こんにちは!気象予報士ののぶやんです。月曜日の明け方、宮城県や岩手県で揺れを感じて目が覚めた方も多いと思います。まずは身のまわりの安全を確認してください。
【すぐわかる答え】11月9日5時16分ごろ、宮城県沖(北緯38.3度・東経141.9度)の深さ約50kmでM4.5の地震があり、宮城県気仙沼市・石巻市、岩手県一関市で震度3を観測しました。津波の心配はありません。宮城県沖を震源とする震度1以上の地震は、東日本大震災前(1990〜2002年)は年平均13.8回でしたが、2016〜2025年は年平均95.0回と約7倍で、「地震が多い」のは本当です。ただし2026年は11月7日までで55回と、震災後の同じ時期の平均(82.2回)の約3分の2で、むしろ少なめの年です。宮城県沖で震度3以上は8月4日以来、約3か月ぶりでした。
気象庁によると、震源の深さは約50km、地震の規模(マグニチュード)は4.5。震度3は気仙沼市笹が陣、石巻市北上町、一関市千厩町・室根町の4観測点で、宮城県・岩手県・福島県の計21市町村で震度2、青森県・秋田県を含む5県・83市区町村で震度1以上を観測しました。仙台市は震度1でした。
この記事では、気象庁の今回の震度データ(5県・172観測点)と、気象庁の震度データベースに記録された宮城県沖を震源とする地震4,950回(1924年〜)から、「宮城県沖で地震が多いのはなぜか」「本当に増えているのか」「震央に近い石巻より、遠い気仙沼・一関が震度3だったのはなぜか」を確かめます。いまの地震回数を自動で数えるカウンター、年を選ぶと回数がわかる年表ツール、あなたの市区町村の震度がわかるツールつきです。
- 11月9日5時16分、宮城県沖の深さ約50kmでM4.5。気仙沼市・石巻市・一関市で震度3。津波なし
- 宮城県沖の地震(震度1以上)は震災前の年13.8回→震災後は年95.0回、約7倍。太平洋プレートが沈み込む境目の真上にあり、2011年の巨大地震の余震活動や「余効すべり」が続いているためと考えられる
- ただし2026年は11月7日までで55回。2016〜2025年の同じ時期の平均82.2回より少なく、「今年が特に多い」わけではない。2026年は5月15日にM6.4・最大震度5弱も
- 今回の深さ50kmは、この海域の地震のど真ん中(2013年以降の中央値50km)。プレート境界付近で起きる典型的な地震
- 震央に近い石巻市鮎川浜(約34km)は震度2、約73km離れた気仙沼市笹が陣が震度3。震度2と3の境目の地震では、観測点ごとの地盤や震源の向きで1階級ずれるのはよくあること
- 2013年以降の宮城県沖のM4.3〜4.7(152回)では、7日以内により大きな地震が宮城県沖で起きたのは約20%、M1以上大きい地震は約3%(過去の集計で、予測ではありません)
- 地震本部の評価では、宮城県沖のM7.0〜7.5程度のプレート間地震は30年以内に90%程度。今回を備えの点検のきっかけに
▶ いまの地震回数・年別の回数・あなたの市区町村の震度をチェック
11月9日の宮城県沖の地震の概要(9日7時現在)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生日時 | 2026年11月9日(月)5時16分ごろ |
| 震央地名 | 宮城県沖(北緯38.3度・東経141.9度)。牡鹿半島の東、沖合約35km |
| 深さ | 約50km |
| マグニチュード | 4.5 |
| 最大震度 | 震度3:宮城県気仙沼市(笹が陣)・石巻市(北上町)、岩手県一関市(千厩町・室根町) |
| 震度2 | 宮城県の登米市・栗原市・大崎市・南三陸町・東松島市・女川町・名取市など、岩手県の大船渡市・陸前高田市・釜石市・奥州市・北上市など、福島県の相馬市・飯舘村(計21市町村) |
| 震度1以上 | 5県(岩手・宮城・福島・青森・秋田)83市区町村・172観測点 |
| 津波 | この地震による津波の心配はありません |
震度1以上の観測点は172か所で、震度3が4か所、震度2が45か所、震度1が123か所でした。仙台市は青葉区・宮城野区・若林区・泉区で震度1です。
地震カウンター:宮城県沖の地震はいま何回?
ページを開くたびに気象庁の最新の地震情報を読み込み、今回のあとに宮城県沖を震源として起きた震度1以上の地震と、2026年の合計回数を自動で数えます。年表ツールで年を選ぶと、その年の回数・震度3以上の回数・最大のマグニチュードがわかります。県と市区町村を選ぶと、今回の地震でのその場所の震度もわかります。
年表のグラフを見ると、2002年以前は年20回前後以下だったのが、2003年(5月にM7.1)と2005年(8月にM7.2)で一段増え、2011年に1,326回と桁違いに増えたあと、年を追って減ってきたのがわかります。それでも2016年以降は毎年65〜123回で、震災前の水準には戻っていません。
なぜ近い石巻より、遠い気仙沼・一関が震度3だった?
今回、震央にいちばん近い陸の観測点は石巻市鮎川浜(牡鹿半島の先、約34km)でしたが、ここは震度2。一方、約73km離れた気仙沼市笹が陣や、約82〜85km離れた一関市室根町・千厩町が震度3でした。地図で見ると、揺れの強かった場所が北に偏っています。
| 観測点 | 震度 | 震央からの距離 |
|---|---|---|
| 石巻市鮎川浜 | 2 | 約34km |
| 女川町女川 | 2 | 約43km |
| 石巻市北上町 | 3 | 約51km |
| 石巻市泉町 | 2 | 約54km |
| 南三陸町歌津 | 2 | 約57km |
| 気仙沼市笹が陣 | 3 | 約73km |
| 一関市室根町 | 3 | 約82km |
| 一関市千厩町 | 3 | 約85km |
| 大船渡市大船渡町 | 2 | 約87km |
| 仙台市宮城野区五輪 | 1 | 約87km |
理由として考えられるのは、次の3つです。
- 震度2と3の境目の地震だった:震度は計測震度2.5以上が「震度3」、2.5未満が「震度2」です。M4.5で深さ50kmの地震は、沿岸の多くの観測点がこの境目付近の揺れになります。境目付近では、観測点ごとのわずかな差で階級が1つ変わります。
- 観測点の地盤の違い:震度3の4地点はすべて*印(気象庁以外の自治体などが設置した震度計)の観測点です。震度計は、谷あいや盛り土など設置場所の地盤によって、周りより揺れが大きく出ることがあります。
- 震源の位置の精度と向き:速報の震央は0.1度(約10km)単位です。また、地震波は断層の向きによって強く出る方向と弱く出る方向があります。今回は北(気仙沼・一関方面)に強く出た可能性があります。
どれが主な理由かは、気象庁の詳しい解析を待つ必要がありますが、「近いところほど必ず強く揺れる」わけではないことは覚えておいてください。あなたの住む場所が過去にどれくらい揺れたかは、宮城県の市区町村別 地震リスクデータベースや岩手県の市町村別 地震リスクデータベースで確認できます。
宮城県沖で地震が多いのはなぜ?
宮城県沖は、東から来る太平洋プレートが、東北地方をのせた北米プレート(オホーツクプレート)の下に沈み込む境目のすぐ上にあります。太平洋プレートは年に約8cmのペースで西へ動いていて、その境目で岩盤のひずみがたまっては、地震として解放されます。
2013年以降に宮城県沖で起きた震度1以上の地震の深さは、中央値が50km、半分が44〜55kmの範囲に集まっています。今回の深さ約50kmは、まさにこの海域で最も多いタイプ、プレートの境目付近で起きる地震です。
さらに、2011年3月の東北地方太平洋沖地震(M9.0)のあとは、その余震活動に加えて、プレート境界がゆっくりずれ動く「余効すべり」が続いていて、周りの地震を起こしやすくしていると考えられています。地震調査研究推進本部も、宮城県沖地震の確率は余効すべりの影響で評価の値より高い可能性があるとしています。
本当に増えている?宮城県沖の地震を46年分で比べる
| 年 | 震度1以上 | 震度3以上 | 震度4以上 | 最大M |
|---|---|---|---|---|
| 1990年 | 11回 | 1回 | 0回 | M4.8 |
| 1995年 | 9回 | 1回 | 0回 | M4.9 |
| 2000年 | 15回 | 2回 | 1回 | M5.1 |
| 2002年 | 20回 | 6回 | 1回 | M6.3 |
| 2003年 | 281回 | 23回 | 4回 | M7.1 |
| 2005年 | 64回 | 8回 | 2回 | M7.2 |
| 2010年 | 35回 | 4回 | 0回 | M5.3 |
| 2011年 | 1326回 | 132回 | 27回 | M7.2 |
| 2012年 | 401回 | 35回 | 11回 | M6.2 |
| 2013年 | 276回 | 29回 | 6回 | M6.0 |
| 2015年 | 180回 | 21回 | 2回 | M6.8 |
| 2018年 | 105回 | 11回 | 3回 | M5.7 |
| 2020年 | 76回 | 5回 | 3回 | M6.2 |
| 2021年 | 111回 | 9回 | 4回 | M6.9 |
| 2022年 | 123回 | 8回 | 2回 | M5.4 |
| 2023年 | 71回 | 6回 | 3回 | M5.6 |
| 2024年 | 65回 | 7回 | 0回 | M5.4 |
| 2025年 | 67回 | 10回 | 1回 | M5.8 |
| 2026年(11月7日まで) | 55回 | 8回 | 1回 | M6.4 |
| 期間 | 震度1以上(年平均) | 震度3以上(年平均) |
|---|---|---|
| 1990〜2002年(震災前) | 13.8回 | 2.5回 |
| 2004〜2010年(2003・2005年の地震のあと) | 45.3回 | 5.4回 |
| 2016〜2025年(震災5年後以降) | 95.0回 | 7.8回 |
| 2026年(1月1日〜11月7日) | 55回 | 8回 |
震災前(1990〜2002年)と比べると、震度1以上の地震は約7倍、震度3以上は約3倍に増えています。一方で、2026年の1月1日〜11月7日の55回は、2016〜2025年の同じ期間(最少50回の2024年〜最多116回の2022年、平均82.2回)と比べると少ない側です。月別では1月と5月が10回ずつと多く、11月は7日までの1回に今回を加えて2回です。
つまり「宮城県沖は震災後ずっと地震が多い状態が続いているが、2026年が特に多いわけではない」というのが、データからの答えです。全国的な傾向は最近地震が多いのはなぜ?2026年を気象庁データで検証でもまとめています。
過去の大きな宮城県沖の地震
| 発生日 | M | 深さ | 最大震度 | メモ |
|---|---|---|---|---|
| 1978年6月12日 | 7.4 | 40km | 5 | 「1978年宮城県沖地震」 |
| 2003年5月26日 | 7.1 | 72km | 6弱 | 沈み込むプレート内部の地震 |
| 2005年8月16日 | 7.2 | 42km | 6弱 | 陸寄りのプレート間地震 |
| 2011年4月7日 | 7.2 | 66km | 6強 | 余震の中で最大震度6強を観測 |
| 2015年5月13日 | 6.8 | 46km | 5強 | |
| 2021年3月20日 | 6.9 | 59km | 5強 | |
| 2021年5月1日 | 6.8 | 51km | 5強 | |
| 2026年5月15日 | 6.4 | 46km | 5弱 | 今年最大 |
1978年以降、宮城県沖で最大震度5弱以上の地震は2026年5月15日のM6.4までで19回あります(1996年以前の「震度5」を含む)。宮城県沖では、数年に1回はこのクラスの揺れがあると考えておいたほうがよい海域です。
2026年に宮城県沖で震度3以上を観測した地震は、今回を含めて9回です(11月8日以降は速報による)。
| 発生日時 | M | 深さ | 最大震度 |
|---|---|---|---|
| 3月7日 5時31分 | 4.9 | 46km | 3 |
| 3月31日 4時05分 | 4.2 | 64km | 3 |
| 4月2日 9時52分 | 4.9 | 52km | 3 |
| 4月4日 19時36分 | 4.9 | 58km | 3 |
| 4月12日 22時00分 | 4.7 | 59km | 3 |
| 5月15日 20時22分 | 6.4 | 46km | 5弱 |
| 6月13日 4時49分 | 4.3 | 64km | 3 |
| 8月4日 23時00分 | 4.6 | 39km | 3 |
| 11月9日 5時16分 | 4.5 | 50km | 3 |
また、地震調査研究推進本部の「宮城県沖」のページでは、陸寄りで繰り返し起きる宮城県沖地震の例として1897年・1933年・1936年・1937年・1978年・2005年の地震が挙げられ、平均の発生間隔は38.0年とされています。
M4.5前後の地震のあと、もっと大きな地震は起きた?
「大きな地震の前ぶれでは?」と心配になる方も多いと思います。そこで、2013年以降に宮城県沖で起きたM4.3〜4.7の地震152回について、その後7日以内に宮城県沖でどんな地震があったかを数えました。
| その後7日以内に宮城県沖で | 回数 | 割合 |
|---|---|---|
| より大きなMの地震が起きた | 31回 | 約20% |
| M1以上大きな地震が起きた(M5.3以上相当) | 5回 | 約3% |
| 震度1以上の地震(平均) | — | 約2.9回 |
「より大きい地震」が起きたのは5回に1回ほどですが、その多くはMがわずかに大きい程度で、M1以上大きい地震まで起きたのは約3%でした。今回の地震だけで大地震が近いと言えるわけではありませんが、宮城県沖は地震がもともと多い場所なので、1週間程度は同じくらいの揺れに気をつけてください。
宮城県沖の地震の確率は?M7級は30年以内に90%程度
| 地震のタイプ | 規模 | 30年以内の確率 |
|---|---|---|
| 宮城県沖のプレート間巨大地震 | M7.9程度 | 20%程度 |
| ひとまわり小さいプレート間地震 | M7.0〜7.5程度 | 90%程度 |
| 陸寄りで繰り返し起きる「宮城県沖地震」 | M7.4前後 | 80〜90%程度以上 |
1978年の宮城県沖地震(M7.4)のような地震は、平均して約38年ごとに起きてきました。最後は2011年3月11日(東北地方太平洋沖地震の一部としてずれたと評価)で、30年以内の確率は80〜90%程度以上とされています。今回のM4.5はこれらよりずっと小さい地震ですが、確率の高い海域であることに変わりはありません。仙台市の区ごとの確率は仙台市5区 地震で揺れやすい区・強い区ランキングで見られます。
宮城県の市区町村ごとの、過去の地震の回数や30年以内に震度6弱以上の確率は、下のツールで比べられます。
震度3はどれくらいの揺れ?
気象庁の震度階級関連解説表では、震度3は「屋内にいるほとんどの人が揺れを感じる」「棚にある食器類が音を立てることがある」揺れです。被害が出ることはほとんどありませんが、明け方の地震で驚いて転んだり、暗い中で物を踏んだりしないよう注意してください。
今日からやっておきたいこと
- 寝室の安全:今回のような明け方の地震に備え、枕元にスリッパと懐中電灯を。背の高い家具は寝床に倒れない向きに
- 家具の固定:L字金具や突っ張り棒。食器棚は扉にストッパーを
- 備蓄:水は1人1日3リットル×最低3日、できれば1週間分。1週間分の備蓄の量がわかる計算ツールで家族の分を計算
- 津波の避難先の確認:沿岸部では、強い揺れや長い揺れを感じたら津波警報を待たずに高い所へ
- 情報の受け取り方:スマホの緊急速報の設定を確認。最新の地震情報(リアルタイム地図)もブックマークを
地震と天気に直接の関係はありませんが、寒い時期の夜間・明け方の避難は体が冷えます。仙台の寒さの目安は仙台の気候と過去の天気、気仙沼は気仙沼の気候で確認できます。
よくある質問
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- 1週間分の備蓄の量がわかる計算ツール
- 震度6強以上を観測したことがある市町村一覧
- 仙台市5区 地震で揺れやすい区ランキング
- 最新の地震情報(リアルタイム地図)
- 宮城県の市区町村別 地震リスクデータベース
- 気仙沼市の地震リスク
- 石巻市の地震リスク
- 仙台市の地震リスク
- 一関市の地震リスク
- 岩手県の市町村別 地震リスクデータベース
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- ただし2026年は11月7日までで55回と、震災後の同じ時期の平均(82.2回)より少ない
- 近い石巻(鮎川浜)が震度2、遠い気仙沼・一関が震度3。震度2と3の境目の地震では、地盤や震源の向きで1階級ずれることがある
- 宮城県沖のM7.0〜7.5程度のプレート間地震は30年以内に90%程度。寝室の安全・家具の固定・備蓄を見直すきっかけに
出典:気象庁「地震情報」(2026年11月9日5時16分ごろの宮城県沖の地震 震源・震度情報)、気象庁「震度データベース検索」(震央地名「宮城県沖」、1923年1月〜2026年11月7日の検索結果)、気象庁「震度階級関連解説表」、地震調査研究推進本部「宮城県沖」、仙台市「宮城県沖地震等の発生確率」。回数・距離の集計、図表、ツールは当ブログによるものです。

