こんにちは!気象予報士ののぶやんです。
気象庁は10月5日14時30分、北海道から沖縄までの9つの地方に「高温に関する早期天候情報」を発表しました。10月11日ごろからの約5日間、「この時期としては10年に一度程度しか起きないような著しい高温(かなりの高温)」になる確率が30%以上という内容です。対象は北海道・東北・北陸・近畿日本海側・中国・四国・九州北部(山口県を含む)・九州南部・奄美・沖縄で、対象期間はいずれも11日ごろからの約5日間です(沖縄は本文で「10日ごろからかなり高くなる見込み」)。関東甲信・東海・近畿太平洋側には、5日の時点では出ていません。
ニュースでは「平年差+2.0℃以上」「+2.1℃以上」という数字が出てきますが、これは5日間の平均気温の差なので、実際に何度になるのかピンときませんよね。そこで、元気象庁職員の気象予報士として、全国51地点の1968〜2025年の日別値から「10月11日〜15日の5日間で10年に一度の暑さ」が何℃にあたるのかを地点ごとに計算しました。結果、たとえば東京では5日平均22.2℃以上、最高気温にすると26℃前後(夏日)が5日続くくらい、大阪は28℃前後、那覇は31℃前後が目安です。しかも去年(2025年)の同じ時期は、51地点中28地点で1968年以降いちばん暑い5日間になっていました。地点と日付を選ぶと目安と今年の実況が出るツールも置いたので、三連休(10日〜12日)からの予定の参考にしてください。
- 早期天候情報は、6〜14日先の5日間の平均気温が「かなり高い(10年に一度程度)」になる確率が30%以上のときに、原則として毎週月曜・木曜に出る情報
- 10月5日の発表は9地方(北海道・東北・北陸・近畿日本海側・中国・四国・九州北部・九州南部・奄美・沖縄)。基準は地方平均で平年差+2.0〜+2.1℃(沖縄+1.4℃)。関東甲信・東海・近畿太平洋側は対象外
- 51地点で計算すると、10月11〜15日の「かなりの高温」は最高気温にして東京26℃前後・名古屋27℃・大阪28℃・福岡27℃・札幌20℃・那覇31℃前後。51地点中39地点で夏日(25℃)以上が続く水準
- この線を超えた回数は、1968〜1996年の29年で50回 → 1997〜2025年の29年で194回(約3.9倍)。広い範囲で超えたのは1999年(40地点)、1994年(37地点)、2025年(33地点)、2021年(32地点)
- 確率30%以上でも、実際には「高い」程度にとどまることも多い。気象庁の2週間気温予報(毎日更新)と、記事内ツールの今年の実況で確かめながら、服装・熱中症・農作物の管理に使ってください
早期天候情報とは?「10年に一度の高温」の意味
早期天候情報は、気象庁が「その時期としては10年に1回程度しか起きないような著しい高温・低温(冬は大雪も)」を、1〜2週間前に知らせるための情報です。原則として毎週月曜日と木曜日に、発表日の6日後から14日後までを対象に、5日間平均気温が「かなり高い」または「かなり低い」になる確率が30%以上と見込まれるときに発表されます(気象庁「早期天候情報」)。
ポイントは3つです。①1日だけの最高気温ではなく「5日間の平均気温」で見ること、②「かなり高い」は過去30年(1991〜2020年)の上位10%、つまり10年に1回くらいの暑さであること、③「確率30%以上」なので、出たからといって必ずそうなるわけではないこと。気象庁の季節予報では、気温を「低い・平年並・高い」の3つに分け、それぞれが平年なら33%ずつになるようにしています。「かなり高い」はさらにその上の端の10%です。図にすると次のようになります。
10月5日の発表で示された「かなりの高温」の基準(5日間平均気温の平年差)は、北海道+2.0℃、東北+2.1℃、北陸+2.1℃、近畿日本海側+2.1℃、中国+2.0℃、四国+2.0℃、九州北部+2.1℃、九州南部・奄美+2.0℃、沖縄+1.4℃です。いずれも地方全体の平均での値です。気象庁の本文では、北海道は「6日と9日ごろから」、東北は「6日と11日ごろから」、沖縄は「10日ごろから」かなり高くなる見込み、ほかの地方は「11日ごろからかなり高くなる可能性」とされ、北陸・九州は「向こう4日間程度は平年並」のあと高くなる見通しです。
【ツール】あなたの街の「かなりの高温」は何度?(51地点・今年の実況つき)
地点と期間(10月1日〜31日のうち5日間)を選ぶと、その5日間の平年値、「かなり高い」ライン、最高気温にすると何℃くらいか、1968年以降の記録を表示します。下には2026年10月の実況(気象庁の日別値が出ている日まで自動で反映)を棒グラフで重ねたので、11日以降に開けば「本当にかなりの高温になったか」をその場で確かめられます。一覧の地点名を押すと、その地点に切り替わります。
| 地点 | 5日平均 平年 | かなり高い ライン | 最高気温の目安 平年→高温年 | 回数 1968-96 | 回数 1997-2025 | 最近の該当年 | 5日発表 |
|---|
「かなりの高温」は何度?主要12都市の目安(10月11日〜15日)
ツールの数字から、主要12都市の10月11日〜15日の目安を表にしました。「最高気温の目安」は、1991〜2020年のうちこの5日間がいちばん暑かった3年の最高気温の平均です。東京だと、平年は最高23.1℃くらいのところ、「かなりの高温」になる年は25.7℃と、夏日(25℃以上)が5日続くイメージになります。
| 都市 | 5日平均 平年 | かなり高い ライン(平年差) | 最高気温の目安 平年→高温年 | 1968年以降の記録 (5日平均) | ラインを超えた年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 札幌 | 12.8℃ | 14.9℃(+2.1) | 17.0→20.3℃ | 16.1℃(1998年) | 1982・1998・2005・2008・2024 |
| 仙台 | 16.4℃ | 18.4℃(+2.0) | 20.5→23.0℃ | 19.8℃(2010年) | 1994・1999・2010 |
| 新潟 | 17.6℃ | 20.0℃(+2.4) | 21.5→24.0℃ | 21.4℃(1994年) | 1994・1999・2010 |
| 金沢 | 18.3℃ | 20.6℃(+2.3) | 22.6→25.6℃ | 21.8℃(1994年) | 1994・1998・1999・2025 |
| 東京 | 19.7℃ | 22.2℃(+2.5) | 23.1→25.7℃ | 22.5℃(2013年) | 1994・2010・2013 |
| 名古屋 | 19.7℃ | 21.9℃(+2.2) | 24.3→27.0℃ | 23.3℃(2021年) | 1994・1999・2010・2021・2025 |
| 大阪 | 20.4℃ | 22.4℃(+2.0) | 24.6→27.8℃ | 24.2℃(2025年) | 1994・1999・2013・2021・2024・2025 |
| 広島 | 19.9℃ | 21.9℃(+2.0) | 24.9→26.6℃ | 24.9℃(2025年) | 1994・1998・1999・2021・2025 |
| 高知 | 20.8℃ | 22.6℃(+1.8) | 25.9→27.9℃ | 25.8℃(2025年) | 1999・2019・2020・2021・2025 |
| 福岡 | 20.5℃ | 22.7℃(+2.2) | 24.7→26.9℃ | 25.4℃(2025年) | 1998・1999・2005・2021・2025 |
| 鹿児島 | 22.4℃ | 24.4℃(+2.0) | 26.9→29.1℃ | 27.2℃(2025年) | 1970・1998・1999・2005・2021・2024・2025 |
| 那覇 | 25.9℃ | 27.5℃(+1.6) | 28.5→30.9℃ | 28.9℃(2025年) | 1999・2005・2017・2021・2025 |
表を見ると、「平年差+2℃」でも、地点によって必要な上がり幅は+1.3〜+2.7℃とばらつきます(51地点の範囲。もともと年ごとの変動が小さい南の島は小さく、内陸や日本海側は大きめ)。最高気温の目安で見ると、51地点中39地点で25℃以上(夏日)、17地点で27℃以上になり、熊本・鹿児島は29℃台、那覇・石垣島は31℃前後と、ほぼ真夏日並みです。10月中旬にこの暑さが5日続くと、体はかなりこたえます。
過去に「かなりの高温」になった年は?去年は28地点で観測以来の暑さ
では実際に、10月11日〜15日の5日平均が「かなり高い」ラインを超えたのはどんな年だったのでしょう。1968〜2025年の58年について、51地点のうち何地点で超えたかを数えました。
| 順位 | 年 | ラインを超えた地点数(51地点中) |
|---|---|---|
| 1 | 1999年 | 40地点 |
| 2 | 1994年 | 37地点 |
| 3 | 2025年 | 33地点 |
| 4 | 2021年 | 32地点 |
| 5 | 1998年 | 25地点 |
| 6 | 2010年 | 20地点 |
| 7 | 2005年 | 13地点 |
| 8 | 2024年 | 10地点 |
| 9 | 1970年 | 7地点 |
| 10 | 2020年 | 6地点 |
目を引くのは2025年(去年)です。33地点でラインを超えただけでなく、51地点中28地点で、10月11日〜15日の5日平均気温が1968年以降で最も高くなりました。とくに西日本と沖縄・奄美に集中していて、大阪24.2℃、福岡25.4℃、鹿児島27.2℃、那覇28.9℃はいずれもこの期間の最高記録です。たとえば大阪は、去年の10月11日〜15日の最高気温が28.5℃・25.7℃・29.0℃・29.8℃・27.6℃と、30℃近い日が続きました。今年の早期天候情報が西日本中心に出ているのは、この「去年の再来」になるかもしれない、ということです。
一方、1994年と1999年は東北〜九州まで全国的に高い年でした。ただし1999年は40地点でラインを超えたものの記録を持つ地点はなく、東日本・北日本の記録は1994年(9地点)と2010年(6地点)が中心です(ほかに2021年4地点など)。10月11日ごろの大阪の天気が58年間でどうだったか(晴れ・雨・気温の傾向)は、次のツールで日付や地点を変えて確かめられます。
「10年に一度」の暑さは、いまは何年に一度?約30年で3.9倍に
「10年に一度」の基準は、1991〜2020年の30年で決めた線です。ところが、その線を超えた回数を前後の29年ずつで比べると、10月11日〜15日では1968〜1996年が51地点合計で50回、1997〜2025年が194回と、約3.9倍になっていました。10月の5日間(1日〜5日から27日〜31日までの27通り)すべてで数えても、約5倍に増えています。1地点あたりにすると、最近の29年では10月中旬の同じ5日間で平均3.8回、つまり実際にはおよそ8年に一度のペースで起きています。
理由は、地球温暖化による気温の底上げと、都市化の影響です。10月の気温が高くなっていることは、10月なのに暑いのはなぜ?や秋が短いのはなぜ?でも、51地点のデータで確かめています。「10年に一度」は言葉どおりの頻度ではなく、過去30年の物差しで測ったときの珍しさだと考えるとよいでしょう。なお、比べた前半の29年には基準期間の一部(1991〜1996年)が含まれているため、差はやや小さめに出ています。
この1か月の気温を、去年の同じ時期・平年と比べるなら次のツールが便利です。
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都道府県ごとの10月の平均気温は、次のツールで地図と一覧で比べられます。
関東・東海・大阪は出ていないのはなぜ?「対象外」でも暑くならないわけではない
5日の発表で関東甲信・東海・近畿太平洋側(大阪・京都・神戸・奈良・和歌山など)が外れているのは、「かなり高い」になる確率が30%に届かなかったためで、「平年並み」という意味ではありません。気象庁の1か月予報では、10月の気温は全国で「高い」予想です。早期天候情報は原則月曜と木曜に出るので、次は10月8日(木)の発表で対象地方が増えたり減ったりする可能性があります。また、気象庁の「2週間気温予報」は毎日14時30分に更新され、8〜12日先の5日間平均気温と「かなり高い」の可能性を府県ごとに見られます。
ちなみに、今回の基準が地方で+2.0℃前後なのに、ツールの東京は+2.5℃、那覇は+1.6℃と違うのは、気象庁が地方全体の平均の平年差で判断しているのに対し、ツールは1地点の5日平均で計算しているためです。地点ごとに年々の振れ幅が違うので、地方の基準より高くなる地点も低くなる地点もあります(51地点で+1.3〜+2.7℃)。ツールの値は「自分の街に置き換えるとどれくらい?」をつかむための目安として使ってください。
10月の「かなりの高温」で気をつけたい5つのこと
- 熱中症:体が涼しさに慣れはじめた10月の暑さは、真夏より体にこたえます。屋外のスポーツや運動会、三連休の行楽では、のどが渇く前の水分補給を。最高気温の目安が27℃を超える地点(ツール一覧の「最高気温の目安が高い順」で上位の地点)は特に注意です。
- 服装と衣替え:朝晩は涼しくても日中は夏日になるので、脱ぎ着しやすい重ね着がおすすめ。地点別の目安は秋の衣替えはいつ?で。
- 農作物・家庭菜園:気象庁は「農作物の管理等に注意」と呼びかけています。秋まきの野菜の生育が早まったり、病害虫が増えたりしやすくなります。
- 紅葉の遅れ:紅葉は最低気温が8℃を下回るころから進みます。10月中旬が暑いと色づきが遅れがちです(2026年の紅葉はいつ?)。
- 寒暖差:高温が終わると一気に季節が進み、朝晩の冷え込みとの差が大きくなることがあります。暖房はいつから?や初霜・初氷はいつ?もあわせてどうぞ。
毎日の「どこがいちばん暑かったか」は今日、日本一暑かった場所、日別の実況は過去の天気(日別)や10月11日の天気の傾向で確かめられます。三連休にお出かけするならおでかけ天気、気温と体調が気になる方は今日の気圧も見てみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 早期天候情報とは何ですか?
A. 6〜14日先の5日間の平均気温が、その時期として10年に一度程度の「かなり高い(低い)」になる確率が30%以上のときに、気象庁が原則毎週月曜・木曜に出す情報です。冬は大雪(5日間降雪量がかなり多い)についても出ます。
Q2. 「かなりの高温」は何度のことですか?
A. 決まった気温ではなく、5日間の平均気温の平年差で決まります。10月5日の発表では地方平均で+2.0〜+2.1℃(沖縄+1.4℃)。この記事の計算では、10月11〜15日なら最高気温にして東京26℃前後、大阪28℃前後、福岡27℃前後、札幌20℃前後、那覇31℃前後が目安です。
Q3. 「10年に一度」なのに最近よく聞くのはなぜですか?
A. 基準は1991〜2020年の30年の上位10%ですが、気温が年々上がっているため、最近は基準を超えやすくなっています。10月11〜15日では、1997〜2025年に超えた回数が1968〜1996年の約3.9倍でした。
Q4. 確率30%なら、当たらないことも多いのですか?
A. はい、確率30%以上なので、実際には平年並みや「高い」程度にとどまることも多くあります。ただ、平年なら10%のところが3倍以上になっているので、「いつもよりずっと起きやすい」と受け止めて準備するのがよい使い方です。最新の見通しは毎日更新の「2週間気温予報」で確かめましょう。
Q5. 関東や東海、大阪に出ていないのは暑くならないということ?
A. いいえ。「かなり高い」の確率が30%に届かなかっただけで、平年より高くなる可能性は十分あります。次の発表(原則10月8日の木曜)で対象に加わることもあります。
Q6. 去年(2025年)の10月中旬も暑かったのですか?
A. はい。10月11〜15日の5日平均気温は51地点中33地点で「かなり高い」ラインを超え、28地点で1968年以降の最高でした。大阪は最高気温が27.6〜29.8℃の日が4日あり、福岡や鹿児島、那覇もこの期間の記録を更新しています。
Q7. 熱中症警戒アラート(旧・高温注意情報)とは違うのですか?
A. 違います。熱中症警戒アラートは翌日・当日の暑さ指数をもとにした熱中症への警戒の呼びかけ、早期天候情報は1〜2週間先の「その時期としては珍しい暑さ」を前もって知らせる情報です。10月の高温は熱中症警戒アラートの基準に届かないことが多いので、早期天候情報が出たら体調管理の目安にしてください。
- 10月5日、気象庁は9地方に高温に関する早期天候情報。10月11日ごろからの約5日間、「10年に一度程度」のかなりの高温の確率が30%以上
- 「かなりの高温」は5日平均気温の平年差(地方平均+2.0〜+2.1℃)。最高気温にすると東京26℃・大阪28℃・福岡27℃・札幌20℃・那覇31℃前後が5日続くイメージ
- 去年(2025年)の同じ5日間は51地点中28地点で1968年以降の最高。西日本・沖縄で記録的だった
- ラインを超えた回数は約30年で3.9倍。「10年に一度」は実際には8年に一度ほどのペース
- 関東甲信・東海・近畿太平洋側は5日時点で対象外だが、暑くならないわけではない。10月8日(木)の次の発表と、毎日の2週間気温予報を確認。ツールは11日以降、今年の実況で答え合わせできます
出典:気象庁「早期天候情報」(2026年10月5日14時30分発表)、気象庁「2週間気温予報」、気象庁「2週間気温予報」と「早期天候情報」について、気象庁「過去の気象データ検索」(51地点の日別値、1968〜2026年)。地点ごとの平年値・「かなり高い」ライン・回数は当サイトでの計算です。
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