木枯らし1号2026はいつ?東京の条件を35年分の観測で再現|平均は10月30日、吹かない年も【今日の風で判定ツール】

気象

こんにちは!気象予報士ののぶやんです。

10月も半ばを過ぎると、ニュースで「木枯らし1号」という言葉を聞くようになります。冬の訪れを知らせる北風ですが、実は毎年必ず吹くものではありません。東京地方では2018年以降だけでも、2018年・2019年・2021年・2022年の4回、1号の発表がないまま冬を迎えました。去年(2025年)は11月3日、その前の2024年は11月7日、2023年は11月13日でした。

では、2026年はいつ吹くのでしょうか。この記事では、気象庁が示している東京地方の木枯らし1号の目安(10月半ば〜11月末、北寄りの風、最大風速8m/s以上)を、気象庁「東京」の1991〜2025年の日別データ35年分に当てはめました。雨の日を除いて判定すると、条件を満たした最初の日は平均で10月30日。この判定は、2018〜2025年の8年間について、気象庁の発表の有無と発表日をすべて再現できました。一方で、観測所が北の丸公園に移った2015年以降は、条件を満たす年が11年中6年に減り、平均は11月3日に遅れています。記事の前半には、今日の東京の風で「木枯らし条件」を判定するツールも置きました。

この記事の結論(30秒で読める版)
  1. 木枯らし1号は東京地方と近畿地方だけで発表される。東京地方の目安は「10月半ば〜11月末」「西高東低の冬型の気圧配置」「北寄り(西北西〜北)の風」「最大風速おおむね8m/s以上」。
  2. この目安を東京の35年分(1991〜2025年)の観測に当てはめると、条件を満たしたのは26年、最初の日の平均は10月30日。最も早いのは10月15日(1991年・2004年。判定期間の初日)、最も遅いのは11月19日(2005年)。
  3. 雨の日を除く判定で、2018〜2025年の発表(2020年11月4日・2023年11月13日・2024年11月7日・2025年11月3日と、2018・2019・2021・2022年の「発表なし」)をすべて再現。
  4. 2015年以降は条件を満たす年が11年中6年、平均は11月3日。2014年12月に観測所が大手町から北の丸公園へ移り、風が弱めに観測されるようになった影響が大きいと考えられる。
  5. 2026年の目安は「10月下旬〜11月上旬、吹かない年もある」。ツールで今日の東京の風を判定できる。

木枯らし1号とは?東京地方と近畿地方の条件

木枯らし(凩)は、晩秋から初冬にかけて吹く冷たい北寄りの風のことで、その年の最初のものを「木枯らし1号」と呼びます。気象庁が「木枯らし1号」を発表するのは東京地方(東京管区気象台)と近畿地方(大阪管区気象台)だけです。どちらも、冬型の気圧配置になって大陸から冷たい季節風が吹き出したことを知らせる、いわば「冬の始まりの合図」です。

東京地方近畿地方
期間10月半ば〜11月末霜降(10月23日ごろ)〜冬至(12月22日ごろ)
気圧配置西高東低の冬型西高東低の冬型
風向北寄り(西北西〜北)北寄り
風の強さ東京の観測点で最大風速おおむね8m/s以上最大風速おおむね8m/s以上
発表されない年ある(期間内に条件を満たさなければ「なし」)ある
気象庁(東京管区気象台・大阪管区気象台)の説明による一般的な目安。実際の発表は天気図や各地の風を見て総合的に判断される。

ポイントは「期間」です。東京地方は11月末まで、近畿地方は冬至までに条件を満たさなければ、その年の1号は発表されません。春の「春一番」も同じように、発表されない年があります(春一番ってなに?)。木枯らしという言葉の由来や季語としての意味は、以前の記事木枯らしってなに?でも解説しました。

ツール:今日の東京は木枯らし条件?過去35年はいつ吹いた?

下の枠の上段では、気象庁アメダス「東京」の今日の10分ごとの風を読み込み、今日の最大風速と風向が木枯らし1号の目安に当てはまるかを判定します。10月15日〜11月30日の間に「風の条件はクリア!」と出た日は、天気図が西高東低の冬型になっていれば、その日のうちに気象庁から発表があるかもしれません。下のグラフは、同じ条件を1991〜2025年の日別データに当てはめた結果です。しきい値を7m/sや9m/sに変えたり、雨の日を含めたりすると、結果がどう変わるかも試せます。

木枯らし1号チェッカー|今日の東京は条件クリア?過去35年はいつ吹いた?
上:気象庁アメダス「東京」(千代田区北の丸公園)の今日の風を読み込み、木枯らし1号の目安(10月15日〜11月30日・北寄りの風・最大風速8m/s以上)に当てはまるかを判定します。下:同じ条件を1991〜2025年の日別データに当てはめ、各年で最初に条件を満たした日を表示します。
今日の東京の風を読み込み中…
年ごとの一覧を見る
データ:気象庁「過去の気象データ検索」東京の日別値(1991〜2025年の10月15日〜11月30日)、気象庁アメダス(今日の値は10分ごとの速報値)。北寄りの風=最大風速の風向が西北西・北西・北北西・北。東京の観測所は2014年12月2日に大手町から北の丸公園へ移転しており、移転後は風速が弱めに観測されます。判定に使うのは「その日の最大風速を記録したときの風向」です。気象庁の発表は天気図(西高東低の冬型)なども見て総合的に判断されるため、この判定と一致しない年があります。

グラフの点は、各年で最初に条件を満たした日です。紫の点(大手町時代)は10月下旬に集まっていますが、赤い点(北の丸公園時代)は11月にずれ、「×」(条件を満たさなかった年)が増えているのがわかります。

図解:木枯らし1号が吹くしくみ

西高東低の冬型の気圧配置と木枯らし 高シベリア高気圧(冷たく乾いた空気) 低発達する低気圧 日本列島 北西の季節風 等圧線が縦じま=北風が強い 日本海側:雪や雨(雲が山にぶつかる)太平洋側(東京):山を越えた乾いた北風=晴れて風が強い「木枯らし」
木枯らし1号が吹くときの典型的な気圧配置の模式図(位置・形は実際の縮尺ではありません)。

晩秋になると、大陸でシベリア高気圧が発達し始めます。日本の東の海上で低気圧が発達すると、西に高気圧・東に低気圧が並ぶ「西高東低」の冬型の気圧配置になり、等圧線が日本付近で南北に縦じまのように混み合います。このとき、大陸から冷たく乾いた北西の季節風が吹き出します。

季節風は日本海を渡る間に水蒸気をもらい、日本海側の山にぶつかって雨や雪を降らせます。山を越えて太平洋側に吹き下りるころには乾いた風になっているため、東京では「よく晴れて、北風が強く、空気が乾く」という、典型的な木枯らしの日になります。この記事の判定で「雨の日を除く」と条件を加えたのはこのためで、雨を伴う北風(台風や低気圧が通り過ぎたあとの吹き返しなど)を除く効果があります。天気図の見方は天気図の読み方|気圧配置の型、山を越えた乾いた風については空っ風(からっ風)が吹く仕組みで詳しく解説しています。

データ検証:35年分の観測で「木枯らし条件」の日を数えた

気象庁「過去の気象データ検索」から、東京の1991〜2025年の10月15日〜11月30日の日別値(最大風速・その風向・日降水量)を集め、「最大風速の風向が西北西〜北」「最大風速8m/s以上」「日降水量1mm未満」を満たす最初の日を年ごとに調べました。気圧配置(冬型かどうか)はデータで判定していないため、あくまで「風の条件」による再現です。

期間年数条件を満たした年最初の日(平均)最も早い/遅い1シーズンあたりの条件日数
1991〜2025年(全期間)35年26年(74%)10月30日10月15日/11月19日-
1991〜2014年(大手町)24年20年(83%)10月29日10月15日/11月19日平均2.9日
2015〜2025年(北の丸公園)11年6年(55%)11月3日10月24日/11月13日平均1.3日
気象庁「過去の気象データ検索」東京の日別値から筆者集計。条件:10月15日〜11月30日、最大風速の風向が西北西・北西・北北西・北、最大風速8m/s以上、日降水量1mm未満。平均は条件を満たした年だけで計算。集計は10月15日からのため、最も早い10月15日はそれ以前を数えていない。

しきい値を変えると結果も変わります。7m/s以上にすると35年中33年で条件を満たし(平均10月29日)、9m/s以上にすると18年(平均11月7日)に減ります。気象庁の目安の8m/sは、ちょうど「吹く年が多いが、吹かない年もある」境目になっていることがわかります。

2015年以降の再現結果と気象庁の発表

年この記事の判定(最初の日)最大風速・風向気象庁の発表
2025年11月3日9.4m/s 北西11月3日
2024年11月7日8.3m/s 北西11月7日
2023年11月13日8.3m/s 北西11月13日
2022年なし(期間内の北寄りの最大は7.3m/s)なし
2021年なし(同 7.3m/s)なし
2020年11月4日8.2m/s 北西11月4日
2019年なし(同 7.2m/s)なし
2018年なし(同 6.4m/s)なし
2017年10月30日8.9m/s 北北西発表あり
2016年なし(11月9日に9.4m/sの北西風。ただし雨)-
2015年10月24日8.1m/s 北西-
判定は筆者集計。気象庁の発表日は各年の報道(日本気象協会tenki.jp、ウェザーニュース等が伝えた気象庁発表)で確認。2017年は「2020年の発表は3年ぶり」との報道から発表ありと判断。-は未確認。

2018〜2025年の8年間は、発表の有無も日付もすべて一致しました。「雨の日を除く」条件で結果が変わるのは35年の中でも一部の年(2016年は11月9日に9.4m/sの北西風が吹いたものの雨を伴ったため除外、発表の有無は未確認)で、2018〜2025年の一致は雨の条件がなくても同じです。2025年11月3日は東京で最大風速9.4m/s(北西)、最大瞬間風速17.7m/sを観測し、よく晴れた典型的な木枯らしの日でした。逆に、発表がなかった年は、期間中の北寄りの風の最大が6〜7m/s台にとどまっていました。

注意したいのは観測所の移転です。東京の観測所は2014年12月2日に大手町から北の丸公園に移りました。北の丸公園は観測所の周りを公園の樹木に囲まれていて風が弱めに観測されるため、同じ強さの季節風でも最大風速が小さく出やすくなりました。2015年以降に「なし」の年が増えたのは、冬型が弱くなったというより、観測環境の変化の影響が大きいと考えられます。気象庁の観測のしくみはアメダスとは?で解説しています。

木枯らし1号の日は寒い?当日と翌朝の気温

「木枯らし=寒い日」というイメージがありますが、データを見ると少し違います。条件を満たした26回の「最初の日」について前後の気温を比べると、当日の最高気温は前日より平均0.7℃高く、前日より下がったのは26回中11回だけでした。山を越えて吹き下りる乾いた風とよく晴れた日差しの影響と考えられ、日中はむしろ暖かく感じる日もあります(当日の最高気温は平均20.1℃)。

ところが翌日の最低気温は、当日の最低気温より平均1.6℃低く、26回中22回で下がっていました(翌日の最低気温は平均10.5℃)。北風で冷たい空気が入ったあと、夜に風が弱まってよく晴れると、放射冷却で一気に冷え込むためです。最大瞬間風速は平均16.9m/s、最大で22.8m/s(1996年)でした。「木枯らし1号の翌日は朝が冷える」と覚えておくと、服装や暖房の準備に役立ちます。朝晩と日中の気温差については寒暖差が大きいのはいつ?2026年秋も参考にしてください。

平均補足
当日の最高気温20.1℃前日より平均0.7℃高い(下がったのは26回中11回)
当日の最低気温-前日より平均1.1℃低い
翌日の最低気温10.5℃当日の最低気温より平均1.6℃低い(下がったのは26回中22回)
当日の最大瞬間風速16.9m/s最大は1996年の22.8m/s
気象庁「過去の気象データ検索」東京の日別値から筆者集計。対象はこの記事の条件(8m/s以上・北寄り・雨なし)を各年で最初に満たした26日(1991〜2025年)。

「木枯らし」という言葉と季語

「木枯らし」は「木を吹き枯らす風」が語源とされ、漢字では「凩」とも書きます。俳句では冬の季語で、晩秋に吹く最初の木枯らしは、まさに冬の到来を告げる風です。二十四節気では、霜降(10月23日)から立冬(11月7日)にかけての時期にあたり、東京の木枯らし1号の平均(10月30日)も、ちょうどこの間に入ります。

2026年の木枯らし1号はいつ?

過去の傾向から、2026年の東京地方の木枯らし1号は10月下旬〜11月上旬が目安です。北の丸公園に移ってからの11年に限ると、条件を満たした6回はすべて10月24日〜11月13日の間でした。ただし、11年中5年は条件を満たさずに11月末を迎えており、「吹かない年もある」ことも覚えておきたいところです。

木枯らし1号が吹くかどうかは、11月に強い冬型の気圧配置が現れるかどうか次第です。週間予報で東京に「晴れ」と「北西の風やや強く」が並ぶ日は、木枯らし1号の候補日になりやすい日です。今年の冬の見通しは今年の冬は暖冬?2026-27年の見通しにまとめています。木枯らし1号が吹いた翌朝は放射冷却で冷え込むことが多いので、暖房はいつから?2026年や羽毛布団はいつから?2026年も参考にしてください。

過去の11月3日前後の東京の天気は、次のツールで確認できます(地点や日付も変えられます)。

読み込み中…

参考までに、観測史上の最大瞬間風速の歴代ランキング(トップ10)は次のとおりです。木枯らしの17m/s前後と比べると、台風の風の強さがよくわかります。

歴代最大瞬間風速ランキング トップ10(観測史上1位の値)
順位地点(都道府県・市町村)記録風向観測日偏差値
1位富士山(静岡県)91.0m/s南南西1966年9月25日101.4
2位宮古島(沖縄県・宮古島市)85.3m/s北東1966年9月5日96.1
3位室戸岬(高知県・室戸市)84.5m/s西南西1961年9月16日95.4
4位与那国島(沖縄県・与那国町)81.1m/s南東2015年9月28日92.3
5位名瀬(鹿児島県・奄美市)78.9m/s東南東1970年8月13日90.3
6位那覇(沖縄県・那覇市)73.6m/s南1956年9月8日85.4
7位宇和島(愛媛県・宇和島市)72.3m/s西1964年9月25日84.2
8位石垣島(沖縄県・石垣市)71.0m/s南南西2015年8月23日83.0
9位西表島(沖縄県・竹富町)69.9m/s北東2006年9月16日82.0
10位剣山(徳島県)69.0m/s南南東1970年8月21日81.1

都道府県ごとの月別の風の強さは、次のツールで比べられます。

注意点:木枯らしの日に気をつけたいこと

  • 空気の乾燥と火の取り扱い。木枯らしの日は晴れて湿度が大きく下がり、火災が広がりやすくなります。
  • 体感温度の低下。風速が1m/s強まると体感温度は約1℃下がると言われます。あくまで目安ですが、気温以上に寒く感じるので、風を通しにくい上着を。
  • 自転車・洗濯物・看板。最大瞬間風速は最大風速の1.5〜2倍になることが多く、2025年の1号の日も最大瞬間風速は17.7m/sでした(風速の目安|m/s別に何が起きるか)。
  • この記事の判定は「風の条件」だけです。気象庁は天気図などを見て総合的に判断するため、判定と発表が一致しない年もあります(1991〜2014年は、発表との一致を確認していません)。

風が強い日は今日、日本一風が強かった場所、気圧の変化は今日の気圧(全国の実況)で確認できます。電車や飛行機への影響の目安は飛行機・新幹線は風速何mで止まる?にまとめています。

よくある質問(FAQ)

木枯らし1号の条件は?

東京地方では、10月半ばから11月末までの間に、西高東低の冬型の気圧配置となって、西北西〜北の風が吹き、最大風速がおおむね8m/s以上になったときに発表されます。近畿地方は霜降(10月23日ごろ)から冬至(12月22日ごろ)までの間が期間です。

2026年の木枯らし1号はいつですか?

過去の傾向からは10月下旬〜11月上旬が目安です。東京の観測データに条件を当てはめると、最初の日の平均は10月30日、観測所が北の丸公園に移った2015年以降に限ると11月3日です。

木枯らし1号が吹かない年もありますか?

あります。東京地方では近年も2018年・2019年・2021年・2022年に発表がありませんでした。11月末までに条件を満たさないと、その年は「なし」になります。

去年(2025年)の木枯らし1号はいつでしたか?

東京地方は2025年11月3日でした。東京では最大風速9.4m/s(北西)、最大瞬間風速17.7m/sを観測しました。2024年は11月7日、2023年は11月13日です。

木枯らし1号はどこで発表されますか?

気象庁が発表するのは東京地方と近畿地方だけです。ほかの地方では発表されません。

木枯らし2号もあるのですか?

気象庁が発表するのは1号だけです。2回目以降の北風は「木枯らし」と呼ばれることはあっても、番号をつけた発表はありません。

なぜ最近は東京で木枯らし1号が吹かない年が多いのですか?

2014年12月に東京の観測所が大手町から北の丸公園に移り、森に囲まれて風が弱めに観測されるようになったことが大きいと考えられます。条件(最大風速8m/s以上)を満たす日は、1シーズン平均2.9日から1.3日に減りました。

まとめ
  • 木枯らし1号は東京地方と近畿地方だけで発表。東京は10月半ば〜11月末、冬型・北寄りの風・最大風速8m/s以上が目安。
  • 東京の35年分の観測に当てはめると、最初の日の平均は10月30日、条件を満たしたのは26年。
  • 2018〜2025年の発表の有無と日付をすべて再現。2025年は11月3日、2024年は11月7日、2023年は11月13日。
  • 2015年以降は11年中6年、平均11月3日。観測所の移転で風が弱めに観測されるようになった。
  • 2026年は10月下旬〜11月上旬が目安、吹かない年もある。今日の判定はツールで。

出典:気象庁「過去の気象データ検索」(東京の日別値 1991〜2025年)、気象庁アメダス(東京 10分値)、気象庁(東京管区気象台・大阪管区気象台)の木枯らし1号の説明、各年の気象庁発表を伝えた報道(日本気象協会tenki.jp、ウェザーニュース、東京新聞ほか)。集計・判定は筆者。

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