線状降水帯直前予測とは?的中率33%でも9割が大雨|半日前予測との違いと、出たときの行動【2026年実績・今の雨量ツール】

気象

こんにちは!気象予報士ののぶやんです。

先に答えを書くと、「線状降水帯直前予測」は、線状降水帯が発生する2〜3時間前を目標に「○○県南部」などの地域を絞って出る、2026年5月に始まった新しい情報です。2026年の実績では、出た66回のうち実際に線状降水帯になったのは約33%でしたが、約91%は3時間100ミリ以上の大雨になりました。「当たらない」のではなく「ほぼ確実に大雨になる合図」と受け取るのが正解です。

2026年9月27日の朝も、九州北部で前線の活動が活発になり、5時29分に福岡県筑後地方、5時59分に長崎県南部・佐賀県南部・熊本県熊本地方へ「線状降水帯直前予測」が出されました。その間の5時53分には長崎県に「記録的短時間大雨」も発表され、大村市付近で1時間に約110ミリの猛烈な雨(レーダーによる解析)となっています。

この記事では、元気象庁職員の気象予報士として、直前予測の仕組みと半日前予測との違い、気象庁が公表している実績の数字、そして「出たときにどう動くか」をまとめました。いまの雨の強さを確認できるツールと、あなたの状況で判定できるツールも用意しています。

この記事の結論(30秒で読める版)
  • 線状降水帯直前予測は発生の2〜3時間前を目標に、一次細分区域(例:長崎県南部)の単位で出る。2026年5月28日に提供が始まった「気象防災速報」の1つ
  • 2026年の実績(9月9日時点):66回中22回が的中(約33%)、発生32回のうち22回を予測(捕捉率 約69%)。66回中60回(約91%)は3時間100mm以上の大雨
  • 半日前予測(府県単位)は的中 約13%・大雨 約49%。直前予測は地域も時間も絞られるぶん、信頼度が一段高い
  • 直前予測が出たら「避難の準備」。崖・川の近く、低い土地の人は避難指示を待たずに動いてよい段階
  • 夜〜明け方の直前予測は特に要注意。暗くなる前、雨が強まる前に動くのが基本

【ツール】今出ている情報で「どう動くか」を判定する

まずは、いま出ている情報と、あなたがいる場所を選んでください。気象庁が公表している2026年の実績から「その情報が出たときに実際どうなったか」も一緒に表示します。

【ツール】今出ている情報で「どう動くか」を30秒で判定
※確率は気象庁の2026年の実績(9月9日時点)。判定は一般的な目安で、自治体の避難情報とキキクルが最優先です。

判定は、気象庁の実績と、キキクル(危険度分布)の警戒レベルの考え方をもとにした目安です。自治体から避難情報が出ているときは、そちらを最優先にしてください。避難情報のレベルの意味は注意報・警報・特別警報の違いでも解説しています。

線状降水帯直前予測とは?3つの情報の違いを図解

線状降水帯に関する情報は、2026年の出水期から「半日前」「直前(2〜3時間前)」「発生」の3段階になりました。気象庁は2026年3月10日の報道発表で、直前予測を「令和8年5月下旬から新たに開始」「発生の2〜3時間前を目標にお知らせ」すると公表し、5月28日(13時台のシステム切り替え時)に提供を始めています(新しい防災気象情報全体の運用開始は5月29日)。

線状降水帯の情報は「3段階」で出る 時間 発生(実況) 半日〜6時間前 2〜3時間前 ① 半日前予測 単位:府県(例:長崎県) 2022年開始・2024年から府県 的中 約13%・大雨 約49% → 備えと予定の見直し (2026年9月9日時点の実績) ② 直前予測 単位:○○県南部など 2026年5月開始(新設) 的中 約33%・大雨 約91% → 避難の準備・開始 (2026年9月9日時点の実績) ③ 線状降水帯発生 3時間100mm以上が500km² 線状・最大150mm以上 キキクル紫(危険) → 命を守る行動 (最大30分前倒しで発表) ②③と「記録的短時間大雨」「竜巻注意」は2026年5月から「気象防災速報」という名前でまとめて発表
図1 線状降水帯に関する情報の流れ(気象庁資料をもとに作成)
情報いつ出る単位条件・中身取るべき行動の目安
半日前予測(呼びかけ)半日〜6時間前府県(2024年5月から)気象情報の中で「線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性」と呼びかけ備え・予定の見直し
直前予測(気象防災速報)発生の2〜3時間前が目標一次細分区域(○○県南部など)線状降水帯が発生する危険性が高まった際に発表。気象庁HPの「線状降水帯予測マップ」で範囲を図示避難の準備・危険な場所の人は避難開始
線状降水帯発生(気象防災速報)発生時(最大30分程度前倒し)府県・地域3時間100mm以上の範囲が500km²以上、線状(長軸:短軸が2.5以上)、最大150mm以上、キキクル「危険」(紫)の4条件命を守る行動
記録的短時間大雨(気象防災速報)観測・解析したとき市町村付近数年に一度程度の1時間雨量(府県ごとの基準)。2021年からキキクル「危険」(紫)が出ていることが条件危険な場所からすぐ避難
表1 線状降水帯と短時間の大雨に関する情報の違い(気象庁資料をもとに作成)

ポイントは、直前予測が「どこで」(一次細分区域)と「いつ」(2〜3時間以内)の両方を絞った初めての情報だということです。半日前予測は「長崎県」のように県全体が対象で、夜に呼びかけが出ても実際に強い雨が降るのは県内の一部、ということがよくありました。

なお「線状降水帯発生」の4条件は、2021年6月に始まった「顕著な大雨に関する気象情報」と同じものです。当時の解説は線状降水帯が発生すると豪雨になる可能性大に、言葉が広まった経緯は線状降水帯という言葉はいつから使われている?にまとめています。

直前予測はいつから?どこで見られる?通知の受け取り方

直前予測は2026年5月28日に提供が始まりました。出たときは、次の方法で確認できます。

確認方法ポイント
気象庁「線状降水帯予測マップ」大雨のおそれがある範囲を地図で表示。自分の市町村が範囲に入っているかを確認できる
気象庁「キキクル(危険度分布)」土砂・浸水・洪水の危険度を5段階の色で表示。紫(危険)が出たらレベル4相当
気象庁「警報・注意報」自分の市町村がどの一次細分区域(○○県南部など)に入るかを確認できる
テレビ・ラジオNHKなどが速報テロップ・ニュースで伝える
スマホの防災アプリ・プッシュ通知Yahoo!防災速報、NHKニュース・防災アプリ、ウェザーニュースなど。住んでいる地域・よく行く地域を登録しておく
表2 線状降水帯直前予測の確認方法

なお、気象庁の資料では「的中率」ではなく「適中率」という言葉が使われています(出した予測のうち当たった割合)。もう1つの指標「捕捉率」は、実際に起きた線状降水帯のうち予測できていた割合です。

そもそも線状降水帯とは?なぜ予測が難しいのか

気象庁は線状降水帯を「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50〜300km程度、幅20〜50km程度の強い局地的な降水をともなう雨域」と説明しています。

バックビルディング型:風上で積乱雲が次々に生まれる 地上 暖かく湿った空気 (下層から流れ込み続ける) 発生 発達 最盛期 衰退 上空の風で雲が流される 同じ場所に強い雨が数時間続く(長さ50〜300km・幅20〜50km)
図2 バックビルディング型の線状降水帯のしくみ(模式図)

典型的なのは、図のようなバックビルディング型です。下層に暖かく湿った空気が流れ込み続けると、風上側で新しい積乱雲が次々に生まれ、上空の風に流されて同じ場所を通り過ぎていきます。1つ1つの積乱雲の寿命は1時間ほどでも、列全体としては数時間にわたって同じ地域に強い雨を降らせ続けます。

予測が難しいのは、「どこで積乱雲が生まれ続けるか」が数十km・数十分の違いで決まるからです。流れ込む水蒸気の量がわずかに違うだけで、線状降水帯が隣の県にずれたり、列にならずにばらばらの強い雨で終わったりします。気象庁は船舶や地上のGNSS(衛星測位)を使った水蒸気の観測を増やし、スーパーコンピュータによる高解像度の数値予報と組み合わせて精度を上げてきました。直前予測はその「実況に近い予測」を生かした情報です。

直前予測で地域を絞れるようになっても、最終的に「条件を満たすかどうか」は実況で判定されます。3時間100mmの範囲が500km²にわずかに届かなかった、線の形にならなかった——こうした「惜しい外れ」が、先ほどの「外れても91%は大雨」という数字の正体です。雨雲の発達を衛星から見る方法は雲頂強調画像は大雨の時に使うと便利で紹介しています。

直前予測が出る前後にやることチェックリスト

タイミングやること確認するもの
前日〜半日前予測が出たとき持ち出し品の確認、避難先と経路を家族で共有、夜の予定の見直し、車を高い所へ天気予報、半日前予測、今日の気圧の変化(体調管理)
直前予測が出たとき危険な場所の人は避難開始。それ以外の人は窓・雨戸を閉め、2階以上に貴重品を移すキキクル、雨雲レーダー、自治体の避難情報
記録的短時間大雨・線状降水帯発生外に出るのが危険なら、崖と反対側の部屋・上の階へ(垂直避難)キキクル(紫・黒)、避難情報(レベル4・5)
雨が弱まったあと川・用水路・崖に近づかない。片付けは明るくなってから河川の水位、土砂災害警戒情報の解除
表3 線状降水帯の情報と行動のチェックリスト

「空振りだったら恥ずかしい」と避難をためらう人は少なくありません。でも、直前予測が出た回の9割で、その区域内のどこかで3時間100ミリ以上の雨が降っているのですから、空振りのように見えても、それは「たまたま被害が出なかった大雨」です。避難して何もなければ、それがいちばんの結果です。

【データ検証】直前予測・半日前予測はどれくらい当たった?

気象庁は毎年、線状降水帯予測の実績を公表しています。2022年から2026年9月9日時点までの資料をまとめると、次のようになります。

年単位呼びかけ適中(率)線状降水帯の発生捕捉率3時間100mm以上の大雨
2022年(半日前)地方13回3回(約23%)11回約27%-(150mm以上が2回)
2023年(半日前)地方22回9回(約41%)23回約39%-(150mm以上が3回)
2024年(半日前)府県81回8回(約10%)21回約38%27回(約33%)
2025年(半日前)府県88回12回(約14%)17回約71%54回(約61%)
2026年(半日前)府県89回12回(約13%)23回約52%44回(約49%)
2026年(直前)一次細分区域66回22回(約33%)32回約69%60回(約91%)
表4 線状降水帯予測の実績(気象庁「線状降水帯予測の実績」令和4〜8年。2025年は11月14日時点、2026年は9月9日時点)
予測はどれくらい当たった?(適中率と捕捉率) 適中率(出して発生した割合) 捕捉率(発生を予測できた割合) 0%20%40%60%80% 23%27%2022年地方41%39%2023年地方10%38%2024年府県14%71%2025年府県13%52%2026年府県33%69%直前2026年一次細分 左5組=半日前予測(2026年は9月9日時点)、右端(橙)=直前予測(2026年5月〜9月9日)。下段は発表の単位
図3 線状降水帯予測の実績(気象庁「線状降水帯予測の実績」令和4〜8年の資料から作成)

この表からわかることは3つあります。

1つ目は、直前予測は半日前予測より明らかに当たりやすいこと。同じ2026年で比べると、適中率は約13%→約33%と2.5倍、捕捉率も約52%→約69%に上がっています。ただし気象庁が運用前に想定していた「適中率50%程度・捕捉率80%程度」にはまだ届いていません。

2つ目は、「外れ」でも大雨になっていること。表の数字から計算すると、直前予測が出て線状降水帯が発生しなかった44回のうち、38回(約86%)は3時間100mm以上の大雨でした。3時間100mmは、1時間に30mm以上の「激しい雨」(平均約33mm)が3時間降り続く量です(適中した回はすべて3時間100mm以上として計算)。半日前予測でも、発生しなかった77回のうち32回(約42%)が同じ大雨でした。

3つ目は、単位を府県に絞った2024年から適中率が下がって見えること。これは予測が悪くなったのではなく、地方(例:九州北部地方)単位から府県単位に細かくしたことで「当たり」の判定が厳しくなったためです。一方の捕捉率(見逃しの少なさ)は、年によって約38〜71%と振れがあります。2023年までの的中率の解説は線状降水帯予測の的中率はどれくらい?も参考になります。

のぶやんのひとこと(元気象庁職員として)

線状降水帯は、数値予報のモデルでも位置が数十km、時間が数時間ずれるだけで「発生せず」の判定になります。現場の予報官は「外すのは怖いが、見逃すのはもっと怖い」という感覚で出しています。「また外れた」と感じた日も、たいていは近くで3時間100ミリ級の雨が降っている——この数字を知っておくと、次に出たときの動き方が変わるはずです。

【ツール】いま「3時間100ミリ」に近づいている場所は?

線状降水帯の目安になる「3時間100ミリ」に、いまどこが近づいているかをアメダスの最新データ(10分ごとに更新)で確認できます。地域を選ぶと、3時間降水量の多い順に15地点を表示します。

【ツール】いま「3時間100ミリ」に近づいている場所は?(アメダス実況・自動更新)
地域: 並べ替え:
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出典:気象庁アメダス(速報値)。線状降水帯の判定に使うのはアメダスではなく5km四方の「解析雨量」なので、アメダスが100mmに届かなくても地点と地点の間で100mmを超えていることがあります。

雨量の数字だけでなく、雨雲の動きも合わせて確認しましょう。どの雨雲レーダーが見やすいかは雨雲レーダーはどれが正確?で比べています。全国のランキングは今日、日本一雨が降った場所はどこ?でも毎時更新しています。

実例:2026年9月27日朝、九州北部の直前予測

2026年9月27日朝の九州北部では、前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、次のように情報が出ました(時刻は報道・気象庁発表による)。

時刻情報対象
5時13分気象防災速報(竜巻注意)福岡県筑後地方、熊本県熊本地方
5時29分線状降水帯直前予測福岡県筑後地方
5時53分記録的短時間大雨(長崎県)5時30分までの1時間に大村市付近で約110ミリ(レーダー解析)
5時59分線状降水帯直前予測長崎県南部、佐賀県南部、熊本県熊本地方
表5 2026年9月27日朝に九州北部で出た主な情報

アメダスでは、7時10分までの3時間に大牟田(福岡県)112.0ミリ、大村(長崎県)101.5ミリと2地点が3時間100ミリを超えました。24時間降水量は大牟田178.0ミリ、大村155.0ミリで、7時台には雨の中心が熊本県北部の岱明(1時間49.0ミリ)や菊池(同42.0ミリ)に移っています。

5時29分に直前予測が出た福岡県筑後地方では、大牟田で7時10分までの3時間に112.0ミリと「3時間100ミリ」を超えました。一方、長崎県では記録的短時間大雨(5時53分)のあとに直前予測(5時59分)が出ています。直前予測は「必ず強い雨の前に出る」わけではなく、すでに降り始めてから出ることもある——出たら即行動、が大切です。9月27日7時40分時点で「線状降水帯発生」の発表は確認できていませんが、発生しなくても3時間100ミリを超える雨は実際に降っています。佐賀県太良町では全域に避難指示も出ました。最新の状況は気象庁のキキクルと自治体の情報で確認してください。

長崎の月ごとの雨の傾向は長崎の天気と服装|月別ガイド、九州の主な都市の気候は福岡・長崎・熊本の気候ページで確認できます。福岡県で大雨特別警報が出たときの天気図の特徴は福岡県に大雨特別警報がでた時の天気図の共通点で解説しています。

サイト内のツールで大雨を調べる

今日の雨がどれほど多いかを、過去の記録と比べてみましょう。まずは全国のアメダスの直近1時間・24時間の降水量ランキングです(自動更新)。

順位地点都道府県1時間降水量(mm)起時
1大牟田福岡県71.05:34
2大村長崎県66.55:21
3鹿北熊本県51.59:00
4岱明熊本県49.07:12
5菊池熊本県45.57:35
6森野北海道胆振地方44.06:24
6嬉野佐賀県44.00:01
6阿蘇乙姫熊本県44.02:30
9長浦岳長崎県37.54:04
10竹田大分県36.03:08

気象庁の観測値を10分ごとに取得しています。観測時刻:9月27日 9時40分。全1,282地点のうち上位10地点を表示しています。

順位地点都道府県24時間降水量(mm)起時
1大牟田福岡県255.09:40
2大村長崎県182.59:40
3鹿北熊本県166.59:40
4阿蘇乙姫熊本県134.09:40
5菊池熊本県132.09:40
6椿ヶ鼻大分県131.59:40
7嬉野佐賀県127.59:40
8伊万里佐賀県125.06:40
9長浦岳長崎県109.09:40
10岱明熊本県107.59:40

気象庁の観測値を10分ごとに取得しています。観測時刻:9月27日 9時40分。全1,282地点のうち上位10地点を表示しています。

次に、1時間降水量の観測史上の記録(全国上位)です。1時間110ミリがどれくらいの雨か、比べてみてください。

歴代1時間降水量ランキング トップ10(観測史上1位の値)
順位地点(都道府県・市町村)記録観測日偏差値
1位香取(千葉県・香取市)153.0mm1999年10月27日83.9
1位長浦岳(長崎県)153.0mm1982年7月23日83.9
3位多良間(沖縄県)152.0mm1988年4月28日83.5
4位甲佐(熊本県・甲佐町)150.0mm2016年6月21日82.7
4位清水(高知県・土佐清水市)150.0mm1944年10月17日82.7
6位下関(新潟県・関川村)149.0mm2022年8月4日82.2
6位室戸岬(高知県・室戸市)149.0mm2006年11月26日82.2
8位前原(福岡県・糸島市)147.0mm1991年9月14日81.4
9位上市(富山県・上市)146.5mm2024年8月25日81.2
9位岡崎(愛知県・岡崎市)146.5mm2008年8月29日81.2

10分間・日降水量も含めた歴代の記録は【歴代】10分間・1時間・日降水量ランキングにまとめています。地点と日付を選んで「その日どんな天気だったか」を調べるなら、下のツールが便利です。

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直前予測が出たときの注意点と使い方

1. 「一次細分区域」を自分の住所で確認しておく

直前予測は「長崎県南部」「福岡県筑後地方」のように、府県をいくつかに分けた地域(一次細分区域)の単位で出ます。自分の市町村がどの区域に入るかは、気象庁の警報・注意報のページで確認できます。いざというときに「うちは対象?」と迷わないよう、平時に一度見ておきましょう。

2. 「2〜3時間」は避難にぎりぎりの時間

2〜3時間あれば、持ち出し品をまとめて近くの避難所へ移動することはできます。ただし、雨が強まってからでは道路の冠水や見通しの悪さで移動が危険になります。直前予測は「準備を始める合図」ではなく「準備を終えて動き出す合図」と考えてください。

3. 夜〜明け方の直前予測は特に警戒

線状降水帯は夜から明け方にかけて発生しやすい傾向があると指摘されています。理由は大雨が夜中に多いのは本当?で解説しています。寝る前に半日前予測が出ていたら、スマホの通知を有効にして、枕元に持ち出し品を置いておくと安心です。

4. 雨が弱まっても川と崖には近づかない

線状降水帯が去ったあとも、川は上流の雨で遅れて増水し、崖崩れは雨がやんでから起きることもあります。雨の合間の「小康状態」に様子を見に行くのは危険です。

5. 自分の地域の「水害の記録」を知っておく

過去にどんな大雨被害があったかは、市区町村別の水害リスクで調べられます(例:福岡県)。線状降水帯が発生しやすい地形の特徴は線状降水帯の発生しやすい場所、増えている理由は線状降水帯はなぜ増えた?で解説しています。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 線状降水帯直前予測とは何ですか?

線状降水帯が発生する危険性が高まったときに、発生の2〜3時間前を目標に「○○県南部」などの一次細分区域の単位で出る気象庁の情報です。2026年5月28日に「気象防災速報(線状降水帯直前予測)」として提供が始まりました。

Q2. 直前予測はいつから始まりましたか?

2026年(令和8年)5月28日に提供が始まりました。新しい防災気象情報全体の運用開始は5月29日です。気象庁は2026年3月10日の報道発表で「令和8年5月下旬から開始」と公表していました。

Q3. 直前予測の的中率はどれくらいですか?

気象庁の実績(2026年9月9日時点)では、66回の直前予測のうち実際に線状降水帯が発生したのは22回で、適中率は約33%です。発生した32回のうち22回を予測できており、捕捉率は約69%です。運用前の想定(適中率50%程度・捕捉率80%程度)には届いていません。

Q4. 外れたら大雨にならないのですか?

いいえ。2026年の直前予測66回のうち60回(約91%)で3時間100mm以上の大雨になりました。線状降水帯が発生しなかった44回に限っても38回(約86%)が同じ大雨でした。「外れ」でも大雨への備えは必要です。

Q5. 半日前予測との違いは何ですか?

半日前予測は半日〜6時間前に府県単位で呼びかける情報で、2026年の適中率は約13%、3時間100mm以上の大雨になった割合は約49%です。直前予測は2〜3時間前に一次細分区域単位で出るため、時間も場所も絞られ、信頼度が高くなっています。

Q6. 直前予測が出たらすぐ避難すべきですか?

崖や急な斜面の近く、川の近く、低い土地や地下にいる人は、避難指示を待たずに避難を始めてよい段階です。高台やマンションの上の階の人は、持ち出し品や避難先を確認し、キキクルと自治体の避難情報をこまめに確認してください。夜間は暗くなる前の早めの行動が大切です。

Q7. どこで見られますか?

気象庁ホームページの「線状降水帯予測マップ」や気象防災速報、テレビ・ラジオ、スマホの防災アプリやプッシュ通知で確認できます。対象地域は一次細分区域なので、自分の市町村がどの区域に入るかを事前に確認しておくと安心です。

Q8. 記録的短時間大雨との関係は?

どちらも2026年5月から「気象防災速報」の一種です。記録的短時間大雨は、数年に一度程度しか起きない1時間雨量を観測・解析したときに出る実況の情報です。2026年9月27日の九州北部では、長崎県で5時53分に記録的短時間大雨(大村市付近で約110ミリ)が発表され、その6分後の5時59分に長崎県南部などへ直前予測が出ました。

あわせて読みたい:大雨・線状降水帯の記事
まとめ
  • 線状降水帯直前予測は、発生の2〜3時間前・一次細分区域単位で出る2026年5月開始の新しい情報
  • 2026年の実績は適中 約33%・捕捉 約69%。半日前予測(適中 約13%)より信頼度は高いが、想定(50%)には届いていない
  • それでも約91%は3時間100mm以上の大雨。「外れ」でも大雨は降ると考えて動く
  • 崖・川の近く、低い土地の人は、直前予測が出たら避難指示を待たずに動く。夜は特に早めに
  • いまの雨の強さは、この記事のアメダスツールと日本一雨が降った場所で確認できる

出典:気象庁「線状降水帯直前予測の運用開始について」(2026年3月10日報道発表)、気象庁「線状降水帯予測の実績」(令和8年は9月9日時点)(令和4〜7年も同ページ群)、気象庁「線状降水帯に関する各種情報」、気象庁「線状降水帯に関する各種情報」、気象庁「記録的短時間大雨情報」、気象庁アメダス(2026年9月27日7時10分の速報値)、NHKニュース(2026年9月27日)。

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