−18℃)、地表平均288K(15℃)、温室効果=33K
- 収支は「大気上端で100」の割合で覚える:反射30、地表吸収47、大気吸収23、地表からの赤外116、大気から地表へ100、潜熱24、顕熱6
- 散乱は「粒子の大きさ÷波長」で決まる:ずっと小さい→レイリー(λ⁻⁴、青空)、同じくらい→ミー(雲が白い)
放射の法則|式は2本、意味は3つ
| ステファン・ボルツマン | E = σT⁴ (σ=5.67×10⁻⁸ W/(m²·K⁴)) | 黒体が単位面積から出す全放射。温度が2倍なら16倍。288Kで390W/m²、255Kで240W/m² |
| ウィーンの変位則 | λmax = 2897/T (μm、TはK) | 放射が最も強い波長。太陽5800K→0.50μm(可視の緑)、地球288K→10.1μm(赤外) |
| キルヒホッフの法則 | 吸収率 = 射出率(同じ波長で) | よく吸収する物質はよく放射する。水蒸気・CO₂は赤外をよく吸収し、よく放射する |
| 距離の逆二乗則 | S ∝ 1/d² | 太陽から2倍離れれば日射は1/4。地球の近日点(1月)と遠日点(7月)で約7%違う |
| 放射平衡温度 | Te = [S(1−A)/(4σ)]^(1/4) | S=1370、A=0.3で 255K。÷4は「断面積πr²で受けて表面積4πr²で出す」ため |
放射平衡温度の計算は必ずできるようにしておきます。地球が受け取る太陽放射は断面積πr²×S、反射を除いて(1−A)倍。これを全表面積4πr²から赤外放射σTe⁴で出して釣り合うので、σTe⁴ = S(1−A)/4 = 1370×0.7÷4 = 240W/m²。Te⁴ = 240÷5.67×10⁻⁸ = 4.23×10⁹、Te = 255K(−18℃)。実際の地表平均は288K(15℃)で、差の33K分が温室効果です。
もう一つよく出るのが「太陽の表面温度が下がったらピーク波長は?」「地球からの距離が2倍の惑星の放射平衡温度は?」という応用です。後者はSが1/4になるのでTeは(1/4)^(1/4) = 1/√2 倍、255÷1.41 = 約180Kになります。
太陽放射と地球放射|4μmで分かれる2つの世界
| 太陽放射(短波放射・日射) | 地球放射(長波放射・赤外放射) | |
|---|---|---|
| 放射体の温度 | 約5800K | 約255〜288K |
| ピーク波長 | 約0.5μm(可視光) | 約10μm(赤外) |
| 波長の範囲 | 0.1〜4μm。紫外7%・可視47%・赤外46% | 4〜100μm(ほぼすべて赤外) |
| 大気での吸収 | 紫外:オゾン(成層圏)・酸素、近赤外:水蒸気、可視:ほぼ透過(大気は可視光に対して透明) | 水蒸気(6.3μm、20μm以上)、CO₂(15μm)、オゾン(9.6μm)が吸収。8〜13μmは「大気の窓」で透過 |
| 大気上端での量 | 太陽定数 約1370W/m²。地球平均で約340 | 地球平均で約240W/m²(=吸収した太陽放射と釣り合う) |
太陽放射の中で最もエネルギーが大きいのは可視光(約47%)で、赤外(約46%)とほぼ同じ、紫外は7%程度です。「太陽放射の大部分は紫外線」「大部分は赤外線」はどちらも誤り。大気は可視光をほとんど吸収しないので、太陽放射の吸収は地表で起こるのが基本です(地表吸収47%、大気吸収23%)。
散乱と反射|空が青く、雲が白い理由
| 散乱の種類 | 粒子の大きさ | 波長依存 | 現象 |
|---|---|---|---|
| レイリー散乱 | 波長よりずっと小さい(空気分子:0.001μm以下) | 波長の4乗に反比例(青は赤の約5倍散乱) | 青空(青が横に散らばる)、夕焼け(長い光路で青が抜け赤が残る)、遠くの山が青っぽい |
| ミー散乱 | 波長と同程度(雲粒・エーロゾル:0.1〜10μm) | 波長にあまりよらない | 雲が白い(全波長を同じように散乱)、霞・煙霧で空が白っぽい、太陽のまわりの光冠 |
| 幾何光学(反射・屈折) | 波長よりずっと大きい(雨粒:1mm) | 屈折率が波長で違う | 虹(雨粒での屈折・反射)、暈(氷晶) |
正誤問題の定番は「夕焼けが赤いのはミー散乱による」(×:レイリー散乱で青が失われた結果)と「雲が白いのはレイリー散乱による」(×:ミー散乱)。また、散乱は吸収ではないので、散乱された光は下向き(散乱日射:曇りでも明るい理由)と上向き(宇宙へ戻る:反射の一部)に分かれます。
| 面 | アルベド(反射率) |
|---|---|
| 新雪 | 80〜90% |
| 雲(厚い) | 60〜90% |
| 雲(薄い) | 30〜50% |
| 砂漠 | 25〜40% |
| 草地・畑 | 15〜25% |
| 森林 | 10〜20% |
| 水面(太陽高度が高いとき) | 5〜10%(低いときは大きい) |
| 地球全体 | 約30% |
地球のエネルギー収支|数字を図で覚える
この図で必ず言えるようにしておく関係は次の5つです。
- 大気上端:入射100 = 反射30(アルベド)+ 宇宙へ出る赤外70。反射は雲・大気が23、地表が7
- 太陽放射の行き先:地表吸収47、大気・雲吸収23、反射30。「太陽放射の約半分が地表で吸収される」
- 地表の収支:収入は太陽放射47+大気からの下向き赤外100。地表を暖める最大の項は大気からの赤外放射(太陽放射の2倍以上)。支出は上向き赤外116+潜熱24+顕熱6
- 潜熱は顕熱の約4倍。地表から大気へのエネルギーの受け渡しは、蒸発した水蒸気が凝結して放出する潜熱が主役
- 大気の窓:地表からの赤外116のうち約12は大気に吸収されずに直接宇宙へ。残りは水蒸気・CO₂・雲に吸収され、大気から上下に再放射
緯度別に見ると、太陽高度が高い低緯度は吸収する太陽放射が出ていく赤外放射より多く(放射の余剰)、高緯度は逆に不足します。出ていく赤外放射の緯度差が小さいのは、温度の4乗に比例するとはいえ気温の南北差が絶対温度で見れば1割程度だからです。この余剰と不足を埋めるのが、大気(ハドレー循環・温帯低気圧)と海洋(海流)による南北の熱輸送で、大気の大循環の原動力です。
温室効果|「吸収して再放射する」が本質
大気は太陽放射(可視光)をほぼ透過し、地表からの赤外放射を水蒸気・CO₂などが吸収して、あらゆる方向へ再放射します。その一部が下向きに戻ってくる(図2の100)ため、地表は太陽放射だけで暖まる場合より高温になります。これが温室効果で、地表の平均気温を−18℃から15℃へ33℃引き上げています。
| 論点 | 正しい理解 |
|---|---|
| 最大の温室効果ガス | 水蒸気(自然の温室効果の6割程度)。次いでCO₂、メタン、一酸化二窒素、オゾン、フロン |
| 吸収帯 | 水蒸気6.3μm・20μm以上、CO₂ 15μm、オゾン9.6μm。窒素・酸素・アルゴンは赤外をほとんど吸収しない(2原子分子・単原子分子は双極子モーメントが変化しない) |
| 温室効果ガスが増えると | 大気上端から出る赤外放射の高度が上がり(より低温の層から放射)、収支を戻すために地表・対流圏が昇温。成層圏は逆に寒冷化 |
| 雲の効果 | 太陽放射を反射して冷やす効果と、赤外放射を吸収して暖める効果の両方。低い厚い雲は正味で冷却、高い薄い巻雲は正味で加熱。全体では冷却が勝つ |
| 「温室」との違い | 本物の温室は対流を止めて暖める。大気の温室効果は放射の吸収・再放射によるもので、しくみが違う |
放射冷却と日変化|予報に直結する応用
放射冷却は、夜間に地表が赤外放射でエネルギーを失い、地表付近の気温が下がる現象です。強まる条件は「晴れ(雲がないと下向き赤外が少ない)」「風が弱い(上の暖かい空気と混ざらない)」「空気が乾いている(水蒸気の下向き放射が少ない)」「雪面(熱伝導が悪く、放射率も高い)」の4つで、内陸の盆地で最も冷え、接地逆転層ができます。冬の霜の予報や東京の冬が晴れる理由は、この理屈の応用です。
気温の日変化では「太陽高度が最も高い正午ではなく、最高気温は14時ごろ、最低気温は日の出ごろ」が定番です。地表の収支が「入る太陽放射>出る赤外放射」の間は気温が上がり続けるので、正午を過ぎても収入が支出を上回っているうちは上がり、日の出直後まで支出が収入を上回るので下がり続けます。「収支がゼロになる時刻」が極値の時刻、と考えると覚えなくて済みます。
やん
ひっかけ10選
| 選択肢の言い方 | 正誤 | なぜ |
|---|---|---|
| 太陽放射のエネルギーの大部分は紫外線である | × | 可視47%・赤外46%・紫外7% |
| 地球放射のピーク波長は約0.5μmである | × | 288Kで約10μm。0.5μmは太陽 |
| 地表が吸収する太陽放射は、大気上端に入射する太陽放射の約半分である | ○ | 約47% |
| 地表が受け取るエネルギーのうち最大の項は太陽放射である | × | 大気からの下向き赤外放射(100)が太陽放射(47)の2倍以上 |
| 地表から大気へのエネルギー輸送では顕熱が潜熱より大きい | × | 潜熱24、顕熱6。潜熱が約4倍 |
| 空が青いのはミー散乱、雲が白いのはレイリー散乱による | × | 逆。空の青はレイリー、雲の白はミー |
| 放射平衡温度は地球全体で受ける太陽放射を表面積で割って求めるため、太陽定数を2で割る | × | 断面積πr²と表面積4πr²の比で4で割る |
| 温室効果ガスの中で最も寄与が大きいのは二酸化炭素である | × | 水蒸気が最大。人為的な増加分ではCO₂が最大 |
| 温室効果ガスが増えると成層圏の気温も上がる | × | 成層圏は下がる(対流圏が昇温、上端の放射は上へ移る) |
| 夜間の放射冷却は、雲が多く風が強い夜ほど強い | × | 晴れて風が弱く乾いた夜ほど強い |
オリジナル問題15問
計算問題は途中式を紙に書いてから解答を開いてください。過去問は気象業務支援センターで。
- ① 全放射エネルギーは絶対温度に比例する
- ② 放射が最も強い波長は絶対温度に反比例する
- ③ 温度が高いほど放射が最も強い波長は長くなる
- ④ 全放射エネルギーは絶対温度の2乗に比例する
- ⑤ 放射の強さは波長によらず一定である
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②(ウィーンの変位則 λmax=2897/T)。全放射はT⁴に比例(ステファン・ボルツマン)。高温ほどピーク波長は短い。
- ① 約0.05μm
- ② 約0.5μm
- ③ 約5μm
- ④ 約50μm
- ⑤ 約500μm
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②。2897÷6000=0.48μm。可視光の中央付近。
- ① 1日のうち昼が半分、さらに地球の半分しか照らされないため
- ② 太陽放射を受ける断面積πr²と、赤外放射を出す全表面積4πr²の比のため
- ③ アルベドが約0.25であるため
- ④ 太陽放射の4分の1が大気で吸収されるため
- ⑤ 季節による日射の変化を平均するため
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②。地球が受ける太陽放射は円盤の面積πr²×S。それを球の全表面4πr²から放射して釣り合う。
- ① 約225K
- ② 約240K
- ③ 約255K
- ④ 約270K
- ⑤ 約288K
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③。σT⁴=1370×0.7÷4=240。T⁴=240÷5.67×10⁻⁸=4.23×10⁹、T=255K(−18℃)。
- ① 1/4倍
- ② 1/2倍
- ③ 1/√2倍(約0.71倍)
- ④ √2倍
- ⑤ 同じ
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③。日射は距離の2乗に反比例して1/4。T⁴∝Sなので T∝S^(1/4)=(1/4)^(1/4)=1/√2。255K→約180K。
- ① エネルギーの大部分は紫外線として放射される
- ② 可視光線の割合は約半分で、赤外線の割合とほぼ同じである
- ③ 大気中の窒素と酸素が可視光線の大部分を吸収する
- ④ 太陽放射の波長はすべて4μmより長い
- ⑤ 地球の大気上端での太陽放射の強さは季節によらず一定である
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②。紫外7%・可視47%・赤外46%。可視光は大気をほぼ透過。太陽放射は4μmより短い短波。近日点・遠日点で約7%変化。
- ① 波長8〜13μmの赤外放射は水蒸気に強く吸収される
- ② 二酸化炭素は波長15μm付近の赤外放射をよく吸収する
- ③ 窒素は赤外放射の主要な吸収体である
- ④ 地球放射のピーク波長は約4μmである
- ⑤ オゾンは赤外放射を全く吸収しない
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②。8〜13μmは大気の窓(オゾンの9.6μmを除いて透過)。窒素・酸素は赤外をほとんど吸収しない。ピークは約10μm。
- ① 空が青く見えるのは、空気分子によるミー散乱が青い光で強いためである
- ② 夕焼けが赤いのは、長い光路でレイリー散乱により青い光が失われるためである
- ③ 雲が白く見えるのは、雲粒によるレイリー散乱のためである
- ④ レイリー散乱の強さは波長に比例する
- ⑤ ミー散乱は粒子が波長よりはるかに小さいときに起こる
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②。空の青はレイリー散乱(λ⁻⁴、粒子≪波長)、雲の白はミー散乱(粒子〜波長、波長依存小)。
- ① 約20
- ② 約30
- ③ 約50
- ④ 約70
- ⑤ 約90
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③。約47。反射30、大気吸収23。
- ① 地表が受け取るエネルギーは太陽放射が最も大きい
- ② 地表から大気へのエネルギー輸送は顕熱が潜熱より大きい
- ③ 地表から放射される赤外放射のほとんどは大気に吸収されず宇宙へ出る
- ④ 大気からの下向き赤外放射は、地表が吸収する太陽放射より大きい
- ⑤ 地表は年平均で見ると受け取るエネルギーが放出するエネルギーを大きく上回る
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④。下向き赤外100>太陽放射47。潜熱24>顕熱6。地表からの赤外116のうち窓を通るのは約12。年平均では収支はほぼゼロ。
- ① 大気が太陽放射を吸収して地表を暖める現象である
- ② 大気中の水蒸気や二酸化炭素が地表からの赤外放射を吸収し、その一部を地表へ再放射することで地表が暖まる現象である
- ③ 温室効果がなければ地表の平均気温は約0℃になる
- ④ 温室効果ガスの中で最も寄与が大きいのは二酸化炭素である
- ⑤ 窒素と酸素も強い温室効果ガスである
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②。温室効果がなければ約−18℃(255K)。最大の寄与は水蒸気。窒素・酸素は赤外を吸収しない。
- ① 雲は太陽放射を反射するだけで、赤外放射には影響しない
- ② 低くて厚い雲は正味で地球を冷やし、高くて薄い巻雲は正味で暖める傾向がある
- ③ 雲があると夜間の放射冷却が強まる
- ④ 雲は赤外放射をほとんど透過する
- ⑤ 雲のアルベドは地表のどの面よりも小さい
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②。厚い低い雲は反射が大きく雲頂温度も高い(赤外をよく出す)ので冷却。巻雲は反射が小さく雲頂が低温で赤外放射を減らすので加熱。夜間の雲は下向き赤外を増やし冷え込みを弱める。
- ① すべての緯度で吸収する太陽放射と放出する赤外放射が釣り合っている
- ② 低緯度では放出する赤外放射が吸収する太陽放射を上回る
- ③ 高緯度では吸収する太陽放射が放出する赤外放射を下回り、その不足分を大気と海洋の熱輸送が補っている
- ④ 放出する赤外放射は低緯度と高緯度で数倍違う
- ⑤ 極域では太陽放射を全く吸収しない
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③。低緯度で余剰、高緯度で不足、約38°で釣り合う。赤外放射の緯度差は小さい(絶対温度差が1割程度)。
- ① 雲がない
- ② 風が弱い
- ③ 空気が乾燥している
- ④ 地面が雪に覆われている
- ⑤ 湿度が高く下層に水蒸気が多い
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⑤。水蒸気は赤外を放射して地表を暖めるので、湿っていると冷えにくい。雪面は熱伝導が悪く地中からの熱が届かず、放射率も高いので冷える。
- ① 最高気温は太陽高度が最も高い正午ごろに現れる
- ② 最低気温は真夜中に現れる
- ③ 最高気温は正午より2時間ほど遅れて現れ、これは日射が正午を過ぎても地表の放射損失を上回っているためである
- ④ 最低気温は日没直後に現れる
- ⑤ 気温の日変化は海上のほうが内陸より大きい
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③。収入>支出の間は上がり続ける。最低は日の出ごろ。海上は熱容量が大きく日変化が小さい。
一問一答20問|分野別の成績が出ます
放射と熱収支 一問一答20問
収支の数字(47・100・24・6)は図2を自分で描いて確認。
この分野でよくある質問
Q. 放射の計算問題はどこまで出ますか?
A. 放射平衡温度(255K)、ウィーンの変位則(2897/T)、距離の逆二乗、温度が2倍なら放射16倍、といった基本の代入計算です。4乗根の計算は「√を2回」で暗算できるようにしておくと安心です。
Q. エネルギー収支の数字は文献によって違いますが、どれを覚えればいいですか?
A. 文献により数%の差がありますが、試験は大小関係と概数を問います。「地表吸収約半分」「下向き赤外は太陽放射の2倍以上」「潜熱は顕熱の約4倍」「窓から直接出るのは1割強」の関係で答えられます。
Q. 温室効果と地球温暖化の違いは?
A. 温室効果は大気が赤外放射を吸収・再放射して地表を暖める自然の仕組み(33℃分)。温暖化は人為的に温室効果ガスが増えてその効果が強まることです。放射強制力や気候感度は気候変動の記事で扱います。
Q. 放射冷却はなぜ晴れた夜に強いのですか?
A. 雲は赤外放射をよく吸収・放射するので、雲があると下向き赤外放射が増えて地表の放射損失を補います。晴れていると宇宙へ逃げる分が多くなり、地表が冷えます。
Q. この分野は実技で使いますか?
A. 放射冷却による最低気温の予想、接地逆転層と霧・霜、衛星赤外画像(大気の窓の波長で雲頂温度を見る)など、直接使います。
- 式はE=σT⁴とλmax=2897/T。太陽0.5μm・地球10μm、境は4μm
- 放射平衡温度は S(1−A)/4=240W/m² → 255K。÷4は断面積と表面積の比。実際は288Kで差33Kが温室効果
- 収支は「100→反射30・地表47・大気23」「地表へ下向き赤外100」「潜熱24>顕熱6」「窓から12」
- 散乱は粒子の大きさ÷波長:レイリー(λ⁻⁴、青空・夕焼け)、ミー(雲の白)
- 温室効果は水蒸気が最大、CO₂は15μm、成層圏は寒冷化。放射冷却は晴れ・弱風・乾燥・雪面
出典:気象庁「気候変動監視レポート」、IPCC第6次評価報告書(エネルギー収支の推定値)、気象業務支援センター「気象予報士試験 過去の試験問題」、小倉義光『一般気象学』。オリジナル問題の設問・選択肢・数値は当サイト作成です。
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