こんにちは!気象予報士ののぶやんです。
十勝岳が噴火した場合、火山灰はおもに東側(北見・網走・釧路・帯広の方角)へ流れます。旭川・富良野・札幌の方角へ流れることは少なく、年間を通して数%ですが、6〜7月だけは西側へ流れる割合が14〜16%に増えます。北海道の十勝岳では、2026年9月12日9時30分に噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げられ、10月5日16時の解説情報でもレベル3が続いています。北海道の火山でレベル3が適用されたのは、2007年に噴火警戒レベルが導入されてから初めてです。気象台は「火口から概ね3kmの範囲では大きな噴石に警戒」するよう呼びかけ、噴火警報の対象は富良野市・美瑛町・上富良野町・南富良野町・新得町。火口から約3kmの範囲は立ち入り規制となっています。
では、もし噴火したら火山灰はどこへ流れるのか。火山灰の行き先を決めるのは上空の風です。元気象庁職員の気象予報士として、十勝岳に最も近い高層気象観測点である札幌の上空の風(2011〜2025年の15年分、1日2回・約1万1,000回分)を集計し、月ごと・高さごとに「灰がどの方角へ流れやすいか」「周辺の町の方角へ流れる割合」を計算しました。月と高さを選べるシミュレーターも置いたので、自分の住む町・行く予定の町で確かめてください。
- 十勝岳は9月12日に噴火警戒レベル3(入山規制)に引き上げられ、10月5日16時の解説情報でもレベル3が継続(道内のレベル3は導入以来初)。火口から概ね3kmは大きな噴石に警戒、上富良野町は吹上温泉地区に避難指示。気象台は「風下側では火山灰や小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれ」も示している
- 札幌の上空約3,000mの風(2011〜2025年)で見ると、火山灰が流れやすいのは東(41%)、次いで南東(24%)・北東(18%)。北東〜南東の東側へ流れる割合は年間82%
- 周辺の町の方角へ流れる割合(約3,000m・年間)は、釧路43%・北見33%・網走30%・帯広22%・新得13%。逆に旭川3.1%・美瑛2.6%・富良野1.8%・札幌1.8%と、西〜北西側は少ない
- 季節で変わり、10〜12月は東側へ89〜94%とほぼ決まる一方、6〜7月は西風が弱まり、西側へ流れる割合が14〜16%に増える(旭川の方角は6月9.0%)
- 上空約3,000mの平均風速は13m/s。帯広(約70km)までは約1.5時間、釧路(約150km)でも約3時間で灰が運ばれる計算。降灰予報が出たら、風下の地域は洗濯物・車・農作物の対策を
【ツール】十勝岳の火山灰はどっちへ流れる?月・高さ別シミュレーター
月と「灰の高さ」を選ぶと、札幌の上空の風から計算した火山灰が流れやすい方角(赤い扇形)と、周辺17地点の方角へ灰が向かう割合のランキングが切り替わります。表の地点名を押すと、その地点の方角へ流れる割合の月別グラフが出ます。最初は今月・約3,000mの風を表示しています。小規模な噴火(噴煙が火口から1,000m程度)なら約3,000m、噴煙が高く上がる噴火なら約5,500mを目安に選んでください。
いま実際に噴火したらどう降るかは、気象庁が噴火警戒レベル3の間に定期的に発表している「降灰予報(定時)」で確認できます(気象庁 降灰予報)。噴火警報の最新の状況は気象庁の火山情報でも確認できます。
使ってみると、どの月でも赤い扇形が東側(右側)に大きく伸びていることがわかります。北海道の上空には一年じゅう偏西風(西から東への風)が吹いているためです。ただし6〜7月を選ぶと扇形が丸く広がり、旭川や富良野の方角にも灰が向かう日が出てきます。
火山灰の行き先は「噴煙の高さ」と「上空の風」で決まる
噴火で噴き上げられた火山灰は、噴煙の高さまで上がったあと、その高さの風に流されながら少しずつ落ちてきます。細かい灰ほど長く空中にとどまり、遠くまで運ばれます。つまり「どの方角に、どこまで灰が降るか」は、噴煙の高さとその高さの風向・風速でおおよそ決まります。
気象庁は噴火が起きると、噴煙の高さと上空の風の予測から「降灰予報」を発表し、どの市町村にどのくらいの灰が降るかを知らせます(噴火前から、もし噴火したらどう降るかを示す「定時」の降灰予報も出しています)。この記事の計算は、降灰予報の代わりではなく、過去の風から見た「灰が流れやすい方角」の傾向です。実際に噴火したら、必ず気象庁の降灰予報を確認してください。
データで検証:札幌の上空の風15年分で見る、灰が流れる方角
気象庁の高層気象観測(ラジオゾンデ)は北海道では札幌・稚内・釧路などで行われていて、十勝岳(北緯43.4度・東経142.7度)から最も近いのは約115km西南西の札幌です。上空の風は数百km規模でほぼそろって吹くため、札幌の観測を十勝岳上空の代わりに使いました。2011〜2025年の毎日9時・21時の観測から、風向を「灰が流れていく方角(風下)」に変えて集計しています(欠測は700hPaで23回、500hPaで19回)。
| 高さ | 北 | 北東 | 東 | 南東 | 南 | 南西 | 西 | 北西 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 3,000m 年間 | 5.5% | 17.6% | 40.7% | 23.7% | 6.6% | 2.1% | 1.6% | 2.3% |
| 3,000m 1月 | 2.8% | 9.3% | 43.2% | 31.9% | 9.2% | 1.5% | 1.4% | 0.6% |
| 3,000m 4月 | 6.4% | 17.2% | 37.2% | 24.8% | 8.5% | 2.6% | 1.4% | 1.9% |
| 3,000m 7月 | 7.8% | 18.0% | 34.7% | 16.1% | 9.6% | 4.9% | 3.6% | 5.4% |
| 3,000m 10月 | 4.4% | 22.0% | 44.9% | 22.2% | 4.4% | 0.7% | 0.8% | 0.5% |
| 5,500m 年間 | 3.6% | 20.3% | 47.9% | 19.0% | 4.9% | 1.9% | 1.1% | 1.3% |
どの季節・どの高さでも「東」が最多で、北東〜南東を合わせた東側へ流れる割合は、約3,000mで年間82%、約5,500mで87%でした。高いところほど偏西風が強く、向きがそろうためです。
| 月 | 東側(北東〜南東)へ | 西側(南西〜北西)へ | 旭川の方角へ | 帯広の方角へ | 釧路の方角へ |
|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 84.4% | 3.6% | 0.8% | 29.9% | 52.7% |
| 2月 | 87.8% | 2.4% | 1.5% | 32.1% | 56.2% |
| 3月 | 87.5% | 2.8% | 1.0% | 26.8% | 50.4% |
| 4月 | 79.2% | 6.0% | 3.1% | 24.0% | 39.2% |
| 5月 | 74.4% | 7.8% | 4.6% | 20.5% | 33.4% |
| 6月 | 65.1% | 15.5% | 9.0% | 20.7% | 27.4% |
| 7月 | 68.8% | 13.8% | 6.9% | 16.2% | 31.4% |
| 8月 | 80.0% | 9.1% | 4.5% | 14.3% | 34.6% |
| 9月 | 80.8% | 5.9% | 3.6% | 17.8% | 31.3% |
| 10月 | 89.1% | 2.1% | 1.1% | 19.5% | 44.4% |
| 11月 | 94.4% | 0.9% | 0.7% | 18.7% | 52.2% |
| 12月 | 91.6% | 1.8% | 0.5% | 21.8% | 56.7% |
| 年間 | 81.9% | 6.0% | 3.1% | 21.8% | 42.5% |
夏に西側の割合が増えるのは、夏は偏西風が北へ離れて弱まり、上空の風向きが日によってばらつくためです。約3,000mの平均風速も、1月の14.6m/sに対して7月は8.1m/sと半分ほどになります。風が弱いと灰は遠くまで運ばれにくい反面、火山の近くに厚く積もりやすいことにも注意が必要です。
噴煙が高く上がった場合(約5,500m)
噴煙が高く上がる噴火では、灰はより高いところの風に乗ります。約5,500m(500hPa)の風は約3,000mより強く(年間の平均20.4m/s、1月22.5m/s・7月12.0m/s)、向きもいっそう東にそろいます。
| 地点の方角 | 約3,000m・年間 | 約5,500m・年間 | 約5,500m・10月 |
|---|---|---|---|
| 北見(東北東) | 32.7% | 42.0% | 51.5% |
| 網走(東北東) | 30.1% | 38.6% | 47.8% |
| 釧路(東南東) | 42.5% | 42.6% | 44.2% |
| 帯広(南東) | 21.8% | 16.9% | 12.0% |
| 新得(南南東) | 12.8% | 9.4% | 4.9% |
| 旭川(北北西) | 3.1% | 1.7% | 0.7% |
| 美瑛(北西) | 2.6% | 1.5% | 0.5% |
| 富良野(西南西) | 1.8% | 1.3% | 0.4% |
| 新千歳空港(南西) | 2.2% | 1.9% | 1.0% |
高い噴煙ほど北見・網走などオホーツク海側へ向かう割合が高くなり、帯広・新得の割合はやや下がります。約5,500mの年間平均20.4m/sで運ばれると、帯広まで約1時間、釧路まで約2時間です。高く上がった細かい灰は、さらに遠く千島列島や太平洋上まで運ばれることもあります。
周辺の町まで、灰はどのくらいで届く?
上空約3,000mの年間の平均風速13.1m/sで運ばれたとすると、灰が各地点の上空に届くまでの目安は次のとおりです(実際には、灰が地上に落ちるまでにさらに時間がかかります)。
| 地点 | 十勝岳からの方角・距離 | 灰が向かう割合(年間・約3,000m) | 届くまでの目安(13m/sの場合) |
|---|---|---|---|
| 白金温泉(美瑛町) | 北北西・約8km | —(近すぎて方角だけでは判断できない) | 約10分 |
| 上富良野 | 西北西・約18km | — | 約20分 |
| 美瑛 | 北西・約26km | 2.6% | 約30分 |
| 富良野 | 西南西・約26km | 1.8% | 約30分 |
| 新得 | 南南東・約40km | 12.8% | 約50分 |
| 旭川 | 北北西・約47km | 3.1% | 約1時間 |
| 帯広 | 南東・約69km | 21.8% | 約1.5時間 |
| 北見 | 東北東・約106km | 32.7% | 約2.3時間 |
| 札幌 | 西南西・約115km | 1.8% | 約2.4時間 |
| 網走 | 東北東・約144km | 30.1% | 約3時間 |
| 釧路 | 東南東・約146km | 42.5% | 約3時間 |
火口から近い白金温泉・上富良野・美瑛・富良野は、灰が向かう割合こそ低いものの、風下になれば噴火から10〜30分ほどで灰が届く距離です。一方、灰が向かう割合が高い帯広・北見・釧路は、噴火から数時間で降り始める計算になります。各地の平年の気候は帯広・北見・釧路・旭川・富良野・美瑛・上富良野・新得・札幌の地点ページで見られます。
十勝岳のいまの状況(噴火警戒レベル3)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 噴火警戒レベル | レベル3(入山規制)。2026年9月12日9時30分に2から引き上げ |
| 活動の状況 | 8月17日以降、山体付近を震源とする振幅の大きな火山性地震が増加し、4月以降は火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も増加(引き上げ時の報道発表)。3月以降、山体付近のやや深部の膨張を示す地殻変動が継続(解説情報) |
| 警戒が必要な範囲 | 62-2火口から概ね3kmの範囲で、噴火に伴って弾道を描いて飛ぶ大きな噴石に警戒 |
| 風下での注意 | 火山灰や小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれ |
| 噴火警報の対象市町村 | 富良野市・美瑛町・上富良野町・南富良野町・新得町 |
| 地元の対応(9月12日) | 上富良野町が吹上温泉の白銀荘に避難指示、十勝岳温泉の凌雲閣・カミホロ荘に高齢者等避難。道道十勝岳温泉美瑛線の十勝岳ゲート〜望岳台ゲート間(5.6km)が通行止め(北海道新聞の報道) |
| 最新の発表 | 火山の状況に関する解説情報 第29号(10月5日16時)でレベル3を継続。次回は10月9日16時ごろの予定 |
十勝岳は標高2,077mの活火山で、1926年5月24日の噴火では融雪型火山泥流(大正泥流)が発生し、死者・行方不明者は144人にのぼりました。1962年6月29〜30日の噴火では噴煙が山頂上空約1万2,000mまで上がり、死者5人。このとき火山灰は東の知床・南千島方面まで降りました。1988年12月〜1989年3月には28回の噴火があり、小規模な火砕流や泥流も発生、灰は140km先まで降っています。冬から春の噴火では、積もった雪がとけて泥流になるおそれがあり、火山灰とは別の注意が必要です。
噴火警戒レベルとは
| レベル | 名前 | 住民などの行動の目安 |
|---|---|---|
| 5 | 避難 | 危険な居住地域からの避難 |
| 4 | 高齢者等避難 | 警戒が必要な居住地域での高齢者等の避難、避難の準備 |
| 3 | 入山規制 | 登山禁止や入山規制など危険な地域への立ち入り規制(十勝岳はいまここ) |
| 2 | 火口周辺規制 | 火口周辺への立ち入り規制 |
| 1 | 活火山であることに留意 | 状況に応じて火口内への立ち入り規制 |
レベル3は、居住地域の近くまで重大な影響を及ぼす噴火が発生する、または発生すると予想される段階で、十勝岳ではその範囲が火口から概ね3kmとされています。上富良野町は吹上温泉地区に避難指示、十勝岳温泉の宿泊施設に高齢者等避難を出しています(9月12日)。登山口や道路の通行止めは、美瑛町・上富良野町などの発表を確認しましょう。
富士山の場合と比べると
同じ方法で富士山を調べた「富士山が噴火したら火山灰はどこへ?」では、館野(茨城県つくば市)の上空の風から、灰が東京の方角へ流れやすいのは10〜11月で約45%という結果でした。どちらも偏西風の風下=東側に灰が向かいやすいのは同じです。十勝岳では、東側に人口の多い帯広・北見・釧路があり、空の便(とかち帯広空港・女満別空港・たんちょう釧路空港)にも影響が出るおそれがあります。
降灰の量の目安と影響
気象庁の降灰予報では、予想される灰の厚さを3段階で示します。同じ「降灰」でも、量によって必要な行動が大きく違います。
| 降灰量の階級 | 厚さの目安 | 見た目・影響 | とるべき行動 |
|---|---|---|---|
| 多量 | 1mm以上 | 路面が完全に覆われ、視界が悪くなる。車の運転が危険、農作物や交通への影響が大きい | 外出を控える。車の運転もできるだけ控える |
| やや多量 | 0.1mm以上1mm未満 | 白線が見えにくくなる。洗濯物や車に灰が積もる | 外出時はマスク・ゴーグル。車はスピードを落とす |
| 少量 | 0.1mm未満 | うっすら積もる程度。灰が舞って目や鼻に入ることがある | 窓を閉め、洗濯物は室内に |
1962年の噴火では灰が知床・南千島方面まで、1988〜89年の噴火では140km先まで降ったと記録されています。噴火が何日も続くと、風下では灰が積み重なります。風下になりやすい帯広・北見・釧路方面は農業の盛んな地域でもあり、薄い灰でも作物に付くと影響が出ることがあります。
火山灰が降ってきたら:やることリスト
- 降灰予報を確認:気象庁は噴火後すぐに「速報」、その後「詳細」の降灰予報を出し、市町村ごとの降灰量(少量・やや多量・多量)を示します。
- 外出を控え、マスク・ゴーグル:火山灰はガラスの細かいかけらのようなもので、目やのどを傷つけます。コンタクトレンズは外し、眼鏡に。
- 車の運転に注意:「やや多量」(0.1mm以上)の降灰で道路の白線が見えにくくなり、雨が降るとスリップしやすくなります。ワイパーはガラスを傷つけるので、先に水で流して。
- 洗濯物・農作物:洗濯物は室内干しに。ビニールハウスや作物は灰が積もる前に覆う。雨どいの詰まりにも注意。
- 電気・水道・空の便:火山灰は停電や浄水場への影響、飛行機の欠航につながることがあります。旭川空港・とかち帯広空港を使う人は運航情報を確認(風と欠航の目安は「飛行機・新幹線は風速何mで止まる?」)。
- 灰の片付け:灰は水を含むと重く固まります。乾いているうちに袋に集め、自治体の指示に従って出しましょう。
今日・明日の上空の風向きは、天気図や気象衛星画像からもおおよそわかります。気圧の変化は今日の気圧の変化、空の様子はライブカメラ、過去の同じ日の天気は過去の天気を調べるや10月6日の天気の記録で確かめられます。北海道の山では旭岳の初冠雪の便りも届いており、紅葉シーズンの登山・観光は紅葉の記事やおでかけ・服装の天気も参考にしてください(十勝岳の規制範囲には立ち入らないでください)。
よくある質問
十勝岳が噴火したら火山灰はどこに降る?
上空の偏西風のため、おもに東側(北見・網走・釧路・帯広の方角)へ流れます。札幌の上空約3,000mの風(2011〜2025年)で集計すると、北東〜南東の東側へ流れる割合は年間82%でした。
旭川や富良野に火山灰は降る?
旭川の方角へ流れる割合は年間3.1%、富良野の方角は1.8%と少ないですが、6〜7月は西側へ流れる割合が14〜16%に増えます。富良野・美瑛・上富良野は火口から20〜30km程度と近いため、噴煙が高く上がると風向きが少し変わるだけで灰が降る可能性があります。
札幌に火山灰は届く?
札幌は十勝岳の西南西約115kmで、札幌の方角へ流れる割合は年間1.8%です。ゼロではないので、噴火したら気象庁の降灰予報を確認してください。
十勝岳の噴火警戒レベルはいくつ?
2026年9月12日9時30分にレベル3(入山規制)に引き上げられ、10月5日16時の解説情報でもレベル3が続いています。北海道の火山でのレベル3は2007年の導入以来初めてです。火口から概ね3kmの範囲では大きな噴石に警戒が必要です。
火山灰はどのくらいの時間で届く?
上空約3,000mの平均風速13m/sで運ばれると、帯広(約70km)まで約1.5時間、北見(約106km)まで約2.3時間、釧路(約146km)まで約3時間が目安です。灰が地上に落ちるまでの時間は含みません。
なぜ札幌の観測を使っているの?
気象庁の高層気象観測(ラジオゾンデ)は限られた地点でしか行われておらず、十勝岳に最も近いのが約115km西南西の札幌だからです。上空の風は広い範囲でほぼそろって吹くため、傾向をつかむのに使えます。
富士山の場合はどうなる?
富士山の火山灰は東京の方角へ流れやすいのが10〜11月で約45%です。詳しくは「富士山が噴火したら火山灰はどこへ?」で検証しています。
北海道の風・地震を他の都府県と比べる
北海道の風の強さや地震の回数を、47都道府県の中で比べてみましょう。ボタンで指標を切り替えられます。
- 十勝岳が噴火したら火山灰はどこへ?(この記事)
- 富士山が噴火したら火山灰はどこへ?
- 旭岳で初冠雪、2026年の全国一番乗り
- 富士山の初冠雪2026はいつ?
- 十勝岳は噴火警戒レベル3(入山規制)が継続中。火口から概ね3kmは大きな噴石に警戒
- 火山灰は偏西風で東側へ流れやすく、年間82%(約3,000m)。釧路43%・北見33%・網走30%・帯広22%の方角
- 旭川3.1%・富良野1.8%・札幌1.8%と西側は少ないが、6〜7月は西側へ14〜16%に増える
- 帯広まで約1.5時間、釧路まで約3時間で灰が運ばれる計算。火口に近い美瑛・上富良野・富良野は、風向きが少し変わるだけで風下になりうるので注意
- 実際に噴火したら気象庁の降灰予報を確認。シミュレーターで自分の町の「灰が向かう割合」を月別に確かめておこう
出典:気象庁「過去の気象データ検索(高層)」札幌(47412)の日ごとの指定気圧面の観測値(700・500hPa、2011〜2025年、9時・21時)、気象庁 報道発表「十勝岳の噴火警戒レベルを3へ引上げ」(2026年9月12日)、気象庁「火山の状況に関する解説情報(十勝岳第29号)」(2026年10月5日16時)、気象庁「火山活動の状況(十勝岳)」、気象庁「降灰予報の解説」。集計・計算は筆者。
※記事内にはアフィリエイト広告(PR)を含みます


