中心気圧900hPaはどのくらい強い?台風の最低気圧ランキングと、900hPa以下の台風67個(75年で3.4%)|台風30号(チャンパー)は何番目?

気象

こんにちは!気象予報士ののぶやんです。

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台風第30号(チャンパー)の中心気圧が900hPaまで下がり、ニュースで「900ヘクトパスカル」と伝えられて話題になっています。そう聞いても、それがどのくらい強いのか、過去と比べてどのくらい珍しいのかは、なかなかイメージしにくいですよね。

そこでこの記事では、元気象庁職員の気象予報士として、気象庁のベストトラック(台風の確定値)から1951〜2025年の75年間に発生した台風1951個すべての「一生でいちばん低かった中心気圧」を調べ、ランキングにしました。気圧を入れると「75年で何番目くらいの強さか」「最大風速はどのくらいか」がわかるツールと、いま発表中の台風の気圧を自動で読み込む機能も付けています。

この記事の結論(30秒で読める版)
  • 中心気圧900hPaは、標準的な地上の気圧(1013hPa)より113hPa低く、標高約1000mの山の上と同じくらいの気圧。75年の台風1951個のうち、900hPa以下まで発達したのは67個(3.4%)、平均すると1年に1個未満(0.89個)
  • 台風30号の900hPaは、75年1951個の生涯最低気圧と比べて38位タイ(900hPaちょうどの30個と同順)。2025年までの記録では、900hPa以下になったのは2023年の台風2号(マーワー)以来です
  • 900〜909hPaの台風の最大風速は中央値約57m/s(約46〜67m/s)で、記録の96%が「猛烈な台風」(105ノット=約54m/s以上)の強さ
  • 史上最も低いのは1979年の台風20号(チップ)の870hPa。2位は1973年15号・1975年20号の875hPa、4位は1958年の狩野川台風の877hPa(ベストトラック値)
  • 900hPa以下になる台風は10月が最多(20個)、次いで9月(16個)。台風30号が10月に900hPaになったのは「秋の台風らしい」強さ
  • ピークは長く続かない。900hPa以下の台風は、最も低くなってから中央値30時間で気圧が30hPa上がって(弱まって)いる。台風30号も24日3時には965hPaの予報
中心気圧の目安最大風速(中央値)強さ
960〜969hPa約36m/s強い
940〜949hPa約44m/s非常に強い
910〜919hPa約54m/s猛烈な
900〜909hPa約57m/s猛烈な(記録の96%)
中心気圧と強さの早見表(気象庁ベストトラック1977〜2025年の最大風速の中央値。強さの階級はノット値で判定)

中心気圧の強さ判定ツール(75年・1951個の台風と比べる)

気圧を入れる(またはスライダーを動かす)と、75年間に「一生のうちにその気圧以下まで発達した台風」が何個あるか、最大風速の目安、同じくらいの気圧だった過去の台風を表示します。いま発表中の台風があれば、ボタンにその気圧を自動で表示します。

※気象庁ベストトラック(1951〜2025年)の台風1951個の「生涯最低気圧」で比較。最大風速は1977〜2025年の同じ気圧帯(10hPaごと)の記録の中央値と範囲です。

中心気圧900hPaとは?標準の気圧より113hPa低い

中心気圧は、台風の中心(目)での海面の高さの気圧です。地上の標準的な気圧は1013hPaなので、900hPaはそれより113hPa低い状態です。標準大気でいえば、標高約1000mの山の上と同じくらいの気圧が、海面の高さにあることになります。気圧が低いほど、まわりから中心へ向かって空気が強く吸い込まれ、風が強くなります。1hPaの気圧の低下で海面はおよそ1cm持ち上がる(吸い上げ効果)ので、900hPaの台風の中心付近では、気圧だけで海面が1m前後持ち上がる計算になります(高潮とは)。

ただし、台風の強さ(気象庁の「強い」「非常に強い」「猛烈な」)は気圧ではなく最大風速で決まります。気圧と風速の関係は台風の大きさや緯度で少し変わるため、同じ気圧でも風速には幅があります。945hPa前後の目安は945hPaはどれくらい強い?、猛烈な台風の定義は猛烈な台風とは?で詳しく解説しています。

台風(34kt≒18m/s)強い(64kt≒33m/s)非常に強い(85kt≒44m/s)猛烈な(105kt≒54m/s)2040608809009209409609801000中心気圧(hPa)最大風速(m/s)900hPa
中心気圧(10hPaごと)と最大風速の関係。赤線は中央値、橙の帯は最小〜最大(気象庁ベストトラック1977〜2025年の台風の全時点から当サイト集計)
中心気圧最大風速の中央値範囲猛烈な強さの割合記録の数
870〜879 hPa約67 m/s約62〜72 m/s100%2
880〜889 hPa約62 m/s約57〜64 m/s100%12
890〜899 hPa約62 m/s約57〜64 m/s100%46
900〜909 hPa約57 m/s約46〜67 m/s96%183
910〜919 hPa約54 m/s約41〜64 m/s67%380
920〜929 hPa約51 m/s約44〜62 m/s18%726
930〜939 hPa約49 m/s約36〜57 m/s1%1,109
940〜949 hPa約44 m/s約36〜54 m/s0%1,702
950〜959 hPa約41 m/s約31〜51 m/s0%2,406
960〜969 hPa約36 m/s約26〜46 m/s0%2,924
970〜979 hPa約31 m/s約21〜44 m/s0%3,822
980〜989 hPa約26 m/s約18〜46 m/s0%5,354
990〜999 hPa約21 m/s約18〜36 m/s0%8,611
1000〜1009 hPa約18 m/s約18〜28 m/s0%1,470
中心気圧の階級別の最大風速(1977〜2025年の台風の全時点。ベストトラックのノット値を0.5144倍して四捨五入。「猛烈な強さの割合」は105ノット以上の割合)

900〜909hPaの最大風速は中央値約57m/sで、範囲は約46〜67m/s、記録の96%が猛烈な強さです。中央値が猛烈な台風の基準(105ノット=約54m/s)に届くのは910〜919hPaからで、940〜949hPaの中央値は85ノット(非常に強い)、960〜969hPaは70ノット(強い)です。台風30号の21日6時の実況は900hPa・60m/sで、この階級の中では強めの風です。風速の体感は風速の目安にまとめています。

台風の最低気圧ランキング(生涯最低・1951〜2025年)

台風が一生のうちに最も低くなった中心気圧で順位をつけると、次のとおりです。1位は1979年の台風20号(チップ)の870hPaで、これは世界の熱帯低気圧の中でも最も低い記録として知られています。上位には1950〜80年代の台風が多く並びます。

順位台風最低気圧日付位置最大風速
1位1979年 第20号(TIP)870 hPa10/1216.8N 137.6E140kt(約72m/s)
2位1973年 第15号(NORA)875 hPa10/614.7N 128.3E記録なし
2位1975年 第20号(JUNE)875 hPa11/1913.2N 140.9E記録なし
4位1958年 第22号(IDA)
狩野川台風
877 hPa9/2419.3N 135.2E記録なし
5位1966年 第4号(KIT)880 hPa6/2620.5N 130.7E記録なし
5位1978年 第26号(RITA)880 hPa10/2512.8N 131.0E120kt(約62m/s)
5位1984年 第22号(VANESSA)880 hPa10/2615.9N 131.6E120kt(約62m/s)
8位1953年 第7号(NINA)885 hPa8/1318.6N 137.2E記録なし
8位1959年 第9号(JOAN)885 hPa8/2921.3N 124.8E記録なし
8位1971年 第35号(IRMA)885 hPa11/1215.9N 131.7E記録なし
8位1983年 第10号(FORREST)885 hPa9/2318.6N 133.5E110kt(約57m/s)
8位2010年 第13号(MEGI)885 hPa10/1817.6N 124.2E125kt(約64m/s)
13位1951年 第11号(MARGE)886 hPa8/1521.0N 133.5E記録なし
14位1954年 第8号(IDA)890 hPa8/2718.8N 126.9E記録なし
14位1961年 第18号(NANCY)
第2室戸台風
890 hPa9/1215.5N 137.5E記録なし
14位1962年 第22号(EMMA)890 hPa10/523.3N 144.7E記録なし
14位1971年 第5号(AMY)890 hPa5/210.7N 146.3E記録なし
14位1980年 第19号(WYNNE)890 hPa10/918.7N 138.0E110kt(約57m/s)
14位1987年 第9号(BETTY)890 hPa8/1112.3N 127.4E110kt(約57m/s)
14位1990年 第19号(FLO)890 hPa9/1724.9N 129.1E120kt(約62m/s)
14位2016年 第14号(MERANTI)890 hPa9/1320.4N 122.9E120kt(約62m/s)
台風の生涯最低気圧ランキング(890hPa以下の21個。気象庁ベストトラック1951〜2025年から当サイト集計。日付は日本時間で最低気圧に初めて達した日。最大風速は1976年以前は記録なし)

ベストトラックは1951年以降のため、1934年の室戸台風(室戸岬で911.6hPa)は含まれません。日本の観測所で観測された最も低い気圧は、1977年の沖永良部台風(第9号・BABE)による沖永良部島の907.3hPaで、この台風は下の「日本の近くで気圧が低かった台風」の表でも9位(910hPa)に入っています。世界では、大西洋の最低が2005年のハリケーン・ウィルマの882hPa、東太平洋の最低が2015年のハリケーン・パトリシアの872hPaで、台風20号(チップ)の870hPaはそれよりも低い値です。

895hPaの台風は16個あり、そのなかには1959年の伊勢湾台風(第15号)や、フィリピンに大きな被害を出した2013年の台風30号(ハイエン)、2021年の台風2号(スリガエ)も含まれます。なお1961年の第2室戸台風(第18号)はベストトラックでは890hPaです。日本に上陸したときの気圧で比べたランキングは上陸時の中心気圧が低い台風ランキングTOP100で紹介しています。

900hPa以下は75年で67個、平均すると1年に1個未満

75年の台風1951個を、生涯最低気圧で分けた表です。半分近く(43%)は980hPaまでしか発達しない弱い台風で、930hPa以下まで発達するのは349個(17.9%、1年に約4.7個)、900hPa以下は67個(3.4%、1年に0.89個)です。

生涯最低気圧台風の数割合1年あたり
899hPa以下37個1.9%0.49個
900〜909hPa60個3.1%0.80個
910〜919hPa85個4.4%1.13個
920〜929hPa98個5.0%1.31個
930〜939hPa124個6.4%1.65個
940〜949hPa141個7.2%1.88個
950〜959hPa153個7.8%2.04個
960〜979hPa411個21.1%5.48個
980hPa以上842個43.2%11.23個
生涯最低気圧の階級別の台風の数(1951〜2025年の1951個。900hPaちょうどは「900〜909」に入り、900hPa以下の67個は「899hPa以下」の37個と900hPaちょうどの30個の合計)
900hPa以下まで発達した台風67個の一覧(クリックで開く)
  • 1979年 第20号(TIP)870hPa
  • 1973年 第15号(NORA)875hPa
  • 1975年 第20号(JUNE)875hPa
  • 1958年 第22号(IDA)877hPa・狩野川台風
  • 1966年 第4号(KIT)880hPa
  • 1978年 第26号(RITA)880hPa
  • 1984年 第22号(VANESSA)880hPa
  • 1953年 第7号(NINA)885hPa
  • 1959年 第9号(JOAN)885hPa
  • 1971年 第35号(IRMA)885hPa
  • 1983年 第10号(FORREST)885hPa
  • 2010年 第13号(MEGI)885hPa
  • 1951年 第11号(MARGE)886hPa
  • 1954年 第8号(IDA)890hPa
  • 1961年 第18号(NANCY)890hPa・第2室戸台風
  • 1962年 第22号(EMMA)890hPa
  • 1971年 第5号(AMY)890hPa
  • 1980年 第19号(WYNNE)890hPa
  • 1987年 第9号(BETTY)890hPa
  • 1990年 第19号(FLO)890hPa
  • 2016年 第14号(MERANTI)890hPa
  • 1959年 第15号(VERA)895hPa・伊勢湾台風
  • 1961年 第24号(VIOLET)895hPa
  • 1964年 第18号(SALLY)895hPa
  • 1964年 第20号(WILDA)895hPa
  • 1969年 第11号(ELSIE)895hPa
  • 1973年 第17号(PATSY)895hPa
  • 1976年 第22号(LOUISE)895hPa
  • 1981年 第22号(ELSIE)895hPa
  • 1982年 第21号(MAC)895hPa
  • 1983年 第5号(ABBY)895hPa
  • 1983年 第17号(MARGE)895hPa
  • 1985年 第22号(DOT)895hPa
  • 1991年 第23号(RUTH)895hPa
  • 1991年 第28号(YURI)895hPa
  • 2013年 第30号(HAIYAN)895hPa
  • 2021年 第2号(SURIGAE)895hPa
  • 1953年 第13号(TESS)900hPa
  • 1954年 第19号(PAMELA)900hPa
  • 1957年 第5号(VIRGINIA)900hPa
  • 1957年 第16号(HESTER)900hPa
  • 1957年 第21号(LOLA)900hPa
  • 1962年 第10号(OPAL)900hPa
  • 1962年 第28号(KAREN)900hPa
  • 1964年 第34号(OPAL)900hPa
  • 1965年 第28号(BESS)900hPa
  • 1967年 第33号(CARLA)900hPa
  • 1968年 第13号(AGNES)900hPa
  • 1969年 第5号(VIOLA)900hPa
  • 1970年 第17号(HOPE)900hPa
  • 1971年 第18号(NADINE)900hPa
  • 1975年 第3号(NINA)900hPa
  • 1975年 第15号(ELSIE)900hPa
  • 1979年 第9号(HOPE)900hPa
  • 1982年 第10号(BESS)900hPa
  • 1986年 第7号(PEGGY)900hPa
  • 1987年 第15号(HOLLY)900hPa
  • 1992年 第30号(GAY)900hPa
  • 1998年 第10号(ZEB)900hPa
  • 2012年 第16号(SANBA)900hPa
  • 2014年 第19号(VONGFONG)900hPa
  • 2015年 第13号(SOUDELOR)900hPa
  • 2016年 第1号(NEPARTAK)900hPa
  • 2016年 第22号(HAIMA)900hPa
  • 2018年 第25号(KONG-REY)900hPa
  • 2018年 第26号(YUTU)900hPa
  • 2023年 第2号(MAWAR)900hPa

900hPa以下になるのは10月が最多

月900hPa以下の台風
4月1個
5月2個
6月2個
7月6個
8月9個
9月16個
10月20個
11月10個
12月1個
900hPa以下に達した台風67個の、最低気圧に達した月(日本時間。1〜3月は0個)

900hPa以下まで発達した67個のうち、10月が20個で最多、9月が16個、11月が10個です。台風の発生数そのものは8月が最多ですが、秋は低い緯度で発生して長い距離を西へ進みながら発達する台風が多く、そのぶん極端に強くなる例が多いと考えられます。10月の台風の特徴は10月の台風は来る?でも解説しています。

年代別:900hPa以下は1990年代以降に減った?(観測方法の変化に注意)

年代900hPa以下930hPa以下
1951〜60年11個44個
1961〜70年15個54個
1971〜80年13個44個
1981〜90年12個47個
1991〜2000年4個44個
2001〜10年1個46個
2011〜20年9個52個
2021〜25年2個18個
生涯最低気圧が900hPa以下・930hPa以下だった台風の年代別の数(2021〜25年は5年分)

900hPa以下の台風は1950〜80年代に10年で11〜15個あったのに、1991〜2010年は20年で5個しかありません。ただし、米軍の飛行機が台風の中に入って気圧を直接測る観測は1987年で終わっていて、それ以降は(一部の研究観測を除き)衛星の画像から強さを推定しています。930hPa以下の数は1951〜2020年の各10年で44〜54個とほぼ一定なので、「極端に低い気圧」の記録が減ったのは、観測方法が変わった影響も大きいと考えられます。2011〜20年は9個と、再び多くなっています。

日本の近くで最も気圧が低かった台風(300km以内)

では、900hPa前後の台風が日本のすぐ近くまで来たことはあるのでしょうか。那覇・石垣島・鹿児島・高知・東京のいずれかから300km以内に入ったときの中心気圧を比べると、1位は1990年の台風19号(フロー)の890hPa(那覇から145km)でした。上位はほとんどが沖縄・先島の近くで、本州・四国・九州の近くで最も低いのは1971年の台風23号(トリックス、鹿児島から143km・915hPa)です。

順位台風300km圏で気圧が最も低かったときの距離日付そのときの気圧
1位1990年 第19号(FLO)那覇 から145km9/17890 hPa
2位1959年 第9号(JOAN)石垣島 から294km8/29893 hPa
3位1962年 第10号(OPAL)石垣島 から271km8/5900 hPa
3位1975年 第3号(NINA)石垣島 から129km8/3900 hPa
5位1961年 第18号(NANCY)
第2室戸台風
那覇 から296km9/14903 hPa
6位1959年 第14号(SARAH)石垣島 から146km9/15905 hPa
6位2008年 第15号(JANGMI)石垣島 から258km9/28905 hPa
6位2016年 第18号(CHABA)那覇 から100km10/3905 hPa
9位1957年 第7号(AGNES)那覇 から280km8/18910 hPa
9位1960年 第8号(SHIRLEY)石垣島 から113km7/31910 hPa
9位1961年 第20号(PAMELA)石垣島 から73km9/11910 hPa
9位1977年 第9号(BABE)那覇 から124km9/9910 hPa
9位2003年 第14号(MAEMI)石垣島 から131km9/11910 hPa
14位1958年 第19号(GRACE)石垣島 から294km9/3913 hPa
15位1956年 第6号(WANDA)石垣島 から242km7/31915 hPa
15位1971年 第23号(TRIX)鹿児島 から143km8/29915 hPa
15位1972年 第14号(BETTY)石垣島 から299km8/16915 hPa
15位1980年 第19号(WYNNE)石垣島 から227km10/12915 hPa
19位1988年 第24号(NELSON)石垣島 から299km10/5918 hPa
19位1966年 第18号(CORA)石垣島 から112km9/5918 hPa
日本の5地点(那覇・石垣島・鹿児島・高知・東京)のいずれかから300km以内に入ったときの中心気圧が低い台風TOP20(6時間ごとの値を1時間ごとに補間した値で、小数は補間による。距離は最も近づいた距離ではなく、300km圏内で気圧が最も低かった時点の距離。温帯低気圧になってからの時点は除く。日付は日本時間)

生涯で900hPa以下まで発達した67個のうち、これらの地点の300km以内に入ったのは30個でした。ただし多くは日本に近づくころには弱まっています。たとえば1958年の狩野川台風は877hPaまで発達しましたが、東京の300km圏に入った26日夕方は950hPa、東京の約20kmを通った27日0時ごろは970hPa前後でした。1959年の伊勢湾台風も895hPaから、高知に最も近づいた(約175km)26日夕方には927hPa前後まで弱まっていました。台風30号も21日6時の900hPaから、24日3時に先島諸島近海に達するころには965hPaまで弱まる予報です(台風30号は先島諸島にいつ最接近?)。

900hPa以下まで発達した台風は、最も低くなってから中央値30時間で気圧が30hPa上がっています(最短8時間、最長84時間。温帯低気圧になった後も含めて集計)。猛烈な強さが何日も続くことはまれで、ピークを過ぎると1日余りで大きく弱まるのがふつうです。

サイト内の台風ツール

地方ごとの台風の接近数(気象庁の統計)は、こちらの表で確かめられます。

順位地方合計(1951〜2025年)年平均平年値
1沖縄553個7.4個7.7個
2伊豆・小笠原401個5.3個5.4個
3奄美300個4.0個4.3個
4九州南部279個3.7個3.9個
5九州北部257個3.4個3.8個
6東海248個3.3個3.5個
7四国244個3.3個3.3個
8関東甲信238個3.2個3.3個
9近畿235個3.1個3.4個
10中国213個2.8個3個
11東北192個2.6個2.7個
12北陸186個2.5個2.8個
13北海道119個1.6個1.9個
地方別の台風接近数(気象庁・75年間)

都道府県ごとに、台風が接近する平均回数を比べられるツールです。月を切り替えると季節ごとの違いがわかります。

過去の台風を年・番号から調べるには台風データベース、いま日本でいちばん気圧が低い場所は今日の気圧ランキングで確認できます。

よくある質問

Q. 中心気圧900hPaはどのくらい強いですか?

1951〜2025年の75年の台風1951個のうち、一生のうちに900hPa以下まで発達したのは67個(3.4%)で、平均すると1年に1個未満です。900〜909hPaの台風の最大風速は中央値約57m/sで、記録の96%が「猛烈な台風」(105ノット=約54m/s以上)の強さです。台風30号の900hPaは、75年の生涯最低気圧と比べて38位タイです。

Q. 台風の中心気圧の最低記録は?

1979年の台風20号(チップ)の870hPaです(1979年10月12日、グアムの西の海上)。2位は1973年の台風15号(ノラ)と1975年の台風20号(ジューン)の875hPa、4位は1958年の狩野川台風(第22号)の877hPaです。

Q. 中心気圧が低いほど台風は強いのですか?

おおむねそうです。気圧が低いほどまわりとの気圧の差が大きく、風が強くなります。ただし台風の強さの階級は最大風速で決まり、同じ900〜909hPaでも最大風速は約46〜67m/sと幅があります。

Q. 中心気圧の目安は?何hPaから強い台風ですか?

最大風速の中央値で見ると、960hPa台で約36m/s(強い)、940hPa台で約44m/s(非常に強い)、910hPa台以下で約54m/s以上(猛烈な)が目安です。

Q. 900hPa以下の台風が日本に来たことはありますか?

那覇・石垣島・鹿児島・高知・東京の300km以内に、900hPa以下のまま入った例は75年で4個だけです(1990年の台風19号・那覇から145km・890hPa、1959年の台風9号・石垣島から294km・約893hPa、1962年の台風10号と1975年の台風3号・いずれも石垣島の近くで900hPa)。いずれも沖縄・先島の近くです。

Q. 900hPa以下の台風は何月に多いですか?

最低気圧に達した月で数えると、67個のうち10月が20個で最多、9月が16個、11月が10個です。1〜3月は0個です。

Q. 台風30号(チャンパー)の中心気圧は?

気象庁の21日6時の実況で900hPa、最大風速60m/sの大型で猛烈な台風です。22日6時は905hPa、24日3時には965hPaまで弱まって先島諸島近海に達する予報です。

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まとめ
  • 900hPaはふだんの気圧より113hPa低い。75年1951個のうち900hPa以下まで発達したのは67個(3.4%)
  • 900〜909hPaの最大風速は中央値約57m/sで、記録の96%が「猛烈な台風」
  • 台風30号の900hPaは75年で38位タイ
  • 最低記録は1979年台風20号(チップ)の870hPa。伊勢湾台風・2013年のハイエンは895hPa
  • 900hPa以下になるのは10月が最多。ピークは短く、中央値30時間で30hPa弱まる
  • 1990年代以降の減少は、1987年に飛行機による観測が終わった影響も大きい

出典:気象庁 RSMC Tokyo ベストトラック(1951〜2025年)、気象庁「台風情報」(2026年10月21日6時45分発表)、気象庁「台風の大きさと強さ」。生涯最低気圧・階級別の数・風速の中央値・日本接近時の気圧は当サイトの集計。

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