雪の日が多い県といえば、誰もが北海道を思い浮かべるでしょう。年間ではその通り。ところが真冬の1月・2月に限ると、日本一は北海道ではなく青森県になります。1月の青森は雪の出現率79%——5日のうち4日は雪という驚異的な数字です。
この記事では、当ブログで集計した全国の天気出現率をもとに、雪の日が多い都道府県ランキングを年間・月別に作成しました。比較しやすいように偏差値も付けています。

僕の簡単なプロフィールです。
- 気象予報士
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このランキングの特長は「ほぼ60年」の独自集計
気象庁が公表している天気出現率は直近30年の統計ですが、当ブログでは1968年〜2025年の約60年(58年分)の観測データから独自に集計しています。温暖化で雪が減りつつある近年だけでなく、昭和の豪雪時代も含んだ「その県本来の雪のクセ」が見えるのが特長です。
カウントしているのは、1日の天気概況で「雪」が観測された日の割合です。降雪量や積雪の深さではなく「雪の日がどれだけあるか」のランキングである点にご注意ください。雪の量で見たランキング(降雪量・最深積雪)とは順位が変わるのも見どころです。
偏差値の見方
偏差値は47都道府県の平均を50として、平均からの離れ具合を表します。年間の雪出現率は平均5.77%・標準偏差6.41%。雪は「降る県」と「降らない県」の差が極端なため、上位県の偏差値は軒並み70超えという他のランキングでは見られない分布になります。
雪の日ランキング比較ツール(年間・月別)
上のボタンで年間と各月を切り替えられます。バーの長さが雪の出現率、右側に偏差値を表示しています。1月と2月で1位が入れ替わる瞬間をぜひツールで確かめてみてください。
※年間上位10県の簡易表示です(公開ページでは年間・各月を切り替えて47都道府県すべてのランキングが表示されます)
【年間】雪の日が多い都道府県ランキング
| 順位 | 都道府県(地点) | 雪の出現率 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 北海道(札幌) | 24.78% | 79.7 |
| 2位 | 青森県(青森) | 23.33% | 77.4 |
| 3位 | 秋田県(秋田) | 20.74% | 73.4 |
| 4位 | 山形県(山形) | 17.64% | 68.5 |
| 5位 | 岩手県(盛岡) | 17.56% | 68.4 |
| 6位 | 新潟県(新潟) | 13.63% | 62.3 |
| 7位 | 長野県(長野) | 13.47% | 62.0 |
| 8位 | 福島県(福島) | 12.62% | 60.7 |
| 9位 | 石川県(金沢) | 10.73% | 57.7 |
| 10位 | 富山県(富山) | 10.51% | 57.4 |
年間1位は北海道! 偏差値79.7の貫禄
年間1位は北海道(札幌)の24.78%・偏差値79.7。1年の4分の1、つまりほぼ3ヶ月分は雪の日という計算です。2位の青森県23.33%(偏差値77.4)との差はわずか1.45ポイントで、実は大接戦。3位秋田、4位山形、5位岩手と、上位は北日本の日本海側が占めます。
6位新潟、7位長野(偏差値62.0)、9位金沢、10位富山と、本州の豪雪地帯が続きます。最深積雪ランキングでは新潟県の山沿いが上位を独占しますが、雪の「日数」で見ると平野部の気象台では北日本勢に及ばない——量と頻度の違いがよくわかります。
下位は宮崎・静岡…唯一の「雪ゼロ」は沖縄
| 順位 | 都道府県(地点) | 雪の出現率 | 偏差値 |
|---|---|---|---|
| 43位 | 鹿児島県(鹿児島) | 0.79% | 42.2 |
| 44位 | 高知県(高知) | 0.70% | 42.1 |
| 45位 | 静岡県(静岡) | 0.30% | 41.5 |
| 46位 | 宮崎県(宮崎) | 0.15% | 41.2 |
| 47位 | 沖縄県(那覇) | 0.00% | 41.0 |
最下位は沖縄県の0%。58年間の観測で、那覇の天気概況に「雪」は一度も現れていません(2016年1月に沖縄本島でみぞれが観測された際も、この統計の対象地点・那覇では雪日となっていません)。46位宮崎0.15%、45位静岡0.30%と続きますが、逆に言えば沖縄以外の46都道府県には雪の日があるということ。東京でも年間1.26%=年4〜5日は雪が降っています。
【月別】雪の日が多い都道府県ランキング
雪の季節である11月〜4月を月ごとに見ていきます。冬の深まりとともに、1位の座が北海道→青森→北海道と動くのが面白いところです。
11月のランキング
- 北海道(札幌)29.4%
- 青森県(青森)19.7%
- 秋田県(秋田)13.4%
- 岩手県(盛岡)11.8%
- 山形県(山形)7.1%
初雪の季節は北海道の独走(29.4%)。この時期はまだ本州との差が大きく、冬の入り口が北から順に訪れることがわかります。
12月のランキング
- 北海道(札幌)61.5%
- 青森県(青森)61.5%
- 秋田県(秋田)54.6%
- 岩手県(盛岡)43.7%
- 山形県(山形)43.7%
札幌と青森が61.5%で全くの同率1位。年の瀬には既に「3日のうち2日は雪」の世界です。
1月のランキング
- 青森県(青森)79.0%
- 秋田県(秋田)75.4%
- 北海道(札幌)73.4%
- 山形県(山形)66.0%
- 岩手県(盛岡)57.9%
青森が79.0%で単独1位に浮上。5日のうち4日は雪が降る計算で、これは全月・全県を通じて最大の値です。青森市が「世界有数の豪雪都市」と呼ばれる理由がこの数字に凝縮されています。新潟56.2%、金沢46.1%と北陸勢もこの月がピークです。
2月のランキング
- 青森県(青森)71.7%
- 北海道(札幌)71.3%
- 秋田県(秋田)66.8%
- 山形県(山形)59.6%
- 岩手県(盛岡)55.0%
青森71.7%、札幌71.3%と僅差の戦いが続きます。真冬の主役は津軽と石狩、どちらも「雪と暮らす街」です。3位以下の秋田・山形・盛岡も50%を超え、北日本の冬の厳しさが伝わります。
3月のランキング
- 北海道(札幌)51.2%
- 青森県(青森)44.0%
- 岩手県(盛岡)37.9%
- 秋田県(秋田)37.2%
- 山形県(山形)33.2%
1位が札幌(51.2%)に戻ります。日本海側の低地では雨に変わり始める中、気温の低い北海道はまだ半分以上が雪の日。春の訪れの「時差」が順位に表れます。
4月のランキング
- 北海道(札幌)11.2%
- 青森県(青森)5.9%
- 岩手県(盛岡)5.9%
- 山形県(山形)3.9%
- 秋田県(秋田)3.4%
4月でも北海道は11.2%=3日に1日ペースならぬ9日に1日は雪。東京で桜が散る頃、札幌はまだ冬の名残の中です。
5月〜10月は?
5月に雪日がわずかに残るのは北海道・青森・岩手(いずれも0.1%)のみ。6月〜10月は、47都道府県の気象台すべてで雪の出現率0%です。富士山や立山など高山を除けば、日本の平地の雪は「11月に始まり5月に終わる」ことがデータからも確認できます。
偏差値で見つかる「規格外」の県
- 年間の最高偏差値は北海道の79.7。全ランキング記事の中でも屈指の「独走型」分布です。
- 1月の青森79.0%は全月・全県の最大値。単月で見れば北海道をも上回る、まさに世界級の豪雪都市。
- 沖縄の0%を除けば、46都道府県すべてに雪の日あり。「雪が1日も降らない県」は沖縄だけ。
降雪量・積雪ランキングと比べてみると?
雪の「量」のランキングでは、降雪量・最深積雪ともに新潟県の山沿いや青森の酸ケ湯が上位を独占します。ところが「日数(頻度)」で見ると、気温が低くカラッと降り続く北海道・北東北が上位に来ます。北陸は一度に降る量こそ多いものの、気温が高めで雨に変わる日も多く、日数では中位に留まる——「量の北陸・頻度の北日本」という構図が見えてきます。雪の日数ランキング(アメダス平年値ベース)との比較も面白いですよ。
市町村単位で見ると、順位は変わる可能性大
このランキングは各都道府県の気象台所在地(多くは平野部の県庁所在地)の値です。同じ県でも山沿いに行けば話は別で、たとえば新潟県の津南や十日町、群馬県のみなかみなど、山沿いの市町村では雪の日も量も気象台の数倍になります。天気概況の観測は気象台のみのため市町村別の雪日ランキングは作れませんが、アメダスの雪日数データを見ると、同じ県内での「雪格差」がよくわかります。県の代表地点の順位=県全体の順位ではない点はお含みおきください。
【参考】沖縄・奄美の離島地点
名瀬(奄美)・石垣島・宮古島・与那国島の雪出現率は、いずれも年間0%。1901年に名瀬でみぞれの記録があるとされますが、今回の集計期間(1968年〜)では南西諸島に雪の日はありません。
まとめ
- 雪の日が多い県の年間1位は北海道(24.78%・偏差値79.7)、2位青森県と大接戦。
- 真冬の1月・2月は青森県が日本一。1月の79.0%(5日に4日が雪)は全データ中最大。
- 12月は札幌・青森が61.5%で同率1位。3月からは再び北海道がトップに。
- 「量の北陸・頻度の北日本」——降雪量ランキングとは顔ぶれが変わるのが面白いポイント。
- 雪の日が1日もないのは沖縄県だけ。東京でも年4〜5日は雪が降る。
- 約60年の独自集計だから、昭和の豪雪時代も含めた「県本来の雪のクセ」が見える。
天気出現率をもとにした晴れ・雨・くもりのランキング、雪の量のランキングはこちらです。








