「夜になっても25℃を下回らない」——寝苦しさの代名詞熱帯夜は、どこの県が多いのでしょうか?
今回は気象庁の平年値(1991〜2020年)をもとに、熱帯夜(日最低気温25℃以上の日)が多い都道府県・市町村ランキングを作成しました。
よくある47都道府県の一覧表だけでなく、年間+月別に切り替えられるツール、全国916地点(市町村レベル)の検索ツール、比較の目安になる偏差値つきです。
結果は「南の県ほど多い」だけでは説明できない、都市の夜の話になりました。

僕の簡単なプロフィールです。
のぶやん
・気象予報士(福岡あたりの気象のこと中心)
・マラソン(サブ3.5)
・家族との時間が一番好き
このランキングの作り方
- 気象庁「過去の気象データ」の平年値(1991〜2020年)から、日最低気温25℃以上の日数(熱帯夜日数)を年間・月別で使用
- 都道府県ランキングは各都道府県の気象台(県庁所在地。ただし埼玉県は熊谷、山口県は下関、滋賀県は彦根)の値を使用
- 地点別ランキングは、気温の平年値がある全国916地点(気象台+アメダス)が対象
- 偏差値は「全国平均を50」として、その期間内でどれだけ突出しているかを表します
- 年代別(1970年代〜2020年代)の平均も、気象庁「年ごとの値」から独自集計。各年代とも5年以上(2020年代は4年以上)観測がある地点のみ算出しています
【都道府県】熱帯夜が多いランキング(年間・月別切替)
まずは都道府県ランキングです。平年値(年間・月別)に加えて、1970年代〜2020年代の年代別にも切り替えられます。バーの色と長さは、その期間内での熱帯夜の多さ(相対)を表します。
年間の一覧表はこちら。夏本番の7月・8月と、残暑の9月も並べました。
| 順位 | 都道府県(地点) | 年間 | 偏差値 | 7月 | 8月 | 9月 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 沖縄県(那覇) | 107.3日 | 96.4 | 29.2 | 29.3 | 22.6 |
| 2位 | 鹿児島県(鹿児島) | 55.8日 | 68.4 | 20.1 | 24.6 | 8.2 |
| 3位 | 兵庫県(神戸) | 46.8日 | 63.5 | 15.6 | 24.0 | 6.6 |
| 4位 | 大阪府(大阪) | 41.5日 | 60.6 | 15.0 | 21.4 | 4.1 |
| 5位 | 山口県(下関) | 38.9日 | 59.2 | 12.5 | 21.7 | 4.4 |
| 6位 | 福岡県(福岡) | 38.7日 | 59.1 | 14.9 | 19.7 | 3.1 |
| 7位 | 長崎県(長崎) | 38.3日 | 58.9 | 14.4 | 19.4 | 3.3 |
| 8位 | 広島県(広島) | 33.2日 | 56.1 | 11.7 | 18.2 | 2.7 |
| 9位 | 和歌山県(和歌山) | 32.8日 | 55.9 | 12.0 | 17.9 | 2.1 |
| 10位 | 香川県(高松) | 31.8日 | 55.4 | 10.8 | 18.0 | 2.6 |
| 11位 | 三重県(津) | 31.5日 | 55.2 | 11.3 | 17.3 | 2.4 |
| 12位 | 徳島県(徳島) | 29.3日 | 54.0 | 9.7 | 16.7 | 2.7 |
| 13位 | 熊本県(熊本) | 29.1日 | 53.9 | 11.1 | 15.0 | 1.9 |
| 14位 | 京都府(京都) | 27.2日 | 52.9 | 9.5 | 15.4 | 1.8 |
| 15位 | 佐賀県(佐賀) | 27.1日 | 52.8 | 10.8 | 14.2 | 1.3 |
| 16位 | 千葉県(千葉) | 26.5日 | 52.5 | 8.6 | 14.1 | 3.8 |
| 17位 | 愛媛県(松山) | 26.2日 | 52.3 | 8.8 | 15.0 | 1.8 |
| 18位 | 岐阜県(岐阜) | 26.1日 | 52.3 | 9.2 | 14.9 | 1.7 |
| 19位 | 愛知県(名古屋) | 25.6日 | 52.0 | 8.6 | 15.0 | 1.8 |
| 20位 | 宮崎県(宮崎) | 24.9日 | 51.6 | 10.3 | 11.8 | 1.5 |
| 21位 | 神奈川県(横浜) | 24.6日 | 51.4 | 7.5 | 14.2 | 2.8 |
| 22位 | 岡山県(岡山) | 23.9日 | 51.1 | 7.7 | 14.8 | 1.2 |
| 23位 | 高知県(高知) | 23.4日 | 50.8 | 8.4 | 12.9 | 1.7 |
| 24位 | 大分県(大分) | 19.5日 | 48.7 | 6.7 | 11.6 | 0.8 |
| 25位 | 石川県(金沢) | 19.4日 | 48.6 | 6.3 | 12.2 | 0.9 |
| 26位 | 東京都(東京) | 17.8日 | 47.7 | 6.1 | 9.9 | 1.7 |
| 26位 | 滋賀県(彦根) | 17.8日 | 47.7 | 5.5 | 11.2 | 1.0 |
| 28位 | 静岡県(静岡) | 17.4日 | 47.5 | 5.5 | 10.5 | 1.2 |
| 29位 | 奈良県(奈良) | 16.3日 | 46.9 | 4.7 | 10.6 | 0.8 |
| 30位 | 島根県(松江) | 15.4日 | 46.4 | 5.1 | 9.4 | 0.8 |
| 31位 | 福井県(福井) | 14.0日 | 45.7 | 4.5 | 8.6 | 0.8 |
| 32位 | 埼玉県(熊谷) | 12.1日 | 44.7 | 4.3 | 7.1 | 0.6 |
| 33位 | 鳥取県(鳥取) | 11.0日 | 44.1 | 3.9 | 6.2 | 0.6 |
| 34位 | 新潟県(新潟) | 10.9日 | 44.0 | 2.8 | 7.3 | 0.9 |
| 35位 | 群馬県(前橋) | 9.3日 | 43.1 | 3.3 | 5.7 | 0.3 |
| 35位 | 富山県(富山) | 9.3日 | 43.1 | 2.2 | 6.6 | 0.4 |
| 37位 | 山梨県(甲府) | 7.6日 | 42.2 | 2.5 | 4.9 | 0.1 |
| 38位 | 福島県(福島) | 5.3日 | 41.0 | 1.5 | 3.5 | 0.3 |
| 39位 | 栃木県(宇都宮) | 4.7日 | 40.6 | 1.2 | 3.3 | 0.2 |
| 40位 | 茨城県(水戸) | 3.9日 | 40.2 | 1.2 | 2.5 | 0.2 |
| 41位 | 秋田県(秋田) | 3.5日 | 40.0 | 0.8 | 2.3 | 0.4 |
| 42位 | 宮城県(仙台) | 2.7日 | 39.5 | 0.5 | 2.0 | 0.2 |
| 43位 | 長野県(長野) | 1.1日 | 38.7 | 0.3 | 0.7 | 0.1 |
| 44位 | 山形県(山形) | 0.9日 | 38.6 | 0.2 | 0.7 | 0.0 |
| 45位 | 青森県(青森) | 0.6日 | 38.4 | 0.2 | 0.3 | 0.0 |
| 46位 | 岩手県(盛岡) | 0.2日 | 38.2 | 0.0 | 0.1 | 0.1 |
| 47位 | 北海道(札幌) | 0.1日 | 38.1 | 0.1 | 0.0 | 0.0 |
1位は沖縄の107.3日。1年の3割が熱帯夜
1位は沖縄県(那覇)の年間107.3日。5月末から10月まで熱帯夜が続き、7月・8月はほぼ毎晩(30日前後)、9月でも22.6日と、1年の約3割の夜が25℃を下回りません。2位鹿児島55.8日に約2倍の差をつけた独走です。
最下位は北海道の0.1日。岩手0.2日、青森0.6日と続き、東北・信州の夜は真夏でも涼しいことが分かります。1位と47位の差は実に107日です。
3位兵庫・4位大阪——熱帯夜は「南の県」より「都市の夜」
注目は3位の兵庫県(神戸)46.8日、4位の大阪府41.5日です。
緯度でいえばずっと南にある宮崎・高知・熊本を上回ります。
猛暑日ランキングでは目立たなかった神戸が、熱帯夜では全国3位——これが熱帯夜の面白いところです。
理由は2つ。
①ヒートアイランド現象——都市は昼にため込んだ熱を夜に吐き出すため、夜の気温が下がりにくい。
②海沿いの立地——夏の海水温は25℃前後あり、海風が夜の冷え込みを妨げます。つまり熱帯夜は「昼の暑さ」ではなく「熱がこもる場所」のランキングなのです。
昼の暑さ(猛暑日)とは主役が入れ替わる様子は、猛暑日ランキングの記事と見比べると一目瞭然です。
【年代別】熱帯夜は50年で4.2倍に増えた
ツールに年代別の切り替えを付けたので、その中身をまとめておきます。47都道府県(気象台)の熱帯夜を年代ごとに平均すると、増え方は猛暑日以上に強烈です。
| 年代 | 熱帯夜の全国平均 | 1970年代比 | 東京 | 神戸 | 那覇 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1970年代 | 9.0日 | — | 17.1日 | 18.3日 | 76.1日 |
| 1980年代 | 10.6日 | 1.2倍 | 21.2日 | 17.7日 | 90.8日 |
| 1990年代 | 18.4日 | 2.0倍 | 28.8日 | 28.3日 | 103.3日 |
| 2000年代 | 20.9日 | 2.3倍 | 28.4日 | 49.2日 | 103.3日 |
| 2010年代 | 26.9日 | 3.0倍 | 34.6日 | 49.2日 | 114.2日 |
| 2020年代(〜2025) | 38.0日 | 4.2倍 | 38.7日 | 64.2日 | 124.7日 |
全国平均は1970年代の9.0日から2020年代の38.0日へ4.2倍。東京は17.1日→38.7日、那覇にいたっては76.1日→124.7日と、いまや1年の3分の1が熱帯夜です。
とくに注目してほしいのが神戸です。
1980年代までは東京と同レベル(17〜18日)だったのに、90年代以降に急増して2020年代は64.2日と3.5倍。
都市化と温暖化がダブルで効くと夜の気温はここまで変わる——「熱帯夜は増え続けている現象」であることが、年代別を見るとはっきり分かります。
ツールで「1970年代」と「2020年代」を切り替えて、あなたの街の変化も確かめてみてください。
【市町村(地点)別】熱帯夜が多いランキング 全国916地点
続いて地点別です。検索ボックスにあなたの街や近くの地点名を入れてみてください。
月別(平年値)と年代別(1970年代〜2020年代)への切り替えもできます。
あなたの街の寝苦しさは、50年でどれだけ増えたでしょうか?
月別への切り替えもできます。
東京都 小笠原村151.7日偏差値 120.8
沖縄県 石垣市128.6日偏差値 109.3
沖縄県118.6日偏差値 104.4
沖縄県117.5日偏差値 103.8
沖縄県117.2日偏差値 103.7
沖縄県116.2日偏差値 103.2
沖縄県 竹富町115.3日偏差値 102.7
沖縄県 石垣市113.3日偏差値 101.7
沖縄県112.7日偏差値 101.4
沖縄県 宮古島市112.0日偏差値 101.1
沖縄県 与那国町111.9日偏差値 101.0
沖縄県108.6日偏差値 99.4
沖縄県107.6日偏差値 98.9
沖縄県 那覇市107.3日偏差値 98.7
沖縄県 竹富町106.3日偏差値 98.2
沖縄県 久米島町98.2日偏差値 94.2
鹿児島県97.9日偏差値 94.1
沖縄県 うるま市97.7日偏差値 94.0
東京都 小笠原村97.6日偏差値 93.9
沖縄県 竹富町96.8日偏差値 93.5
| 順位 | 地点(都道府県・市町村) | 年間熱帯夜 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 南鳥島(東京都・小笠原村) | 151.7日 | 120.8 |
| 2位 | 石垣島(沖縄県・石垣市) | 128.6日 | 109.3 |
| 3位 | 北大東(沖縄県) | 118.6日 | 104.4 |
| 4位 | 所野(沖縄県) | 117.5日 | 103.8 |
| 5位 | 仲筋(沖縄県) | 117.2日 | 103.7 |
| 6位 | 旧東(沖縄県) | 116.2日 | 103.2 |
| 7位 | 波照間(沖縄県・竹富町) | 115.3日 | 102.7 |
| 8位 | 伊原間(沖縄県・石垣市) | 113.3日 | 101.7 |
| 9位 | 安次嶺(沖縄県) | 112.7日 | 101.4 |
| 10位 | 宮古島(沖縄県・宮古島市) | 112.0日 | 101.1 |
| 11位 | 与那国島(沖縄県・与那国町) | 111.9日 | 101.0 |
| 12位 | 下地島(沖縄県) | 108.6日 | 99.4 |
| 13位 | 北原(沖縄県) | 107.6日 | 98.9 |
| 14位 | 那覇(沖縄県・那覇市) | 107.3日 | 98.7 |
| 15位 | 西表島(沖縄県・竹富町) | 106.3日 | 98.2 |
| 16位 | 久米島(沖縄県・久米島町) | 98.2日 | 94.2 |
| 17位 | 与論島(鹿児島県) | 97.9日 | 94.1 |
| 18位 | 宮城島(沖縄県・うるま市) | 97.7日 | 94.0 |
| 19位 | 父島(東京都・小笠原村) | 97.6日 | 93.9 |
| 20位 | 大原(沖縄県・竹富町) | 96.8日 | 93.5 |
| 21位 | 名護(沖縄県・名護市) | 96.0日 | 93.1 |
| 22位 | 鏡原(沖縄県) | 92.2日 | 91.2 |
| 23位 | 沖永良部(鹿児島県・和泊町) | 90.7日 | 90.5 |
| 24位 | 伊是名(沖縄県・伊是名村) | 89.4日 | 89.8 |
| 25位 | 南大東(南大東島)(沖縄県・南大東村) | 88.5日 | 89.4 |
| 26位 | 古仁屋(鹿児島県・瀬戸内町) | 83.2日 | 86.7 |
| 27位 | 天城(鹿児島県) | 82.9日 | 86.6 |
| 28位 | 笠利(鹿児島県) | 78.9日 | 84.6 |
| 29位 | 伊仙(鹿児島県・伊仙町) | 76.1日 | 83.2 |
| 30位 | 喜界島(鹿児島県) | 75.4日 | 82.9 |
1位は南鳥島の151.7日。トップ20は南の島が独占
地点別1位は南鳥島の151.7日——1年の4割以上が熱帯夜という、海洋性気候の極致です。
2位石垣島128.6日、以下、北大東・波照間・宮古島・与那国島と沖縄の島々が110日超でトップ20をほぼ独占。生活圏として日本一寝苦しいのは石垣市ということになります。
一方、全916地点のうち304地点は熱帯夜が年0.0日。
北海道・東北の内陸や標高の高い地域では、熱帯夜はいまだに「無縁の現象」です。
同じ日本で「年150日」と「年0日」が同居しています。
本土の1位は鹿児島、2位は神戸
| 順位 | 地点(都道府県・市町村) | 年間熱帯夜 |
|---|---|---|
| 1位 | 鹿児島(鹿児島県・鹿児島市) | 55.8日 |
| 2位 | 神戸(兵庫県・神戸市) | 46.8日 |
| 3位 | 清水(高知県・土佐清水市) | 44.9日 |
| 4位 | 大阪(大阪府・大阪市) | 41.5日 |
| 5位 | 空港北町(福岡県) | 39.4日 |
| 6位 | 下関(山口県・下関市) | 38.9日 |
| 7位 | 福岡(福岡県・福岡市) | 38.7日 |
| 8位 | 長崎(長崎県・長崎市) | 38.3日 |
| 9位 | 牛深(熊本県・天草市) | 38.0日 |
| 10位 | 関空島(大阪府) | 37.6日 |
沖縄・離島を除いた本土のトップ10です。
鹿児島に次いで神戸・大阪・下関・福岡・長崎と、瀬戸内〜九州北部の「海沿い都市」がずらり。
3位に入った清水(高知県土佐清水市)は黒潮に洗われる岬の街で、海水温の影響力の強さを物語っています。
同じ県でも夜の暑さは別物——東京都内で比べると
東京都内の地点を並べると、都心湾岸の羽田26.8日・練馬22.4日に対して、郊外の八王子や青梅はひと桁、奥多摩の小河内はほぼゼロ。
同じ都内でも「毎晩寝苦しい街」と「夜は涼しい街」があるのです。
熱帯夜が多いのは「南の県」ではなく「海沿いの大都市と南の島」。
エアコンの電気代や寝具選びの参考にするなら、県の順位よりも上のツールで自分の街の近くの地点を確かめるのが確実です。
まとめ
今回の内容についてまとめました。
- 熱帯夜日本一は沖縄県の年間107.3日。7〜8月はほぼ毎晩、9月も22.6日と、1年の約3割が熱帯夜。最下位は北海道の0.1日で、その差107日
- 3位兵庫(神戸)・4位大阪が九州の多くの県を上回る……熱帯夜は「南の県」より「海沿いの大都市」の現象。ヒートアイランドと海水温が夜の冷え込みを妨げる
- 地点別1位は南鳥島の151.7日、生活圏なら石垣島の128.6日。トップ20は沖縄の島々がほぼ独占
- 全916地点中304地点は熱帯夜ゼロ……北海道・東北内陸・高原では今も無縁。同じ日本に「年150日」と「年0日」が同居
- 同じ県内でも別物……東京都内でも羽田26.8日に対し奥多摩はほぼゼロ。寝苦しさ対策は市町村単位で
- 昼の暑さは猛暑日ランキング、体感の暖かさは暖かい県ランキングとあわせてどうぞ
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以上が、「熱帯夜が多い都道府県・市町村ランキング【偏差値つき】日本一寝苦しい街はどこ?」でした。
読んでいただきありがとうございました。


