長崎・五島で記録的大雨、なぜ10月に?福江283.5mm・平戸246.5mmで10月1位、対馬・厳原は141年で最も雨の多い10月に|24地点の雨量チェッカー

気象

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こんにちは!気象予報士ののぶやんです。

長崎県の五島列島・平戸・対馬で、10月としては記録的な大雨になりました。気象庁のアメダスでは、五島市の福江で24時間に283.5mm(26日4時まで)、平戸で246.5mm(26日2時20分まで)を観測し、いずれも10月の記録を大きく更新しました(速報値)。対馬の厳原では、10月1日から25日までの雨が447.0mmに達し、1886年の統計開始以来、10月の月降水量として最多になっています。

雨をもたらしたのは、先島諸島に記録的な大雨を降らせた台風30号(チャンパー)です。台風が東シナ海を北上する間に九州付近の前線へ暖かく湿った空気を送り込み(台風による前線の刺激)、25日21時に温帯低気圧に変わったあともその流れ込みが続きました。「台風は温帯低気圧に変わったのに、なぜまだ降るの?」「うちの近くは何mm降った?」という疑問に答えるため、この記事では気象庁の観測データを地点ごとに集計した雨量チェッカーを作りました。

【すぐわかる答え】五島・平戸・対馬の大雨は、北上する台風30号が九州付近の前線に湿った空気を送り込み続け、温帯低気圧に変わったあとも流れ込みが止まらなかったため。福江は10月の平年1か月分(132.7mm)の約2.8倍の雨が4日足らずで降りました。

この記事の結論(30秒で読める版)
  • 24時間降水量の10月1位を更新:福江283.5mm(従来203mm、1985年)、平戸246.5mm(同142.5mm、2016年)、五島市上大津226.5mm、松浦191.5mm、伊万里160.5mm、糸島市前原142.5mm(いずれも26日、速報値)
  • 日降水量でも10月1位:福江235.0mm(25日、1962年以降)、平戸204.5mm(25日、1940年以降)。対馬の厳原は24日に254.5mmで10月の2位
  • 厳原の10月の雨は25日までに447.0mmで、1886年以降の10月で最多。福江・平戸も26日の雨を加えると、10月の月降水量の記録を上回る見込み
  • 原因は台風30号と前線。北上する台風が前線を刺激して対馬(24日)・平戸(25日朝)で大雨になり、25日21時に温帯低気圧に変わったあとも五島・平戸で26日未明まで強い雨が続いた。その前の23〜24日には、台風本体で西表島が24時間402.0mmの観測史上1位
  • 27日は寒気の影響で雨が残る所があるものの、次第に晴れる予報。雨がやんでも地盤は緩んでいるので、がけや沢の近くでは土砂災害に注意
  • 雨量チェッカーで、長崎・佐賀・福岡・沖縄の24地点の雨を1時間ごとに確認できます

▶ 地点ごとの雨はどれくらい? 雨量チェッカーへ

雨量チェッカー:五島・平戸・対馬など24地点の雨を1時間ごとに

地点を選ぶと、10月22日21時から26日17時までの1時間ごとの雨量と、22日21時からの合計をグラフで表示します。最大24時間・最大1時間の雨、日ごとの雨、10月の平年値(気象台の地点のみ)との比較も出ます。いちばん上の行には、ページを開いたときの最新のアメダスの雨量を自動で読み込みます。

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24地点の雨量ランキング(期間合計の多い順)
データ:気象庁アメダスの毎正時の前1時間降水量(速報値)を当ブログで合計。最大24時間・最大1時間は毎正時の値から計算しているため、10分ごとに計算する気象庁の値(本文の表)と少し違うことがあります。10月24日12〜14時の一部の値は、15時の3時間・24時間降水量から逆算しました。

グラフで見ると、地点によって雨のピークの時刻が違うことがわかります。対馬(厳原・美津島)は24日、平戸・松浦は25日朝と25日夜〜26日未明の2回、五島(福江・上大津)は25日夜から26日未明に強い雨が集中しました。同じ長崎県でも、長崎市や諫早市は26日の朝が中心で、期間の合計は120〜140mmほどにとどまっています。

10月の記録を更新した地点:福江は従来の1.4倍

気象庁の「全国観測値ランキング」(10月26日17時現在・速報値)で、24時間降水量の日最大値が10月の1位を更新した主な地点です。

市町村地点24時間降水量時刻(まで)それまでの10月1位観測史上1位
長崎県五島市福江283.526日4時00分203(1985年10月12日)435(1987年7月20日)
長崎県平戸市平戸246.526日2時20分142.5(2016年10月9日)434.0(2019年8月28日)
長崎県五島市上大津226.526日4時10分156.5(2020年10月22日)369(2005年9月11日)
長崎県松浦市松浦191.526日3時10分123.5(2016年10月9日)379.5(2019年8月28日)
佐賀県伊万里市伊万里160.526日5時20分135.0(2009年10月2日)376(1980年8月30日)
福岡県糸島市前原142.526日4時30分110(2004年10月10日)359(1980年8月30日)
長崎県対馬市美津島230.525日6時10分126.0(2014年10月13日)321(2007年8月30日)
表1 24時間降水量が10月の1位を更新した主な地点(単位mm、速報値)
出典:気象庁「全国観測値ランキング(降水量)」10月25日・26日(26日は17時現在)。美津島は25日の値。1位の値は1976年以降が対象(美津島・上大津は2003年、松浦は2011年の観測開始以降)。

福江の283.5mmは、それまでの10月の記録(203mm)の約1.4倍、平戸の246.5mmは約1.7倍です。夏の梅雨末期や台風のときの記録(観測史上1位)には届いていませんが、10月としては異例の雨だったことがわかります。

72時間降水量(3日間の雨)でも、平戸397.5mm・厳原386.5mm・福江374.5mm・美津島331.0mm・上大津301.5mm・松浦301.5mmが10月の1位を更新しました(26日17時現在、速報値)。

日降水量と月降水量でも記録

気象庁の「観測史上1〜10位の値(10月)」では、日ごとの雨(0時〜24時)でも記録が出ています。

地点日降水量10月の順位統計開始10月の月降水量
福江235.0(25日)10月の1位(従来182.0、2002年)1962年〜332.0(25日まで、10月の3位)
平戸204.5(25日)10月の1位(従来197.8、1951年)1940年〜320.0(25日まで、10月の2位)
厳原254.5(24日)10月の2位(1位は278.0、2025年)1886年〜447.0(25日まで、10月の1位)
表2 気象台の3地点の日降水量と10月の月降水量(単位mm)
出典:気象庁「過去の気象データ検索」観測史上1〜10位の値(10月の値)。26日の雨は含まれていません。

福江と平戸は、26日の雨(17時まで、福江57.5mm・平戸102.0mm、毎正時の値の合計)を加えると、福江は約390mm、平戸は約422mmになり、それぞれ10月の月降水量の1位(福江364.5mm・1985年、平戸326.5mm・2017年)を上回る見込みです。月の値が確定するのは月末のあとですが、3地点そろって「観測史上いちばん雨の多い10月」になる可能性が高い状況です。

なぜ10月にこんなに降った? 台風が前線を刺激し、温帯低気圧に変わっても雨が続いた

今回の雨は、雨を降らせたしくみによって3つの段階に分けられます。

  • ① 23〜24日:台風30号の本体による雨(先島諸島)。台風が先島諸島に近づき、西表島では24時間降水量が402.0mm(24日12時40分まで)となり、2003年の観測開始以来の1位になりました。72時間降水量も24日のうちに576.0mmに達しています
  • ② 24日〜25日夕方:北上する台風+前線(対馬・平戸)。台風30号が東シナ海を北上する間、九州付近にのびる前線に向かって、台風のまわりの暖かく湿った空気が流れ込みました。いわゆる「台風が前線を刺激する」状態で、対馬は24日、平戸・松浦は25日朝に強い雨になりました。厳原・美津島の今回の雨の約9割、平戸の約3分の2は、台風が温帯低気圧に変わる前に降っています
  • ③ 25日夜〜26日:温帯低気圧+前線(五島・平戸・九州北部)。台風30号は25日21時に北緯31度・東経126度(福江の南西およそ330km)で温帯低気圧に変わりました(中心気圧1000hPa)。それでも湿った空気の流れ込みは続き、五島・平戸では25日夜から26日未明に激しい雨が続き、福江では1時間53.5mmの非常に激しい雨。福江の今回の雨の約4割(161mm)は、温帯低気圧に変わったあとに降りました
台風30号が前線を刺激 → 温帯低気圧に変わっても雨が続く(模式図) 九州 朝鮮半島 東シナ海 台風30号の進路 23〜24日に先島諸島へ 前線 低 25日21時、ここで温帯低気圧に (北緯31度・東経126度、1000hPa) 暖かく湿った南風 台風の水蒸気が残ったまま 前線に流れ込む 五島(福江) 平戸 対馬(厳原) 西表島 雨雲が発達し続けた所 位置関係はおおよそ。台風の位置は気象庁の台風情報(25日21時の実況)による
図1 北上する台風30号が前線に湿った空気を送り込み、温帯低気圧に変わったあとも流れ込みが続いて、五島・平戸・対馬で雨雲が発達し続けた

ポイントは、「温帯低気圧に変わった=雨が弱まる」ではないということです。温帯低気圧は、北の冷たい空気と南の暖かい空気の境目(前線)で発達する低気圧です。台風が持っていた大量の水蒸気は消えずに残り、前線に沿って流れ込むことで、台風のときより広い範囲で雨が降ることもあります。

くわしくは「台風が温帯低気圧に変わったら安心?」で、気象庁のベストトラック303例を使って「変わったあとに気圧が下がった(発達した)台風は34%」という検証をしています。また、台風が離れた所の前線を刺激して大雨になる仕組みは「台風が前線を刺激すると大雨になるのはなぜ?」で解説しています。

五島・平戸・対馬に雨が集中した理由

今回、雨がとくに多かったのは九州の西の島々と、北西部の海沿いでした。理由として、次の3つが考えられます。

  • 湿った空気の「入口」にあたる:南からの風は、海の上を通ってから九州にぶつかります。東シナ海に面した五島・平戸・対馬は、湿った空気がいちばん先に届く場所です
  • 低気圧と前線の動きに合わせて雨の中心が移った:温帯低気圧に変わった25日夜、低気圧は五島の南西にあり、五島〜平戸は南からの湿った空気が流れ込みやすい位置でした。対馬は24日、平戸は25日朝と夜、五島は25日夜から26日未明と、雨のピークが移っていったことがチェッカーのグラフでもわかります
  • 同じ所で雨雲が発達し続けた:福江では25日23時13分までの1時間に53.5mmの非常に激しい雨が降り、25日18時から26日3時まで1時間10mm以上の雨が10時間続きました(毎正時の値)。短い時間の雨(1時間)は10月の記録に届いていないのに、24時間・72時間で記録を更新したのは、強い雨が長く続いたためです

一方、同じ長崎県でも長崎市(長崎)の期間合計は123.5mm、雲仙岳は114.5mmで、五島の3分の1ほどでした。同じ県でも数十km離れると雨の量が大きく違うのが、前線の雨の特徴です。

島ごと・地域ごとの雨:日別に見るとピークがずれていた

地点市町村22日(21時〜)23日24日25日26日(17時まで)期間合計
西表島沖縄・竹富町25.0322.0208.50.03.0558.5
平戸平戸市0.069.022.5204.5102.0398.0
厳原対馬市0.028.5254.574.529.0386.5
福江五島市0.066.016.0235.057.5374.5
有川新上五島町0.0122.016.5170.049.0357.5
美津島対馬市0.018.0217.568.027.5331.0
松浦松浦市0.053.55.0148.096.5303.0
上大津五島市0.055.510.5186.049.5301.5
石垣島沖縄・石垣市26.5193.053.00.00.0272.5
芦辺壱岐市0.039.046.5114.071.5271.0
伊万里佐賀・伊万里市0.043.54.0116.081.5245.0
長浦岳長崎市0.061.04.079.094.5238.5
石田壱岐市0.040.025.590.079.0234.5
西海西海市0.065.02.584.567.5219.5
表3 期間合計の多い14地点の日別の雨(単位mm)
気象庁アメダスの毎正時の前1時間降水量の合計(速報値)。期間合計は22日21時〜26日17時。
  • 沖縄・八重山(西表島・石垣島):23日がピーク。台風30号の本体の雨で、西表島は23日だけで322.0mm。25日以降はほとんど降っていません
  • 対馬(厳原・美津島・鰐浦):24日がピーク。厳原254.5mm、美津島217.5mm。対馬の北端の鰐浦も24日に115.0mm
  • 五島列島(福江・上大津・有川):23日に一度強く降ったあと、25日夜から26日未明に2回目のピーク。福江は25日に235.0mm
  • 平戸・松浦・伊万里・糸島:25日から26日にかけての雨が中心。平戸は26日も17時までに102.0mmと、雨が長引きました
  • 壱岐(芦辺・石田):4日間ほぼ毎日まとまった雨が降り、合計は230〜270mm

このように、台風の本体→台風が前線を刺激→温帯低気圧と前線と雨を降らせるしくみが変わるにつれて、雨の中心は沖縄→対馬→五島・平戸→九州北部へと移っていきました。島ごとの普段の天気は、美津島・芦辺(壱岐)・石田(壱岐)・佐世保の気候ページで見られます。

データで検証:4日足らずで「10月の平年の約3倍」

地点期間の合計(mm)10月の平年値(mm)10月の平年の何倍年降水量の平年に対する割合
平戸398.0116.63.4倍18%
厳原386.5120.83.2倍17%
福江374.5132.72.8倍16%
石垣島272.5211.21.3倍13%
福岡146.594.51.6倍9%
長崎123.5102.11.2倍7%
表4 10月22日21時〜26日17時の雨と平年値の比較(気象台の地点)
期間の合計は毎正時の前1時間降水量の合計(速報値)。平年値は1991〜2020年。

平戸は10月の平年1か月分の3.4倍、厳原は3.2倍、福江は2.8倍の雨が、4日足らずで降りました。1年間に降る雨の16〜18%にあたります。これだけの雨が短期間に降ると、山の斜面や谷に水がたまり、雨が弱まってからも土砂災害が起きやすい状態が続きます。

長崎県の各市町村の平年の雨は、福江の気候・平戸の気候・厳原の気候・長崎の気候のページで、月ごとのグラフと一緒に確認できます。

県ごとの「雨の多さ」も比べてみる

長崎県は、もともと全国でも雨の多い県です。下のツールでは、47都道府県の降水量を月ごとに比べられます。

全国の24時間降水量の歴代記録と、過去の同じ日

全国のアメダスの24時間降水量の観測史上の記録トップ10です(記録が更新されると自動で入れ替わります)。上位は台風や梅雨末期の大雨で800〜900mm台。今回の福江283.5mmはその3分の1ほどですが、雨の少ない10月にこれだけ降ったことが異例でした。

歴代24時間降水量ランキング トップ10(観測史上1位の値)
順位地点(都道府県・市町村)記録観測日偏差値
1位繁藤(高知県)979.0mm1998年9月25日101.1
2位箱根(神奈川県)942.5mm2019年10月12日98.4
3位神門(宮崎県・美郷町)934.0mm2005年9月6日97.7
4位日出岳(奈良県)922.0mm1982年8月1日96.8
5位えびの高原(宮崎県)882.0mm2005年9月6日93.8
6位宮川(三重県)872.5mm2011年9月4日93.1
7位魚梁瀬(高知県)867.0mm2011年7月19日92.7
8位後免(高知県・南国市)862.0mm1998年9月25日92.3
9位高知(高知県・高知市)861.0mm1998年9月25日92.2
10位大島(東京都・大島元町)824.0mm2013年10月16日89.4

過去の同じ時期に、長崎でどんな天気が多かったかは、日付を選んで調べられます。

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去年の今ごろと比べた長崎の雨と気温はこちらです。

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時系列で振り返る:23日から26日まで

日時できごと
23日台風30号が先島諸島に接近。石垣島で日降水量193.0mm、西表島で322.0mm(毎正時の値の合計)
24日12時40分まで西表島の24時間降水量が402.0mmとなり、観測史上1位(72時間は24日中に576.0mm)
24日対馬で雨が強まり、厳原の日降水量254.5mm(10月の2位)、美津島は25日6時10分までの24時間で230.5mm(10月の1位)
25日福江・平戸・上大津・松浦などで、24時間降水量が25日のうちに10月の1位を更新
25日21時台風30号が東シナ海(北緯31度・東経126度)で温帯低気圧に変わる(1000hPa)
25日夜〜26日未明五島・平戸・松浦で激しい雨。福江は23時13分までの1時間に53.5mm、25日の日降水量235.0mm(10月の1位)
26日2〜5時平戸・福江・上大津・松浦・伊万里・前原で24時間降水量が最大に(福江283.5mmなど)
26日前線が西日本から伊豆諸島付近にのび、雨の中心は東へ。伊豆諸島でも雷を伴う非常に激しい雨の見込み(気象庁、26日10時37分の東京都の天気概況)
27日(予報)長崎県は気圧の谷や寒気の影響で雨の所があるが、次第に高気圧に覆われて晴れ(長崎地方気象台、26日16時36分)
表5 今回の雨の経過(気象庁の発表と観測から)
値は速報値。毎正時の値の合計は当ブログで集計。

雨がやんだあとに気をつけること

  • 土砂災害は雨がやんでから起きることがある:地面にしみこんだ水はすぐには抜けません。がけや斜面の近く、沢沿いでは、雨がやんでも半日〜1日程度は注意してください。「斜面から小石が落ちる」「湧き水が濁る」「地鳴りがする」は危険のサインです
  • 川の水位は遅れて上がる:上流で降った雨が下流に届くまでには時間がかかります。川には近づかないでください
  • 27日は寒気が入る:長崎地方気象台は、27日は寒気の影響を受けたあと次第に晴れるとしています。片付けの作業は体を冷やさないように
  • 自分の地域の危険度は「キキクル」で:気象庁の危険度分布(キキクル)で、土砂災害・浸水・洪水の危険度を5段階で確認できます。警戒レベルの意味は「キキクルの見方」、お住まいの場所の危険な区域は「ハザードマップの見方」で確認できます
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10月の大雨は珍しい? 九州北部の10月の雨

九州北部の雨は、梅雨(6〜7月)と台風の時期(8〜9月)に集中し、10月の平年の雨は福岡94.5mm・長崎102.1mm・福江132.7mmと、雨の少ない時期に入ります。福江の10月の日降水量は、これまでの1位が2002年10月19日の182.0mm、2位が1985年10月11日の147.5mmで、今回の235.0mmはそれを50mm以上上回りました。

ただ、ここ数年は10月の大雨が目立ちます。厳原では2025年10月3日に日降水量278.0mm(10月の1位)、そして今年の24日に254.5mmと、2年続けて10月に200mmを超える日がありました。福江の10月の日降水量の上位10日にも、2015年・2020年・2024年・2026年と最近10年余りの年が4つ入っています。海面水温が高い状態が秋まで続くと、台風や低気圧が運んでくる水蒸気の量が増えるため、10月でも夏のような大雨になりやすいと考えられます。

今年の秋の雨の多さは「最近雨が多いのはなぜ?2026年」、11月まで台風が来る理由は「台風はいつまで来る?11月・12月の台風」でまとめています。

よくある質問

Q. 長崎(五島・平戸・対馬)の大雨は何mm降りましたか?

気象庁のアメダス(速報値)で、24時間降水量は福江283.5mm、平戸246.5mm、五島市上大津226.5mm(いずれも26日)、対馬市美津島230.5mm(25日)でした。10月22日21時から26日17時までの合計は、平戸398.0mm、厳原386.5mm、福江374.5mmです。

Q. どのくらい記録的な雨だったのですか?

福江・平戸・上大津・松浦・伊万里・糸島市前原・美津島など、少なくとも7地点で24時間降水量が10月の1位を更新しました。福江はそれまでの10月の記録203mm(1985年)の約1.4倍です。対馬の厳原は10月1〜25日の雨が447.0mmで、1886年の統計開始以来、10月として最多です。

Q. 台風30号は温帯低気圧に変わったのに、なぜ大雨になったのですか?

対馬の24日の雨や平戸の25日朝の雨は、台風30号がまだ台風として東シナ海を北上していたときに、台風のまわりの湿った空気が九州付近の前線に流れ込んで降ったものです。台風は25日21時に温帯低気圧に変わりましたが、湿った空気の流れ込みは続き、五島・平戸では26日未明まで激しい雨が続き、福江では1時間53.5mmの非常に激しい雨も降りました。

Q. 西表島の雨も記録的だったのですか?

はい。台風30号が先島諸島に近づいた23〜24日に、西表島の24時間降水量は402.0mm(24日12時40分まで)となり、2003年の観測開始以来の1位でした。72時間降水量も24日のうちに576.0mmに達し、観測史上1位です。

Q. 雨はいつやみますか?

長崎地方気象台の26日16時36分の発表では、27日は気圧の谷や寒気の影響で雨の降る所がありますが、次第に高気圧に覆われて晴れる見込みです。最新の雨雲の動きは「雨はいつ止む?チェッカー」でも確認できます。

Q. 雨がやんだら、もう安全ですか?

雨がやんでも、地面にしみこんだ水がすぐには抜けないため、土砂災害の危険はしばらく続きます。がけや斜面、沢の近くでは、半日〜1日程度は注意してください。最新の危険度は気象庁のキキクル(危険度分布)で確認できます。

Q. 10月にこんな大雨が降るのは珍しいですか?

九州北部の10月の平年の雨は100mm前後(福岡94.5mm・長崎102.1mm・福江132.7mm)と少なく、1日に200mmを超える日はまれです。ただ、厳原では2025年10月3日にも278.0mmの日があり、ここ数年は秋でも大雨が目立っています。

Q. 自分の住んでいる所の雨量はどうやって調べますか?

この記事の雨量チェッカーで、長崎・佐賀・福岡・沖縄の24地点の1時間ごとの雨と合計を確認できます。そのほかの地点は、気象庁のアメダスや、当ブログの「過去の天気検索」で調べられます。

あわせて読みたい:大雨と台風
時事・季節の天気シリーズ
まとめ
  • 五島・平戸・対馬で10月として記録的な大雨。福江283.5mm・平戸246.5mmなど少なくとも7地点で24時間降水量が10月の1位を更新(速報値)
  • 厳原の10月の雨は25日までに447.0mmで141年間の10月で最多。福江・平戸も月の記録を超える見込み
  • 原因は台風30号と前線。台風が前線を刺激して対馬・平戸で大雨になり、温帯低気圧に変わったあとも五島・平戸で雨が続いた
  • 4日足らずで10月の平年の約3倍、1年の雨の16〜18%が降った。雨がやんでも土砂災害に注意
  • 雨量チェッカーで24地点の1時間ごとの雨と、いまのアメダスの雨量を確認できます

出典:気象庁「全国観測値ランキング」(10月25日・26日の降水量、26日は17時現在の速報値)、気象庁「過去の気象データ検索」(福江・平戸・厳原の観測史上1〜10位の値(10月)、日別値、平年値)、気象庁「アメダス」(1時間降水量)、気象庁「台風情報」(台風第30号、10月25日21時の実況)、気象庁「天気予報」(長崎県・東京都の天気概況、10月26日)。

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