今年は台風が多い?少ない?2026年の発生数は8月末で史上2位、でも上陸は2個|理由3つと秋の見通しを気象庁データで検証

日本地図上に都道府県別の台風接近数を色分けし、2026年に上陸した茨城県と和歌山県にピンを立て、月別発生数の棒グラフを重ねたイメージ 気象

こんにちは!気象予報士ののぶやんです。

「今年は台風が多くない?」——2026年は、その感覚が数字で裏づけられる年です。8月だけで10個が発生(1951年の統計開始以来、最多タイ)、8月末までの発生数は23個で1971年に次ぐ史上2位のハイペース。9月に入ってすぐ台風24号が発生し、「24号」という数字を9月上旬に見るのは55年ぶりのことでした。

一方で「日本にはあまり来ていない気がする」というのも正しい感覚です。発生は記録的に多いのに、日本への接近は9個、上陸は2個と平年並みかやや少なめ。この記事では、気象庁の台風統計(毎日自動更新)で2026年の台風が本当に多いのかを検証し、なぜ発生が多いのか、なぜ日本には来ないのか、そして秋の台風はどうなるのかを整理します。

この記事の結論(30秒で読める版)
  1. 2026年の台風の「発生数」は記録的に多い。8月末までに23個(平年13.6個の1.7倍)で1951年以降2位、8月の10個は最多タイ、夏(6〜8月)の17個は3位タイ。9月9日時点で24個に達し、このペースなら年間30個前後(平年25.1個)です。
  2. でも「日本に来る台風」は多くない。9月上旬までの接近は9個(平年約11個)、上陸は2個(6月の台風6号=和歌山、8月の台風15号=茨城に史上初上陸)で平年並み以下。発生場所が日本から遠い南東海上に偏っているためです。
  3. 多い理由は3つ。①7〜8月に熱帯の「偏東風波動」が活発で、台風の種が次々にできた ②8月前半に日本の南で「モンスーンジャイア」(巨大な低気圧性の渦)が発生し、その周りで台風が連続発生した ③史上最強クラスのエルニーニョで、発生域が南東にずれ、台風が長寿命・強力になりやすい海になっている。
  4. 秋の台風は「数より強さ」に注意。エルニーニョの秋は、遠い海で発生した台風が長い距離を移動しながら発達し、勢力を保ったまま日本に近づきやすい傾向があります。海面水温は9月がピーク。10月まで警戒が必要です。
  5. 「台風が少ない」と検索した人へ:少ないのは接近・上陸の話で、発生は多い。どちらも本当です。

【まず検証】今年の台風は多い?少ない? 発生・接近・上陸カウンター

気象庁の台風統計(速報値)を毎日自動で取り込み、今年の発生数・接近数・上陸数を平年値と1951年以降の全年と比べて「多い/少ない」を判定します。月別のグラフと表、年別ランキング(同じ時点までの発生数、年間、8月、夏、少なかった年)も見られます。

今年の台風は多い?少ない? 発生・接近・上陸カウンター(1951年〜今日)

年別ランキング:
出典:気象庁「台風の統計資料」(発生数・接近数・上陸数、1951年〜。今年の値は速報値で、気象庁の更新にあわせて毎日自動反映)。平年値は1991〜2020年の平均。発生数は協定世界時基準。

ポイントは「発生」と「接近・上陸」を分けて見ることです。発生数が多くても、発生する場所が日本から遠ければ日本には来ません。2026年はまさにそのパターンで、台風の数は史上級、日本への影響は今のところ平年並みという年になっています。

2026年の台風を数字で見る|8月10個は最多タイ、8月末23個は史上2位

8月末までの発生数年間の発生数
1971年24個36個
2026年23個24個(9/9時点)
1967年22個39個(年間最多)
2018年21個29個
1965年21個31個
1994年20個36個
平年(1991〜2020年)13.6個25.1個
8月末までの台風発生数の上位。出典:気象庁 台風の統計資料(発生数、協定世界時基準)

2026年は1月から8月まで毎月、平年を上回るペースで台風が発生しました。とくに8月は10個で、1960年・1966年と並ぶ月間最多タイ。夏(6〜8月)の17個は2018年・1994年の18個に次ぐ3位タイ(1967年と同数)です。年間の最多記録は1967年の39個で、このペースが続けば30個前後、記録更新には届かないものの「多い年」であることは間違いありません。

日本への接近・上陸は平年並み

項目2026年(9月9日時点)平年の同時点年間の平年値
発生数24個(9/9時点)18.6個(1〜9月)25.1個
日本への接近数9個約11個(1〜9月)11.7個
日本への上陸数2個2.7個(1〜9月)3.0個
出典:気象庁 台風の統計資料。平年値は1991〜2020年の平均

上陸した2個はどちらも異例でした。6月3日の台風6号(チャンミー)は和歌山県南部に上陸し、6月の上陸は14年ぶり。東京都心で12時間降水量173.5mmを観測しています。8月11日の台風15号(チャンホン)は茨城県南部(鹿嶋市付近)に上陸し、1951年の統計開始以来初めての茨城県上陸となりました。北緯35度付近を西へ進む「逆走台風」で、通過後の8月13〜14日には千葉市で24時間降水量367.0mm、1時間115.0mmの観測史上1位を記録する「令和8年8月千葉豪雨」につながっています(ウェザーニュース 2026年夏の振り返り)。

▶ 年ごとの上陸数の順位は 台風上陸数の年別ランキング、都道府県・市区町村別の上陸・接近の回数は 台風が多い都道府県ランキング台風接近数ランキング にまとめています。

なぜ2026年は台風の発生が多いのか|3つの理由

理由1:熱帯の「偏東風波動」が活発だった

台風の種になるのは、フィリピンの東の海上を西へ進む熱帯の空気の乱れ「偏東風波動」です。気象庁の夏の天候のまとめでは、7〜8月は偏東風波動の活動が活発で、8月中旬までに発生した台風の多くがこの波動を起源としていたと分析されています。波動が次々に通過すれば、そのたびに台風の候補が生まれます。8月に10個という数は、この「種の供給」が途切れなかった結果です。

理由2:日本の南に「モンスーンジャイア」ができた

8月前半、日本の南海上に直径数千kmの巨大な低気圧性の渦「モンスーンジャイア」が形成されました。渦の中や縁では上昇気流が起きやすく、ひとつの渦の周りで台風が連続して発生することがあります。8月の台風14〜18号はこの時期に集中して発生し、さらに台風15号が北緯35度付近を西へ「逆走」して茨城に上陸するという異例の進路も、モンスーンジャイアと上空の寒冷渦の影響でした。

理由3:史上最強クラスのエルニーニョ現象

気象庁のエルニーニョ監視速報(9月9日)によると、2026年春からエルニーニョ現象が続き、8月の監視指数は+3.4℃と、8月として1949年以降で最も高かった1997年(+3.0℃)を上回る記録的な強さです。エルニーニョの年は、太平洋赤道域の暖かい海水が東へ広がるため、台風の発生位置が平常時より南東へずれ、日本から遠い海域で発生しやすくなります。発生域が広がることで発生数が増えやすい一方、日本からは遠いので接近・上陸は増えにくい——2026年の「発生は多いのに来ない」構図は、エルニーニョの典型的なパターンです(気象庁 エルニーニョ監視速報)。ウェザーニューズは5月の時点で「スーパーエルニーニョの年、発生数は平年より多い28個」と予想していました(ウェザーニューズ 2026年台風傾向)。

なお、エルニーニョは夏の太平洋高気圧を弱めて「冷夏」にすることが多いのですが、2026年の夏は歴代5位の暑さでした(2026年夏の猛暑まとめ)。海面水温が全体に高い時代には、教科書どおりにならない部分もあります。

秋の台風はどうなる?「数」より「強さ」に注意

台風シーズンはまだ終わっていません。平年では9月に5.0個、10月に3.4個が発生し、9月は接近3.3個・上陸1.0個と年間で最も日本に来やすい月です(台風が9月に多い理由)。2026年はエルニーニョの影響で次の傾向が予想されます。

  • 遠くで発生して、長く育ってから来る。発生位置が南東にずれると、日本に到達するまでの移動距離が長くなります。暖かい海の上に長くいるほど発達するため、勢力をあまり落とさずに接近する台風が出やすくなります(日本気象協会の解説より、tenki.jp 8月24日)。
  • 海面水温は9月がピーク。日本の南〜近海の海面水温は9月に年間で最も高く、台風が衰えにくい状態が10月上旬まで続きます。今年は残暑も長引く予想です(残暑はいつまで?2026)。
  • 秋雨前線との組み合わせで大雨に。台風本体が来なくても、台風が運ぶ湿った空気が秋雨前線を刺激して大雨になります。9月上旬の東日本の長雨も台風24号くずれの湿った空気が一因でした(最近雨が多いのはなぜ?2026)。
  • 過去の強いエルニーニョの秋。1997年は9月に台風19号が九州に上陸、2015年は9月の関東・東北豪雨(台風18号から変わった低気圧と台風17号の湿った空気)、2023年は9月の台風13号で千葉・茨城に記録的大雨。いずれも「秋の台風+前線」の大雨が目立ちました。

今後の台風の発生・進路は 台風のたまご最新情報 で、各国の予報モデルの比較つきで毎日更新しています。台風が来たときの学校・会社の判断基準は 台風による休校の基準 を参考にしてください。

「今年は台風が少ない」と感じる人へ

検索では「今年 台風 少ない」も多く見られます。これも間違いではありません。2026年の日本への接近・上陸は平年並みかやや少なめで、とくに関東以北では8月の台風15号を除けば直撃がなく、沖縄でも6〜7月の接近が中心でした。理由は上で述べたとおり、発生場所が日本から遠いこと、そして太平洋高気圧の張り出し方によって台風が日本の南を西へ進むコースになりやすかったことです。台風が来ない年の傾向や来にくい県については 台風が来ない県ランキング北海道に台風が来ないのはなぜ? で解説しています。

▶ 自分の県の台風接近数の順位・月別の傾向はこちら。

順位地方合計(1951〜2025年)年平均平年値
1沖縄553個7.4個7.7個
2伊豆・小笠原401個5.3個5.4個
3奄美300個4.0個4.3個
4九州南部279個3.7個3.9個
5九州北部257個3.4個3.8個
6東海248個3.3個3.5個
7四国244個3.3個3.3個
8関東甲信238個3.2個3.3個
9近畿235個3.1個3.4個
10中国213個2.8個3個
11東北192個2.6個2.7個
12北陸186個2.5個2.8個
13北海道119個1.6個1.9個
地方別の台風接近数(年平均、1991〜2020年)
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秋の台風シーズンに向けた備え

停電が長引いたときのポータブル電源と、飲料水・非常食は台風接近時に品薄になります。シーズン前の今のうちに確認を。

2026年の台風についてよくある質問

2026年の台風は多いのですか?

発生数は記録的に多い年です。8月末までに23個が発生し(平年13.6個)、1951年以降で1971年(24個)に次ぐ2位。8月の10個は月間最多タイ、夏(6〜8月)の17個は3位タイです。9月9日時点で24個に達しています。

では、なぜ「今年は台風が少ない」と感じるのですか?

日本への接近・上陸が平年並みかやや少ないためです。9月上旬までの接近は9個、上陸は2個(6月の台風6号、8月の台風15号)。エルニーニョの影響で台風の発生場所が日本から遠い南東海上に偏り、発生しても日本に来にくいコースが多かったことが理由です。

2026年に台風が多い理由は何ですか?

①7〜8月に熱帯の偏東風波動が活発で台風の種が次々にできた、②8月前半に日本の南でモンスーンジャイアが形成され周辺で連続発生した、③記録的なエルニーニョ現象(8月の監視指数+3.4℃)で発生域が広がり台風が発達しやすい海になっている、の3つです。

2026年に上陸した台風は?

6月3日に台風6号(チャンミー)が和歌山県南部に上陸(6月の上陸は14年ぶり)、8月11日に台風15号(チャンホン)が茨城県南部に上陸(統計開始以来初の茨城県上陸)。台風15号は北緯35度付近を西進する異例の「逆走台風」で、通過後に令和8年8月千葉豪雨(千葉市で24時間367.0mm)をもたらしました。

秋の台風は多くなりますか?

発生数は平年並みの見込みですが、エルニーニョの年は遠い海で発生した台風が長い距離を発達しながら進み、勢力を保ったまま接近しやすい傾向があります。海面水温のピークは9月で、10月上旬まで強い台風への警戒が必要です。

台風の発生数が最も多かった年は?

1967年の39個です。次いで1994年・1971年の36個、1966年の35個。逆に最も少なかったのは2010年の14個です。2026年は9月9日時点で24個で、このペースなら年間30個前後になる見込みです。

この記事の数字は更新されますか?

はい。気象庁の台風統計(発生数・接近数・上陸数の速報表)をサーバーが毎日取得し、記事冒頭のカウンターと表に反映しています。本文中の日付つきの数字は執筆時点(9月上旬)のものです。

まとめ

  • 2026年の台風の発生数は記録的。8月10個は最多タイ、8月末23個は史上2位、9月9日時点で24個。
  • 日本への接近9個・上陸2個は平年並み以下。発生場所が遠い南東海上に偏っているため。
  • 理由は偏東風波動の活発化・モンスーンジャイア・史上最強クラスのエルニーニョ
  • 秋は「数より強さ」。長距離を発達しながら進む台風と、秋雨前線との組み合わせによる大雨に注意。
  • 数字は毎日自動更新。上のカウンターで「今日時点の多い・少ない」を確認できます。

出典:気象庁「台風の統計資料」(発生数・接近数・上陸数・平年値、2026年9月9日現在の速報値)、「台風位置表 2026年」、「エルニーニョ監視速報 No.408」(9月9日)、気象庁「夏(6〜8月)の天候」、日本気象協会 tenki.jp(8月24日)、ウェザーニュース(9月1日)、ウェザーニューズ(5月)。

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