秋が短いのはなぜ?「秋が来ない」は本当か、51地点58年分の「秋らしい日」の日数で検証【2026年版】

日本地図上に直近10年の「秋らしい日」の少なさを色分けした点と、秋が短い県の棒グラフを重ねたイメージ 気象

こんにちは!気象予報士ののぶやんです。

「秋が短くなった」「秋が来ないまま冬になる」——ここ数年、毎年のように聞く言葉です。9月いっぱい真夏日が続き、10月にやっと涼しくなったと思ったら、11月には一気に冷え込む。あの心地よい「最高気温20℃ちょっとの晴れた日」は、いったいどこへ行ってしまったのでしょうか。

この記事では、全国51地点・58年分の気象庁データから「秋らしい日(日最高気温20〜25℃未満)」の日数を年ごとに数え、秋が本当に短くなっているのかを検証します。結論から言うと、秋らしい日は半世紀で全国平均6日減り、2025年は17日と1968年以降で最少でした。減った分は「夏日」に置き換わっています。あなたの地域の数字は、記事冒頭のツールで確かめられます(今年の分は毎日自動更新)。

この記事の結論(30秒で読める版)
  1. 秋は本当に短くなっています。9〜11月の「秋らしい日(最高20〜25℃未満)」は、全国51地点の平均で1960〜70年代の年28〜29日から2020年代は23日へ。2025年は17.1日で1968年以降の最少でした。
  2. 減った分は「夏日」に変わりました。秋の夏日(25℃以上)は1970年代の年29.5日から2020年代は42.3日へ13日増。とくに9月の秋らしい日は7日→2.6日と、9月からほぼ秋が消えています。
  3. 秋が「消えた」のではなく「後ろにずれて圧縮された」のが実態。11月の秋らしい日は5.5日→8.5日と増え、秋は10月中旬〜11月に押し込まれています。冬寄りの日(15℃未満)も12日→7日に減り、冬の入りも遅くなりました。
  4. 理由は3つ。①太平洋高気圧と高い海面水温で残暑が10月まで続く ②秋雨前線・台風の時期が遅れ、晴れて過ごしやすい「秋晴れ」の期間が短い ③温暖化で気温の土台が1.5〜2℃上がり、「20〜25℃」の帯を通り過ぎる日が減った。
  5. 2026年はさらに秋が短くなる可能性大。気象庁は9月20日ごろから10年に1度の高温、10〜11月も全国的に高温を予想。史上最強クラスのエルニーニョで、秋の深まりは遅れがちです。

【まず検証】あなたの地域の秋は何日ある? 「秋らしい日」カウンター

地点を選ぶと、9〜11月の「秋らしい日」「夏日」「冬寄りの日」の日数を1970年代・平年・直近10年・2025年で比べられます。1968年からの年別グラフ、月別の内訳、51地点ランキング、そして今年の秋らしい日の数(今日までの気象庁データ)も表示します。

あなたの地域の秋は何日ある? 「秋らしい日」カウンター(1968年〜今日)

51地点ランキング:
出典:気象庁「過去の気象データ」の日ごとの値(47気象台+離島4地点、1968年〜)を筆者が集計。「秋らしい日」=9〜11月のうち日最高気温が20℃以上25℃未満の日、「夏日」=25℃以上、「冬寄りの日」=15℃未満。「平年」は1991〜2020年の平均、「直近10年」は2016〜2025年の平均、「1970年代」は1968〜79年の平均。今年の値は気象庁の日別データを毎日自動取得して反映(当日分は速報値)。

「秋らしい日」の定義は日最高気温20℃以上25℃未満。長袖1枚で快適に過ごせる、いわゆる秋晴れの体感です。25℃以上なら半袖の「夏日」、15℃未満なら上着がほしい「冬寄りの日」として分けました。1970年代の東京は秋らしい日が年31日ありましたが、直近10年は27日、2025年はわずか16日。代わりに夏日が25日→34日、2025年は40日です。

データで見る「秋が短い」|秋らしい日は半世紀で6日減った

全国51地点の平均:秋らしい日 29日→23日、夏日 28日→42日

年代秋らしい日(9〜11月)夏日(9〜11月)冬寄りの日(9〜11月)9月の秋らしい日10月の秋らしい日11月の秋らしい日
1960年代(1968〜69年)29.228.011.77.013.98.3
1970年代27.929.512.97.914.55.5
1980年代26.929.312.67.914.05.1
1990年代28.632.69.36.714.97.0
2000年代26.335.410.35.114.66.5
2010年代25.636.79.64.913.96.8
2020年代(2020〜25年)23.242.36.82.612.18.5
全国51地点(47気象台+離島4地点)の年平均日数。秋らしい日=最高20〜25℃未満、夏日=25℃以上、冬寄り=15℃未満。出典:気象庁 過去の気象データ、筆者集計

表を見ると、変化がどこで起きているかがはっきりします。9月の秋らしい日は7日前後から2.6日へと3分の1になり、10月も14日から12日へ。一方で11月は5.5日から8.5日へ増えています。つまり「秋が消えた」のではなく、秋の入口が9月から10月中旬へ1か月近く遅れ、出口(冬の入り)はそれほど遅れていないため、秋そのものが圧縮されたということです。冬寄りの日(15℃未満)も12日から7日に減っており、11月がかつての10月の役割を果たしています。

2025年の秋は「史上最も秋らしくない秋」だった

全国51地点の平均で秋らしい日が最も少なかった年は、2025年の17.1日。次いで2002年(20.9日)、2017年(21.0日)、1975年(21.1日)と続き、2025年は2位に4日近い差をつけての最少です。2024年は22.3日、2023年は25.2日でした。2025年は10月中旬まで夏日が続いたあと、11月に入って急に冷え込んだため、「秋らしい日」を通り過ぎてしまった年と言えます。

地点秋らしい日 1970年代同 平年同 直近10年同 2025年秋の夏日 1970年代同 平年同 直近10年同 2025年
札幌23.321.421.7182.87.511.517
仙台27.526.925.22011.816.823.328
東京31.329.726.71624.729.133.840
名古屋30.726.625.42028.236.040.141
大阪28.427.125.31731.538.041.247
広島30.426.926.62127.838.441.045
福岡30.529.629.21932.038.042.050
那覇22.315.812.3966.274.678.782
主要8都市の9〜11月の日数(1970年代=1968〜79年平均、平年=1991〜2020年平均、直近10年=2016〜2025年平均)。出典:気象庁 過去の気象データ、筆者集計

大阪は2025年の秋の夏日が47日、福岡は50日。9〜11月の91日のうち半分以上が夏日だったことになります。那覇は秋らしい日が22日→12日と半減し、亜熱帯の那覇では「秋」がほぼ「夏の延長」になっています。

秋らしい日の減少幅が大きい地点

地点1970年代直近10年増減
石垣島17.26.3−10.9
那覇22.312.3−10.0
与那国島20.812.1−8.7
宮古島19.711.4−8.3
彦根28.320.8−7.5
神戸30.023.1−6.9
秋田27.220.5−6.7
奈良29.523.5−6.0
京都29.523.7−5.8
青森27.722.1−5.6
9〜11月の秋らしい日の年平均日数の変化(1968〜79年平均→2016〜2025年平均)、減少幅の大きい10地点。出典:気象庁 過去の気象データ、筆者集計

沖縄・奄美の島々で減少が目立つのは、もともと秋らしい気温になる期間が11月に限られ、その11月まで夏日が続くようになったためです。本州では彦根・神戸・奈良・京都など近畿の内陸〜瀬戸内と、秋田・青森など北日本の日本海側で減少が大きく、逆に熊谷・熊本・鹿児島・福岡・宮崎はほぼ横ばいでした。減少が小さい地点は「もともと夏日が多く、秋らしい日が11月に集中していた」ため、11月の温暖化で秋らしい日がむしろ補われた形です。

▶ 各地の10月・11月の気温や晴れやすさは 10月の天気ランキング、11月の天気ランキング で県ごとに比べられます。

なぜ秋が短くなったのか|3つの理由

理由1:残暑が10月まで続くようになった(秋の入口が遅れた)

秋が短い最大の理由は、単純に夏が長くなったことです。全国51地点の「最後の真夏日」は1960年代の9月13日から2020年代は10月1日へ、「最後の夏日」は10月15日から10月28日へと2週間遅くなりました(詳しくは 残暑はいつまで?2026)。太平洋高気圧が9月になっても日本の南に居座り、日本近海の海面水温が高い状態が続くため、秋雨前線が南下しても気温が下がりきらないのです。秋の入口が2週間遅れれば、そのぶん秋は短くなります。

理由2:「秋晴れの期間」が短い(秋雨と台風が遅くまで続く)

秋らしい日は、単に気温が20〜25℃というだけでなく、多くは移動性高気圧に覆われた晴れの日です。ところが近年は秋雨前線の停滞や台風の接近が10月にずれ込む年が増え、9月下旬〜10月上旬の「秋晴れ」の時期が雨や残暑で埋まってしまいます。2026年も9月上旬は東日本で秋雨前線による長雨が続き(最近雨が多いのはなぜ?2026)、その後は9月20日ごろから10年に1度の高温が予想されています。雨が上がったら暑い、暑さが終わったら急に寒い——「ちょうどいい日」が挟まる余地が減っているのです。秋雨前線のしくみは 秋雨前線とは? で解説しています。

理由3:温暖化で「20〜25℃の帯」を通り過ぎる日が減った

全国51地点の10〜11月の平均気温は、1970年代の14.6℃から2020年代は16.6℃へ2℃上がりました。気温の土台が上がると、夏日(25℃以上)から一気に冬寄りの日(15℃未満)へ移る途中の「20〜25℃」に当たる日数そのものが減ります。秋の気温は10月〜11月にかけて1か月で5〜7℃も下がる急な坂道なので、坂全体が2℃持ち上がると、坂の途中にある「秋らしい帯」を通過する日は自然に短くなるのです。これは一時的な気圧配置ではなく構造的な変化なので、今後も秋は短い傾向が続くと考えられます。

2026年ならではの要因:記録的エルニーニョと「高温の秋」予報

気象庁のエルニーニョ監視速報(9月9日)によると、8月の監視指数は+3.4℃と、1997年を上回る過去最強クラスのエルニーニョ現象が進行中で、冬にかけて続く見込み(100%)です。エルニーニョの秋〜冬は日本付近で気温が高くなりやすい傾向があり、実際に3か月予報(8月25日発表)では10月も11月も全国で「高い」確率50%。さらに9月14日には北海道から九州にかけて「9月20日ごろから10年に1度の高温」の早期天候情報が出ました。夏日が10月中旬まで続けば、2026年の秋らしい日は2025年並みかそれ以下になる可能性があります。上のツールの「今年」の数字で、その推移を確かめてみてください。

秋が短いと何が変わる? 暮らしへの影響

  • 衣替えは「2段階」で。10月中旬までは半袖+羽織り、11月に入ったら一気に冬支度。中間の「秋服」の出番が短いので、薄手のアウターが活躍します。
  • 寒暖差疲労に注意。10月下旬〜11月は日中と朝晩の差が10℃を超える日が多く、自律神経が乱れやすい時期です。
  • 紅葉は遅く、期間は短く。紅葉の色づきは最低気温8℃前後がきっかけで、秋の高温は見頃を遅らせます。近年は11月下旬〜12月上旬に見頃がずれる名所が増えました。おでかけ・服装の天気 で紅葉スポットの月別の天気を確認できます。
  • エアコンは10月まで冷房、11月から暖房。「秋は冷暖房いらず」の期間が短くなり、光熱費の節約期間も短くなっています。
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短い秋を乗り切る「寒暖差対策」

夏日と冬寄りの日が同じ週に来る季節です。脱ぎ着しやすい薄手の羽織りものと、朝晩用の1枚があると安心です。

▶ 自分の県の10月・11月の気温を他県と比べるならこちら。

▶ 「11月3日(文化の日)は晴れやすい?」など、好きな日付の天気の傾向はこちらで調べられます。

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秋が短いことについてよくある質問

秋は本当に短くなっているのですか?

はい。全国51地点の気象庁データで9〜11月の「秋らしい日(最高気温20〜25℃未満)」を数えると、1960〜70年代の年28〜29日から2020年代は23日に減り、2025年は17.1日と1968年以降で最少でした。減った分は夏日(25℃以上)に置き換わり、秋の夏日は1970年代の29.5日から2020年代は42.3日に増えています。

秋が来ないと感じるのはなぜですか?

秋の入口が遅れているためです。9月の秋らしい日は1970年代の7.9日から2020年代は2.6日に減り、10月中旬まで夏日が続く年が増えました。一方で11月の秋らしい日は増えており、秋は「消えた」のではなく「10月中旬〜11月に圧縮された」状態です。夏から急に冬寄りの気温になるため、秋を飛ばしたように感じられます。

2026年の秋は短くなりますか?

短くなる可能性が高いと考えられます。気象庁は9月20日ごろから10年に1度の高温を予想し、3か月予報でも10・11月は全国で「高い」確率50%。史上最強クラスのエルニーニョ現象も続く見込みです。夏日が10月中旬まで続けば、秋らしい日は2025年並みかそれ以下になるかもしれません。記事のツールで今年の日数を毎日確認できます。

秋らしい日の定義は何ですか?

この記事では「9〜11月のうち日最高気温が20℃以上25℃未満の日」を秋らしい日としています。長袖1枚で快適に過ごせる体感の目安です。25℃以上は夏日、15℃未満は冬寄りの日として分けています。気象庁の正式な用語ではなく、筆者の定義です。

秋が短くなった理由は何ですか?

①太平洋高気圧と高い海面水温で残暑が10月まで続く、②秋雨前線や台風の時期が遅くまでずれ込み秋晴れの期間が短い、③温暖化で10〜11月の平均気温が半世紀で2℃上がり、夏日から冬寄りの日へ移る途中の「20〜25℃」を通過する日数そのものが減った、の3つが主な理由です。

秋が一番短い地域・長い地域はどこですか?

直近10年の平均で秋らしい日が最も少ないのは石垣島(6.3日)、与那国島、宮古島、那覇(12.3日)など沖縄・奄美で、11月まで夏日が続くためです。本州では彦根(20.8日)や秋田(20.5日)が少なく、多いのは宮崎(31.3日)、福岡(29.2日)、熊谷など。減少幅が大きいのは石垣島(−10.9日)、那覇(−10.0日)、彦根(−7.5日)、神戸(−6.9日)です。

紅葉の時期も遅くなっていますか?

はい。紅葉は最低気温が8℃前後まで下がると色づき始めるため、秋の高温は見頃を遅らせます。近年は東京や大阪の平地で見頃が11月下旬〜12月上旬にずれ込む年が増え、色づき期間も短くなる傾向があります。

まとめ

  • 秋らしい日(最高20〜25℃)は半世紀で全国平均6日減少、2025年は17日で1968年以降の最少。
  • 減った分は夏日に置き換わった(秋の夏日29日→42日)。9月の秋らしい日は7日→2.6日。
  • 秋は消えたのではなく、10月中旬〜11月に圧縮された。11月の秋らしい日はむしろ増えている。
  • 理由は残暑の長期化・秋晴れ期間の短縮・温暖化による気温の底上げ。
  • 2026年は10〜11月も高温予想+記録的エルニーニョで、さらに短い秋になる可能性。ツールで今年の推移を確認を。

「秋がない」と感じたら、上のカウンターで自分の街の数字を見てみてください。感覚は、だいたい正しいはずです。

出典:気象庁「過去の気象データ」(日ごとの値、1968年〜2026年)、「3か月予報」(2026年8月25日)、「早期天候情報」(9月14日)、「エルニーニョ監視速報 No.408」(9月9日)。秋らしい日・夏日などの集計と定義は筆者によるもので、今年分は速報値を含みます。

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