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こんにちは!気象予報士ののぶやんです。
スーパーで「レタスが高い」「白菜が高い」と感じていませんか。農林水産省の調査(10月13〜14日)では、全国平均の小売価格がレタスは平年の2.15倍、キャベツ1.89倍、はくさい1.80倍。農林水産省は、その理由として9月の長雨と日照不足を挙げています。
では、9月の日照はどれくらい少なかったのでしょうか。この記事では気象庁の日別の日照時間を全国51地点・1968年以降の59年分で集計し、「どこで・どれだけ・いつ」日が差さなかったのかを確かめました。10月は晴れの日が増えた一方、24〜26日は関東で再び雨が続きました。日照は回復したのか、野菜の高値はいつまで続きそうかも、天気の側から整理します。
- 高いのは葉物。主な原因は9月の長雨と日照不足(農林水産省)。10月13〜14日の小売価格はレタス平年比215%・キャベツ189%・はくさい180%
- 2026年9月の日照は関東7地点の平均で平年の38%。東京45.8時間・千葉49.3時間・前橋52.3時間・水戸53.5時間
- 全国51地点のうち12地点で1968年以降最少、29地点で少ない方から3位以内。関東は1988年以来38年ぶりの少なさ
- 気象庁によると、東日本太平洋側の9月の日照は平年の46%で1946年以降最少
- 10月1〜26日の日照は51地点中45地点で平年以上(東京135%)。日照は戻ってきたが、生育の遅れは時間差で価格に残る。農林水産省の10月の見通しも葉物は「平年を上回る」
- 日照チェッカーで、あなたの街の「9月からの日照」と「この先1週間の晴れの日数」を毎日確認できます
日照チェッカー:9月からの日照時間と、この先1週間の晴れ
地点を選ぶと、2026年9月1日から昨日までの日照時間の合計と平年比、日照1時間未満の日数を、気象庁の日別データから自動で計算します(11月30日まで毎日更新)。グラフの橙の棒が2026年の毎日の日照、紺の線が平年です。下段には9月の日照時間の59年分の推移と、気象庁の週間予報を表示します。
51地点の日照不足ランキング(9月の平年比が低い順)
なぜ日照不足で野菜が高くなる?仕組みを図解
野菜は光合成でつくった養分で育ちます。日が差さない日が続くと、葉や玉が大きくならない・結球が遅れる・色づかないといった生育不良が起きます。さらに長雨で畑がぬかるむと、種まきや植え付け(定植)が遅れ、病気も出やすくなります。農林水産省の10月の見通しでも、レタス・はくさい・ピーマンなどで「長雨と日照不足による生育不良」「歩留まり(売り物になる割合)の低下」が理由に挙げられています。
データ検証:2026年9月の日照は「関東で平年の4割」
産地の多い関東・甲信の地点で、2026年9月と10月(1〜26日)の日照時間を平年と比べました。関東の7地点はそろって平年の36〜42%で、どこも1968年以降で最少か2番目の少なさです。比べられる過去の例は1988年の9月だけでした。
| 地点(主な産地・品目) | 9月の日照 | 平年比 | 59年で少ない順 | それまでの最少 | 10/1〜26 平年比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 水戸(レタス・はくさい) | 53.5時間 | 39% | 2位 | 1988年 50.7時間 | 128% |
| 宇都宮 | 49.8時間 | 42% | 2位 | 1988年 49.1時間 | 130% |
| 前橋(キャベツ・レタス) | 52.3時間 | 39% | 最少 | 1988年 57.8時間 | 135% |
| 熊谷 | 49.0時間 | 37% | 2位 | 1988年 42.6時間 | 135% |
| 千葉(だいこん・キャベツ) | 49.3時間 | 37% | 2位 | 1988年 41.6時間 | 111% |
| 東京 | 45.8時間 | 36% | 2位 | 1988年 39.2時間 | 135% |
| 横浜 | 50.5時間 | 36% | 2位 | 1988年 43.3時間 | 125% |
| 甲府 | 72.2時間 | 48% | 最少 | 1988年 84.5時間 | 135% |
| 長野(はくさい・レタス) | 102.3時間 | 68% | 5位 | 2018年 85.5時間 | 128% |
| 仙台 | 68.5時間 | 54% | 最少 | 1988年 71.2時間 | 114% |
| 名古屋 | 82.0時間 | 51% | 最少 | 1970年 87.2時間 | 122% |
東京の9月は日照1時間未満の日が多く、9月1日〜10月26日の56日間では25日(平年は18.9日)にのぼりました。都心で雨が続いた様子は「東京34日連続の雨はなぜ?観測史上最長の記録を検証」でも詳しく検証しています。
気象庁の発表(10月1日)でも、東日本太平洋側の9月の日照時間は平年の46%で、1946年の統計開始以降で最も少なかった(それまでの最少は1988年の54%)とされています。降水量も平年の236%で最多でした。
一方、10月に入ると状況は変わりました。10月1〜26日の日照は51地点中45地点で平年以上で、関東は東京135%・前橋135%・熊谷135%と、むしろ多めです。ただし九州北部は福岡86%・長崎87%と少なく、25〜26日には長崎・五島で記録的な大雨も降りました。
野菜の価格は今どれくらい高い?(農林水産省の調査)
| 品目 | 全国平均(円/kg) | 平年比 | 前週比 |
|---|---|---|---|
| レタス | 1,211 | 215% | 106% |
| キャベツ | 376 | 189% | 121% |
| はくさい | 524 | 180% | 104% |
| だいこん | 272 | 108% | 102% |
| ねぎ | 961 | 104% | 101% |
| トマト | 1,096 | 101% | 101% |
| にんじん | 474 | 100% | 100% |
| たまねぎ | 315 | 97% | 99% |
高いのは葉物(レタス・キャベツ・はくさい)に集中していて、たまねぎ・にんじん・トマトはほぼ平年並みです。農林水産省が9月30日に出した10月の価格見通しをまとめると、次のとおりです。
| 10月の見通し | 品目 | 理由(農林水産省) |
|---|---|---|
| 平年を上回る | はくさい・レタス・ピーマン | 長野・群馬・茨城産などで9月の長雨と日照不足による生育不良 |
| やや上回る | ほうれんそう・ブロッコリー・きゅうり・なす・トマト | 長雨・日照不足による播種や生育の遅れ、着果数の減少、着色の遅れ |
| 前半並み→後半やや上回る | だいこん・キャベツ | 千葉産の定植・生育の遅れ、群馬産の日照不足と低温 |
| 平年並み | にんじん・ねぎ・さといも | 生育はおおむね順調 |
| 平年を下回る | ばれいしょ・たまねぎ | 生育順調で大玉傾向 |
日照は戻った。それでも高いのはなぜ?いつまで続く?
天気の面から見ると、ポイントは「時間差」です。9月にまいた種や植えた苗は、9月の日照不足で生育が遅れました。10月に晴れの日が増えても、遅れた分の生育を一気に取り戻せるわけではありません。農林水産省の見通しが「9月の長雨と日照不足」を理由に10月の価格を高めとしているのは、この時間差のためです。
さらに10月24〜26日は関東でも再び雨やくもりが続き、26日は東京で32ミリの雨。東京の日照は3日間で0.9時間でした(26日は速報値)。今日27日は雨の残る所もありますが、低気圧が東へ抜けて次第に西高東低の冬型の気圧配置になる見込みです(気象庁)。冬型になると関東など太平洋側は晴れやすくなります(くわしくは「冬型の気圧配置はいつから?」)。ただし26日17時発表の週間予報では、28日は晴れるものの、その後はくもりの日が多い予想です。最新の予報はチェッカーで確認してください。
1か月先の気温や晴れの見通しは「11月は暖かい?2026年の1か月予報」で解説しています。価格の今後については、農林水産省が毎月末ごろに翌月の「生育状況及び価格見通し」を、毎週「食品価格動向調査」を公表しています。11月の見通しが出たら、この記事にも追記します。
- 産地の日照:上のチェッカーで前橋(群馬)・長野・水戸(茨城)・千葉を選ぶと、9月からの日照の回復ぐあいがわかります
- この先の晴れ:週間予報で「晴」が続けば生育は進みやすくなります
- 冷え込み:晩秋は気温が下がると生育がゆっくりになります(初霜・初氷はいつ?2026年)
- 大雨・台風:収穫前の大雨や強風は品質を落とします(最近雨が多いのはなぜ?2026年9月の記録的大雨)
あなたの県の「9月の日照」をもっと調べる
都道府県ごとの9月の日照時間(平年値)を地図とランキングで比べられます。もともと晴れやすい県とそうでない県の差も見えてきます。
去年の同じ時期と比べると、今年の秋がどれだけ曇りがちだったかがわかります。地点は東京です。
読み込み中…
「明日・あさっては晴れる?」は、過去の同じ日の天気の出方からも見当がつきます。下は東京の10月28日前後の過去30年分です。
日照不足の実例:1988年9月と比べると
関東の多くの地点で、2026年9月より日照が少なかったのは1988年9月だけです(東京39.2時間、千葉41.6時間、熊谷42.6時間)。一方、前橋(52.3時間)・甲府(72.2時間)・仙台(68.5時間)は1988年をも下回り、1968年以降で最も少ない9月になりました。中部・近畿・四国・九州でも、名古屋・岐阜・静岡・津・奈良・和歌山・徳島・松山・大分が最少を更新しています。今年の日照不足は、関東だけでなく東日本〜西日本の主に太平洋側に広がっていたのが特徴です。
反対に、北海道・東北北部・沖縄では9月の日照は平年並みか多めで、札幌は平年の107%、那覇は108%でした。日照不足の範囲は、秋雨前線と台風の通り道に重なっています(秋雨前線はいつまで?2026年は東京・千葉で平年の3〜4倍の雨)。
全国ランキング:9月の日照が少なかった15地点
平年比で見ると、上位は関東・甲信・東海・近畿と東北南部で、太平洋側に集中しています。51地点すべての順位は、チェッカーの「51地点の日照不足ランキング」で見られます。
| 順 | 地点 | 9月の日照 | 平年 | 平年比 | 59年での順位 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京 | 45.8時間 | 127.4時間 | 36% | 少ない方から2位 |
| 2 | 横浜 | 50.5時間 | 141.2時間 | 36% | 少ない方から2位 |
| 3 | 熊谷 | 49.0時間 | 131.6時間 | 37% | 少ない方から2位 |
| 4 | 千葉 | 49.3時間 | 134.6時間 | 37% | 少ない方から2位 |
| 5 | 水戸 | 53.5時間 | 138.7時間 | 39% | 少ない方から2位 |
| 6 | 前橋 | 52.3時間 | 134.9時間 | 39% | 最少 |
| 7 | 宇都宮 | 49.8時間 | 119.8時間 | 42% | 少ない方から2位 |
| 8 | 静岡 | 70.5時間 | 157.3時間 | 45% | 最少 |
| 9 | 甲府 | 72.2時間 | 150.9時間 | 48% | 最少 |
| 10 | 津 | 79.0時間 | 161.9時間 | 49% | 最少 |
| 11 | 福島 | 62.1時間 | 122.8時間 | 51% | 少ない方から2位 |
| 12 | 名古屋 | 82.0時間 | 159.6時間 | 51% | 最少 |
| 13 | 奈良 | 79.1時間 | 152.8時間 | 52% | 最少 |
| 14 | 仙台 | 68.5時間 | 128.0時間 | 54% | 最少 |
| 15 | 和歌山 | 96.1時間 | 173.2時間 | 55% | 最少 |
そもそも「日照時間」とは?どう測っている?
日照時間は、太陽の光が地面を一定以上の強さで照らした時間です。世界気象機関(WMO)の基準では、太陽から直接届く光(直達日射)が1平方メートルあたり120ワット以上のときを「日照あり」とし、気象庁も同じ基準で観測しています。うす曇りでも太陽の輪郭が見えるほどなら日照に数えられますが、雲が厚いと昼間でも0時間になります。
9月の平年の日照時間は、東京で127時間ほど、1日平均で約4.2時間です。2026年9月の東京は1日平均1.5時間で、日照0時間の日が9月だけで15日(1時間未満は19日)ありました。日照時間の地域差や年間の順位は「日照時間が長い都道府県・市町村ランキング」「晴れと日照のデータまとめ」で詳しくまとめています。
家庭でできる工夫(気象予報士の視点から)
天気のデータから言えるのは、「高いのは葉物、平年並み以下なのは土物」ということです。農林水産省の見通しでも、たまねぎ・ばれいしょは平年を下回り、にんじん・ねぎ・さといもは平年並みです。献立を土物中心にする、葉物は使い切れる量だけ買う、といった工夫が現実的です。
また、カット野菜や冷凍野菜は、契約栽培などで価格の変動が小さいものもあります。価格は店や地域によって違うので、上の表は全国平均の目安として見てください。
よくある質問
Q. 野菜が高いのはなぜですか?
農林水産省は、9月の長雨と日照不足で、長野・群馬・茨城・千葉などの産地で生育不良や生育の遅れが起きたことを主な理由に挙げています。10月13〜14日の全国平均の小売価格は、レタスが平年の215%、キャベツ189%、はくさい180%でした。
Q. 2026年9月の日照時間はどれくらい少なかったですか?
気象庁の日別値を当ブログで集計すると、東京は45.8時間で平年(127.4時間)の36%、1968年以降で1988年に次ぐ2番目の少なさでした。関東7地点の平均は平年の38%です。気象庁は、東日本太平洋側の9月の日照時間は平年の46%で、1946年以降で最も少なかったと発表しています。
Q. 日照不足はどこで起きましたか?
関東・甲信・東海・近畿・四国と東北南部、九州の一部(大分など)に広がりました。全国51地点のうち12地点で1968年以降最少、29地点で少ない方から3位以内でした。北海道・東北北部・沖縄は平年並みか多めでした。
Q. 10月は日照が戻ったのに、なぜまだ高いのですか?
9月の日照不足で生育が遅れた分は、10月に晴れても一気には取り戻せないためです。農林水産省は、9月の天候を理由に10月の葉物の価格を平年より高いと見通しています。10月1〜26日の日照は51地点中45地点で平年以上でした。
Q. どの野菜が高くて、どの野菜は安いですか?
10月13〜14日の調査では、レタス・キャベツ・はくさいが平年の1.8〜2.2倍と高く、だいこん・ねぎ・トマト・にんじん・たまねぎはおおむね平年並み(97〜108%)でした。農林水産省の10月の見通しでは、ばれいしょ・たまねぎは平年を下回るとされています。
Q. 野菜の高値はいつまで続きますか?
価格の見通しは農林水産省が毎月末ごろに公表しています。天気の面では、日照が回復して生育が進むことがプラスですが、晩秋は気温が下がり生育がゆっくりになります。この記事のチェッカーで、産地の日照と週間予報を確認できます。
Q. この記事の日照時間は気象庁の発表と違いますか?
この記事の値は、気象庁の地上気象観測の日別値を当ブログで合計したものです。平年は1991〜2020年の同じ日の平均を当ブログで計算しています。気象庁が公表する月の値や平年値とは、端数の扱いなどでわずかに異なることがあります。
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- 野菜(特に葉物)の高値は、9月の長雨と日照不足による生育不良が主な原因(農林水産省)
- 2026年9月の日照は関東で平年の約4割。東京45.8時間は1988年に次ぐ少なさで、前橋・甲府・名古屋など12地点は1968年以降最少
- 10月は多くの地点で日照が平年以上に回復したが、生育の遅れは時間差で価格に残る
- レタス215%・キャベツ189%・はくさい180%に対し、たまねぎ・にんじん・トマトは平年並み前後
- 日照チェッカーで、産地やあなたの街の日照の回復と、この先の晴れを毎日チェックできます
出典:気象庁「過去の気象データ検索」(日別の日照時間)、気象庁「9月の天候」(2026年10月1日)、気象庁「天気予報」、農林水産省「野菜の生育状況及び価格見通し(令和8年10月)について」、農林水産省「食品価格動向調査(野菜)」。日照時間の合計・平年比・順位は当ブログの集計です。


