11月8日 静岡県西部でM5.7、知多市で震度5強|なぜ70km西が最大?余震と南海トラフとの関係、1983年の“そっくり地震”【地震カウンター】

気象

気象予報士ののぶやんです。真夜中の強い揺れ、驚かれた方も多いと思います。まずは身のまわりの安全を確認してください。

【すぐわかる答え】11月8日1時4分ごろ、静岡県西部(浜名湖の北、愛知県との県境付近)の深さ約40kmでM5.7の地震があり、愛知県知多市で震度5強を観測しました。震源から約70km西の知多市が最も強く揺れたのは、揺れが西(伊勢湾・知多半島・西三河)の方向へ強く伝わり、さらに海沿いのやわらかい地盤で増幅された可能性などが考えられます(詳しくは気象庁などの解析待ち)。同じ地域の深さ20〜60kmで1946年以降に起きたM5以上の15回では、その後1週間に最初より大きな地震は起きていませんが、1週間程度は同じくらいの揺れに注意してください。

8日午前1時4分ごろ、東海地方を中心に近畿から関東まで広い範囲が揺れました。気象庁によると、震源は静岡県西部で、震源の深さは約40km、地震の規模(マグニチュード)は5.7。知多市で震度5強、豊田市・瀬戸市・半田市・刈谷市・東海市・新城市など愛知県の8市町と、岐阜県恵那市、長野県売木村、浜松市浜名区で震度5弱を観測しました。この地震による津波の心配はありません。気象庁はこの地震で緊急地震速報を発表していて、真夜中の揺れや速報の音で目が覚めた人も多かったと思います。報道によると、豊田市や常滑市などでけが人が出ています。

この記事では、気象庁の震度データ(今回の1,343観測点)と1919年以降の震度データベースから、「なぜ震源から離れた知多市が最大だったのか」「この地域の地震は、そのあと続くのか」を検証します。いまの地震回数を自動で数えるカウンターと、あなたの市区町村の震度がわかるツールつきです。

この記事の結論(30秒で読める版)
  • 11月8日1時4分、静岡県西部の深さ約40kmでM5.7。愛知県知多市で震度5強、愛知・岐阜・長野・静岡の11市区町村で震度5弱。津波なし
  • 震度1以上を観測したのは29都府県・1,343観測点。震度4以上は125観測点(5強1、5弱14、4が110)
  • 揺れは西へ偏った:震源近くと同じ震度5弱が西へ50〜70kmまで続き、約70kmの知多市の1観測点で震度5強。東へ同じくらい離れた静岡市は葵区が震度2(駿河区・清水区は3)
  • 震源から約40km以内のM5.7以上は1997年3月(M5.9、震度5強)以来。1983年3月16日にはほぼ同じ場所・同じ深さ(40km)・同じM5.7の地震があった
  • 同じ地域の深さ20〜60kmで起きたM5以上(1946年以降15回)のあと、1週間の震度1以上は0〜5回、最初より大きな地震は0回。今回も8日7時30分現在、震源付近の震度1以上は1回(2時3分、震度2)
  • 南海トラフ地震の想定震源域の中だが、M6.8未満のため「南海トラフ地震臨時情報」の対象ではない(評価の目安はM6.8以上)
  • 地震カウンターで今回のあとの地震回数を、過去の地震と並べて確認できます

▶ いまの地震回数と、あなたの市区町村の震度をチェック

11月8日の地震の概要(8日7時30分現在)

項目内容
発生2026年11月8日(日)1時4分ごろ
震源静岡県西部(北緯34.9度・東経137.7度、浜名湖の北・愛知県との県境付近)
深さ・規模約40km・M5.7
最大震度5強:愛知県知多市
震度5弱愛知県 豊田市・瀬戸市・半田市・刈谷市・東海市・みよし市・東郷町・新城市、岐阜県 恵那市、長野県 売木村、静岡県 浜松市浜名区
震度4名古屋市の14区、豊橋市・岡崎市・一宮市・春日井市・豊川市・蒲郡市・安城市、浜松市中央区・天竜区、磐田市・掛川市・袋井市・湖西市・島田市、岐阜県 多治見市・中津川市・関市、長野県 飯田市、三重県 木曽岬町など71市区町村
津波なし
その後の地震2時3分 愛知県東部 M3.3 震度2(8日7時30分現在、震源付近の震度1以上はこの1回)
表A 地震の概要(気象庁の震源・震度情報、8日1時12分発表ほか)

交通機関・ライフライン・けが人の最新の状況は、各事業者・自治体の発表や報道で確認してください。

地震カウンター:震度5強のあと、地震は続いている?

ページを開くたびに気象庁の地震情報を読み込み、11月8日1時4分の地震のあとに、今回の震源から40km以内で起きた震度1以上の地震を数えます。グラフの赤い線が今回、灰色の線は同じ地域で過去に起きた地震(1997年3月 M5.9、2001年4月 M5.3、2018年10月 M5.0、1983年3月 M5.7)のあとの積み上がりです。赤い線が灰色の線より大きく上に伸びていくときは、過去の例より地震活動が活発ということになります。

下の「あなたの市区町村の震度は?」では、都府県と市区町村を選ぶと今回の震度と観測点、揺れの目安がわかります。愛知・静岡・岐阜・長野・三重の市町村は、当ブログの市区町村別 地震リスクデータベースの各ページ(過去の震度別回数・30年以内の確率・地盤)にリンクしています。

静岡県西部の地震 いまの状況(11月8日1時4分の震度5強のあと)
読み込み中…
あなたの市区町村の震度は?(11月8日1時4分の地震)
読み込み中…
一覧にない市区町村は、震度1未満だったか、震度の観測点がない(または入電していない)ところです。
「いまの状況」は気象庁の地震情報(震源・震度情報)をページを開くたびに読み込み、震源が今回の震源(北緯34.94度・東経137.66度)から40km以内の地震を数えます。グラフの灰色の線は、気象庁の震度データベースで同じ範囲の過去の地震のあとに起きた震度1以上の地震の積み上がり(当ブログ集計)です。市区町村の震度は、気象庁の震源・震度情報(8日1時12分発表)を読み込んで表示します。

震度の分布:1,343観測点のうち125か所が震度4以上

気象庁の震源・震度情報(8日1時12分発表)から、震度ごとの観測点の数を数えました。震度1以上は北は新潟県・栃木県、西は広島県・徳島県まで29都府県に広がっています。

震度観測点の数市区町村の数おもな場所
5強11愛知県知多市(知多市緑町)
5弱1411愛知県 豊田市・瀬戸市・半田市・刈谷市・東海市・みよし市・東郷町・新城市、岐阜県 恵那市、長野県 売木村、浜松市浜名区
411071名古屋市の14区、豊橋市・岡崎市・一宮市・春日井市、浜松市中央区・天竜区、磐田市・掛川市、岐阜県 多治見市・中津川市、長野県 飯田市、三重県 木曽岬町など
3238120岐阜市、静岡市清水区・駿河区、津市、大津市、京都市伏見区、彦根市、福井市など
2413215大阪市、神戸市長田区、横浜市中区、富山市、小松市など
1567292東京23区、さいたま市、和歌山市、岡山市、徳島市など
合計1,34371029都府県
表1 11月8日1時4分の地震 震度別の観測点数(気象庁の震源・震度情報から集計)

震度5強・5弱の観測点の多くは、自治体や防災科学技術研究所が設置した観測点(気象庁の発表で「*」がつくもの)です。震度は観測点ごとの揺れなので、同じ市町村の中でも場所によって1段階以上違うことがよくあります。たとえば豊田市は小坂本町など3か所が震度5弱でしたが、大洞町は震度4、山あいの足助町や市西部の保見町などは震度3でした。

なぜ震源から約70km離れた知多市が震度5強だったのか

今回いちばん不思議なのは、震源近くと同じ震度5弱が西へ50〜70km離れた西三河・尾張東部・知多半島まで続き、さらに約70km離れた知多市の観測点で震度5強になったことです。震源(浜名湖の北、愛知県との県境付近)からのおおよその距離と震度を並べてみます。

場所震源からの方向震源からの距離(概算)震度
新城市(大野・作手)北西〜西約10〜25km5弱
浜松市浜名区(三ヶ日町)南西約17km5弱
浜松市中央区(元城町)南約26km4
豊橋市(向山)南西約31km4
長野県 売木村北約37km5弱
岐阜県 恵那市(上矢作町)北西約40km5弱
豊田市(小坂本町)西北西約49km5弱
みよし市・東郷町・瀬戸市西北西約55〜61km5弱
刈谷市・半田市・東海市西約60〜70km5弱
知多市(緑町)西約73km5強
名古屋市中区西北西約73km4
静岡市葵区東約66km2
表2 震源からの距離と震度(距離は各市区町村の中心付近までの当ブログの概算。観測点の位置とは数km違うことがあります)
揺れは西へ偏った:同じ約70kmでも西は5強、東は2〜3 25km 50km 75km 知多市 5強東海市 5弱半田市 5弱刈谷市 5弱東郷町 5弱みよし市 5弱瀬戸市 5弱豊田市 5弱新城市 5弱恵那市 5弱売木村 5弱浜名区 5弱名古屋 4豊橋 4浜松中央区 4磐田 4掛川 4島田 4静岡市 2御前崎 2岐阜市 3四日市 3飯田 4 震源(深さ約40km) 5強 5弱 4 3 2 点線は震源からの距離。位置は市区町村の中心付近(概略)
図1 震源からの距離と震度(気象庁の震源・震度情報をもとに当ブログ作成。地図は簡略図)

図のように、震源から同じ50〜75kmでも、西側(西三河・尾張東部・知多半島)は震度5弱〜5強、東側(静岡市)は葵区が震度2・駿河区と清水区が3と、方向によって2〜4段階の差がつきました。原因の特定には気象庁などの詳しい解析が必要ですが、考えられる理由は3つです。

  • 揺れの出方に「向き」があった可能性:地震の揺れは、断層がずれる向き(発震機構)によって、強く出る方向と弱く出る方向ができます。今回の詳しいメカニズムは気象庁などの解析を待つ必要がありますが、震度の分布は「西へ強く出た」ことを示しています
  • 伊勢湾沿いのやわらかい地盤:5強の知多市や5弱の東海市・半田市は、伊勢湾・衣浦湾沿いの低地や埋め立て地が広がる地域で、やわらかい地盤は揺れを大きくします。ただし山あいの新城市作手・売木村・恵那市上矢作町も5弱だったので、地盤だけでは説明できません
  • 震源が深いと、広い範囲が同じくらいの震度になりやすい:震源が約40kmと深いため、震源の真上と数十km先とで「震源までの距離」の差が小さくなります(真上で約40km、西へ50km離れても約64km)。そのため震度5弱の範囲が広がり、地盤や揺れの向きの条件がそろった場所で1段階強くなったと考えられます

自分の住む場所の地盤の揺れやすさや、過去にどれくらい揺れてきたかは、知多市の地震リスク・豊田市の地震リスク・名古屋市の地震リスクなどの市区町村ページや、名古屋市16区 地震で揺れやすい区ランキングで確認できます。

震度5強・5弱・4はどれくらいの揺れ?

気象庁の「震度階級関連解説表」をもとに、今回観測された震度の揺れと、家の中で起きやすいことをまとめました。震度5弱以上の地域では、明るいうちに家の中と外まわりを確認してください。

震度人の感じ方屋内のようす屋外・建物
5強物につかまらないと歩くことが難しい棚の食器や本の多くが落ちる。固定していない家具が倒れることがある補強されていないブロック塀が崩れることがある。耐震性の低い木造住宅で壁にひび
5弱大半の人が恐怖を覚え、物につかまりたいと感じるつり下げ物は激しく揺れ、棚の食器や本が落ちることがあるまれに窓ガラスが割れて落ちることがある。電柱が揺れるのがわかる
4ほとんどの人が驚く。歩いている人のほとんどが揺れを感じるつり下げ物は大きく揺れ、座りの悪い置物が倒れることがある電線が大きく揺れる。自動車の運転中に揺れに気づく人がいる
3屋内にいるほとんどの人が揺れを感じる棚の食器類が音を立てることがある電線が少し揺れる
表3 震度ごとの揺れの目安(気象庁「震度階級関連解説表」を当ブログで要約)

今回、震度5強・5弱を観測した場所のほとんどは住宅地や市役所・町役場の近くです。築年数の古い木造住宅やブロック塀は、目に見えない傷みが残っていることがあります。気になるひび割れや傾きがあれば、自治体の相談窓口に連絡しましょう。また、震度は「その観測点の揺れ」なので、震度4の地域でも地盤や建物の階によっては震度5弱程度の揺れになった場所があったかもしれません。高い階ほど揺れが大きくなりやすいことも覚えておきましょう。

南海トラフ地震との関係は?

今回の震源は、国が想定する南海トラフ巨大地震の想定震源域の中にあります。ただし、気象庁が「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」を出して評価を始める目安は、想定震源域とその周辺の監視領域でM6.8以上の地震などです。今回のM5.7はこれを下回るため、臨時情報の対象ではありません。NHKは、今回の地震は南海トラフ巨大地震とはメカニズムが異なると報じています。

東海地方の地下(南北の断面・模式図) 陸(浜松・奥三河) 遠州灘・南海トラフ 陸のプレート 沈み込むフィリピン海プレート プレート境界(南海トラフ巨大地震はここがずれる) 今回の震源 深さ約40km・M5.7 ※深さ・形は模式的なもの。今回の震源がプレートの境界付近か内部かは、気象庁などの解析結果を確認してください
図2 南海トラフのプレート境界と今回の震源の深さ(模式図、当ブログ作成)

東海地方の地下では、南の遠州灘から沈み込むフィリピン海プレートが、北へ行くほど深くなっています。南海トラフ巨大地震は、このプレートと陸のプレートの境界が広い範囲で一気にずれる地震です。一方、今回のような深さ30〜40kmのM5〜6の地震は、この地域でときどき起きていて、1997年3月の愛知県東部(M5.9)や2001年4月の静岡県中部(M5.3)なども同じような深さで起きています。

今回の地震が「南海トラフ巨大地震の前触れかどうか」を判断する方法はありません。逆に「関係ないから安心」とも言えません。南海トラフ巨大地震は、今回とは関係なくいつ起きてもおかしくないと考えられているので、今回をきっかけに備えを見直すのがいちばんです(防災庁が挙げた5つの巨大災害と都道府県別チェッカー)。

1983年にも「ほぼ同じ場所・同じ深さ・同じ規模」の地震があった

気象庁の震度データベースで、今回の震源のまわり(北緯34.5〜35.3度・東経137.2〜138.1度)で1919年以降に起きた震度1以上の地震を調べると、685回ありました。そのうちM5.0以上と、震度4以上の地震を並べます。

発生日震源深さM最大震度
2022年4月7日愛知県東部11km4.74
2020年9月27日静岡県西部45km5.14
2018年10月7日愛知県東部42km5.04
2013年8月3日遠州灘34km4.94
2008年11月24日岐阜県美濃東部11km3.94
2007年6月1日静岡県西部13km4.34
2001年4月3日静岡県中部30km5.35強
2001年2月23日静岡県西部32km5.04
1997年5月24日遠州灘23km6.03
1997年3月16日愛知県東部39km5.95強
1996年10月5日静岡県中部32km4.64
1993年1月11日愛知県西部56km5.03
1983年11月24日静岡県西部36km5.23
1983年3月16日静岡県西部40km5.74
1981年8月18日長野県南部50km5.13
1963年4月21日長野県南部5km5.03
1958年5月4日愛知県東部31km5.03
1950年2月22日遠州灘24km5.02
1949年6月17日静岡県西部7km5.13
1948年8月13日静岡県西部26km5.03
1947年6月21日愛知県東部42km5.02
1947年2月21日静岡県西部7km5.53
1946年6月9日静岡県西部35km5.02
1935年4月9日静岡県西部45km5.63
1926年3月15日愛知県西部32km5.32
表4 今回の震源のまわりで起きたM5.0以上または震度4以上の地震(1919年〜2026年11月6日。震源が深さ250km以上の地震と、1944年東南海地震の直後〜1945年の地震は除く。気象庁「震度データベース検索」から当ブログ集計)

目を引くのは1983年3月16日2時27分の静岡県西部の地震です。震源は今回より約16km南、深さは同じ40km、規模も同じM5.7で、同じ真夜中の時間帯でした。当時の最大震度は4(1996年より前は震度5弱・5強の区別がなく、震度も体感などで決めていたため単純には比べられません)。43年前にも、この地下ではほぼ同じタイプの地震が起きていたことになります。

また、この範囲でM5.7以上は1997年5月の遠州灘の地震(M6.0)以来29年ぶり(震源から40km以内では1997年3月の愛知県東部 M5.9以来)、震度5強以上は2001年4月の静岡県中部の地震(M5.3)以来約25年ぶりです。震度5弱・5強が分けられた1996年以降の約30年で、この範囲の震度5強は1997年・2001年・今回の3回です。

余震は続く?同じ地域の過去15回の「その後1週間」

表4と同じ範囲で、今回のように深さ20〜60kmで起きたM5以上の地震は、1946年以降に15回ありました(1944年の東南海地震・1945年の三河地震の直後は余震が多く、比べられないため1946年以降としました)。それぞれのあと1週間に、その地震の震源から40km以内で起きた震度1以上の地震を数えると、次のようになります。

発生M・最大震度その後1週間の地震最初より大きな地震
1997年3月16日 愛知県東部M5.9・5強5回(最大M4.0・震度3、直後〜23時間後)なし
2001年4月3日 静岡県中部M5.3・5強3回(最大M4.1・震度2、3時間以内)なし
2001年2月23日 静岡県西部M5.0・41回なし
2018年10月7日 愛知県東部M5.0・41回(4日後、震度1)なし
1947年6月21日 愛知県東部M5.0・21回なし
1983年3月16日 静岡県西部M5.7・40回なし
2020年9月27日 静岡県西部ほか8回(1997年5月 遠州灘 M6.0など)M5.0〜6.00回なし
表5 同じ地域の深さ20〜60km・M5以上の地震のあと1週間の地震(気象庁「震度データベース検索」から当ブログ集計。それぞれの震源から40km以内・震度1以上。1944〜45年の東南海・三河地震の直後は除く)

この地域の深い地震は、余震が少ない傾向があります(1940〜80年代は震度の観測点がいまよりずっと少なかったので、昔の回数は少なめに出ている点には注意が必要です)。15回のうち10回は、その後1週間に震度1以上の地震が1回もありませんでした。最も多かった1997年3月でも5回で、ほとんどが最初の数時間に集中しています。そして最初の地震より大きな地震が1週間以内に起きた例は、15回のうち1回もありません。今回も、8日7時30分現在で震源付近で観測された震度1以上の地震は、2時3分の愛知県東部の地震(M3.3、震度2)の1回です。

ただし、過去に例がないことは「起きない」という意味ではありません。気象庁は、大きな地震のあと1週間程度は同じくらいの揺れに注意するよう呼びかけています(2026年10月の千葉県北東部の震度5弱でも同じでした)。11月15日ごろまでは、寝室の家具や枕元の備えを確認しておきましょう。

今日からやっておきたいこと

  • 割れたガラス・落ちた物の片付けは靴をはいて:震度5弱以上の地域では、棚の食器や本が落ちている可能性があります。明るいうちに家の中と外壁・ブロック塀を確認しましょう
  • 寝室の安全:今回は真夜中の地震でした。ベッドや布団のまわりに倒れる家具・落ちる物がないか、枕元に靴・ライト・眼鏡があるかを確認
  • 水と食べ物の備蓄:南海トラフ巨大地震では、愛知・静岡で長期間の断水が想定されています。1週間分の備えのチェックリストで家族の人数分を計算できます
  • 地震の情報の受け取り方:緊急地震速報が鳴らなかった・遅れたと感じた人は、緊急速報メールの受け取り方や緊急地震速報のしくみも確認を
  • デマに注意:大きな地震のあとは「〇日に大地震が来る」といった根拠のない情報が広がりがちです。地震の予知は現在の科学ではできません(「バヌアツの法則」の検証)
  • 雨のときは斜面に注意:揺れの強かった山あいでは、斜面や崖がゆるんでいることがあります。雨の日はふだんより早めに土砂災害に注意してください(都道府県別の水害リスク)

保育園・学校の対応が気になる方は、台風・大雪・地震のとき保育園は休み?登園判断の3つの基準も参考にしてください。いまの全国の地震の発生状況は、当ブログの地震速報リアルタイム地図でいつでも見られます。

よくある質問

Q. 11月8日の静岡県西部の地震の震度とマグニチュードは?
A. 11月8日1時4分ごろ、静岡県西部の深さ約40kmを震源とするM5.7の地震があり、愛知県知多市で震度5強、愛知県の豊田市・瀬戸市・半田市・刈谷市・東海市・みよし市・東郷町・新城市、岐阜県恵那市、長野県売木村、浜松市浜名区で震度5弱を観測しました。津波の心配はありません。
Q. なぜ震源から離れた知多市が震度5強だったのですか?
A. 震源から約70km西の知多市や、60km前後の刈谷市・半田市・東海市・瀬戸市などで震度5弱以上になった一方、東へ同じくらい離れた静岡市は葵区が震度2(駿河区・清水区は3)でした。揺れが西の方向へ強く出た可能性と、伊勢湾沿いのやわらかい地盤で揺れが増幅されたことなどが考えられます。詳しいメカニズムは気象庁などの解析を確認してください。
Q. 南海トラフ地震と関係はありますか?
A. 震源は南海トラフ巨大地震の想定震源域の中ですが、南海トラフ地震臨時情報の評価を始める目安(想定震源域とその周辺の監視領域でM6.8以上など)を下回るため、臨時情報の対象ではありません。NHKは、南海トラフ巨大地震とはメカニズムが異なると報じています。
Q. 余震は続きますか?
A. 同じ地域の深さ20〜60kmで1946年以降に起きたM5以上の15回では、その後1週間の震度1以上の地震は0〜5回(昔は観測点が少なかったため少なめの数字です)で、最初より大きな地震は1回もありませんでした。ただし例外がないとは言えないため、気象庁は1週間程度、同じくらいの揺れに注意するよう呼びかけています。
Q. この地域で過去に同じような地震はありましたか?
A. 1983年3月16日2時27分に、今回より約16km南の静岡県西部で、深さ40km・M5.7という、ほぼ同じタイプの地震がありました。また1997年3月16日には愛知県東部の深さ39kmでM5.9の地震があり、震度5強を観測しています。
Q. 震度5強はどれくらいの揺れですか?
A. 気象庁の震度階級関連解説表では、物につかまらないと歩くことが難しく、棚の食器類や本の多くが落ち、固定していない家具が倒れることがある揺れとされています。
Q. 自分の市町村の震度や、過去の揺れの回数を調べるには?
A. 記事内のツール「あなたの市区町村の震度は?」で今回の震度と観測点を確認できます。愛知・静岡・岐阜・長野・三重の市町村は、当ブログの市区町村別 地震リスクデータベースで過去の震度別回数や30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を見られます。
あわせて読みたい:東海地方と最近の地震
まとめ
  • 11月8日1時4分、静岡県西部の深さ約40kmでM5.7。知多市で震度5強、11市区町村で震度5弱。津波なし
  • 震度1以上は29都府県・1,343観測点。揺れは西へ偏り、約70km離れた知多市が最大、東の静岡市は震度2〜3
  • この地域のM5.7以上は29年ぶり。1983年3月にもほぼ同じ場所・深さ・規模の地震
  • 同じ地域の過去15回は、1週間の地震が0〜5回でより大きな地震は0回。それでも11月15日ごろまでは注意
  • 南海トラフ臨時情報の対象ではないが、巨大地震への備えを見直すきっかけに

出典:気象庁「地震情報」(2026年11月8日1時4分ごろの静岡県西部の地震 震源・震度情報、顕著な地震の震源要素更新のお知らせ)、気象庁「震度データベース検索」(北緯34.5〜35.3度・東経137.2〜138.1度、1919年1月〜2026年11月6日)、気象庁「震度階級関連解説表」、気象庁「南海トラフ地震に関連する情報」、NHKニュース(2026年11月8日)、中日新聞(2026年11月8日)。回数・距離の集計、図表、ツールは当ブログによるものです。

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